中学校音楽/赤とんぼ

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本節では、「赤とんぼ」を扱います。中学1年生の音楽教科書に掲載しています。

歌う気持ち[編集]

夕焼け空に赤蜻蛉が飛ぶのを見ていると、昔の記憶が蘇ってきます。幼い頃、姐さんにおんぶされながら赤蜻蛉を見ます。やがて、姐さんと一緒に桑の実を摘みました。ところが、姐さんはお嫁さんになりました。歌詞の意味をよく理解して、じっくり歌ってみましょう。

作詞者と作曲者[編集]

作詞者:三木露風〈1889年~1964年〉[編集]

作曲者:山田耕筰〈1886年~1965年〉[編集]

作曲者の山田耕筰は東京都で生まれました。東京音楽学校(現在の東京芸術大学)声楽科を卒業すると、ドイツのベルリンに留学して作曲を学びました。帰国後、日本で最初の交響楽団(オーケストラ)を立ち上げました。このような活動が日本の音楽業界にも大きく貢献しました。主な作品に「赤蜻蛉」「この道」「からたちの花」「待ちぼうけ」「ペチカ」などがあります。

曲の仕組み[編集]

  • 「赤とんぼ」は4分の3拍子、変ホ長調の曲です。

楽譜[編集]


\relative {
    \set Staff.midiInstrument = #"violin"
	\key f \major
	\time 3/4
	\tempo 4 = 60
    \new Voice \relative c' {
	c8 f8 f4. g8 | a8[ c8] f8[ d8] c4 | d8 f,8 f4 g4 | a2 r4 \bar "|" \break
	a8 d8 c4. d8 | f8[ d8] c8[ d8] c8[ a8] | c8[ a8] f8[ a8] g8[ f8] | f2 r4 \bar "|."

}
\addlyrics {
	\set stanza = "1."
	ゆ う や け こ や け ー の あ か と ん ぼ 
    お わ れ て み た の - は - い つ の ー ひ - か
}
\addlyrics {
	\set stanza = "2."
	や - ま の は た け - の く わ の み を
	こ か ご に つ ん だ - は - ま ぼ ろ ー し ー か
}
\addlyrics {
	\set stanza = "3."
	じゅ う ご で ね え や ー は よ め に ゆ き
    お さ と の た よ り ー も ー た え は ー て ー た
}
\addlyrics {
	\set stanza = "4."
	ゆ う や け こ や け ー の あ か と ん ぼ 
    と ま っ て い ー る ー よ ー さ お の ー さ ー き
}
}

歌詞の意味[編集]

  1. 赤蜻蛉は夕焼けの空に浮かんでいました。その頃、姐さんにおんぶされながら、赤蜻蛉を見ました。
  2. 山の畑で桑の実を摘んで小籠に入れたのは、夢だったかもしれません。
  3. 姐さんは幼い頃から私を育てていましたが、15歳でお嫁に行きました。その後、手紙のやりとりも知らない間になくなりました。
  4. 昔と変わらない夕焼け空が広がり、竿の先に赤蜻蛉も止まっています。

歌い方の工夫[編集]

山田耕筰の曲は、日本語の抑揚や響きを取り入れて旋律をつくっています。音の流れと詩を味わいながら歌いましょう。

資料出所[編集]

  • 正進社『パノラマワイド版 音楽・表現と鑑賞の資料』小林信二著
  • 正進社『音楽のハーモニー 1年』