中学校社会 歴史/日系ハワイ移民

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日系ハワイ移民[編集]

ハワイに移民する人が、明治の中ごろから増えました。

ハワイではアメリカなどの要望により、砂糖を生産するためのサトウキビが大量に栽培されている大農園を耕す労働力が不足しており、移民を受け入れていました。

ハワイはもともとハワイ王国という独立国であり、ハワイ王国は憲法をもつ立憲君主制の国でしたが、1898年にアメリカによってハワイがアメリカ領として併合されました。

現在でもハワイの人に歌い継がれている歌曲「アロハオエ」は、退位させられた女王リリウオカラニが作詞した曲です。また、歌曲「カウラナ・ナ・プア・オ・ハワイ」は、女王リリウオカラニをたたえて作られた歌です。
また、いわゆる「カメハメハ」とは、1795年にハワイ王国を建てた初代の大王カメハメハ1世のことです。


明治時代の末期にアメリカは移民を制限したので、日本人の移民先がブラジルなどに変わりました。


(※ 範囲外:) ハワイ移民時の背景事情についての、よくある仮説

よくある仮説では、「日本によるハワイ移民は、白人国家アメリカのハワイ侵略に対する、アジア人の国家の日本としての牽制(けんせい)だ」という説もある。

アメリカによるハワイ併合を嫌った併合前のハワイ国王カラカウワは、明治時代の日本をおとずれ、当初はハワイ王室と日本の皇室との婚姻を申し出たが、しかし日本政府はアメリカとの外交関係の悪化をおそれたため、この婚姻の申し出は断られたという史実がある(※ 参考: w:カイウラニ)。そして説では、代わりとして、日本はハワイ移民を申し出だという説。

ただし、日本の移民先がしだいにハワイからブラジルなどに変わったり、日本だけでなく中国もハワイなどに移民していたりなど、疑問点もある。 なお、アメリカ白人によるハワイ併合のクーデター時、日本は邦人(ほうじん)保護の名目として軍艦を送っており、これは日本の婉曲的な意思表明として、アメリカ人によるクーデターに対する日本の不快感の表明だろうと思われている(※ 参考: w:リリウオカラニ)。 (※「邦人」(ほうじん)とは、海外・外国にいる日本の一般人(軍人などではない)のこと。)


※ いくつかの高校教科書でハワイ共和国のことを取り上げているのは、こういう背景事情があるからであろう。