中学校家庭/持続可能な消費生活を目指して

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自分や家族の消費行動が社会に与える影響をまとめましょう。

買い物は投票[編集]

「買い物は投票」とは、商品を購入する時に、毎回頭の中に入れておきたい言葉です。選挙の投票と同じです。私達が商品を購入すると、その商品の生産者や販売者を応援しているとも言えます。私達は、より良い商品を買い、欠陥商品の購入を控えると、その商品が改善され、会社の考え方も変えられるようになります。

持続可能な社会の実現[編集]

2015年9月、国連加盟国193カ国は、「アジェンダ2030」に合意しました。その目的は、今後15年間で深刻な貧困・不平等・不正義を解消させ、より良い地球にするためです。「アジェンダ2030」は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」ともよばれています。持続可能な開発目標には、長く持続出来る社会を作るための17の目標があります。その中の12番目は、人・環境・社会に優しい商品を作り販売する生産者・販売者の責任と購入する消費者の責任です。消費者・生産者・販売者が、自分達の行動が現世代・次世代を問わず、地球環境や消費経済にどのような影響を与えるのかを意識して、責任ある消費行動をすれば、持続可能な社会を作り出せます。

エコロジカル・フットプリントは、地球環境で人間の行動がどのように影響するのかを測る指標です。この指標では、全世界の人の生活を支えるためには地球1.7個分、日本人と同じように生活するためには地球2.9個分が必要となります。

エシカル消費と消費者市民社会[編集]

消費行動は様々な影響を受けます。そのため、今後は、自分の幸せだけでなく、他人・社会・環境・地域などを考えた倫理的消費(エシカル消費)が求められています。そして、現在の世代と未来の世代がともに幸せに暮らしていけるような公正で持続可能な社会を築かなければなりません。このため、自由な消費者として行動出来るような社会(消費者市民社会)になるように、実践していきましょう。

すぐに出来る「エシカル」 エシカル協会代表理事 末吉里花さん
「エシカル」の意味は、「倫理的な」です。ほとんどの人が「正しい」と考える社会規則を表しています。難しい言葉に思えるかもしれません。しかし、日本の伝統的な考え方から来た言葉「思いやり」と「もったいない」は似ており、それぞれの意味が「影響をしっかりと考える」で使われています。いつも使ったり、食べたり、着たりしている商品にも作る人がいます。人・社会・地球環境・地域を考えて、購入したり、消費したりするようにしましょう。

エシカル消費は、すぐに行動に移せるので注目されています。今の時代毎日何かしら消費をして生活を営んでいます。全世界の人が消費者なので、全世界の人がエシカル消費を実践出来ます。


※ 高校の社会科の科目「公共」でも「エシカル消費」「倫理的消費」が紹介されています。中学で覚えてしまいましょう。

エシカル消費の例[編集]

地産地消

被災地支援商品

障害者支援に繋がる商品

★オーガニックコットン製品

綿花に適した土地で栽培され、適切な量の農薬と肥料を使って、社会や環境の規則に従って作られた製品です。

★リサイクル、アップサイクルの商品

廃材や使わなくなった物を、素材をそのまま使ったり作り替えたりして、別の新たな価値を持つ物として使います。

★売り上げの一部が寄付になる商品の例

レッドカップキャンペーンのマークが付いた商品を購入すると、売上金額の一部が学校給食支援に役立てられます。

★認証ラベル付きの商品の例

認証ラベル付き商品を購入してもエシカル消費といえます。認証機関は多数あり、様々な商品に付けられています。これらはほんの数例に過ぎません。

(1)国際フェアトレード認証ラベル:この認証ラベルが付いていたら、国際的なフェアトレード基準に従っています。

(2)FSC認証:森林資源を使った商品(紙製品など)に付けられています。

(3)MSC認証:水産物に付けられています。海の自然環境や水産資源を守るために、付けられています。