中学受験算数

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中学受験参考書 > 算数

はじめに[編集]

中学受験では小学校では勉強しないことも試験に出されることがあります。算数も例外ではありません。ここでは中学受験に必要な算数の知識や問題の解き方などを解説します。

受験に際して(特に保護者の方へ)[編集]

中学受験の算数でどのような問題が出るかは学校によってことなります。ある学校では小学校で習うような計算問題がほとんどです。しかし、開成中学校・灘中学校などでは非常にむずかしい文章題がいくつも出ます。また、国立大学付属中学校や公立中高一貫校ではパズルのような問題がよく出されます。このように、算数は学校によってむずかしさの差や問題のちがいが、とても大きい科目です。志望校を決めたら、自分(またはお子さん)がどの程度の算数を勉強したらよいかをよく考えてください。

ここでは市販の中学受験用テキストでもよく扱われているものを解説します。

小学校で習うもの[編集]

まず小学校で勉強するもので、特に受験に必要なものをピックアップします。これらは、それぞれの学年のページに解き方や問題がありますから、一部の公式をのぞいて、ここではそのリンクだけをはります。ここで紹介するものは中学受験のテキストではふつうの小学校よりも早くあつかわれます。また、この後にたくさんの応用問題をとく必要がありますので、中学受験をする場合、おそくても5年生の間にはすべて終わらせるようにしましょう。ここでは、以下のことを全て勉強していることを前提に解説をしています。

ふつうの小学校では5年生で習います。
ふつうの小学校では5年生で習います。(平成21年度までは6年生でした)
  • 分数・小数
    • 分数のたし算
    • 分数のひき算
    • 分数のかけ算
    • 分数のわり算
ふつうの小学校では、分母がことなる分数のたし算・ひき算は5年生、分数同士のかけ算・わり算は6年生で勉強します。
  • 速さの公式
  • 比例・反比例

ふつうの小学校では6年生で習います。

ふつうの小学校では5年生で習います。
平成21年度から、ふつうの小学校では5年生で習います(移行措置による)。ここでは少しむずかしいのですが、中学2年の図形のページへリンクをはっています。

植木算[編集]

植木算のきほん[編集]

  • 問1「10mの直線道路に2mごとに木を植えるとき、木は何本必要でしょうか。木は道の両はじにも植えます。」

まず、実際に図を書いて考えてみましょう。|を木、―を間の1mとします。

|――|――|――|――|――|

これを見ると6本の木が必要になることがわかりますね。

  • 問2「12mの直線道路に3mごとに木を植えるとき、木は何本必要でしょうか。木は道の両はじにも植えます。」

これも同じようにしてみましょう。

|―――|―――|―――|―――|

これから5本の木が必要になることがわかります。

  • 問3「100mの直線道路に4mごとに木を植えるとき、木は何本必要でしょうか。木は道の両はじにも植えます。」

今度は図を書くのはたいへんです。しかし、前の2つの問題の図をよく見てみましょう。問1では間が5つあり、木が6本あることがわかります。問2では間が4つ、木が5本でした。このことから、つぎのことが言えます。「間の数=道の長さ÷間の長さ」「木の本数=間の数+1」この式を使うと、100÷4+1=26となり、答えは26本です。

  • 問4「120mの直線道路に5mごとに木を植えるとき、木は何本必要でしょうか。なお、道の両はしには電柱があるので木は植えられません。」

問3の公式を使いたくなりますが、ちょっと気をつけてください。今度は両はしには木が植えられません。ですから、今度はすぐには公式が使えません。問1・2の図を使って考えてみましょう。今度は電柱を「?」で書きます。

?――|――|――|――|――? このとき、木は4本ですね。

?―――|―――|―――|―――? そして、こちらでは3本ですね。

このことから、このようなことがいえます。「両はしに木を植えられないとき:木の本数=間の数-1」間の数の求め方は同じです。ですから、これは120÷5-1=23で、答えは23本です。

  • 問5「一辺が6mの正方形の土地の周りに2mごとに木を植えたい。木は何本必要でしょうか。」

今度も図を書いてみましょう。「・」を木、たて線とよこ線を1mとしてみてください。(レイアウトの都合からここでは図をのせません)そして、木の本数と線の本数を見てください。すると、間の数と木の本数が同じとなるはずです。このことからつぎのことが言えます。

「円や四角形などのまわりに立っている場合:木の本数=間の数」。

土地は1辺6mの正方形ですから、長さは6×4=24mです。間の求め方は同じですので、24÷2=12で、答えは12本です。

植木算の公式
  • 間の数=道の長さ÷間の長さ
  • 一直線上に立っていて、両はしに木を植えるとき:木の本数=木の間の数+1
  • 一直線上に立っていて、両はしに木を植えないとき:木の本数=木の間の数-1
  • 円などのまわりに立っている場合:木の本数=間の数

公式を忘れそうになったら、自分でえんぴつやペンをならべてみるか、自分の手を見るといいでしょう。

植木算の応用問題[編集]

植木算はかならずしも木を植えたり、柱やコーンを立てたりする問題だけとは限りません。ここでは植木算の応用問題を見ていきます。

  • 「2mの丸太があるとします。この丸太40cmをごとに切っていきます。丸太を切るのに1分30秒かかり、一回切るごとに30秒休むことにします。この丸太を切るのに必要な時間を答えなさい。」

これは「一直線上に立っていて、両はしに木を植えないとき」の植木算と同じとき方です。このことは図をかいてみるとわかります。ですから、「一直線上に立っていて、両はしに木を植えないとき」の植木算と同じ式を使うと切れ目の数がわかります。2mは200cmですから、200÷40=5で、切れ目が5つ入ります。そして、木を切るのに1分30秒、休みに30秒かかるので、一回の切れ目を入れるのに必要な時間は120秒(2分)として計算します。しかし、気をつけてください。最後の切れ目だけは休まなくてもいいので、90秒(1分30秒)で計算します。したがって、式は「120(秒)×4+90(秒)×1」となり、答えは570秒(9分30秒)となります。

  • 「長さ10cmの短冊(たんざく)があるとします。この短冊を2cmののりしろをつけてつなげていきます。」
  1. 10枚の短冊をつなげたときの長さを答えなさい。
  2. 長さを130cmにするにはたんざくが何枚必要ですか。

1について。まず、同じ長さの5枚の短冊で簡単な図を書いてみましょう。「||」を2cmののりしろ、「―」を1cm、両はしを「?」とします。

?――――――――||――――――||――――――||――――――||――――――――?

両はしの短冊はのりしろが片方だけなので、のりしろのない部分は8cmですが、間の短冊はのりしろが2つあるので、のりしろのない部分は6cmとなります。そして短冊の数とのりしろのない部分は同じ数であること、のりしろのない部分は植木算の「間」と同じこと、のりしろの部分の数は「一直線上に立っていて、両はしに木を植えないときの植木算」で求められることがわかります。ですから、10-1=9で、のりしろの数は9つです。そしてのりしろの長さは2cmでしたから、9つ×2cm=18cmとなります。

つぎに、のりしろのない部分の長さを求めます。ここでは両はしを無視して考えます。なぜなら、両はしだけは長さがことなるからです。両はしの2枚をのぞいて考えるので、その間ののりしろのない部分は8つあることになります。そして、その長さは6cmでした。したがって、両はしではない部分の長さは8つ×6cm=48cmです。最後に両はしののりしろのない部分の長さは2つ×8cm=16cmです。

これをまとめると、「(9×2)+(8×6)+(2×8)」という式が出来ます。よって、「18+48+16=82」で、答えは82cmです。

2について。まず、先ほどの式を使って、3枚、4枚、5枚の短冊をつなげたときの長さを求めてみましょう。

  • 3枚のとき:(2×2)+(1×6)+(2×8)=26cm
  • 4枚のとき:(3×2)+(2×6)+(2×8)=34cm
  • 5枚のとき:(4×2)+(3×6)+(2×8)=42cm

このことから1枚つなげるごとに8cmずつ長くなっていますね。つまり短冊の枚数と長さには比例の関係があることがわかります。

1の答えから10枚のとき、82cmでした。130cmにするには、「130-82=48」で、あと48cm必要ですね。よって、「48÷8=6」で、答えは「10枚+6枚=16枚」となります。

周期・数列[編集]

数をならべたものを数列(すうれつ)といいます。中学受験では、とくにある決まりにしたがって数をならべる問題がでます。

周期[編集]

  • 問「数が「9,8,7,9,8,7,……」とならんでいるとします。」
  1. 50番目の数は何でしょうか。
  2. 2014番目の数は何でしょうか。
  3. この数の和が500より大きくなるときの数は何番目の数でしょうか。また、そのときの数を答えなさい。

まず、この数列が「9,8,7」をくりかえしていることがわかりますね。そして、7は3の倍数番目に来ることが考えられます。

1から解いていきましょう。「7」は3の倍数番目に来ることから、50÷3の計算をします。こうすると「16あまり2」がでます。この計算ではあまりが大切です。なぜなら、3で割り切れる(あまりが0)なら、N番目の数は3の倍数となるからです。しかし、この計算で2あまりました。このことは「7」から2進んだ数が50番目の数であることをしめしています。ですから、「7」から2進んだ数、つまり「8」が答えとなります。

2も同じようにときます。「2014÷3=671あまり1」となるので、「7」から1進んだ数「9」が2014番目の数です。

3はどうでしょうか。「9,8,7」をくりかえしていますから、この和をもとめます。すると、24となります。つまり、「9,8,7,9,8,7,……」は「24,24,24,……」と書き直せるのです。ここで、「500÷24」の計算をします。すると、「500÷24=20あまり20」です。ここで、500からあまりを引いた480を考えます。商から20番目の「24」であることがわかるので、3×20=60で、60番目の数でここは「7」です。そして20×24=480となります。問題では「500より大きくなるとき」とありますから、480+9+8+7=504となる「7」が正解の数です。また、この「7」は63番目にあります。したがって答えは「63番目で、数は「7」」となります。

数列[編集]

まず3つの数列を見てみましょう

  1. 「2,5,8,11,14,……」
  2. 「1,2,4,8,16,……」
  3. 「1,2,4,7,11,16,……」

1の数列は3ずつ増えていることがわかります。このような数列を等差数列(とうさすうれつ)といいます。2の数列は次に行くたびに×2していることがわかります。この数列を等比数列(とうひすうれつ)といいます。3は一見、不規則なようですが、増え方をみると、「+1,+2,+3,+4,+5,……」となっています。このような増え方の数列を階差数列(かいさすうれつ)といいます。3の数列は、階差数列が等差数列である数列です。

問題と解説に入る前に、少しむずかしいのですが、数列についての言葉を説明します。まず、数列のそれぞれの数を(こう)といいます。そして最初の数を初項(しょこう)といいます(第1項といってもかまいませんが、「初項」の方がよく使われます)。それ以降の2番目・3番目・4番目……のことを第2項・第3項・第4項……といいます。また、項の数を項数(こうすう)といい、最後の項を末項(まつこう)といいます。

また、等差数列のときの増え方を公差(こうさ)といい、等比数列のときの増え方を公比(こうひ)といいます。公差は「後の数-前の数」で、公比は「後の数÷前の数」で求められます。となり同士の数であれば、どこで計算しても公差と公比は求められます。

では、確認しましょう。

  1. 等差数列「3,7,11,15,19,23」の、初項・末項・項数・公差を答えなさい。
  2. 等比数列「2,8,32,128」の、初項・末項・項数・公比を答えなさい。
  3. 等差数列「1,3,5,7,9,11,13」において。第3項・第5項・第7項の数を答えなさい。

それぞれの言葉の意味を確認しておけばやさしい問題です。

  • 1は初項3・末項23・項数6・公差4です。
  • 2は初項2・末項128・項数4・公比4です。
  • 3について。「第3項・第5項・第7項」は「3番目・5番目・7番目」と同じ意味です。ですから、第3項が5・第5項が9・第7項が13です。

等差数列[編集]

  1. カッコに入る数は何ですか。(1)「5,12,19,26,(  )」(2)「(  ),12,17,23,28」(3)「5,9,13,17,21,…,(  ),41」
  2. 「7,13,19,25,…」と続く数列があります。(1)この20番目の数を答えなさい。(2)159は何番目に来ますか。
  3. つぎの計算をしなさい。(1)「1+2+3+…+18+19+20」(2)「2+4+6+…+40+42」

1について。(1)は公差7の等差数列ですね。したがって、26のつぎは33です。(2)は公差が5です。したがって、12の前は5を引いた7となります。(3)は公差が4ですから、同じように41-4で出ます。答えは37です。

2について。(1)第20項ですから書いて求めることもできます。しかし、それは大変ですし、計算ミスしそうです。ここで、植木算の考えを使ってみましょう。数を木と同じように考えると間が19あることがわかります。そして、間の分だけ増えるのですから、初項7に19回4を足すのと同じです。よって、7+19×4=83となり、答えは83です。(2)先ほどの式「7+19×4=83」をもう一度見てみましょう。初項の7を引いてしまえば増え方だけがわかりそうです。増え方はまだわからないので、ここでは□(四角)としましょう。すると、「□×4=152」となります。ですから、これを逆算すると、「152÷4=□」となりますので、□は38となります。しかし、これは増え方(=植木算の間)でしたから、これに1を足さなければなりません。したがって、答えは38+1=39で、39番目(第39項)が答えです。

3について。(1)一つ一つ計算しては非常に大変です。ここで、いくつかのことに注目しましょう。まず、この式から+を取り除くと等差数列になるということです。そして、初項と末項、第2項と第19項、第3項と第18項を足していくと、すべて21となります。これをくりかえすと10(第10項)+11(第11項)まで同じ計算ができ、その和が21となることがわかります。そして、21は10個あるのですから、21×10=210となります。(2)も同じようにします。すると、44ができていきます。しかし、今度は20(第10項)と24(第12項)の間に22(第11項)があります。ですから先の式と似ていますが、22を足さねばなりません。よって、44×10+22=462となります。

最後に等差数列の公式をのせます。実は先ほどの計算はこの公式を使えば簡単にとけます。しかし、中学受験では考え方が非常に重視されます。公式の丸暗記と当てはめだけではとけないものも多いのです。ですから、あえてここでは公式を使いませんでした。また、公式を忘れそうになったら、先ほどの考え方を使ってみるのも大切です。

等差数列の公式
  • N番目の数=初項+(N-1)×公差.
  • 等差数列の和=項数×(初項+末項)÷2.

等比数列[編集]

まず、等比数列の基本的な問題を見ていきましょう。

  1. カッコに入る数をこたえなさい。
    1. 3, 12, 48, (  )
    2. 8, 4, 2, 1, (  )
  2. 「3, 6, 12, 24,……」という数列があります。192は第何項ですか。

それぞれの問題を見ていきましょう。 1の1はそれぞれの項に4をかけ算していることから、初項3・公比4の等比数列であることがわかります。ですから、48×4=196がカッコの答えです。 1の2は減っているので少しわかりにくいのですが、よく見るとそれぞれの項に1/2をかけていることがわかりますね。そのため、1×1/2=1/2が答えです。

2は初項3公比2であることはわかります。しかし、192が第何項になるかはわかりませんね。ここで、等比数列の性質を考えてみましょう。等比数列は初項に次々と公比の数をかけたものです。ですから、こんどは逆に192を公比でわっていきましょう。

  • 192÷2=96
  • 96 ÷2=48
  • 48 ÷2=24
  • 24 ÷2=12
  • 12 ÷2=6
  • 6 ÷2=3

公比でわっていくと、6回目に初項の3が出てきました。これから、3に2を6回かけたものであることがわかります。初項の分まで入れると、1+6=7で、第7項となります。

この節の最後に等比数列の公式を紹介します。等差数列の公式よりも難しいですが、ぜひ身につけておくようにしてください。

等比数列の公式
  • N番目の数=初項に公比を(N-1)回かける.
  • 公比が1ではないとき:等比数列の和=(末項×公比-初項)÷(公比-1).
  • 公比が1のとき:N個の等比数列の和=初項×N
等比数列の和の公式について(発展)[編集]

ここで、少し等比数列の和の公式について説明します。解説内容には中学・高校内容もふくまれます。とても難しいので、具体例の所だけを見てもかまいません。

公比をr(rは1ではない)とする等比数列があるとします。この等比数列の和はわからないので、かりに和をSとします。すると、という式を作れます。ここで、n+1番目の数を登場させます。このとき、第2項からn+1番目の数までの和はr×Sとなります。ですから、という式が作れます。

ここで、r×S-Sの計算をします。

こうすると、が消えて、となります。等比数列の場合、n+1番目の数は、末項に公比rをかけたものですから、とできます。また、両辺を(r-1)でわると、Sが出てきます。したがって、となり、これを日本語にすると、等比数列の和=(末項×公比-初項)÷(公比-1)となおせます。

正確な証明は以上の通りですが、中学・高校内容をふくむので、とても難しかったでしょう。以下では、具体的な例を紹介します。

例1.3+9+27+81+243+729の計算。

S=3+9+27+81+243+729とする。公比は3なので、3×S=9+27+81+243+729+2187とできる。3×S-Sの計算をすると、3×S-S=(9+27+81+243+729+2187) - (3+9+27+81+243+729)となる。27+81+243+729の部分はひき算で消えるので、3×S-S=2187-3に整理できる。また、Sは1×Sとできるので、計算の決まりから、3×S-1×S=(3-1)×Sとできる。よって、2×S=2184となる。両辺を2でわると、S=1092となる。だから、3+9+27+81+243+729=1092

例2.1+4+16+64+256+1024+4096の計算。

S=1+4+16+64+256+1024+4096とする。公比は4なので、4×S=4+16+64+256+1024+4096+16384とできる。4×S-Sの計算をすると、4×S-S=(4+16+64+256+1024+4096+16384) - (1+4+16+64+256+1024+4096)となる。4+16+64+256+1024+4096はひき算できえるので、4×S-S=16384-1に整理される。計算の決まりから、4×S-S=3×Sなので、3×S=16383。両辺を3でわって、S=5461。よって、1+4+16+64+256+1024+4096=5461

階差数列・その他の数列[編集]

はじめに見たように、増え方の数列を階差数列と言います。さっそく、階差数列の基本問題を見ていきましょう。

  1. カッコに入る数をこたえなさい。
    1. 4, 6, 10, 16, ( )
    2. 7, 10, 18, 31, 49, ( )
    3. 5, 10, ( ), 26, 37, 50, 65

どれも、階差数列を見ればごく普通の等差数列です。1の数列では最初に2、その後は4,6と増え方が変化していますね。増える数は2ずつ足されていますから、1のカッコに入るときには8増えているはずですから、16+8=24です。2は最初に3増え、その後は8、13、18と増え方が変わっています。このことから、増える数は5ずつ足されていることがわかります。2のカッコに入るときには23を足せばいいので、49+23=72となります。 3はあたえられた数列を見ると、26―+11―37―+13―50―+15―65と、やはり増え方が等差数列になっています。2ずつ増えていますから、カッコに入るとき7増えているはずです。よって、10+7=17で、カッコに入るのは17です。

では、次は階差数列の応用問題です。

  • 1, 5, 11, 19, 29, …… と続く数列があります。
    • 第30項の数をこたえなさい。

この数列の階差数列が等差数列であることはわかるでしょう。しかし、第30項まで計算するのは難しそうです。ここでは、増え方に注目します。植木算の考え方を使うと、第30項ですから、29回増えますね。そして、増え方の方は、初項4、公差2の等差数列です。第29項は公式を使うと、4+(29-1)×2=60です。さらに等差数列の和の公式を使うと、29×(4+60)÷2=928となります。最後に、もとの数列の初項1と928を足します。答えは929です。

次にちょっと変わった数列を見ていきましょう。

  • 2,3,4,4,5,6,8,9,10,16,17,18,……

これまで見てきた等差数列・等比数列・階差数列が等差数列のどれにも当てはまりませんね。しかし、よく見ると何か規則性がありそうです。この数列をカッコでくぎってみましょう。

  • {2,3,4},{4,5,6},{8,9,10},{16,17,18},……

このようにすると、初項から第3項、第4項から第6項、第7項から第9項、第10項から第12項までが公差1の等差数列でグループ分けできました。また、第4、7、10項は初項、第4、第7項の数に2をかけたものであることがわかります。このように、グループ分けすることで解ける数列の問題を群数列(ぐんすうれつ)の問題と言います。群数列の問題には次のようなものもあります。

  • 2,2,4,2,4,6,2,4,6,8,2,4,6,8,10,……

これもくぎってみましょう。

  • {2},{2,4},{2,4,6},{2,4,6,8},{2,4,6,8,10},……

これは最初のグループが2のみ、第二のグループが2と4、第三のグループが2、4、6……というように、グループの順番と偶数の個数が同じになりますから、群数列の考え方を使うことができます。

最後にもう一つ数列を見てみましょう。

  • 「1,1,2,3,5,8,13,21,34,……」

さきほどの数列のどれにも当てはまりませんね。でも、よく見ると何か規則性が見つかりませんか。そうです。つぎの数に行くときに前の数を足していることがわかりますね。このように「前の数+今の数=つぎの数」となるような数列をフィボナッチ数列といいます。フィボナッチ数列はとてもむずかしいので、それほど中学入試ででるわけではありませんが、この考え方を知っておくと便利です。

受験の問題として出題されるような数列は、たいていの場合ある規則性にしたがって、数がならんでいます。その規則性をみやぶることができるかどうかが問われています。数列の問題を解くためのポイントは次の通りです。

  1. 項同士の差を求める。
  2. 項同士をわってみる。
  3. 同じ数がどこかで出てこないか。出てきたのは何番目か。
  4. 分数の数列は約分できるか、分子と分母を入れかえてみる(逆数)などをためしてみる。
  5. あとで紹介する素数など、特別な数列は覚えておく。

仕事算[編集]

ある仕事を終えるのにかかる時間がことなる人が数人あつまって共同作業をしたとき、仕事を終えるまでに要する時間はいくらかを求める問題のことを仕事算と言います。まず、問題を見ていきましょう。

  • 太郎さんは10日で仕事を終わらせます。次郎さんは15日で仕事を終わらせます。太郎さんと次郎さんがいっしょに仕事をしたら、何日で仕事を終わらせられますか。

まず、仕事の量を1とします。そうすると、太郎さんが一日にする仕事はと書けます。同じように次郎さんの一日にする仕事はと書けます。二人がいっしょに仕事をするのですから、一日の仕事はとなりますね。仕事にかかる日数は仕事の量÷一日にする仕事で求められますから、となります。ですから、答えは6日です。

実際の仕事の量がどれだけかはわからないのですから、仕事の量を1にする必要はありません。計算の中で分数が出てこないようにするには、太郎さんの仕事の日数と次郎さんの仕事の日数の最小公倍数を求めます。この最小公倍数を仕事の量とするのです。10と15の最小公倍数は30です。この問題では30が仕事の量です。太郎さんは一日に3の仕事を、次郎さんは2の仕事をすることになります。二人で一緒に仕事をするのですから、3+2=5が一日にする仕事の量です。仕事の量は30でしたから、30÷5=6で、やはり答えは6日です。

以上のように、この問題は整数・分数どちらでも解くことができます。ただ、中学受験の算数では分数を上手に使うことがもとめられるので、できれば分数を使った計算の方になれるようにしましょう。

では、次に応用問題を見ていきましょう。

  • 教室をそうじをするのに花子さんは15分、梅子さんは20分かかります。二人で一緒にそうじをしていましたが、途中で花子さんが6分間、先生に呼び出されました。そのあいだ、梅子さんが一人でそうじをしていました。二人が一緒にそうじをしていたのは何分ですか。

まず、そうじの量を1とすると、花子さんが1分間にするそうじの量は、梅子さんはです。梅子さんは6分間一人でそうじをしていたのですから、のそうじをしたことになります。ですから、のこりのを二人でそうじしたことになります。二人でそうじをした場合、です。

あとは、そうじの量÷一分間にするそうじの量で計算します。つまり、となり、答えは6分間です。

ニュートン算[編集]

ニュートン算という名前は、万有引力の法則を発見したニュートンが書いた数学の本にのっている問題から名付けられました。さっそく問題を見ていきましょう。

  1. あるスーパーにお客が100人いました。午後8時30分となり、閉店時間が近くなったため、1分間に5人のお客が店を出ますが、あらたに1分間に1人のお客が店にやってきます。スーパーからお客がいなくなるのは何時何分ですか。
  2. ウィキ牧場に牛を15頭放牧すると、30日で草を食べつくします。また、20頭放牧すると、20日で草を食べつくします。ただし、草は毎日決まった数だけ生えてきて、牛1頭が1日に食べる草の量は全て同じだとします。
    1. 55頭の牛を放牧すると、何日で草を食べつくしますか。
    2. 50日で草を食べつくすようにするには、何頭の牛を放牧すればいいですか。

ニュートンが書いた本に近いものは2の方ですが、1の方がやさしく、また、ニュートン算の基本を理解するのに向いています。

では、1から。1分間に店を出るお客は5人ですが、1人ずつお店に来るので、1分間に減る人数は4人です。今、お店には100人のお客がいるので、100÷4=25で、25分後にお客がいなくなります。ですから、答えは午後8時55分となります。このように、はじめの量を実際にへる量(=へらす量 - ふえる量)でわることで、なくなるまでの時間を求めることができます。これが、ニュートン算の基本的な考え方です。

ニュートン算の公式

はじめの量÷(へらす量 - ふえる量)=はじめの量がなくなるまでの時間

2について。1とちがって、はじめにどれだけの草が生えているのかわかりませんね。ここで重要なことは仕事算の考え方です。ここでは、牛1頭が一日で食べる草の量を1とします。そうすると、15頭の牛が30日で食べた草の量は15×30=450とすることができます。また、20頭の牛が20日で食べた草の量は20×20=400です。ここで重要なことは「もし、20頭の牛が草を食べつくした後で、牛がいなくなったらどうなるか」ということです。牛がいなくなるのですから、草はそのまま生えてきます。では、どれだけ増えるのでしょうか。このときに15頭の牛が30日で食べた草の量である450がカギとなります。そうです。450-400=50から、10日で50の草が生えることがわかります。このことから、1日に5の草が生えることもわかります。

15頭の牛が30日で食べた草の量450のうち、30日は草が生えたわけです。ですから、新しく生えた草の量は150、もともと生えていた草の量は300となります。

では、いよいよ問題を解いていきましょう。2の1はニュートン算の公式から「もともと生えていた草の量300÷(牛が1日に食べる草の量 - 1日に生えてくる草の量)」で求めることができます。式は、300÷(55-5)=300÷50=6で、答えは6日です。

2の2について。この場合、牛の頭数はわかりませんから、□としましょう。先ほどのことから、最初に生えていた草は300、50日で生える草は5×50=250です。そのため、牛が食べる草の量は550となります。以上のことから、□×50=550となりますから、□=11となり、答えは11頭です。

つるかめ算[編集]

公式を使う方法[編集]

古い中国の数学の本や江戸時代の数学の本にものっている問題です。もともとはウサギとキジの数をきく問題でしたが、江戸時代の数学の本でおめでたい生き物とされたツルとカメにかわったといわれています。それでは、問題を見ていきましょう。

  • ツルとカメがあわせて10匹います。そして、足が32本ありました。ツルとカメはそれぞれ、何匹ずついるでしょうか。

この問題では、まずカメしかいないとします。カメが10匹なら、足が40本ですね。では、ここでカメを1匹のぞいて、ツルを1羽いれてみましょう。すると、足の数は40-4+2=38本となります。さらに、ここからもう一匹、カメとツルを変えてみましょう。すると、38-4+2=36本ですね。もうお気づきでしょうか。すべてカメだとした時、一匹ずつカメとツルをかえていくと、足が2本ずつへっていくのです。問題を見ると、32本ですから、全てカメのときよりも8本へっています。ですから、4匹のカメをツルにかえたことがわかります。ですから、ツルは4羽、カメは6匹が答えとなります。

つるかめ算の問題は、ツルとカメの数をきくだけとはかぎりません。次の問題も見ていきましょう。

  1. 160円のサンドイッチと190円のハンバーガーを20個買ったところ、3650円になりました。サンドイッチとハンバーガーはそれぞれ何個買いましたか。
  2. 太郎さんは2つのアルバイトをしています。一つは時給850円で、もう一つは時給970円です。太郎さんは今月は120時間アルバイトをして、110400円の給料をもらいました。時給850円のアルバイトをした時間と時給970円のアルバイトをした時間をそれぞれこたえなさい。
  3. 花子さんは正解すると5点もらえ、まちがうと3点引かれるクイズを20問行いました。結果は、68点でした。花子さんは何問正解したでしょうか。

どれもつるかめ算の考え方を使います。まず、1から。全部190円のハンバーガーを買ったとすれば3800円となります。ハンバーガー1個をサンドイッチ1個におきかえると3800-190+160=3770円となります。ですから、ハンバーガーをサンドイッチにかえると、30円ずつへっていきます。ここで大切な点は、ハンバーガー1個をサンドイッチ1個におきかえたとき、へっていく値段はハンバーガーとサンドイッチの値段の差と等しいということです。全部ハンバーガーのときと問題になっている3650円の差は150円です。そのため、サンドイッチの個数□×30=150で、□=5となります。答えは、サンドイッチ5個とハンバーガー15個となります。

2.について。これまでと同じように、全部時給970円のアルバイトをしていれば、970×120=116400です。そして、970円のアルバイトと850円のアルバイトの差は970-850=120です。もらった給料は110400円でしたから、116400-110400=6000円へっています。ここで、850円のアルバイトの時間を□とすると、□×120=6000で、□=50となります。よって、こたえは時給850円のアルバイトが50時間、970円のアルバイトが70時間となります。なお、この計算では、ケタが多く、計算ミスしやすいです。この問題では一の位がすべて0ですから、途中式では0を消してもかまいませんし、その方が計算ミスが減ります。ただし、最後の計算は□=5となりますが、0をもどして50とすることを忘れないようにしましょう。

3について。ここでも全問正解したと考えると100点になります。この問題では1問まちがうと、もらえるはずの5点だけでなく、さらに3点引かれることに注意しましょう。たとえば、19問正解した場合、100-5-3=92点になります。ですから、1問まちがうたびに100点から8点ずつ引かれると考えましょう。花子さんの点数は68点でしたから、32点へっています。ということは、1問で8点引かれる→4問で32点引かれるといえます。ただし、これは間違えた問題の数ですが、答えなければならないのは正解した問題数です。したがって、答えは「花子さんは16問正解した」です。

最後につるかめ算の公式を紹介しますが、これまでに見た考え方も忘れないようにしましょう。

つるかめ算の公式

1個当たりの数量をa,bとし、a<bとする。(例:ツル(足2本)とカメ(足4本)なら、a=2,b=4)

(全個数×b-実際の合計数)÷(b-a)=aの個数

面積図を使う方法[編集]

過不足算(差集め算)[編集]

比の文章題[編集]

旅人算[編集]

年齢算[編集]

食塩水の問題[編集]

食塩水の原理[編集]

そもそも食塩水の問題とは、濃度と食塩と食塩水を求めることを言います。

食塩水とは、「水の中に食塩を混ぜて、水溶液にしたもの」を言います。 ここでは、溶けているものにはかたよりがないものとします。

濃度は、「食塩水□gの中の食塩△gの割合」を指します。

そして、食塩はとけている食塩を言います。

濃度を求めるとき[編集]

例えば、次のような問題です。

  1. 水90gに、食塩を10gを混ぜました。濃度は何パーセントですか。

このとき、食塩水は90+10で100gになっています。

よって、10gは100gの何倍かということになり、式としては、10÷100となり、
答えは0.1となります。

しかし、パーセント(百分率)はその割合の百倍にあたるので、
0.1×100をし、10パーセントであると求められます。

これを分数の掛け算としてあらわすと、 となり、10パーセントと求まります。


濃度を求める公式
  • 濃度(%)=食塩(g)÷食塩水(g)×100

食塩の量を求めるとき[編集]

この場合は、次のような問題です。

  1. 濃度20%の食塩水200gがあります。この時食塩は何g入っているでしょうか。

このとき、この食塩水は200gのうち20%は食塩だよということになります。

すると、食塩は200g×(20÷100)という式で、答えは40gとなります。

食塩を求める公式
  • 食塩(g)=食塩水(g)÷濃度(%÷100)

整数の問題[編集]

倍数の判定[編集]

ある整数が、どんな倍数なのかを判定する方法を紹介します。もちろん、全ての倍数を判定するものではありませんが、ここで挙げているものだけでも覚えておくと大変便利です。

倍数 判定方法
2の倍数(偶数) 一の位が0か偶数
3の倍数 各位の数字の和が3の倍数
4の倍数 下2ケタが00または4の倍数
5の倍数 一の位が0または5
6の倍数 一の位が偶数かつ3の倍数の条件をみたす
7の倍数 3ケタ以下の整数:一の位の2倍と上2ケタの差が7の倍数か0のとき。
4ケタ以上の整数:下の位(一の位、十の位、……)から3ケタずつ組み分けし、奇数番目の組と偶数番目の組の和をもとめ、その差が7の倍数か0のとき。
8の倍数 百の位が偶数:下2ケタが8の倍数または00。
百の位が奇数:下2ケタが8の倍数ではない4の倍数。
9の倍数 各位の数字の和が9の倍数。
10の倍数 一の位が0
11の倍数 一の位から一つとばしに加えた数字の和と、十の位から一つとばしに加えた数の和について、それらの差が11の倍数か0。

素因数分解とその応用[編集]

2,3,5,7… のように、その数自身と1でしか、わりきれない数を 素数(そすう) といいます(1は素数には、ふくめません)。整数を、素数のかけ算のかたちに変えることを 素因数分解(そいんすう ぶんかい)といいます。たとえば12は 2×2×3 と素因数分解することができます。45の素因数分解は 3×3×5 です。

素因数分解を利用すると、ある数の約数の個数を調べることができます。

約数の個数を調べる[編集]

素因数分解を利用して、約数の個数を数えてみましょう。

  • 以下の数の約数の数をこたえなさい。
    • (1)50 (2)143 (3)2013 (4)1080 (5)5040

(1)について。まず、1とその数自身は必ず約数になります。ですから、1と50が出てきます。50を素因数分解すると、2×5×5となります。この結果から、2と5も約数です。そして、10と25もこの計算からわかります。ですから、答えは6個です。

(2)について。これも同じように考えます。素因数分解すると、11×13ですから、答えは4個です。

(3)について。ケタが多いですが、先ほどの整数の判別法を使えば3でわれそうです。その商、671も、判別法を使えば11でわれます。そして、その商61は素数です。そのため、3×11×61に因数分解できます。あとは、3×11、3×61、11×61がありますので、約数は8個です。

(4)について。素因数分解してみましょう。2×2×2×3×3×3×5です。これを先ほどの3問のように計算すると、時間もかかりますし、まちがえやすいです。 ここで、今までの問題で約数を書きだすとき、どうやっていたのかをもう一度振り返ってみましょう。素因数分解2×2×2×3×3×3×5に注目します。この素因数分解で重要なことは、1080は、2と3と5という素数でできています。そして、2は3個、3も3個、5が1個あります。つまり、、2と3と5をそれぞれ何回か使えば約数ができるのです。

  • 2を使う回数:3回使う・2回使う・1回使う・0回使う(=使わない)……計4通り
  • 3を使う回数:3回使う・2回使う・1回使う・0回使う……計4通り
  • 5を使う回数:1回使う・0回使う……計2通り

あとで紹介する場合の数の考え方から、4通り×4通り×2通り=32で、答えは32個となります。

(5)について。これも(4)と同じように計算しましょう。すると、2×2×2×2×3×3×5×7となります。(4)のようにしてもいいのですが、もっと簡単にする方法があります。(4)をよく見てみましょう。どれも「0回使う(=使わない)」というのがありますね。ですから、回数はある素数の個数+1になるのです。この問題の場合、2は4個、3は2個、5と7は1個です。先ほどのことから、それぞれの個数に1を足してかけ算すると、5×3×2×2=60で、60個です。

約数の個数
  • ある数を素因数分解して、Aがp個×Bがq個×Cがr個×…… となるときの約数の個数
    • (p+1)×(q+1)×(r+1)×…… 個

0はいくつあるかを確かめる[編集]

1から10までの数をかけ算をしたとき、その積は一の位から0がいくつ続くでしょうか。

これをすべてかけ算する必要はありません。なぜなら、一の位が0になるには10をかけるしかないからです。そして、10の倍数の個数は0の数と同じです。たとえば100は 10×10 で10の倍数は2つ、100000は 10×10×10×10×10 で10の倍数は5個ですね。1から10までの数に10は一つしかありません。また、2×5もあります。ですから、このときには10の倍数は2個あります。したがって、1から10までの積には一の位から2個の0が並びます。

もう一問考えてみましょう。今度は1から300までの数をかけ算したときにその積は一の位から0がいくつ続くかを考えます。今度は10の倍数の数をすぐに数えることはできません。10,20,30…のほかに2×15、4×25などもあるからです。ここでポイントが二つあります。まず、10は2×5に素因数分解できる点です。このことから2×5の組がいくつ作れるかを考えます。そしてもう一つは2の個数と5の個数です。2×5の組を考えるのですが、明らかに5の個数が少ないはずです(例えば1から10までには2は8個ありますが、5は2個しかありません)。2×5の組の数は5の個数と同じなのです。

では5の倍数はいくつあるのでしょうか。それを確かめるためにまず300を5でわります。すると60となります。これは5の倍数が60個あることと同じです。次に25の倍数(つまり5が2個あるもの)の個数を考えます。これも同じように計算すると300÷25=12個です。最後に125の倍数(5が3つあるもの)の個数を計算すると、300÷125=2…50となりますが、あまりは考えませんので2個となります。以上の計算で出てきた個数をすべてたし算します。60+12+2=74となり、答えは「一の位から0は74個つづく」となります。

N進法[編集]

色々な計算[編集]

約束記号[編集]

中学入試の計算にはちょっと変わった計算問題がよく出てきます。その一つが約束記号の問題といわれるものです。

演算[編集]

2つの数の計算をある記号やカッコで表現したものを演算といいます。

  1. 〈A◎B〉=A×2+Bとあらわすことにします。たとえば〈2◎5〉=2×2+5=9、〈5◎4〉=5×2+4=14です。次の計算をしなさい。
    1. 〈8◎2〉
    2. 〈1◎5〉+〈6◎2〉
    3. 〈〈2◎3〉◎〈3◎10〉〉
  2. 1にAをB回かけるとCになるとき、A☆C=Bとあらわすことにします。たとえば、4☆4=1、4☆16=2、4☆64=3です。次の計算をしなさい。
    1. 2☆64
    2. 5☆625
    3. 6÷3☆128
  3. 【5◇2】=50、【7◇2】=98、【2◇3】=24、【2◇5】=160になりました。【8◇3】は何になりますか。
  4. 《2※3》=6、《2※4》=4、《3※6》=6、《6※8》=24になりました。《8※10》は何になりますか。
  5. [2△3]=0、[3△2]=1、[5△3]=1、[10△3]=3になりました。[10△2]は何になりますか。

1.から見ていきましょう。1-1は約束記号の通りに計算しましょう。つまり、〈8◎2〉=8×2+6=22です。1-2のような計算は、約束記号の計算から行います。〈1◎5〉=1×2+5=7、〈6◎2〉=6×2+2=14です。最後に二つを足すと、21となります。1-3のように、約束記号の中に約束記号がある場合、中の約束記号から先に計算します。つまり、〈2◎3〉と〈3◎10〉を先に計算します。〈2◎3〉=2×2+3=7、〈3◎10〉=3×2+10=16です。そうすると、〈7◎16〉の形にできます。7×2+16=30です。

2.を見ていきましょう。この場合、「1に2をN回かけると64になる」といえます。ですから、64を2で素因数分解するとよさそうです。すると、2×2×2×2×2×2となります。この問題では何回かけたかが約束記号の答えとなります。これに「1×」をいれると、1×2×2×2×2×2×2となりますね。ですから、2を6回かけるので、2☆64=6です。

2-2も同じです。1×5×5×5×5となりますから、5☆625=4です。

2-3について。約束記号の形になっていない式は、約束記号の形になるように計算してから答えをもとめます。そのため、約束記号以外の部分から計算します。この時は6÷3から計算すると、2☆128とできます。あとは、これまでと同じように計算します。2☆128=7です。

3.は1・2とちがって、どういう計算かが書かれていません。このときは、自分で約束記号の計算方法をさぐる必要があります。計算方法を探るときは、記号の中の数を使って、答えの部分をかけ算かわり算してみましょう。もし、かけ算やわり算をしても規則が見つからない場合はひき算やたし算をします。

【5◇2】=50について。50を2でわってみましょう。すると、25となります。これは、5×5です。したがって、【5◇2】=5×5×2です。

【7◇2】=98も同じように計算すると、【7◇2】=7×7×2です。

【2◇3】=24は、【2◇3】=8×3になりますね。この場合は、まだ2をつかっていませんし、8は2でわれます。8を2でわっていくと、【2◇3】=2×2×2×3となりました。

そろそろ気づいたかもしれませんが、【2◇5】=160も考えてみましょう。同じように計算すると、【2◇5】=2×2×2×2×2×5となります。ですから、【A◇B】=(AをB個つかったかけ算)×Bがこの約束記号の計算です。そのため、【8◇3】=8×8×8×3=1536が答えです。

4について。約束記号の中の数をわり算・かけ算・ひき算・たし算しても、規則性は見つかりません。こういう場合には、二つの数の公約数や最小公倍数に注目します。そうしてみると、《2※3》=6は2と3の最小公倍数6、《2※4》=4は2と4の最小公倍数4、《3※6》=6は3と6の最小公倍数6、《6※8》=24は6と8の最小公倍数24と一致します。ですから、この約束記号の意味は「二つの最小公倍数をもとめよ」という問題と同じだと分かります。《8※10》は「8と10の最小公倍数は?」というのと同じですから、《8※10》=40です。

5について。ここで、約束記号の中で0がでてきました。計算式が書かれていない問題で0が出てきた場合、次のことに注意するといいでしょう。

  1. 二つの数の商やあまりに注目する。たとえば5÷7=0あまり5となり、0がでてくる。また、2÷2=1のときはあまりが0と考える。
  2. 二つの数の約数を考える。特に公約数が1しかないときは0とすることがある。
  3. ひき算してみる。

[2△3]=0、[3△2]=1、[5△3]=1、[10△3]=3をみると、どれも右辺は左辺の商(あまりや小数点以下は切りすて)になっていますね。ですから、[10△2]=10÷2と等しいので、[10△2]=5となります。

演算の問題では以下のことがポイントになります。

  1. 計算式が書かれているなら、その通りに計算する。
  2. 計算式が書かれていないなら、次のようにして二つの数の関係を探る。
    1. 二つの数をつかって、わり算・かけ算・ひき算・たし算してみる。(とくにわり算が有効なことが多い)
    2. 二つの数の公約数や最小公倍数に注目する。
    3. ある数の中に倍数はいくつあるかを考える。(例:1から10までの間に3の倍数は3,6,9の3個ある)
    4. 約束記号で0が出てきたら、商、わり算のあまり、約数・公約数、ひき算を考える。

関数[編集]

演算は二つの数の関係に注目したものですが、ある一つの数の性質や意味だけを使った約束記号の問題があります。こちらは関数ともよばれます。

  1. 〈5〉=1+2+3+4+5、〈8〉=1+2+3+4+5+6+7+8とします。次の計算をしなさい。
    1. 〈10〉
    2. 〈20〉
    3. 〈〈3〉×〈4〉〉
  2. 〔6〕=1+2+3+6、〔10〕=1+2+5+10、〔15〕=1+3+5+15とします。次の計算をしなさい。
    1. 〔5〕
    2. 〔45〕
    3. 〔〔9〕+8〕
  3. 【2】=2、【3】=2、【4】=3、【6】=4 【7】=2 【8】=4のとき、次の数をもとめなさい。
    1. 【5】
    2. 【10】
    3. 【32】

1.について。これは、1からカッコの中の数までたし算していく問題です。1-1と1-2は、初項1、公差1の等差数列と同じです。そのため、等差数列の公式を使えば簡単にとけます。〈10〉=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=10×(1+10)÷2=55です。〈20〉=20×(1+20)÷2=210となります。1-3は、約束記号の中に約束記号があります。これも、演算と同じように、約束記号の形になるように計算するところから始めます。〈3〉=1+2+3=6、〈4〉=1+2+3+4=10です。次に6×10を計算します。6×10=60ですから、〈60〉=60×(1+60)÷2=1830です。

2.について。この場合は、約束記号の意味を考えなければなりません。たし算するのはわかりますが、どんな数を足しているのでしょう。例の数をよく見ると、カッコの中の数の約数を足していますね。ですから、この約束記号は〔A〕=Aの約数をすべてたすとなっています。では、問題を解きましょう。〔5〕は、5の約数1と5のみですから、〔5〕=1+5=6です。〔45〕は45の約数を挙げていきましょう。1,3,5,9,15,45が45の約数ですから、〔45〕=1+3+5+9+15+45=78です。2-3も約束記号の形に直すところから始めます。〔9〕=1+3+9=13ですね。それに8を足すと、〔21〕となり、〔21〕=1+3+7+21=32となります。

3は途中の計算が書かれていないので、やはり、自分で規則性を考えなければなりません。関数の形の約束記号の問題では、カッコの中の数の性質に注目します。特に、約数が重要です。2の約数は1,2、3の約数は1,3、4の約数は1,2,4、6の約数は1,2,3,6、7の約数は1,7、8の約数は1,2,4,8です。約数同士を計算してもあまり意味はなさそうです。しかし、約数の数に注目してください。2の約数は2個、3の約数も2個、4の約数は3個、6の約数は4個、7の約数も2個、8の約数も4個です。もうお気づきでしょうか。この問題では【A】=約数の個数だったのです。となると、後は簡単にとけます。【5】=2、【10】=4、【32】=6です。

関数の問題では、カッコの中の数の性質に注目して規則性を探すことが重要です。そのとき、ポイントになるのは次の点です。

  1. 約数に注目する。さらに約数を使うのか、約数の個数を使うのかのちがいに注意する。
  2. 素因数分解してみる。このとき、素数の種類と個数にも注意する。
  3. 1からカッコの中の数までたし算またはかけ算してみる。

計算の工夫[編集]

中学受験では、一見すると非常に難しい計算があります。もちろん、そのまま力づくで解くこともできます。しかし、それでは時間もかかりますし、計算ミスも増えてしまいます。そこで、ここでは工夫をすることで、簡単な式に直せる計算を紹介します。

分配法則を使う[編集]

まず、計算の工夫で、もっとも基本となる分配の決まり(分配法則)をおさらいしましょう。

分配法則

これを使った計算をします。

  1. (25+24)×4
  2. (16+12.5)×8

この二つをふつうに計算してもかまいません。しかし、分配法則を使うと、暗算でも解くことができます。1は、分配法則を使うと、25×4+24×4=100+96=196と計算できます。2は、16×8+12.5×8=128+100=228となります。

次を解いてみましょう。

  1. 48×32+52×32
  2. 108×58-8×58
  3. 28.3×12-12×18.3

いずれも分配法則を使いますが、今度は右辺と左辺を逆にしたを使います。1.について。これは、48×32+52×32=(48+52)×32=100×32=3200となります。2.も、108×58-8×58=(108-8)×58=5800です。3は「×12」の場所が変わっていますが、問題なく分配法則をつかえます。28.3×12-12×18.3=(28.3-18.3)×12=10×12=120となります。

次に分配法則の応用を紹介します。

分配法則の応用

では、この式を使って、次の計算問題を解いてみましょう。

  • 113×113-13×13

ふつうに計算すると、大きな数になり手間がかかります。しかし、先ほど紹介した式の変形を使えばわりとあっさりとけます。113×113-13×13=(113+13)×(113-13)=126×100=12600です。

分数[編集]

まず、分数の計算の工夫について、次の式を紹介します。

分数の計算の工夫

これだけみても、ちょっとわかりにくいかもしれません。この式を使ってとく問題を見てみましょう。

  • 次の計算をしなさい。

これもふつうに計算すると、となり、通分が大変です。では、ここで先ほど紹介した式を使って、この計算を変形してみましょう。

となります。

長い式ですが、よく見てください。の部分は0になり、消えてしまいます。10-2+2=10となるのと同様に、ある数からひき算をした数と同じ数を足すとき、もとの数に戻るのと同じ理由です(厳密にはたし算の交換の決まり(交換法則)と中学1年で習う正負の数を知る必要があります)。そのため、この式はとなります。この式を計算すると、となります。

場合の数[編集]

面積の応用[編集]