中学校家庭/幼児の体の発達

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幼児と中学生の体型がどう違うのか考えてみましょう。

幼児の発達と個人差[編集]

幼児期は、子供の身体と心が驚くほど成長し、変化していきます。幼児は一人一人が特別な存在です。子供が健やかに成長するためには、大人が子供の個性個人差に気づき、子供が自ら成長して変化する力を支える必要があります。子供達はそれぞれ自分のペースに合わせて成長しながら、興味や悩み、得意分野や苦手分野などが一人一人違います。したがって、それを受け入れながら、一人一人の子供と接していかなければなりません。

大人の視野は上下約120度、左右約150度見えますが、6歳位の子供は上下約70度、左右約90度と、大人の6割程度しか見えていません。また、子供の目は大人よりずっと低い位置にあるため、より狭い範囲しか見えません。

幼児の体の発達の特徴[編集]

個人差がありますが、骨格が発達するにつれて、身長も体重も増えていきます。幼児は手足が短く、身長に対して頭が大きいので、姿勢を正しく保てません。そのため、幼児期はつまずいたり、転んだりしやすくなります。

幼児期の身長と体重の平均
身長や体重だけでなく、消化吸収・呼吸・脳・神経系が大きく発達します。

ホルモンとは、体の働きを調節する物質です。精神と体の成長に関係します。甲状腺ホルモンは、乳幼児期に脳の成長を助け、思春期には体の成長を促します。脳下垂体は、骨や筋肉を成長させる成長ホルモンというホルモンを作ります。どちらも、乳幼児期の心身発達に重要です。

運動機能[編集]

幼児の体や運動能力の発達は、一定の方向と順序で起こります。個人差があっても、運動機能の発達によって、出来る範囲が広がり、好奇心も生まれます。この好奇心が運動機能を刺激して、相互に発達します。

生理的機能[編集]

乳幼児の呼吸や心拍数は、大人よりも活発です。また、体温が高く、体温調節機能が未発達で汗をよくかきますから、水をたくさん飲まなければなりません。また、疲れを癒したり、次の活動に向けてエネルギーを蓄えたりするために、多くの睡眠時間が必要です。

体や運動機能の発達
頭と首が整い、背骨と腰がしっかりして、座れるようになり、自分で歩いたり立ったりも出来るようになります。

腕は指先に届くまで伸びて、指先を器用に使えるようになります。

幼児期の成長例
全身の運動機能:体が発達すると、どんどん出来るようになります。

手先の運動機能:細かい動きや正確な動作も上手になってきます。

生理的機能:呼吸数や心拍数が遅くなり、睡眠時間も短くなります。