公認会計士試験/平成30年第II回短答式/財務会計論/問題20
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問題
[編集]次の〔資料〕に基づき,20X3 年度(20X3 年1 月1 日〜20X3 年12 月31 日)の連結損益及び包括利益計算書における為替差損益とその他の包括利益を計算し,正しい金額の組合せとして最も適切なものの番号を一つ選びなさい。(8点)
〔資料〕
1.20X3 年度における取引
10月1日 | 商品100 千ドルを掛けで仕入れた。直物相場は1 ドル当たり120 円であった。 |
11月1日 | 翌20X4 年1 月31 日を決済期日とする為替予約180 千ドルを締結した。当該為替予約は,10 月1 日の買掛金と将来の予定取引(仕入取引)をヘッジする目的で行ったものである。直物相場は1 ドル当たり118 円,予約相場は1 ドル当たり115 円であった。 |
12月1日 | 商品30 千ドルを掛けで仕入れた。直物相場は1 ドル当たり113 円であった。 |
2.留意事項
- (1) 為替予約の会計処理は,「外貨建取引等会計処理基準」に定める振当処理による。為替予約時における直物相場による換算額と予約相場による換算額との差額(直先差額)は,適切に期間配分する。
- (2) 20X3 年度中に行われた為替予約は,ヘッジ会計の要件を満たしている。
- (3) 税効果は考慮しない。
- (4) 20X3 年度期末における直物相場は, 1 ドル当たり112 円であった。また,為替予約の時価は, 1 ドル当たり2.9 円であった。
為替差損益 | その他の包括利益 | |
1. | 400千円 | 145千円 |
2. | 400千円 | 232千円 |
3. | 440千円 | 145千円 |
4. | 440千円 | 232千円 |
5. | 500千円 | 145千円 |
6. | 500千円 | 232千円 |
正解
[編集]1
解説
[編集]仕入日 | |||||
(借) | 仕入 | 12,000 | (貸) | 買掛金 | 12,000 |
為替予約日 | |||||
(借) | 買掛金 | 500 | (貸) | 為替差損益 | 200 |
(貸) | 前受収益 | 300 | |||
決算整理 | |||||
(借) | 前受収益 | 200 | (貸) | 為替差損益 | 200 |
日付 | X3.10.1 | X3.11.1 | (2カ月) | X3.12.31 | (1カ月) | X4.1.31 |
直々差額@2×100千ドル=200 | 為替差損益
200 ↑ |
前受収益
100 ↑ |
||||
直物相場 | 120円/ドル | 118円/ドル | │ | │ | ||
(直先差額
@3×100千ドル=300) |
│
┴───── |
───── |
│
┘ |
|||
先物相場 | 115円/ドル |
仕入日 | |||||
(借) | 仕入 | 3,450 | (貸) | 買掛金 | 3,450 |
決算整理 | |||||
※仕訳ナシ |
(借) | 為替予約 | 145 | (貸) | 繰延ヘッジ損益 | 145 |
※未振当部分:180千ドル-100千ドル-30千ドル=50千ドル
※為替予約の時価:50千ドル×2.9円=145千円 |