中学校保健/生殖にかかわる機能の成熟

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
このページ「中学校保健/生殖にかかわる機能の成熟」は、書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にノートへどうぞ。

※注意事項 ウィキブックスには免責事項があり、本書は正確性・安全性を保証しません。もし、本書の記載に誤りがあってもウィキブックスは責任を負いません。ページ末尾などにある免責事項へのリンクから、免責事項について、お読みください。

また、もし読者の手元に学校配布の中学保健の教科書があれば、なるべく、それを参考にしてください。


性差による体の違い[編集]

体の発育をうながしたり、発育された機能を維持する分泌物にホルモンがあります。思春期には、脳の下垂体(かすいたい)から、生殖器を発達させる性腺刺激ホルモン(せいせんしげきホルモン)が分泌(ぶんぴつ、ぶんぴ)されます。 性腺刺激ホルモンにより、性腺(せいせん)が発達します。女子では、女子の性腺である卵巣(らんそう)が発達し、男子では、男子の性腺である精巣(せいそう)が発達します。その結果、生殖器から性ホルモンが分泌されます。女性では、卵巣から女性ホルモンが分泌されます。男性では精巣から男性ホルモンが分泌されます。 性ホルモンの分泌により、男女の体つきのちがいが、はっきりと違ってきます。男女の体つきの差は、生殖器だけの発達の違いだけでなく、全身の発達が違ってきます。

  • 女子の、思春期にあらわれはじめる、体つきの特徴。
乳房(にゅうぼう、ちぶさ)が発達する。
皮下脂肪(ひかしぼう)が増え、丸みをおびた体つきになる。
腰幅(こしはば)が広くなる。
  • 男子の、思春期にあらわれはじめる、体つきの特徴。
筋肉が増える。
ひげが、口や あご などに生える。すね毛が生える。


外見からはわかりにくいですが、他にも、男女で体の変化に違いがあります。

  • 女子の、思春期にあらわれはじめる、体の変化。
月経(げっけい)や、卵子排卵(はいらん)が起こり始める。(月経や排卵について、詳しくは、あとの節で説明する。)
生殖器が発育・発達している。(詳しくは、あとの節で説明する。)
  • 男子の、思春期にあらわれはじめる、体の変化
射精(しゃせい)が起こり始める。(射精について、詳しくは、あとの節で説明する。)
生殖器が発育・発達している。(詳しくは、あとの節で説明する。)

そのほか、男女共通の思春期の頃の体の変化では、腋(わき)や股間(こかん)のあたりに、毛が生え始めます。

ホルモン[編集]

ホルモンには、性ホルモンのほかにも、代謝を調節するホルモンがあります。たとえば副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンや甲状腺(こうじょうせん)ホルモンなどの、代謝を調節しているホルモンがあります。

ホルモンを作る器官を内分泌腺(ないぶんぴせん)と言います。 内分泌腺の例をあげれば、下垂体(かすいたい)、甲状腺(こうじょうせん)、胸腺(きょうせん)、副腎(ふくじん)、すい臓、卵巣(らんそう)、精巣(せいそう)などが内分泌腺です。


備考  

・なお、下垂体は、脳の視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が放出され、それが下垂体を刺激して、今度は下垂体から「性腺刺激ホルモン」が分泌されて性腺を発達させるという、二段の刺激になっています。
・男性ホルモンは、筋肉を発育・発達させる機能も、もちます。
・副腎皮質ホルモンは、血液中の糖(とう)の調節や(血糖値の調節)、尿中のナトリウムの量の調節をしている。

生殖器の機能の発達[編集]

人間の男性器の断面図。
人間の女の卵巣と子宮。

男子では思春期ごろになると生殖器の発達により、あたらしい命のもとになる精子(せいし)が、精巣で作られます。 (なお、女子の体内にある、あたらしい命のもとである卵(らん)は、女子が生まれた時からあり、思春期につくられたものではありません。)

  • 精子(せいし)

男子では、生殖器の刺激によって、精子(せいし)をふくんだ粘液である精液(せいえき)を、尿道(にょうどう)から対外に放出する射精(しゃせい)が起こり始めます。

精子1個あたりの大きさは約0.06mmです。1mLの精液にふくまれる精子の数は、約1億個の精子が精液に含まれています。

男子の、人生で初めての射精のことを精通(せいつう)と言います。精通の時期は、個人差がありますが、だいたい小学6年生から中学2年生あたりの時期が多いようです。


  • 卵子(らんし)

女子では、性腺刺激ホルモンの働きによって卵巣が発達し、卵巣の中にある卵子(らんし)が成熟します。 卵子は、およそ一ヶ月ごとに、卵巣の外の卵管(らんかん)へ排出されます。この卵巣の外への成熟した卵子の排出を排卵(はいらん)と言います。 このころ、子宮内膜(しきゅうないまく)は充血して厚くなっています。

卵子は、卵管を通って、子宮(しきゅう)のほうへと、運ばれていきます。もし、性交によって女性器の内部に精液が入っていれば、卵管のとちゅうあたりで、精子と結合します。卵子と精子が結合することを受精(じゅせい)と言います。

排卵の周期に合わせて、子宮では、受精卵が子宮につくこと着床(ちゃくしょう)ができるように、子宮内膜が厚くなっています。受精が行われていない場合は、卵子は、そのまま体外へ出ていきます。

受精が行われていない場合、子宮内膜は不要になるので、くずれて、はがれていき、不要になった子宮内膜が、体外に、血液と共に排出されます。これを月経(げっけい)と言い、ほぼ1ヵ月の周期で起きるため、こう呼ばれています。

あたらしい子宮内膜は、また次の約一ヶ月後までに作られていきます。女子の人生で初めての月経を初経(しょけい)と言います。

妊娠[編集]

卵子と精子の結合したものを、受精卵(じゅせいらん)と言います。受精が行われた場合、受精卵は、細胞分裂をくりかえしながら、子宮へと運ばれて、子宮内膜に定着でき、子宮内膜にもぐりこむ。これを着床(ちゃくしょう)という。着床した受精卵は母体から栄養分を受け取るようになり、子宮の中で胎児(たいじ)へと育っていきます。これを妊娠(にんしん)と言います。妊娠している間は、排卵と月経が起きない。妊娠中に排卵と月経が起きなくなる仕組みは、ホルモンの働きによる。


備考[編集]

・実は、男性からも、少量の女性ホルモンが分泌されています。同様に女性からも、少量の男性ホルモンが分泌されています。(※ 中学の範囲内)[1] [2]

こう聞くと、「男が、排卵しちゃうの?」と思いがちですが、そんなことはありません。女性ホルモンは、もし女性器や卵があれば刺激して排卵をうながしますが、そもそも男には女性器が無いので、男は排卵をうながされません。同様に、たとえ女の体に少量といえども男性ホルモンがあったところで、女性は精子を作れません。 また、筋肉や骨などの発達に深く 関わっている

  • 脚注
  1. ^ 高石昌弘ほか『中学保健体育』大日本図書、平成23年検定版、P.54
  2. ^ 戸田芳雄ほか『新しい保健体育』東京書籍、平成23年検定版、P.12、ページ下部に記載

参考: 思春期での異性への関心[編集]

(※ 保健の範囲外?)

身体の発達とは違いますが、思春期のころから、性的なことへの関心や、異性(いせい)への興味や関心が高まるでしょう。たとえば自分がもし男だったら、女子への興味が高まるでしょう。もし自分が女なら、男子への興味が高まるでしょう。

異性への興味の内容には、恋愛などに関する内容の場合もあれば、第二次性徴(せいちょう)や生殖や性交に関する内容のこともあれば、そうでない内容のこともあります。


参考: 遺伝子と性別[編集]

(※ 保健の範囲外)
図5 ヒトの男性の性染色体。常染色体は大きい順に並べ、番号で呼びあらわす。
ヒトの体の細胞には、細胞の作り方の情報が記録されている染色体(せんしょくたい)という物質が、ふくまれてる。この、染色体のちがいによって、人間の性別は決まる。

1つの細胞につき、染色体は23組あり、一対につき2本なので、あわせて46本の染色体をもつ。

染色体は、父母のそれぞれから受け継いでいるので、染色体のことを遺伝子(いでんし)とも言う。あるいは、染色体にふくまれているDNA(読み:ディー・エヌ・エー)という物質のことを遺伝子という。


  • 生殖細胞
ヒトの精子と卵は、23組のペアのうち片方の1本ずつ23本の染色体を持っている。受精卵になると精子の染色体と卵の染色体があわさり、合計46本(=23本+23本)の染色体となる。

人間にかぎらず、ほとんどの生き物で、受精の時点で、その受精卵の染色体が決まる。受精から死ぬまで一生のあいだ、その生き物の染色体は、変わらない。

  • 男女の違い
性の決定に関与する染色体を性染色体(せい せんしょくたい、sex-chromosome)と呼ぶ。いっぽう、性染色体でない染色体を、常染色体(じょう せんしょくたい)と言う。


ヒトの男女の違いは、X染色体とY染色体を1つずつ持っていれば男性で、X染色体を2本持っていれば女性となる。

だから受精の時点で、その人の性別が決まる。それ以降は、性別が変わらない。

生殖細胞の精子は22本+X染色体または22本+Y染色体の場合があり、卵は22本+X染色体の場合だけである。つまり、X染色体をもつ精子とX染色体をもつ卵が受精すれば女性に、Y染色体をもつ精子とX染色体をもつ卵が受精すれば男性になる。

ヒトの場合、男性ホルモンを女性に投与しても、性別は変わらない。同様に、女性ホルモンを男性に投与しても、性別は変わらない。つまり、性ホルモンを投与しようが、性別は変わらない。ヒトの性別を決定するのは染色体である。 (※ ホルモンについて、より詳しくは高校理科の「生物」分野で習う。)