公認会計士試験/平成30年第II回短答式/監査論/問題13

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問題[編集]

 リスク評価及び評価したリスクへの対応に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)

ア.監査人は,リスク評価の過程で識別した重要な虚偽表示リスクについて,当該リスクに関連する内部統制の影響を考慮して,特別な検討を必要とするリスクであるかどうかを決定しなければならない。

イ.被監査会社がその業務の一部を外部に委託している場合,監査人は,受託会社が提供する業務に関する十分な理解を被監査会社から得られなかったときは,受託会社に往査して必要な情報を入手するための手続を実施することもある。

ウ.監査人の実証手続によって発見された重要な虚偽表示は,内部統制の重要な不備の存在を示唆する。したがって,実証手続によって虚偽表示が発見されていないことは,検討対象となっているアサーションに関連する内部統制が有効であることの監査証拠となる。

エ.監査人は,明らかに僅少であるものを除き,監査の過程で識別した虚偽表示を集計する必要があり,その集計した全ての虚偽表示について適切な階層の経営者に適時に報告し,なおかつ,これらの虚偽表示を修正するよう求めなければならない。

  1. アイ
  2. アウ
  3. アエ
  4. イウ
  5. イエ
  6. ウエ

正解[編集]

5

解説[編集]

ア.監査人は,リスク評価の過程で識別した重要な虚偽表示リスクについて,当該リスクに関連する内部統制の影響を考慮してしないで,特別な検討を必要とするリスクであるかどうかを決定しなければならない。監査基準委員会報告書315第26項

イ.被監査会社がその業務の一部を外部に委託している場合,監査人は,受託会社が提供する業務に関する十分な理解を被監査会社から得られなかったときは,受託会社に往査して必要な情報を入手するための手続を実施することもある。監査基準委員会報告書402第11項(3)

ウ.監査人は,監査人の実証手続によって発見された重要な虚偽表示は,内部統制の重要な不備の存在を示唆するかどうかを評価しなければならない。したがってなお,実証手続によって虚偽表示が発見されていないことは,検討対象となっているアサーションに関連する内部統制が有効であることの監査証拠となる。とはならない。監査基準委員会報告書330第15項

エ.監査人は,明らかに僅少であるものを除き,監査の過程で識別した虚偽表示を集計する必要があり,その集計した全ての虚偽表示について適切な階層の経営者に適時に報告し,なおかつ,これらの虚偽表示を修正するよう求めなければならない。監査基準委員会報告書450第4項7項

参照基準[編集]

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