中学校国語/現代文

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

おもに、入試の現代文対策を述べる。学校の定期テスト対策では、授業中にとったノートや教科書や教科書ガイドなどをキチンと復習すればよい。

学校のテストでも、教科書に書いてない作品を問題文として出題する場合がある。そういう問題の対策にも、これから述べる入試対策の現代文対策と似たような勉強法が必要になるだろう。


これから述べる読解の作法は、あくまで、入試対策や、定期テストでの授業で扱っていない範囲から出題された問題文への対策です。授業でならった範囲から出た問題文の場合は、あらかじめ内容や解釈を覚えた方が、てっとり早いです。というより、授業で習った範囲の問題文の解釈は、あらかじめテスト前の復習で、解釈ごと覚えておかないと、テスト中に問題をテスト時間内に解き終わりません。


現代文の読解とは[編集]

現代文の読解は、筆者の主張を短時間で正確に理解するための作業です。読解力とは、そのような短時間での理解の作業を遂行していく能力でしょう。

数学に公式と言う「手法」があるように、現代文の読解にも「手法」があります。

テクニック[編集]

指示語(「その」「あの」など)や代名詞(「それ」「彼」など)の内容を確認しながら、メモしながら読み進める。[編集]

読解中の具体的な作業として、「それ」とか「その○○」みたいな指示語などの「それ」とは何を指すかを明確にしながら、問題文を読み進めます。

このため、国語の問題練習では、鉛筆や消しゴムなど筆記用具が必要になります。単に読むだけでは、練習になりません。数学などと学習法が似ています。数学などでは、計算練習のような、鉛筆を使った作業が必要な科目です。現代文も、鉛筆などの筆記用具を使った作業が必要です。


テスト問題にも、問題文(作品の文章本文のこと)中に代名詞の「それ」とか「あれ」とかに傍線が引いてあって、設問文で "傍線部Aの「それ」とは何を指すかを問題文中から抜き出して書きなさい。" というような設問が多く出ます。

なので、文を読むときに、最初から「それ」とか「その」などの代名詞などが出てきたら、問題文の何に相当するかをメモしながら(試験用紙などにメモ)、読み進めます。線で結ぶとか、カタカナ書きなどで具体的に対応する語句をメモしておくと良いでしょう。


話題は変わりますが、もし自分で文章を書くときは、代名詞をあまり多用しすぎないように書いたほうが、読み手にとっては分かりやすい文章が書けるでしょう。 「それ」などの代名詞を用いるよりも、「その○○」などというふうに具体的に指示対象を併記したほうが読み手が分かりやすいでしょう。

とくに実社会での報告書や説明文などでは、なるべく読み手に掛かる読解の手間を、減らす工夫をしなければなりません。報告書での文の読まれる順序は、かならずしも文章のはじめから文が読まれるとはかぎらず、抜粋(ばっすい)などをされて、第三者の読者に途中だけ読まれる場合もあります。なので、もし書く際に代名詞を多用すると、読み手が前の文を読み返す負担が増えるので、なるべく代名詞を抑えたほうが良いのです。途中の段落の始めや、途中の章の始めなどでは、読み手がわざわざ前の段落や前の章を読み返さなくてもすむように、代名詞や指示語の使用はひかえめにして、具体的に名称を書くほうが読みやすくなる場合が多いでしょう。

中学生・高校生では、別に報告書の書き方をここまで練習する必要は無いでしょう。学習時間も足りませんし。(学生は、他の教科・他の単元の学習もしなければならない。) まあ、読者は頭の片隅にでも、報告書の書き方を入れといてください。

たとえるなら算数で引き算の練習をやれば、自然に足し算も上達しますよね。同様に、読解の練習をすると、自然に書く能力も上がります。 なので読解練習での指示語の指示対象を探す練習の学習成果によって、自然に報告書や説明文を書く能力も上がります。


ただし、詩歌や俳句や物語文などの場合は、文を書く際のノウハウが変わります。俳句の場合は字数の制限がありますし、詩歌や物語文などの場合には音のリズムの関係もあるでしょうから、あまりに具体的に名称を書いてばかりいると、かえって読みづらくなってしまうかもしれません。このような詩歌などの場合には、指示語や代名詞も用いたほうが良いかもしれません。

なので、書き手は用途に応じて、書き方を分けてください。

問題文の主張に、感心する必要は無い[編集]

問題文の主張に、感心する必要はありません。そんな事は入試では要求されません。現代文のテスト問題には、出題者が「この作品は優れた内容の作品であるので、出題しよう。」と判断した作品が問題文として採用されているので、ついつい感心しやすい内容の問題文が出ます。しかし、テスト中には、感心している暇がありません。そういう感傷(かんしょう)は、テスト後にひたりましょう。

もっとも、検定教科書に採用された作品の場合、とくに説明文や近代文学などの場合は、内容の理解も教育の一部として考えられているので、もし予習復習の時間に余裕があったら、感心するような作品の問題文は何度か読み返すのも良いでしょう。また、現代文ではないですが、古文や漢文などでも、あらかじめ内容を理解してないと読解に時間が掛かるので、古文・漢文の作品は内容ごと覚えてしまうのも良いでしょう。


ただし、作品に「感心した」「感動した」という感情は、主観的な感情にすぎません。テスト等では、客観的に測定できる分析力や読解力が要求されます。客観的な読解能力とは、訓練しないと身につきづらいものです。客観的な読解能力のほうが、需要(じゅよう)が高いのです。

読解問題よりも先に、暗記問題を解く[編集]

読解問題には時間が掛かります。なので、まずは暗記してれば解ける、漢字問題などを中心とした大問(たいもん)があれば、そちらから解くことで、得点を確保しましょう。

また、古文・漢文などの古典の問題は、比較的、短時間で読解できたり、あるいは暗記問題だったりするので、現代文よりも先に古典文の大問から解いたほうが、得点できるでしょう。

問題の問題文を読む前に、設問を読む。[編集]

さて、問題の問題文を読む前に、設問を読むのが、受験テクニックです。現代文の大問では当然、設問から読むべきだし、古典の大問でも同様に、設問から読むべきです。

その上で、設問で問われることを念頭に置きながら、問題文を読みます。もし、そうせずに、かりに試験用紙の掲載順どおりに読んでしまい、つまり問題文を読んでから設問文を読むと、そうすると設問文を読んだあとに再び問題文を読み直す必要がありますので、問題文を2度読むことになります。だから掲載順どおりの読み方をしてしまうと、問題文の読み直しをする必要が生じてしまうので、余計な時間が掛かり、設問を考える時間が足りなくなります。

多少の例外はあるかもしれませんが、たいていの場合、設問から先に読んだほうが、得(とく)な場合が多いです。

もしくは、本文の最初の段落など、本文の一部だけ先に読んでおいて、そのあとに設問を読んで、それから本文全部を順番に読む、などという方法も、よいかもしれません。

かりに設問の数がやたらと多い場合とかは別でしょうが、普通のテストでは、そういう事はありません。そういう例外的な場合(設問の数がメチャクチャと多い場合とか)でない限りは、まずは設問を読んでから問題文全体を読んだほうが安全でしょう。

そして、設問を先に読んでいるので、問われる内容が分かってるので、問題文を読んでる途中に、ある設問の答えが分かる場合があります。もし答えが分かった場合、その答えを忘れないうちに、もう解答用紙に書いてしまいましょう。どうしても解答用紙にかけない場合(たとえば字数内にマトメルのに時間が掛かる、とか)でも、せめて、答えの内容のメモ書きくらいは、問題用紙の余白などに、しておきましょう。

数分でも時間がたつと、意外と忘れるものです。なので、忘れない内にメモ、です。

なお、「代名詞の内容を追いながら、読む」などのテクニックを実行しながら、問題文本文を読むことを忘れないようにしてください。

つまり、これまでの読解テクニックをまとめると

  1. なるべく暗記問題から解く。古典(古文・漢文)から解く。こうすることで、得点を先に確保。
  2. まずは設問をさきに読む。 こうすることで、問題文の二度読みの時間ロスを防止。
  3. それから問題文を読み始める。
  4. 代名詞などの内容を(問題用紙に)メモしながら問題文を読むことを実行。
  5. もし設問の答えが分かったら、解答用紙に書く。なんらかの理由で解答できない場合は、メモを問題用紙に残す。

というような順番になります。

もし問題文を1回読んでも分からない場合、ほんの1分ほど設問に関係しそうな場所を読み直して、それでも分からない場合、もし他にも別作品の大問があれば、そちら(別作品)を解くのに取りかかります。

たいてい1つのテストで、2個や3個の作品が問題文として別々に出題されてるので、それらに均等に時間配分をして、テストを解いていきます。ときどき、最初に掲載された問題文が、やたらと難しい場合もあるので、もしそういう場合に、最初の問題文だけに時間を割くと、ほかの問題を解く時間が無くなってしまいます。

「問題用紙に掲載された作品中、どの作品が易しく解けて、どの作品が難しいか」なんてのは、読んでみないと分からないので、とりあえず、設問を読み終わったら、さっさと問題文を最初の作品から順番に読み始めましょう。


さて、問題文と設問文との掲載順序について、けっして出題者は「気を利かして先に設問を掲載してから、次に問題文を掲載する、」なんて事は、してくれません。なので、しかたなく受験者のほうが、気を利かして先に設問文を読む必要があります。

実社会でも、上司に報告や連絡や相談などをするときには、先に概要(がいよう)とか要約(ようやく)を話してから、続けて詳細を続けて話す必要があります。そうやって先に要約を話しておかないと、上司が聞きなおす必要が生じて、上司の時間を奪ってしまうからです。実社会での報告・連絡・相談では、もし先に要約を話さずに、先に詳細から話しはじめると、おそらく上司に叱られます。

なので、新人の社会人は報告での要約の練習をさせられたりします。


学校の現代文での練習で、設問を先に読むことも、そういう実社会での要約の練習だと思って、がんばりましょう。

また、実社会でも、文献調査(ぶんけんちょうさ)や取材(しゅざい)などをするときは、客先(きゃくさき)などから質問されそうなことを先に目星をつけておきながら、それから文献調査したり取材したりして、気付いたことをノートなどにメモをしながら、調査をしていくわけです。(※ ここで私のいう「取材」とは、一般企業の社員などが、勤務する業界の関連する展示会(てんじかい)イベントなどを取材することです。テレビ局などマスコミの「取材」の場合とは、ちがうかもしれません。)

特に取材の場合、出張費用などが掛かったり、イベントなどの取材だと年に1回しか取材できない場合とかがありますので、取材前に事前に目星をつける必要があるわけです。

話を戻すと、中学の国語の読解問題の解きかたの話でしたね。

ともかく、設問を先に読んでから、問題文を読むのが、受験テクニックです。

報告書を作れるような能力が、設問で要求される[編集]

学校や入試での、国語の現代文の長文読解での読解作業は、報告書の書き方とは逆方向の読み方を、やれば良いワケです。

それでは、報告書の書き方のノウハウを例示しましょう。

報告書の書き方のノウハウ[編集]

  • なるべく主語は省略せず、あるいは目的語は省略せず、主語・目的語を書いたほうが分かりやすいです。
物語文などでは文章の主語は省略される場合もあります。ですが、説明文や報告書などでは、なるべく主語を書いたほうが分かりやすいです。この箇条書き項目の「なるべく主語は省略せず、あるいは目的語は省略せず、主語・目的語を書いたほうが分かりやすいです。」という文章も、主語や目的語を省略せず、書いています。
  • 一文は、短めに書く。

日本語は、文章の最後まで読まないと意味が確定しません。なので、一文が長いと、読む際の負担が増えます。この「一文は、短めに書く。」という文章自体、なるべく短く書こうとしています。


  • なるべく肯定形で書く。あまり、否定形は用いない。報告書などでは、二重否定よりも、肯定形に置き換える。

日本語は、文章の最後まで読まないと意味が確定しません。さて日本語では、否定形は、文の最後に来ます。否定形の前後では、文全体の意味が正反対に変わります。なので、否定形があると、読み直しの手間が生じます。だから否定形が多いと、読み直しの手間が増えて、読みにくい文章になります。この記事の「なるべく肯定形で書く。あまり、否定形は用いない。」という文章じたい、「○○で書く」という肯定形の表現を優先し、「△△は用いない。」というような否定形の表現を後回しにしています。


  • 接続詞を用いて、文の概要を示す。

たとえ読み手が文章を最後まで読まなくても、読み手が文意を予測できるようにして、冒頭に接続詞などを用いて、文意を示します。この「たとえ読み手が文章を最後まで読まなくても、」という文節自体が、「たとえ」という接続詞によって、文意を予測させています。

  • 箇条書きを利用する。

理由は、箇条書きによって説明対象が明示的になるから。そのため、この記事自体、箇条書きを利用しています。

  • なるべく結論から書く。あるいは冒頭に、要約(ようやく)や概要(がいよう)などを書く。段落の始め近くや章の始め近くにも、なるべく結論や要約などを書く。

なぜなら、読者にとっては、読み直しの手間が減ります。この記事自体、なるべく結論から書こうとしています。


学校のテストの問題文では、報告書の書き方とは逆の問題文が出題されます。[編集]

学生のテスト対策では、これの逆の文章が出題されることを意識すれば、対策しやすいわけです。つまり国語テストの読解問題の設問には、文章の結論を問う設問が、ほぼ必ず一問は出題されたりします。

「作者の主張に近いものを、次の選択肢の中から選べ」というような設問です。

あるいは接続詞を問う問題が出題されます。たとえば問題文のある文の接続詞を隠して空欄にして、その空欄に適した接続詞を選択させる選択問題なども、よく出題されます。

ある指示語のさす内容について、字数を一定以下に限定し、「この指示語の内容を○○文字以内で書け。」というような設問も、箇条書きの能力に近いでしょう。

ある動作の主語の内容を問う選択問題も多いです。たとえば設問文で 「傍線部Aの「彼」とは誰ですか? 問題文の中から抜き出しなさい。」みたいに主語の内容を問う問題も多いです。


学校で習う文章は、実社会の文章とは違う。学校で習う文章は、読解練習のために編集されている。[編集]

学校で習う文章は、テスト問題として出すための文章であるという理由から、実社会で書くべき文章とはズレがあります。学校で習う文章は、読解練習用に教育用に編集された文章であるので、やや読解が難しめの文章になっています。

「教育用に編集」という主張の意味は、たとえば、たとえ作者が読み手に分かりやすいように、作者が文の冒頭に要約を書いていたりしても、出題者が冒頭の要約を隠して問題文を出題したりして、わざと分かりづらくさせたりまします。しまいには選択問題として、隠された要約にふさわしい選択肢を選ぶ問題が出題される場合すらも、あります。同様に、たとえ作者が文章の最後に結論やマトメなどを書いていても、出題者が結論などを隠して、問題の一つとして出題する場合もあります。

ですが、教育訓練の用途としては、あえて分かりづらく編集する出題も、必要な措置(そち)です。

実は「具体的に明示的に書く。読み手に読みやすくなるように、書き手が書く。」というのは、書き手にとっては、難しいのです。読み手にとっては読むのが簡単な文章ほど、書き手にとっては書くのが難しくなります。

たとえば全自動の洗濯機とか、あるいは全自動の炊飯器とかで、家事をするのは、利用者にとってはボタン一つで簡単かもしれませんが、その全自動の製品を作っている企業での仕事は、決してボタンひとつでは片付きません。

同様に、読み手がスラスラと読めて内容を即座に把握しやすい文章であるほど、その文章を書き手は時間を多く掛けて書いています。

だから、いきなり学生に文を書かせる教育は、難しいのです。なので、まずは、やや難しめにした文章を読ませる練習から、学生は教育されるわけです。

たとえば小学校の算数の練習で、全自動の電卓をあまり使わない事と似ていますね。「電卓を作れ!」「計算機を作れ!」という課題は、小学生には解決が無理です。なので、まずは電卓に頼らなくても計算できるように、小学生は教育されますよね。

同様に、中学での国語の読解練習でも、たとえ書き手の親切心に頼らなくても中学生が読解を出来るようになるため、中学生は読解練習をさせられているわけです。


勉強法[編集]

学校の活用[編集]

読解は独学しづらいので、学校の授業や塾などを活用する。まずは、キチンと学校に通って、キチンと予習復習をする。

宿題などで「課題図書を読め」などという宿題も、読解力など訓練も兼ねているだろうから、キチンと宿題をする。

高校受験に向けて[編集]

ここでは高校受験の国語のうち、現代文の対策について解説する。高校受験の現代文は以下の内容が出されることが多い。

  • 説明的文章(説明文・評論文・解説文)
  • 文学的文章(物語文・随筆・詩歌)
  • 文法・言語(漢字、ことわざ・慣用句など)
  • 作文

国語は数学・英語と並んで「主要3教科」と呼ばれることが多いが、3教科の中ではもっとも扱いが低い傾向にある。それは普段私たちが使用している日本語の読み書きが中心で、普段の生活でなんとなく身についているかのように見えるからであろう。しかし、国語の現代文の力は数学や英語と同じくらい、力をつけるのに時間のかかるものである。たとえば新聞が読めるからといって、哲学書や難解な評論が読める(理解できる)とはかぎらない。これらを読むには筆者の主張を丁寧に追うトレーニングを積まなければならない。小説でもストーリーを理解することはそれほど難しくはないが、登場人物の心理といった表面的な部分に描かれていないものを理解するには日常体験や他の本で読んだことなどと重ね合わせるなどを行わなければ読み間違えるであろう。また、筆者・作者が用いている日本語の表現技法も理解する必要がある。読解に限らず、作文でも同じことが言える。メールが書けることと仕事の報告書などを書くこととは全くことなる。この二つはそもそもルールが違うのだ。

国語の現代文が英語・数学に比べて軽視されがちなもう一つの理由は勉強方法がわかりにくいというのもあるだろう。数学は計算練習や公式の暗記と適用が、英語は単語や文法の学習が基礎となることがはっきりしているが、国語の現代文では何をやればよいのかがよくわからないまま「なんとなく」点を取ったり落としたりすることは珍しいことではない。

国語の学習に必要なものは丁寧に文章を追い、筆者の主張や作者の意図を汲み取るのに必要な読解力だけではなく、それを自分で組み立てなおす論理的な思考や体験や経験、一般常識などと重ね合わせる力である。これらは漫然と学習しても身につかない。正解・不正解にかかわらず「なぜこの答えになるのか(なったのか)」ということを考えながら解いてゆかなければならない。

分野別の傾向[編集]

説明的文章[編集]

大雑把に分けると、あるものごとについて説明することが中心で筆者の意見が少ない説明文(たとえば「科学はどのように進んできたか」「サルの行動からわかること」など)、ある事実を踏まえて筆者の意見を述べているため筆者の主張がはっきりとしている評論文(たとえば「環境問題を解決するには何が必要か」など)、詩や俳句がどのようにしてでき、そのみどころなどを作品に沿って筆者の意見も交えながら解説している解説文に分けられる。

全体として現在も存命の評論家や学者の文章が多い。これは現代文が現在進行しているいろいろな問題について評論・説明している文章を扱うことが多いためである。

筆者の意見とその理由などが明確なため、文章を丁寧に追えば根拠となる部分を見つけることは難しくない。そのため、比較的力をつけやすく点を取りやすい。

読解のポイント[編集]

説明文や評論文では筆者の意見なのか事実なのかを理解しなければ文章を読んでいるうちに混乱してしまう。

頻出テーマ[編集]

  • エコロジー・科学技術
  • 言語論(「言葉とは何か」など)
  • 社会批評(社会の移り変わりなどを論じた文章)
  • 学問論(「なぜ勉強するのか」といった問題を扱う)
  • 美術・芸術についての評論
  • 詩歌とその解説

論者[編集]

大学入試の現代文で出題されることの多い鷲田清一の文章だが、易しいところを高校入試に出題することもある。エコロジーへの関心などから内山節の評論も近年出題されやすくなった。また、数十年前から入試国語で人気のある大岡信・外山滋比古・加藤周一も、時間があればチェックしても損はない。

文学的文章[編集]

物語文随筆文に分けることができる。説明的文章と同様に現在も活躍している作家の作品が多く、公立高校や中堅私立高校ではすでに亡くなった作家はあまり登場しない。詩・短歌(和歌)・俳句が単独で出されることはあまりなく、解説文や古文と共に出題されることが多い。

感覚的な理解や心理の読み取りといったものが必要とされるが、これはすぐに身につくものではない。そのため、早くからいろいろな問題を練習するのがよい。

読解のポイント[編集]

物語文ではまず、登場人物や場面をおさえなければならない。どんな人がいて、その人の人物像を簡単にとらえること、場面はどんなところで登場人物が何をしているのかをしっかりおさえるのが基本である。その上で場面の転換やストーリーの展開、登場人物の言動とその理由を考えると解きやすくなる。

随筆文の読解は説明的文章に近い。つまり、筆者が何についてどう感じたのかを文章にそって考えなければならない。

作家[編集]

小説文ではあまりメジャーな作家の作品は出題されない。例外が重松清で、彼の作品は中学入試・高校入試共にどこかで出題されることが多い。そのため、彼の著作に一冊ぐらい目を通しておくと役に立つかもしれない。随筆では五木寛之の文章が比較的出題されやすい。白洲正子や向田邦子の随筆は、故人である上に教科書や問題集に文章が掲載されていることが多く、(公平性を保つことを目的に)公立高校を中心に高校入試では出題されにくい。しかし、今でも読みつがれている作家であるので、私立入試では出題者が「これくらいは読んでほしい」という気持ちを含めて、出題することもある。

文法・言語[編集]

漢字[編集]

漢字の読み書きは大問1に出されることが多い。数学の計算問題と同じように始めにすませるのがよい。また、漢字の書き順に関する問題が出ることもある。

文法[編集]

ことわざ・慣用句[編集]

その他[編集]

奈良県の公立高校入試問題などのように手本の文を楷書で書き写すというのもある。この場合、止め・はねの正確さなどがチェックされる。

作文[編集]

多くの公立高校の入試では200字程度の作文を書かせる。作文には以下のような傾向が見られる。

  1. 出題された本文の感想や本文を踏まえたスピーチ原稿。
  2. 文学的文章において登場人物の気持ちを考える。または自分ならどうするかを考える。
  3. 中学校時代の出来事などを書く。
  4. 手紙や報告書などを書く。

文章の内容や構成だけでなく、原稿用紙の基本的な使い方や言葉づかいなどもチェックされる。作文に限らないが国語の記述問題では制限字数の80%は最低書かなければ、減点される恐れがある。

その他[編集]

現代文と古文・漢文をセットにした問題が出されることがある。また、2008年まで都立高校の入試問題には対談が出題された。

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