中学校社会 公民/文化

検定教科書における記述の傾向

次の用語が、検定教科書では重要語句になっている（平成28年度、令和3年検定版で確認）。下記に例を示す。

• 文化
• 科学（科学技術）
• 宗教
• 芸術
• 異文化理解

文部科学省の定める学習指導要領（平成29年告示）解説（中学校 社会科版）には、以下のように記述されている

「（1）私たちが生きる現代社会と文化の特色」では，現代日本の社会は少子高齢化，情報化，グローバル化などの特色が見られること，いろいろな場面において 伝統や文化の影響を受けていることを理解できるようにし，それらが現在と将来の政治，経済，国際関係に与える影響について多面的・多角的に考察し，表現で きるようにするとともに，我が国の伝統と文化などを取り扱う中で，文化を受け 継ぎ，創り出していくことの意義について考察し，表現できるようにする。

文化と私たち

文化って何だろう

文化は、単なる習慣や生活様式を超え、人間の営み全般に関わる広範な概念です。文化には、言語や宗教、芸術、科学、教育、法律、経済活動など、人々が世代を超えて伝えてきた知識や価値観、技術のすべてが含まれます。文化は個々の社会やコミュニティを形成し、独自のアイデンティティを育むと同時に、他の文化と交流し合うことで新たな価値を創出していきます。

科学（科学技術）

科学（科学技術）の恩恵

• AI（人工知能）の発展により、ビッグデータを活用した情報収集や分析が可能となり、医療や交通、産業分野での新しいサービスが生まれています。科学技術は、私たちの生活の質を向上させ、社会の進歩を促進しています。

科学（科学技術）の問題点

• 一方で、科学技術の急速な進歩は、情報格差（デジタルデバイド）やプライバシーの侵害といった新たな社会問題を引き起こしています。これらの問題を解決するためには、技術の進歩とともに倫理的な判断が求められます。

宗教と人々

宗教は、文化の一部として人々の思想や行動を形作る重要な要素です。宗教は個人や共同体に精神的な支えを提供し、社会の倫理や規範を形成します。歴史的に見ても、宗教は建築や芸術、法律、教育といった多くの文化的側面に深く影響を与えてきました。また、異なる宗教間の対話と理解は、平和な共存を実現するために不可欠です。

芸術と私たち

芸術は、文化の中で表現される創造的な活動の一環であり、人々の感性や精神を豊かにする役割を果たします。絵画や音楽、演劇、文学などの芸術は、社会や時代の価値観を反映すると同時に、それを超えて普遍的なメッセージを伝える力を持っています。芸術はまた、異なる文化同士の理解や交流を深める手段としても機能します。

伝統と文化

伝統文化を大切にする

伝統文化は、長い歴史の中で培われた知識や技術、価値観を次世代に伝えるだけでなく、それを基に新たな文化を創造していく基盤となります。茶道や華道、能楽などの日本の伝統文化は、現在でも多くの人々に親しまれ、その精神性や美意識が高く評価されています。伝統文化を理解し継承することは、地域社会の結束を強化し、世界との文化交流を深めることにもつながります。

異文化と今後

グローバル化が進む現代社会では、異文化理解がますます重要な課題となっています。異なる文化や価値観を持つ人々との交流は、新たな視点や創造的な発想を生み出し、個人や社会の発展に寄与します。異文化理解には、相手の文化を尊重し、互いの違いを認め合う姿勢が求められます。これからの社会では、異文化間の対話を促進し、多様性を尊重する共生社会の構築が一層求められるでしょう。