倍音

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

どのような根拠で、三和音は決められたのでしょうか。それは、数学的・物理的に証明することができます。今回は、実験を通じて、かつては、「天使の声」とも呼ばれた不思議な現象、倍音について説明します。

倍音を知る[編集]

あなたがピアノを演奏するとして、「ド」の音を弾きたいとしたら、あなたは、ピアノの真ん中の鍵盤を探して、押して、「ド」の音を出すことができますよね。実はその時に、「ド」の音が出ると同時にその音の周波数の整数倍の音が自然と発生するのです。これの正体こそが倍音なのです。

少し難しい説明になりましたね。少し詳しく解説していきます。まず、音というのは空気が振動して生まれます。その空気の振動が1秒間に何回起こっているかを表したものが周波数でHzという単位で表します。それの整数倍ですので、1つの周波数だけでなく、2倍、3倍の周波数の音も共に出ているのだということ。(例)100Hzの音と共に200Hz、300Hzの音が同時に出ている)この2倍、3倍の音のことを倍音と言います。わかりましたか?

ちなみに、なぜ倍音が発生するかについては、非常に複雑なので、ここでは解説しません。詳しく知りたい方は、Wikipediaの倍音のページをご覧ください

倍音を聴く[編集]

倍音について理解したところで、いよいよ実験で倍音を聴いてみましょう。

  1. ピアノでC2の音(楽譜参照)を思いっきり強く弾く。
  2. 静かに集中して聴くと「ソ」の音などが聞こえる。

聞こえたでしょうか。実際には、このような音が倍音として出ています。

上の楽譜を見てみましょう。ちゃんと和音が浮かび上がってきませんか? このようにして、和音は自然現象として物理的に証明することができるのです。