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公認会計士試験/平成30年第I回短答式/企業法/問題2

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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問題

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 商行為に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。なお,商法の規定を変更し,又は排除する特約はないものとする。(5点)

ア.最高裁判所の判例によれば,商行為の代理人が本人のためにすることを示さないで代理行為をした場合において,相手方が,代理人が本人のためにすることを過失なく知らなかったときは,相手方は本人との法律関係を主張するか,代理人との法律関係を主張するかを選択することができる。

イ.匿名組合契約は,当事者の一方が相手方の営業のために出資をし,当該営業から生ずる利益を分配することを約することによって,その効力を生ずる。

ウ.問屋が委託者の指定した金額より高値で物品を買い入れた場合には,自らその差額を負担するときも,その買入れは委託者に対して効力を生じない。

エ.場屋営業者は,客から寄託を受けた物品の保管に関して注意を怠らなかったことを証明した場合には,当該物品の滅失又は毀損につき,債務不履行に基づく損害賠償責任を免れる。

1.アイ
2.アウ
3.アエ
4.イウ
5.イエ
6.ウエ

正解

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1

解説

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ア.最高裁判所の判例によれば,商行為の代理人が本人のためにすることを示さないで代理行為をした場合において,相手方が,代理人が本人のためにすることを過失なく知らなかったときは,相手方は本人との法律関係を主張するか,代理人との法律関係を主張するかを選択することができる。判例には「右但書(商法540条但書)は善意の相手方を保護しようとする趣旨であるが,自らの過失により本人のためにすることを知らなかつた相手方までも保護する必要はない」「相手方保護のため,相手方と代理人との間にも…同一の法律関係が生ずるものとし,相手方は,その選択に従い,本人との法律関係を否定し,代理人との法律関係を主張することを許容したものと解するのが相当であり,相手方が代理人との法律関係を主張したときは,本人は,もはや相手方に対し,右本人相手方間の法律関係の存在を主張することはできないものと解すべきである」とある。商法540条,最判昭43.4.24

イ.匿名組合契約は,当事者の一方が相手方の営業のために出資をし,当該営業から生ずる利益を分配することを約することによって,その効力を生ずる。商法535条

ウ.問屋が委託者の指定した金額より高値で物品を買い入れた場合には,自らその差額を負担するとき,その買入れは委託者に対して効力を生じない。生じる。商法554条

エ.場屋営業者は客から寄託を受けた物品の保管に関して注意を怠らなかったことを証明した場合には,当該物品の滅失又は毀損につき不可抗力によることを証明した場合のみ,債務不履行に基づく損害賠償責任を免れる。商法594条1項

参照法令等

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