公認会計士試験/平成30年第I回短答式/財務会計論/問題15
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問題
[編集]次の〔資料〕に基づき,X1 年度(X1 年4 月1 日〜X2 年3 月31 日)の決算日におけるY社のリース債務の残高として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。なお,計算結果に端数が生じる場合,千円未満を四捨五入すること。(8点)
〔資料〕
1.Y社はX1 年3 月1 日に,以下の条件で営業用備品のリース契約を結んだ。
- (1) リース取引の開始日は,X1 年4 月1 日である。
- (2) リース物件の営業用備品は特別仕様である。
- (3) リース契約が終了した時点で,リース物件の所有権は借手であるY社に移転する。
- (4) 解約不能のリース期間は4 年である。
- (5) リース料の年額は1,000 千円であり,毎年3 月31 日に前払いする。
2.貸手の購入価額は3,800 千円であり,貸手からの通知を受けて,Y社はこの金額を知っている。この条件によると,貸手の計算利子率は3.5 %となる。
3.Y社がリース物件を自ら購入したと仮定した場合の見積現金購入価額は3,900 千円である。
4.リース取引の開始日時点において,Y社の追加借入利子率は4.2 %と見積もられた。
5.リース物件である営業用備品の経済的耐用年数は5 年である。
6.Y社の減価償却方法は定額法である。
- 1. 1,881千円
- 2. 1,898千円
- 3. 1,918千円
- 4. 2,022千円
- 5. 2,765千円
- 6. 2,933千円
正解
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解説
[編集]- リース資産およびリース債務の計上額
- 3,800
- 適用利率
- 3.5%
- ※所有権移転ファイナンス・リースであり、貸手の購入価額を知りうるため
年月日 | 返済前リース債務 | 返済額 | 返済後リース債務 |
---|---|---|---|
X1.4.1 | 3,800 | △1,000 | 2,800 |
(※利息2,800×3.5%=98,返済額1,000-98=902) | |||
X2.3.31 | 2,800 | △902 | 1,898 |
(※利息1,898×3.5%=66,返済額1,000-66=934) | |||
X3.3.31 | 1,898 | △934 | 964 |
(※利息964×3.5%=36,返済額1,000-36=964) | |||
X4.3.31 | 964 | △964 | 0 |
仕訳
[編集]X1年3月31日 | |||||
---|---|---|---|---|---|
(借) | 前払金 | 1,000 | (貸) | 現金預金 | 1,000 |
X1年4月1日(リース開始) | |||||
(借) | リース資産 | 3,800 | (貸) | リース債務 | 3,800 |
(借) | リース債務 | 1,000 | (貸) | 前払金 | 1,000 |
X2年3月31日 | |||||
(借) | 支払利息 | 98 | (貸) | 現金預金 | 1,000 |
リース債務 | 902 |