中学受験算数/規則性

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周期・数列[編集]

数をならべたものを数列(すうれつ)といいます。中学受験では、とくにある決まりにしたがって数をならべる問題がでます。

周期[編集]

  • 問「数が「9,8,7,9,8,7,……」とならんでいるとします。」
  1. 50番目の数は何でしょうか。
  2. 2014番目の数は何でしょうか。
  3. この数の和が500より大きくなるときの数は何番目の数でしょうか。また、そのときの数を答えなさい。

まず、この数列が「9,8,7」をくりかえしていることがわかりますね。そして、7は3の倍数番目に来ることが考えられます。

1から解いていきましょう。「7」は3の倍数番目に来ることから、50÷3の計算をします。こうすると「16あまり2」がでます。この計算ではあまりが大切です。なぜなら、3で割り切れる(あまりが0)なら、N番目の数は3の倍数となるからです。しかし、この計算で2あまりました。このことは「7」から2進んだ数が50番目の数であることをしめしています。ですから、「7」から2進んだ数、つまり「8」が答えとなります。

2も同じようにときます。「2014÷3=671あまり1」となるので、「7」から1進んだ数「9」が2014番目の数です。

3はどうでしょうか。「9,8,7」をくりかえしていますから、この和をもとめます。すると、24となります。つまり、「9,8,7,9,8,7,……」は「24,24,24,……」と書き直せるのです。ここで、「500÷24」の計算をします。すると、「500÷24=20あまり20」です。ここで、500からあまりを引いた480を考えます。商から20番目の「24」であることがわかるので、3×20=60で、60番目の数でここは「7」です。そして20×24=480となります。問題では「500より大きくなるとき」とありますから、480+9+8+7=504となる「7」が正解です。また、この「7」は63番目にあります。したがって答えは「63番目で、数は「7」」となります。

数列[編集]

まず3つの数列を見てみましょう

  1. 「2,5,8,11,14,……」
  2. 「1,2,4,8,16,……」
  3. 「1,2,4,7,11,16,……」

1の数列は3ずつ増えていることがわかります。このような数列を等差数列(とうさすうれつ)といいます。2の数列は次に行くたびに×2していることがわかります。この数列を等比数列(とうひすうれつ)といいます。3は一見、不規則なようですが、増え方をみると、「+1,+2,+3,+4,+5,……」となっています。このような増え方の数列を階差数列(かいさすうれつ)といいます。3の数列は、階差数列が等差数列である数列です。

問題と解説に入る前に、少しむずかしいのですが、数列についての言葉を説明します。まず、数列のそれぞれの数を(こう)といいます。そして最初の数を初項(しょこう)といいます(第1項といってもかまいませんが、「初項」の方がよく使われます)。それ以降の2番目・3番目・4番目……のことを第2項・第3項・第4項……といいます。また、項の数を項数(こうすう)といい、最後の項を末項(まっこう)といいます。

また、等差数列のときの増え方を公差(こうさ)といい、等比数列のときの増え方を公比(こうひ)といいます。公差は「後の数-前の数」で、公比は「後の数÷前の数」で求められます。となり同士の数であれば、どこで計算しても公差と公比は求められます。

では、確認しましょう。

  1. 等差数列「3,7,11,15,19,23」の、初項・末項・項数・公差を答えなさい。
  2. 等比数列「2,8,32,128」の、初項・末項・項数・公比を答えなさい。
  3. 等差数列「1,3,5,7,9,11,13」において、第3項・第5項・第7項の数を答えなさい。

それぞれの言葉の意味を確認しておけばやさしい問題です。

  • 1は初項3・末項23・項数6・公差4です。
  • 2は初項2・末項128・項数4・公比4です。
  • 3について。「第3項・第5項・第7項」は「3番目・5番目・7番目」と同じ意味です。ですから、第3項が5・第5項が9・第7項が13です。

等差数列[編集]

  1. カッコに入る数は何ですか。(1)「5,12,19,26,(  )」(2)「(  ),12,17,23,28」(3)「5,9,13,17,21,…,(  ),41」
  2. 「7,13,19,25,…」と続く数列があります。(1)この20番目の数を答えなさい。(2)159は何番目に来ますか。
  3. つぎの計算をしなさい。(1)「1+2+3+…+18+19+20」(2)「2+4+6+…+40+42」

1について。(1)は公差7の等差数列ですね。したがって、26のつぎは33です。(2)は公差が5です。したがって、12の前は5を引いた7となります。(3)は公差が4ですから、同じように41-4で出ます。答えは37です。

2について。(1)第20項ですから書いて求めることもできます。しかし、それは大変ですし、計算ミスしそうです。ここで、植木算の考えを使ってみましょう。数を木と同じように考えると間が19あることがわかります。そして、間の分だけ増えるのですから、初項7に19回4を足すのと同じです。よって、7+19×4=83となり、答えは83です。(2)先ほどの式「7+19×4=83」をもう一度見てみましょう。初項の7を引いてしまえば増え方だけがわかりそうです。増え方はまだわからないので、ここでは□(四角)としましょう。すると、「□×4=152」となります。ですから、これを逆算すると、「152÷4=□」となりますので、□は38となります。しかし、これは増え方(=植木算の間)でしたから、これに1を足さなければなりません。したがって、答えは38+1=39で、39番目(第39項)が答えです。

3について。(1)一つ一つ計算しては非常に大変です。ここで、いくつかのことに注目しましょう。まず、この式から+を取り除くと等差数列になるということです。そして、初項と末項、第2項と第19項、第3項と第18項を足していくと、すべて21となります。これをくりかえすと10(第10項)+11(第11項)まで同じ計算ができ、その和が21となることがわかります。そして、21は10個あるのですから、21×10=210となります。(2)も同じようにします。すると、44ができていきます。しかし、今度は20(第10項)と24(第12項)の間に22(第11項)があります。ですから先の式と似ていますが、22を足さねばなりません。よって、44×10+22=462となります。

最後に等差数列の公式をのせます。実は先ほどの計算はこの公式を使えば簡単にとけます。しかし、中学受験では考え方が非常に重視されます。公式の丸暗記と当てはめだけではとけないものも多いのです。ですから、あえてここでは公式を使いませんでした。また、公式を忘れそうになったら、先ほどの考え方を使ってみるのも大切です。

等差数列の公式
  • N番目の数=初項+公差×(N-1)
  • 等差数列の和=項数×(初項+末項)÷2

等比数列[編集]

まず、等比数列の基本的な問題を見ていきましょう。

  1. カッコに入る数をこたえなさい。

①3, 12, 48, (  ) ②8, 4, 2, 1, (  )

  1. 「3, 6, 12, 24,……」という数列があります。192は第何項ですか。

それぞれの問題を見ていきましょう。 1の1はそれぞれの項に4をかけ算していることから、初項3・公比4の等比数列であることがわかります。ですから、48×4=196がカッコの答えです。 1の2は減っているので少しわかりにくいのですが、よく見るとそれぞれの項に1/2をかけていることがわかりますね。そのため、1×1/2=1/2が答えです。

2は初項3公比2であることはわかります。しかし、192が第何項になるかはわかりませんね。ここで、等比数列の性質を考えてみましょう。等比数列は初項に次々と公比の数をかけたものです。ですから、こんどは逆に192を公比でわっていきましょう。

  • 192÷2=96
  • 96 ÷2=48
  • 48 ÷2=24
  • 24 ÷2=12
  • 12 ÷2=6
  • 6 ÷2=3

公比でわっていくと、6回目に初項の3が出てきました。これから、3に2を6回かけたものであることがわかります。初項の分まで入れると、1+6=7で、第7項となります。

この節の最後に等比数列の公式を紹介します。等差数列の公式よりも難しいですが、ぜひ身につけておくようにしてください。

等比数列の公式
  • N番目の数=初項に公比を(N-1)回かける
  • 公比が1ではないとき:等比数列の和=(末項×公比-初項)÷(公比-1)
  • 公比が1のとき:N個の等比数列の和=初項×N
等比数列の和の公式について(発展)[編集]

ここで、少し等比数列の和の公式について説明します。解説内容には中学・高校内容もふくまれます。とても難しいので、具体例の所だけを見てもかまいません。

公比をr(rは1ではない)とする等比数列があるとします。この等比数列の和はわからないので、かりに和をSとします。すると、という式を作れます。ここで、n+1番目の数を登場させます。このとき、第2項からn+1番目の数までの和はr×Sとなります。ですから、という式が作れます。

ここで、r×S-Sの計算をします。

こうすると、が消えて、となります。等比数列の場合、n+1番目の数は、末項に公比rをかけたものですから、とできます。また、両辺を(r-1)でわると、Sが出てきます。したがって、となり、これを日本語にすると、等比数列の和=(末項×公比-初項)÷(公比-1)となおせます。

正確な証明は以上の通りですが、中学・高校内容をふくむので、とても難しかったでしょう。以下では、具体的な例を紹介します。

例1.3+9+27+81+243+729の計算。

S=3+9+27+81+243+729とする。公比は3なので、3×S=9+27+81+243+729+2187とできる。3×S-Sの計算をすると、3×S-S=(9+27+81+243+729+2187) - (3+9+27+81+243+729)となる。27+81+243+729の部分はひき算で消えるので、3×S-S=2187-3に整理できる。また、Sは1×Sとできるので、計算の決まりから、3×S-1×S=(3-1)×Sとできる。よって、2×S=2184となる。両辺を2でわると、S=1092となる。だから、3+9+27+81+243+729=1092

例2.1+4+16+64+256+1024+4096の計算。

S=1+4+16+64+256+1024+4096とする。公比は4なので、4×S=4+16+64+256+1024+4096+16384とできる。4×S-Sの計算をすると、4×S-S=(4+16+64+256+1024+4096+16384) - (1+4+16+64+256+1024+4096)となる。4+16+64+256+1024+4096はひき算できえるので、4×S-S=16384-1に整理される。計算の決まりから、4×S-S=3×Sなので、3×S=16383。両辺を3でわって、S=5461。よって、1+4+16+64+256+1024+4096=5461

階差数列・その他の数列[編集]

はじめに見たように、増え方の数列を階差数列と言います。さっそく、階差数列の基本問題を見ていきましょう。

  1. カッコに入る数をこたえなさい。
    1. 4, 6, 10, 16, ( )
    2. 7, 10, 18, 31, 49, ( )
    3. 5, 10, ( ), 26, 37, 50, 65

どれも、階差数列を見ればごく普通の等差数列です。1の数列では最初に2、その後は4,6と増え方が変化していますね。増える数は2ずつ足されていますから、1のカッコに入るときには8増えているはずですから、16+8=24です。2は最初に3増え、その後は8、13、18と増え方が変わっています。このことから、増える数は5ずつ足されていることがわかります。2のカッコに入るときには23を足せばいいので、49+23=72となります。 3はあたえられた数列を見ると、26―+11―37―+13―50―+15―65と、やはり増え方が等差数列になっています。2ずつ増えていますから、カッコに入るとき7増えているはずです。よって、10+7=17で、カッコに入るのは17です。

では、次は階差数列の応用問題です。

  • 1, 5, 11, 19, 29, …… と続く数列があります。
    • 第30項の数をこたえなさい。

この数列の階差数列が等差数列であることはわかるでしょう。しかし、第30項まで計算するのは難しそうです。ここでは、増え方に注目します。植木算の考え方を使うと、第30項ですから、29回増えますね。そして、増え方の方は、初項4、公差2の等差数列です。第29項は公式を使うと、4+(29-1)×2=60です。さらに等差数列の和の公式を使うと、29×(4+60)÷2=928となります。最後に、もとの数列の初項1と928を足します。答えは929です。

次にちょっと変わった数列を見ていきましょう。

  • 2,3,4,4,5,6,8,9,10,16,17,18,……

これまで見てきた等差数列・等比数列・階差数列が等差数列のどれにも当てはまりませんね。しかし、よく見ると何か規則性がありそうです。この数列をカッコでくぎってみましょう。

  • {2,3,4},{4,5,6},{8,9,10},{16,17,18},……

このようにすると、初項から第3項、第4項から第6項、第7項から第9項、第10項から第12項までが公差1の等差数列でグループ分けできました。また、第4、7、10項は初項、第4、第7項の数に2をかけたものであることがわかります。このように、グループ分けすることで解ける数列の問題を群数列(ぐんすうれつ)の問題と言います。群数列の問題には次のようなものもあります。

  • 2,2,4,2,4,6,2,4,6,8,2,4,6,8,10,……

これもくぎってみましょう。

  • {2},{2,4},{2,4,6},{2,4,6,8},{2,4,6,8,10},……

これは最初のグループが2のみ、第二のグループが2と4、第三のグループが2、4、6……というように、グループの順番と偶数の個数が同じになりますから、群数列の考え方を使うことができます。

最後にもう一つ数列を見てみましょう。

  • 「1,1,2,3,5,8,13,21,34,……」

さきほどの数列のどれにも当てはまりませんね。でも、よく見ると何か規則性が見つかりませんか。そうです。つぎの数に行くときに前の数を足していることがわかりますね。このように「前の数+今の数=つぎの数」となるような数列をフィボナッチ数列といいます。フィボナッチ数列はとてもむずかしいので、それほど中学入試ででるわけではありませんが、この考え方を知っておくと便利です。なお、「場合の数」で、フィボナッチ数列やそれに似た数列が出てくることがあります。

受験の問題として出題されるような数列は、たいていの場合ある規則性にしたがって、数がならんでいます。その規則性をみやぶることができるかどうかが問われています。数列の問題を解くためのポイントは次の通りです。

  1. 項同士の差を求める。
  2. 項同士をわってみる。
  3. 同じ数がどこかで出てこないか。出てきたのは何番目か。
  4. 分数の数列は約分できるか、分子と分母を入れかえてみる(逆数)などをためしてみる。
  5. あとで紹介する素数など、特別な数列は覚えておく。

(こよみ)[編集]

暦(グレゴリオ(れき))の知識を説明します。

  • 月の長さ
4月・6月・9月・11月は30日です。
2月は28日(うるう年は29日)です。
それ以外は31日です。
  • 平年とうるう年
365日ある年を平年といいます。
2月29日がある、1年が366日ある年をうるう年といいます。
  • 暦について
  1. 西暦が4の倍数である年は、うるう年とする(それ以外は平年)。
  2. 西暦が100の倍数である年は、平年とする。
  3. さらに、西暦が400の倍数である年はうるう年とする。
グレゴリオ暦について

1582年、ローマではこれまで用いられてきた、誤差が多い「ユリウス暦」に変わり、この暦を用いるようになりました。日本では1873年に導入されました。この「グレゴリオ暦」は、誤差が約3300年に1日と、大変少なく、400年以上たった今でも用いられています。