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中学校保健体育/生殖機能の成熟

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
小学校・中学校・高等学校の学習>中学校の学習>中学校保健体育>生殖機能の成熟

本節は、男の子と女の子の体つきが、思春期になるとどのように変わっていくのかを学びます。

私が思うに、本節の内容はどうでもよく、次の異性の尊重の方や心についてが内容として大切です。

キーワード

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ホルモン・下垂体・性腺刺激ホルモン・生殖器・女性ホルモン・男性ホルモン・精子・精液・射精・精通・卵子・排卵・受精・生理(月経)・初経・受精卵・着床・妊娠

体の変化とホルモン(思春期以降)

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ホルモンの働き
ホルモンは体内の内分泌腺から出て、血液に乗って全身を巡ります。ホルモンが働く臓器は限られています。ホルモンが上手く働かないと、私達の体は上手く働かなくなります。ホルモンが働く仕組みはとても上手に出来ており、神経系・免疫系とも関わっています。その結果、体の不調とか外の環境とかに素早く反応出来るようになっています。また、ホルモンは動物にも大切な役割を持っています。

思春期になると、脳内の視床下部からホルモンが出ます。このホルモンが下垂体に伝わり、性腺刺激ホルモンを出します。この時、女性ホルモン(女の子)・男性ホルモン(男の子)が作られるようになります。女性ホルモン・男性ホルモンから生殖器(卵巣・精巣)が少しずつ成長します。また、卵巣・精巣から少しだけ男性ホルモン・女性ホルモンも作られます。女性ホルモン・男性ホルモンの働きから、大人の体に近づけます。思春期になって、全員が同じように成長するわけではありません。それぞれ自分の成長度合いに合わせて、大人の体に近づけます。

生殖機能の発達(男の子)

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※どうして男の子の射精は思春期になると始まりますか?

思春期になると、男の子の体は大人に近づいていきます。思春期になると、性腺刺激ホルモンが体内で働き始めます。性腺刺激ホルモンの働きから精巣が発達して、精子も作られるようになります。精子は精巣にたまります。また、男性ホルモンも数多く出て、声の低下、髭の発生、体毛の増加も見られます(第二次性徴)。その後、精嚢と前立腺からの分泌液と混ざり、精液になります。精液は性的な興奮とか刺激とかから尿道を通って体の外へ出ます(射精)。男の子が初めて射精(精通)を経験すると新しい命を作れるようになります。精通・射精は社会でも大人への大きな一歩と考えられます。なお、射精は女性の排卵・月経のように規則正しいタイミングで起こりません。心と体が性的な刺激を感じたら、射精も起こります。そのため、経験時期とか回数とかはその人ごとに違います。精通を経験すると、自分の体の変化に気づきやすくなります。大人としての責任や役割について考え始めるきっかけにもなります。

もし、射精しなかったら精子はどうなりますか?
思春期になると、男の子の精巣が働き始めます。毎日、大量の精子が精巣で生まれます。一方、大量の精子が射精で全て出るわけではありません。精子が体内に残っても、男の子の体で上手く片付けます。そのため、精子が男の子の体内に溜まり続けて、男の子の体の調子も悪くなったり、病気になったりしません。思春期になると、自分で性器に触って気持ちよくなるような行動について、不安や疑問を感じてしまうかもしれません。その行動を全くしなくも、大半の男の子は健康です。普段通り元気に生活出来ていれば、焦らなくても構いません。性の悩みは思春期になるとどうしても増えてしまいます。男の子の体の仕組みを正しく知れば、余計な不安を減らせます。

生殖機能の発達(女の子)

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※どうして女の子の排卵と月経は思春期になると始まりますか?

原始卵胞と卵子の一生
胎児の時、女の子は卵巣の中で原始卵胞を作ります。出産までに原始卵胞は全部揃います。出産後に原始卵胞は新しく増えません。女の子が大きくなって思春期を迎えると、原始卵胞の中でも一部の原始卵胞だけが育ち、卵子になります。そして、卵子が体の外に出ます(排卵)。原始卵胞全てが卵子になりません。女の子の年齢が上がったり、女の子の体が変わっていったりするにつれて、原始卵胞も少しずつ減ります。

思春期になると、性腺刺激ホルモンが女の子の体内で作られます。性腺刺激ホルモンの働きから卵巣が大きくなり、卵子も作られるようになります。また、女性ホルモンも数多く出て、体付きも次第に丸くなります(第二次性徴)。性腺刺激ホルモンの働きから卵子は約1か月間隔で卵巣の外へ出ます(排卵)。卵巣の外へ卵子が出ると、卵管を通って子宮まで運ばれます。この時、女性ホルモンの働きから子宮内膜が次第に厚くなります。もし卵子が精子と出会わなかったら、この子宮内膜は使われません。子宮内膜が剥がれて血と一緒に体の外へ出ます(月経・生理)。現在の月経(生理)から次の月経までの日数は約25日から38日くらいでその人ごとに違います。もし女の子が初めて月経(初経)を迎えたら新しい命を作れるようになります。排卵・初経・月経は社会でも大人への大きな一歩と考えられます。

月経間隔は女の子の体の成長と共に変わります。
初経からしばらくの間は体内の女性ホルモンもまだ上手く整っていません。そのため、月経の周期は毎回異なります。女の子の体の成長に合わせて女性ホルモンは上手く働くようになり、月経の周期も次第に決まっていきます。もし学校生活とか家とかでストレスを感じたり、疲れすぎたり、食事をあまり取れなかったりすると、今の月経から次の月経までの間隔が崩れます。そのため、運動・食事・休養・睡眠が大切です。女の子は特に心と体の健康に気をつけましょう。

受精と妊娠

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数多くの精子が男の子の精巣で毎日作られます。精子は2〜3ml程度の精液と一緒に体の外へ出ます(射精)。約1億個の精子が精液1mlの中に含まれています。女の子の膣内で射精すると、精子は膣から子宮を通って卵管まで泳ぎます。大半の精子は途中で泳げなくなったり、役目を終えたりします。最終的に50〜100個の精子が卵管までたどり着けます。一方、卵子は女の子の卵巣から卵巣の外へ出ます(排卵)。この卵子は卵管へ入り、精子と出会います(受精)。この時、50〜100個の精子の中から1個の精子だけが卵子と結び付いて受精卵になります。

その後、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら女の子の卵管から子宮にたどり着きます。この時、受精卵が子宮内膜の中へ潜ります(着床)。この着床から出産までが妊娠期間です。受精卵は女の子の体から栄養を貰いながら、胎児まで少しずつ育っていきます。なお妊娠が始まると、女性ホルモンの働きから排卵・月経も止まります。

男の子の体と女の子の体が大人に近づくと、赤ちゃんを作れるようになります。そのため、自分の体を大切に守りましょう。また、自分の人生も大切に考えなければなりません。さらに、自分の心とか自分の体と違う人もいるので、そのような人についても思いやりましょう。様々な考え方を受け入れて、相手の気持ちに寄り添えば人付き合いも上手く出来るようになります。

資料出所

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  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年