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中学校家庭/食品の保存と食中毒の防止

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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食品の安全で正しい扱い方を学びましょう。

食品の保存

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食品を購入した後は、品質を保つために清潔に保存しなければなりません。低温で保存すべき食品もあれば、室温で保存できる食品もあります。

冷蔵庫で保存しても、時間が経つと品質が徐々に低下し、最終的に腐ります。一方で、冷凍保存すると腐敗は防げますが、乾燥や油の酸化が起こることがあります。また、解凍時には液汁(ドリップ)が出たり、食感が悪くなったりすることがあります。

食品の品質が落ちる前に消費できるよう、計画的に買い物をし、適切な方法で保存することが重要です。

室温で保存

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食品 保存方法
乾物(乾椎茸・昆布など) 冷暗所に密封袋や密封容器に入れて保存します。
芋・南瓜など 新聞紙に包み、涼しく風通しの良い場所で保存します。
玉葱 ネットに入れて吊るして保存します。
また、茗荷や生姜のような熱帯が原産地の農産物は冷蔵するとかえって劣化を促進します。

冷蔵・冷凍庫での保存温度と保存可能な食品

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食中毒の防止

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食中毒とは、食品に付着した病原体(細菌、ウイルス、寄生虫など)やその毒素が原因で発生する健康被害を指します。主な食中毒の原因菌やウイルスには、ボツリヌス菌、ピロリ菌、腸管出血性大腸菌(O157)、芽胞菌などがあります。それぞれの特徴と効果的な対策について説明します。

ボツリヌス菌

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特徴

ボツリヌス菌は、土壌や水中に存在する嫌気性細菌で、酸素がない環境で増殖し強力な神経毒素を産生します。この毒素は、加熱調理では破壊されにくく、非常に少量でも致命的です。特に、家庭での保存食や自家製の缶詰が原因となることが多いです。

対策
  • 自家製の保存食品は、酸素を遮断する密封容器での保存を避ける。
  • 100℃以上の加熱を10分以上行い、毒素を分解する。
  • 保存食を低温保存し、早めに消費する。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)

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特徴

ピロリ菌は胃に感染し、胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんの原因にもなる細菌です。主に水や食物を介して感染し、特に衛生環境が悪い地域での感染が報告されています。

対策
  • 飲料水の衛生管理を徹底し、安全な水を使用する。
  • 食材の調理前にしっかりと洗浄する。
  • 一度感染した場合は、医療機関での抗生物質による除菌治療が必要です。

腸管出血性大腸菌(O157)

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特徴

O157は、腸内で毒素を産生し、出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす非常に危険な菌です。感染は主に未加熱の肉や加熱不十分な食品から起こります。

対策
  • 肉類は中心部までしっかりと加熱する(75℃以上で1分以上)。
  • 生肉を扱った後は、手や調理器具を十分に洗浄・消毒する。
  • 生野菜や果物は十分に洗浄し、清潔な環境で調理する。

芽胞菌(クロストリジウム属など)

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特徴

芽胞菌は、極めて耐熱性が高く、加熱処理や消毒に対して耐性を持ちます。特に、調理後に適切な温度管理が行われないと、芽胞が活性化し食中毒の原因となることがあります。

対策
  • 調理後の食品はできるだけ早く冷却し、適切な温度で保存する。
  • 冷蔵庫での保存は4℃以下、冷凍庫では-15℃以下に保つ。
  • 調理後、長時間常温で放置しない。

サルモネラ菌

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特徴

サルモネラ菌は、鶏肉や卵を介して感染することが多く、食中毒の主な原因菌の一つです。感染すると、発熱、腹痛、下痢などの症状が現れます。

対策
  • 鶏肉や卵は中心部まで十分に加熱する(75℃以上で1分以上)。
  • 生卵を避け、特に高齢者や免疫力の低い人は注意する。
  • 生肉を扱った後は、手や調理器具をしっかり洗浄・消毒する。

ノロウイルス

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特徴

ノロウイルスは、非常に感染力が強く、少量のウイルスで感染が成立します。特に、冬季に流行しやすく、感染すると激しい嘔吐や下痢を引き起こします。

対策
  • 調理前後に手をよく洗うこと。アルコール消毒は無効です。
  • 二枚貝とくに牡蠣は生食はなるべく避け、中心部を85~90℃で1分30秒以上加熱する。
  • 調理器具や食器を十分に洗浄し、熱湯消毒や次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。