中学校社会 公民/練習問題/人権と日本国憲法
1 憲法の成り立ちと日本国憲法
次の文章を読んで、以下の問に答えなさい。
日本では、明治時代にドイツ(プロイセン)の憲法を手本とした憲法がつくられた。手本としたドイツの憲法では、君主の権限が絶対的なものとなっていた。その後、ドイツでは世界で初めて(①)を認める民主的なワイマール憲法がつくられたものの、ヒトラーの台頭によってそれらは形骸化されていった。日本の大日本帝国憲法では、(②)が統治権をもった。また、国民の権利を(③)の範囲内で制限することができた。戦後は、GHQの下で民主的な憲法づくりが進められた。つくられた日本国憲法では、国の(④)法規となっている。また、新たな憲法では天皇は、国の尊重として(⑤)行為を行っている。
問1 (①)~(⑤)に適切な語句を答えなさい。
問2 次の文章に当てはまる語句をそれぞれ答えなさい。なお(い)は選択肢の中から選びなさい。 (入試問題)
フランスの思想家である(あ)は、18世紀に著した(い 社会契約論/法の精神)の中で三権分立を唱えた。
問3 立憲主義とはどのような考えのことかを憲法によって制限するものと守るものが分かるように、簡潔に答えなさい。(入試問題)
問4 次の資料についての問題にそれぞれ答えなさい。
問4ー1 次の資料は憲法の3大原則の何を表しているか答えなさい。
問4ー2 次の資料に当てはまる憲法の条文を1~4から一つ選びなさい。
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(9条)
2 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。(14条)
3 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。(25条)
4 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。(33条)
(次の資料についての説明)あたらしい憲法のはなしは、太平洋戦争の終結後に作られた中学1年生用の教科書で戦後数年間使われた。小中学校の教科書や資料集で用いられることがあるので覚えておこう。
問5 近年自衛隊は東ティモールやカンボジアで国際平和協力法に基づいてある活動をしている。その名前をアルファベット3文字で答えなさい。
問6 次は日本国憲法の改正の手続きを示したものである。文章の( )の中に当てはまる語句の組み合わせを次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
(あ)以上の賛成で、国会が憲法改正の発議をする。この承認には(い)が必要であり、これで過半数の賛成を取れば憲法は改正される。
① あ 衆議院の総議員の3分の2 い 国民投票
② あ 参議院の過半数 い 住民投票
③ あ 各議院の総議員の3分の2 い 国民投票
④ あ 各議院の総議員の3分の2 い 住民投票
答え 問1 ① 社会権 ② 天皇 ③ 法律 ④ 最高 ⑤ 国事 問2 あ モンテスキュー い 法の精神 問3 憲法によって、国家の権限を制限し、国民の権利を守るという考え方。 問4ー1 平和主義 問4ー2 1 問5 PKO 問6 ③
2 憲法の権利 ①
たかし君は憲法の条文についてまとめた。次の文章を読んで、以下の問に答えなさい。
9条 第一項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを(①)する。
9条 第二項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の(②)は、これを認めない。
14条 第一項:すべて国民は、(③)に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
25条 第一項:すべて国民は、(④)で(⑤)な(⑥)の生活を営む権利を有する。
問1 次の憲法の条文の( )に当てはまる語句をそれぞれ答えなさい。(一部入試問題)
問2 次の問題に答えなさい。
問2ー1 14条のような権利を何というか答えなさい。
問2ー2 この権利に関連して、日本国内に残る差別の説明として正しくないものを次のあ~えから一つ選びなさい。
あ えた ひにん などの江戸時代からの身分の差別は部落差別といわれている。
い 男女差別の解消のために、1965年に同和対策審議会がつくられた。
う アイヌ民族は同化政策の影響で、民族固有の生活ができなくなった時期があった。
え 肌の色を理由とした差別は諸外国でも多くみられる。
問2ー3 1999年に性別にかかわりがなく、個人として能力を生かすことができる社会づくりのために制定された法律の名前を答えなさい。(入試問題)
問3 「バリアフリー」とはどのような考えであるか簡潔に答えなさい。(入試問題)
問4 誰もが使いやすいデザインのことを何というか答えなさい。また、それをすることによってどのような社会を実現しようとしているのか述べなさい。(入試問題)
問5 憲法君の友達の正子さんは「自由権」について以下の発表をした。次の発表とそれに関する問題に答えなさい。
(発表の原稿)日本国憲法が定める自由権は身体の自由、精神の自由、経済活動の自由の3つに分けられます。精神の自由には(あ)は含まれません。フランスのある思想家は「あなたの言うことには、一言も賛成できないがあなたの言うことを命をかけても守るつもりだ。」との言葉を述べており、これは日本国憲法の(い)に当てはまります。
問5ー1 (あ)に当てはまるものを次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
① 信教の自由 ② 職業選択の自由 ③ 学問の自由 ④ 思想及び良心の自由
問5ー2 (い)に当てはまるものを次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
① 奴隷的な拘束からの自由 ② 表現の自由 ③ 住居移転の自由 ④ 残虐な刑罰の禁止
問6 次の問題に答えなさい。
問6ー1 25条のような権利を何というか答えなさい。(入試問題)
問6ー2 日本国憲法が保障する社会権のうちの25条で明記されている権利に関連する文として適切なものを次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
① 医療行為に関して、十分な説明の上で本人が同意するという「インフォームド・コンセント」の考え方が広まっている。
② 現在の社会では、労働者一人当たりの労働時間を短くして、雇用する人を増やすということが出てきつつある。
③ 国民にとって分かりやすい裁判制度のために、裁判官や弁護士を増やすことや裁判員制度などの司法改革が進んでいる。
④ 少子高齢化社会が進行して、介護保険が整備されているが今後年金や保険制度を整備していく必要がある。
問6ー3 労働者は、使用者よりも弱い立場にいるので日本国憲法では団結権、団体交渉権、団体行動権が定められているがこれを3つあわせて何というか答えなさい。(入試問題)
答え 問1 ① 放棄 ② 交戦権 ③ 法の下 ④ 健康 ⑤ 文化的 ⑥ 最低限度 問2ー1 平等権 問2ー2 い 問2ー3 男女共同参画社会基本法 問3 (説明の例) 高齢者や障がいを持つ人が、社会で安全・快適に生活できるように様々な障壁を取り除こうという考え方 問4 ユニバーサルデザイン (目指す社会の例) 障がいのある人もない人もともに共生できる社会 すべての人が区別されることがなく生きていける社会 など 問5ー1 ② 問5ー2 ② 問6ー1 生存権 問6ー2 ④ 問6ー3 労働基本権(労働三権)
3 憲法の権利 ②
次の憲法に関する問題に答えなさい。
問1 国会議員は選ぶ選挙権は参政権に含まれている。日本国憲法で定められている参政権は、その他にもいくつかの権利がある。その権利を次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
① 刑事裁判で無罪になった時に、国に補償を請求する権利。
② 集会や結社および言論、出版などの表現活動を自由に行う権利。
③ 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利。
④ 最高裁判所の裁判官を選ぶことができる権利。
問2 次の環境権に関する問題に答えなさい。
問2ー1 次の資料1は環境権に含まれるある権利に配慮して、側面を階段状にした建物である。ある権利とは何か答えなさい。(入試問題)
問2ー2 環境権に関連して、現代では大規模な開発を行うときに、環境アセスメントを行うことになっている。環境アセスメントとは何かを次の語句を用いて答えなさい。(入試問題 改題)
(語句) 事前 調査
問3 次の新しい人権に関する問題に答えなさい。
問3ー1 次の文章に当てはまる語句や文章をそれぞれ答えなさい。
知る権利の保障のために(①)制度が導入された。(①)制度では基本的には請求された情報は発表するが、(②)情報は原則として出さない。これはプライバシーを守るためである。
問3ー2 右の資料2は自動車運転免許証の裏面である。これには、「臓器提供意思表示欄」が設けられている。次の資料のように臓器提供や生活の仕方について、自分で決める権利を何というか答えなさい。(入試問題)
問4ー1 憲法を適用する上で、人権と人権のぶつかり合いを調整したり、他人の人権を侵害しないように人権を制限することがある。これを何というか答えなさい。(入試問題)
問4ー2 前の問題のように、人権を守るために人権を制限することがある。その例として正しくないものを次の①~④から一つ選びなさい。
① 特定の感染症にかかった患者を病院に強制的に収容する。
② 駅前での集会をすべて禁止にする。
③ 無資格の医師は医療活動をすることができない。
④ 他人の名誉を傷つけることを認めない。
問5 人権の歴史について書いた次の文章を読んで、以下の問題に答えなさい。
1948年にすべての人の人権を守ることを目的とした(①)が国際連合で採択された。その後、1966年には(②)が条約のかたちで加盟国を拘束するために同じく国際連合で採択された。
問5ー1 文章中の( )に当てはまる語句をそれぞれ答えなさい。(入試問題)
問5ー2 1994年に日本が批准した子供の権利に関する条約を何というか答えなさい。(入試問題 改題)
問5ー3 次のあ~うを年代の古い順に記号で並べなさい。(入試問題)
あ フランス人権宣言 い ワイマール憲法 う アメリカ独立宣言
答え 問1 ④ 問2ー1 日照権 問2ー2 開発が環境に与える影響について調査を行うこと。 問3ー1 ① 情報公開 ② (例)個人に関する 問3ー2 自己決定権 問4ー1 公共の福祉 問4ー2 ② 問5ー1 ① 国際人権宣言 ② 国際人権規約 問5ー2 子ども(児童)の権利条約 問5ー3 う→あ→い
4 人権と日本国憲法の総合問題
竹下さんは夏休みに図書館で調べ学習をしている時に、とある新聞の記事を見つけた。次の記事を読んで、以下の問題に答えなさい。
日本国憲法は私たちの自由や人権を保障するものですが、皆さんは日本国憲法に書かれていない人権を知っていますか。右の写真(資料1)は臓器の提供を死んだときに他人に提供をしてもよいと意思表示をする「ドナーカード」というものです。これが出てきた背景には、個人が自分の生活や生き方を自分で決めるという( )という権利の広がりがあります。しかし、( )のように社会の変化に伴って必要となってきた人権は憲法には書かれておらず、しっかりと憲法が保障しているものではありません。皆さんはこのことについてどう考えますか。
問1 記事について、次の問題に答えなさい。
問1ー1 文章中の( )に当てはまる語句を漢字5文字で答えなさい。(入試問題)
問1ー2 文章中の権利に関連して、近年ではインフォームド・コンセントが求められている。このインフォームド・コンセントに当てはまらないものを次の①~④から一つ選びなさい。(入試問題)
① 複数の手術例を伝えて、どの手術にするかを患者に選んでもらう。
② 薬の副作用について説明して、患者と処方する薬を考える。
③ 手術で輸血する際に、輸血の必要性を患者に伝えて納得してもらう。
④ 患者に代わって、専門家として最善の治療法を考える。
問2 社会権に当てはまる権利を次の①~④の中から一つ選びなさい。(入試問題)
① 選挙権 ② 請願権 ③知る権利 ④生存権
答え 問1ー1 自己決定権 問1ー2 ④ 問2 ④