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初等整数論/平方剰余の相互法則の証明

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』


平方剰余の相互法則の証明は様々なものが知られているが、初等的な証明として、アイゼンシュタインによる、ガウスの補題の変形と、幾何的な考えを用いた証明が知られている。 まず、ガウスの補題の変形から始める。

ガウスの補題の変形[編集]

p, q が相異なる奇素数のとき

が成り立つ。つまり が奇数となるものの個数と一致する。

証明
aqp で割った余りが より大きい が奇数が成り立つことを示せばよい。 実際

となるように整数 b , r を定めると

より のとき より となり、 一方 のとき

より

となる。


相互法則の証明[編集]

まず、次の補題を証明する。

補題

証明
q は奇数だから

が成り立つ。ところでこの左辺は

が成り立つ正の整数 x の個数であるのに対し、右辺は

が成り立つ整数 x の個数である。これは

より、 に一致する。


ガウスの補題の変形において、和を に分割し、後者に対して先程の補題を用いると

となる。

かつ は奇数であるから、上記の和は

に一致する。ここから

が成り立つ。同様に、

が成り立つ。

ここで、

となる整数の組 (x , y ) の個数に一致する。 同様に

となる整数の組 (x , y ) の個数に一致する。 ここで

および

より、

となる整数の組 (x , y ) の個数に一致する。ところで p, q は相異なる素数なので のとき は整数ではありえない。よって の範囲にある整数の組と の範囲にある整数の組を合わせると、重複することなく の範囲にある整数の組全体と一致する。したがって

が成り立つ。これにより

が証明された。