公認会計士試験/平成30年第I回短答式/管理会計論/問題5
問題
[編集]次の記述のうち,我が国の「原価計算基準」に基づいて正しいものの組合せを示す番号を一つ選びなさい。(5点)
ア.単純総合原価計算,等級別総合原価計算および組別総合原価計算は,いずれも原価集計の単位が期間投入量であることを特質とする。すなわち,いずれも継続製造指図書に基づき,一期間における投入量について総製造費用を算定し,これを期間投入量に集計することによって完成品総合原価を計算する点において共通する。
イ.総合原価計算において,必要ある場合には,一期間における製造費用のうち,変動直接費および変動間接費のみを部門に集計して部門費を計算し,これに期首仕掛品を加えて完成品と期末仕掛品とにあん分して製品の直接原価を計算し,固定費を製品に集計しないことができる。この場合,会計年度末においては,当該会計期間に発生した固定費額は,これを期末の仕掛品および製品とに配賦する。
ウ.総合原価計算において,製造工程が二以上の連続する工程に分けられ,工程ごとにその工程製品の総合原価を計算する場合(この方法を「工程別総合原価計算」という。)には,一工程から次工程へ振り替えられた工程製品の総合原価を,前工程費又は原料費として次工程の製造費用に加算する。この場合,工程間に振り替えられる工程製品の計算は,予定原価又は正常原価によることができる。
エ.等級別総合原価計算は,同一工程において,同種製品を連続生産するが,その製品を形状,大きさ,品位等によって等級に区別する場合に適用する。等級別総合原価計算にあっては,各等級製品について適当な等価係数を定め,一期間における完成品の総合原価又は一期間の製造費用を等価係数に基づき各等級製品にあん分してその製品原価を計算する。
- 1.アイ
- 2.アウ
- 3.アエ
- 4.イウ
- 5.イエ
- 6.ウエ
正解
[編集]6
解説
[編集]ア.単純総合原価計算,等級別総合原価計算および組別総合原価計算は,いずれも原価集計の単位が期間投入量生産量であることを特質とする。すなわち,いずれも継続製造指図書に基づき,一期間における投入量生産量について総製造費用を算定し,これを期間投入量生産量に集計する分割負担させることによって完成品総合原価を計算する点において共通する。
イ.総合原価計算において,必要ある場合には,一期間における製造費用のうち,変動直接費および変動間接費のみを部門に集計して部門費を計算し,これに期首仕掛品を加えて完成品と期末仕掛品とにあん分して製品の直接原価を計算し,固定費を製品に集計しないことができる。この場合,会計年度末においては,当該会計期間に発生した固定費額は,これを期末の仕掛品および製品と当年度の売上品とに配賦する。
参照基準
[編集]- 原価計算基準
- 二二 等級別総合原価計算
- 二四 総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価
- 二五 工程別総合原価計算
- 三〇 総合原価計算における直接原価計算