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中学校国語/現代文/説明のしかた

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

小学校で、説明的な文章の書き方や、説明的な発表のしかたを練習したでしょう。

では、中学生むけの教材として、説明的な文章の書き方などを、本書では、まとめます。(本単元の内容は、基本的には、小学校で習ったことを、中学生むけの語句で簡潔に言い直したものである。)


説明の順序

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説明の対象の時間が変化していく場合(たとえば過去、現在、未来と変化していく場合)、

なにかの作りかたを説明する場合と、それとも予想や分析を説明する場合とで、順序がちがう。


なにかの作り方(たとえば料理の作り方)の説明の場合、

時間の順に、

最初にやる作業 → 次にやる作業 → その次にやる作業 → と説明していくのが良い。


(※ 範囲外:)ただし、予想や分析を伝える場合は、ちがう。
予想を伝える場合、もし聞き手・読み手が予想を知りたくて来たのなら、話し手・書き手は、いきなり予想を書くべきである。
また、報告の場合、現状の話を優先して説明すべきである。なぜなら、報告では普通、読み手や聞き手は、まず現状を確認したいからである。
予想や報告を伝える場合、過去の経緯などの詳しい情報は、さきに未来予想そのものや現状報告そのものを伝達したあとに、あとから説明すべきである。


また、説明の順序を決めたら、その説明の最中は統一するべきです。

たとえば、学校の通学路で、危険な場所について調査して報告をする場合、報告の順序としては、(※ 下記の例の一覧は、教育出版の検定教科書での例)

方針1: 学校から近い順に説明する。
方針2: 危険そうな場所から説明する。
方針3: 多くの生徒の通りそうな場所から説明する。

など、順番の考え方がいくつも、あります。

どの順序で伝えるにしても、順序の方針を決めたら、その順序で最後まで伝えないと、聞き手・読み手が混乱します。

見出しの活用

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何かを説明する文章を書く時は、見出しをつけると、読みやすくなる場合が多いです。(※ 東京書籍の中1国語教科書の見解)


たとえば、ある料理の作り方の説明では(※ 架空の料理です)、

/////////////// 例 ///////////////

<この料理をつくるときに特別に準備するもの>

食材

小麦粉 ◯◯グラム、カレー粉 △グラム、キャベツの葉 □枚、サラダ油、ジャガイモ◯◯グラム、

器具

フライパン、計量カップ、耐熱性のあるザル、お湯を沸かせるナベ、


<調理の手順>

1: まず、ジャガイモをサイの目状に切ります。
2: 切ったジャガイモを煮炊き用のナベに入れて、沸騰した湯で3分間、ジャガイモを煮ます。

(※ 以下省略)

///////////////

のように、見出しをつけると、どこに何が書いてあるのか、ハッキリと分かるようになります。


事実を伝えるとき

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事実を伝えるときは、5W1H(ごダブリュいちエイチ)を意識して、伝えると良い。

文章で書く場合は、「いつ・どこで・だれが・なにを・どのように・どうした」(←これが5W1H)を意識して、書くのである。

理由などの「なぜ、そうしたのか?」などの分析や理由などの詳しい情報は、5W1Hのあとから説明する。


なお、こういう説明の書き方でいう「事実」とは、いわゆる客観的事実(きゃっかんてき じじつ)のことです。

なので、「私がこう思ったことは事実です。」というのは、たしかに一応(いちおう)は「私」さんにとっては事実ですが、しかし「私」さんの主観なので、客観的事実ではないので、説明的な文章では避けるべき(さけるべき)です。


(※ 範囲外:)5W1Hとは、When (いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、何を(What)、どのように(How)、どうした。というものです。これに疑問詞 Why (なぜ)をまとめて 5W1H と言います。
(※ 範囲外:)最近は、「5W3H」という表現もある。How many (いくら(※数量))とHow much(どの程度)を追加したものである。よくビジネス論などで使われる。


事実と意見の分離

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また、事実でないことを伝えるには、たとえば推測ならば、文末に「だろうと思います。」などのように文末表現を工夫して、その文章が、推測であると分かるようにすべきである。

この前提として、事実と、それ以外の意見(感想または推測や予想)などとは、文章を別々に分けるべきである。(※ 教育出版の中1国語の見解)


いっぽう、事実を伝えるときは、文末をはっきりと「である。」「です。」「ます。」「だ。」などといった言い切りの形にすべきです。(※ 教育出版の中1国語の見解)

もしかしたら、ひかえめな表現のつもりで、事実を伝えようとしているのに「思います。」という表現をする人がいそうですが、しかし説明の場所では、語尾が「思います」だと意見だと誤解をされる可能性があります。

箇条書きなど

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※ 未記述

スピーチ

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人前で演説(えんぜつ)や発表などのスピーチをする場合、 まず、自分の番のスピーチの最初で、自己紹介をしましょう。

「○○中学校の山田タロウです。」

くらいの簡潔な紹介でかまいません。(※ 三省堂の中学3年国語など)

作文だったら、原稿用紙に自分の名前を書けば分かりますが、しかしスピーチでは自分で自己紹介をする必要があります。

そして、その演説をとおして何を伝えたいのか、ハッキリさせておきましょう。

というのも、スピーチを聞くために、多くの聴衆に集まっていただいているからです。

学生のスピーチの場合、「です・ます」調で話すのが良いとされる。



また、スピーチは、あまり、1人あたりの発表時間を長くできません。

このため、自分の意見の根拠の全てを伝えることは、スピーチでは無理です。

なのでスピーチでは、どうしても伝えたい意見と、その根拠にしぼって、話すことになるでしょう。(※ 三省堂の見解)

よって、スピーチのための原稿を用意する段階では、発表する内容をしぼりこむ必要があります。



さて、スピーチでは、聞いている相手は、わからない事があっても、その場では調べることができません。

なので、たとえば小学生を聞き手として、中学生が、自中学に見学にきた小学生を相手に、小学校と中学校との違いを説明するような場合は、話し手の中学生の側は、相手の小学生の知識を想定して、わかりやすい言葉で話す必要があります。(※ たとえば三省堂の中3国語では、全校生徒にスピーチする場合は、中1が聞いても分かるように言葉づかいを選びなさい、という内容の指導している。)

さて、小学生を相手にスピーチする場合、具体的には、小学生が知らないだろう「部活」や「中間テスト」「期末テスト」といった、普通の小学校では使うことのない言葉を、無意識に使わないように気をつけましょう。


なお、一般に、スピーチのあとには、聞き手からの質問などの時間があります。これを「質疑応答」(しつぎ おうとう)といいます。(※ 光村図書の中2国語)

なので話し手の側は事前に、よくありそうな質問には、ある程度は応えられるように準備しておきましょう。

議論や討論での「意見」の書き方

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議論(ぎろん)や討論(とうろん)などをする場合の「意見」の書き方としては、自分がその意見を「客観的に正しい」と思える理由も伝えましょう。(※ 東京書籍が中1で紹介)

くわしくは2年生の範囲になりますが、議論や討論とは、そういうものだから、です。


グラフなどの活用

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たとえば、あるアンケートでの、多かった意見の回答者数などのように、数値で客観的に計算できるものが多くある場合、数値そのものを記述するだけでなく、グラフなどを活用すると、わかりやすくなる。(※ 東京書籍の見解)

ある商品の販売数の年度ごとの変化や、ライバル他社の販売数との比較なども、数値などで説明できるものはグラフで説明すると、わかりやすい。(※ 東京書籍の見解

棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなど、適したグラフを活用しよう。

もし、数値の対象の人数や販売数が膨大な場合(たとえば「15,6427台」とかの場合、「15万台」のように近似(きんじ)の値で良い。

案内状

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※ 検定教科書では、案内状の例として、「ブックカバー作品展」なるイベントの案内状の例がある(※ 学校図書の中1国語の教科書)。ほかにも小学校の同窓会の案内状の例(光村図書の中2国語)などを紹介している。

なお、報告書では、保護者への校内の合唱コンクールについての、保護者への報告がある。

範囲内

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案内状の書き方は、どんなイベントの案内をするかで変わってきますが、どのイベントでも共通することもあります。


まず、

・ いつ、どこで(つまり日時)、なにのイベントを開催するのか?
・ (※ 範囲外:) 誰に来てほしいのか?

という事です。

たとえば、仮に、ある学校で、生徒たちの書いたポスターの展示会をしたとしましょう。

日時と場所は、箇条書きで書くのが普通です。

日時: 10月19日(日曜日) 9時30分から開催
場所: ブックス中学校 体育館

のように。

こういうのを、3~5行ていどのアイサツ文の直後にでも置きます。


たとえば、草稿(そうこう、下書きの原稿のこと)を考えると、下記のような感じになるでしょうか?

                                        20XX年9月10日
保護者の皆様へ
                               ブックス中学 生徒一同
          校内ポスター展示会の開催お知らせ

下記の日時において、本校において、ポスター展示会を
保護者に見せる行事が開催されます。
ぜひご来場ください。

    日時: 10月19日(土曜日) 9時30分から入場可能
             (終了時刻は夕方の午後4時を予定)
    場所: ブックス中学校 体育館
                                                以上

ほぼ範囲外

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入場できる人の明記

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なお、左上のあて先(あてさき、宛先)などを通して、誰は来れないのかを、伝達する必要もあります。(※ たとえば、光村図書の中2国語の同窓会の案内では、「元6年2組の皆様」と宛先を明記してある。)

たとえば、「生徒の兄弟や姉妹や友人は、来れるのか?」という問題もあります。

「生徒の近所の家に住んでいる大人は、これるのか?」という問題もあります。


あて先で、「保護者の皆様へ」とあるので、なるべく保護者だけに来て来てほしいと、しているのです。

(※ 観客席などの席のある校内イベントでは、席の数の問題や、防犯などの問題で、もし保護者でない人が来ても、退席ねがう場合がある。)


「以上」で文末表現

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(※ ほぼ範囲外:)また、案内状の最後には、「以上」と明記して、文の終わりを明記します。(※ たとえば、光村図書の中2国語の同窓会の案内では、「以上」と文末を明記してある。)


こうすることで、もし、印刷ミスなどの不備によって、たとえば「日時」とその下の行の印刷が消えてしまった印刷物が保護者に届けられても、その場合には、「以上」の語句も消えるので、保護者は「以上」の語句が無いので異常に気づきます。


出欠の連絡の有無と方法、会費の有無など

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また、同窓会などの学外イベントの場合、開催場所が(学校ではなく)たとえば市民ホールだったりして、その施設をレンタルするのに費用が掛かるなどの都合で、出席者の会費をとったり、あるいは出欠の連絡が事前の必要になったりします。(※ 光村が中2にそう指導している。)

来場時などに会費をとる場合は、いくらの金額が必要なのか、「会費: 500円」などのように金額を明記する必要があります。(※ 「日時:」 「場所:」 の一覧のところに「会費: 500円」と書くとよい。光村図書の例では、そうしている。)


出欠の連絡が必要な場合、

・ 連絡手段は何なのか(ハガキ、電話?)、
・ そして、誰に連絡するのか? (※ 範囲外)
・ 連絡の期日はいつまでなのか? 「○月□日までに連絡をお願いします。」などのように、期日を明記する。

などの明記も必要です。

(※ くわしくは中学レベルを大幅に超えるので、以降の説明を省略したい。)


関連項目

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