コンテンツにスキップ

初級システムアドミニストレータ/基礎知識

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
お知らせ

初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)は2009年(平成21年)度春期の試験を最後に廃止されました。ただし、初級シスアドの後継であるITパスポート試験基本情報技術者試験にも、この項目で扱う内容に関する問題が出題されています。

ITパスポート試験や基本情報技術者試験の合格を目指される方はしっかり学習してください。

基礎知識

[編集]

ここでは、学習を進めるにあたって知っていると必ず役に立つ基礎知識をご紹介します。

千倍(千分の一)ごとの大きさを表す接頭語

[編集]

キロ、メガ、ギガ、そしてミリ、マイクロ、ナノといった、SI接頭語についての認識を深めましょう。

SI接頭語の一覧
G ギガ 1,000,000,000 10億
M メガ 1,000,000 100万
k キロ 1,000 1千)
1 いち
m ミリ
μ マイクロ
n ナノ

長さにたとえると、1メートルが千倍になれば、それは1kメートルです。逆に1メートルが千分の一になれば、1ミリメートルとなります。そして更に千分の一だと、1マイクロメートルです。例外的に、コンピュータの世界、特に記憶装置の容量計算では、210(=1,024)を1キロとみなす場合があります[1]ですが情報処理技術者試験の場合、特に記載が無い限り、キロは1,000として計算すれば問題ありません。

“ビット”と“バイト”、文字コードについて

[編集]

「コンピュータでは、情報をオン(1)とオフ(0)の組み合わせとして扱う」、という話を聞いたことがあるかと思います。 コンピュータでは、オンとオフの組み合わせを何個か集めたものを一組として扱います。その、最小単位(オンかオフか、の2つに1つの値を持つ)をビット(bit)と呼び、そしてビットを8個集めて一組としたものをバイト(Byte)と呼びます。 1ビットが8個も集まれば、そのオン・オフの組み合わせは256通り(28=256)作ることができます。256通りの組み合わせを2進数の数字とみなし、そしてよく使う文字にあらかじめ文字ごとに番号を付けておき、文字ごとに番号を対応づけることで文字データとして扱います。 ただし8ビットのオン・オフの組み合わせでは、たかだか256通りしか表現できません。そのため漢字やカナなど多様な文字にも番号を付けたい場合は、1文字あたり2バイト(216=65,536通り)を用いるのが一般的です[2]

【例題】
1秒あたり64kビット送ることができる通信回線(64kビット/秒、64kbps)を介して、40kバイトのデータを送るためには、何秒かかるでしょうか?なお、ここでは伝送エラーやヘッダ部など制御用データによるオーバヘッドは考えないものとします。
【正解】
40kバイト×8=320kビット、それを64kビットで割ると、5秒。なお、通信速度の計算の場合、k(キロ)は1,024ではなく、1,000で計算してください。

なお、これら文字に対して割り当てる番号は、規格として決められています。この規格を「文字コード」と呼び、代表的な文字コードには「ASCII(アスキー)コード」「シフトJIS」「Unicode(ユニコード)」などがあります。

【コラム】1バイトは、どんな場合も8ビット?
ほとんどの場合は、「1バイト = 8ビット」です。ですがたとえば通信ネットワークの世界では、同じ情報を少しでも速く送る目的で、7ビットで1バイトとするケースがあります。厳密に区別するため、8ビットの1バイトを「オクテット」、7ビットの1バイトを「セプテット」と呼び分ける人もいます。

10進数と2進数の変換(基数変換)

[編集]

2進数から10進数へ

[編集]

義務教育で習った方も、そんな覚えはないという方も、ざっと目を通してみて下さい。なお、値の右下の「(2)」という表現は、「この数値は、何進数の値として読んで下さい」という意味です。

【例題】
10101100(2)を10進数で表すと、いくつになるか。
【正解】
172(10)
【考え方】
10進数は、小数点に近い桁から順に、値を、1の位・10の位・100の位・1000の位… と扱いました。2進数では同様に、値を、1の位・2の位・4の位・8の位・16の位… と扱います。10進数の値172の正体は、100が1個、10が7個、1が2個、です。2進数の値10101100もその正体は、128が1個、64が0個、32が1個、16が0個、8が1個、4が1個、2が0個、1が0個、と考えます。

皆様、思い出せましたでしょうか?

10進数から2進数へ

[編集]
【例題】
220(10)を2進数で表すと、いくつになるか。
【正解】
11011100(2)

プログラム(ソースコードと実行可能ファイル)

[編集]

コンピュータの中では、プログラムとデータは、どうやって区別されている?

[編集]

処理の中心部であるCPUは、CPUが理解できるディジタルな言葉(命令)を、1個ずつ読み解きながら処理を進めています。この命令には番号がつけられており、「次は…フム。『掛け算をせよ』という意味の命令だな。」と、一つずつ解釈しながら処理を進めていきます。

これらディジタルな言葉を、文字コードに対応づけて強引に表示すると「ェ3yチ* 梱ネ@ 界 寓・t0劾 ・t」3」など、人間にとって意味不明な表示となります。

一口に“プログラム”と言っても…

[編集]

人間が書いたプログラム(これを“ソースコード”あるいは“原始プログラム”と呼びます)を、CPUにわかる命令へ翻訳するソフト(このソフトを“コンパイラ”と呼びます)を通すことで、コンピュータ上で実際に動作するプログラム(これを“実行可能ファイル”と呼びます)を作成します。

コンピュータの5大装置、5大機能について

[編集]

コンピュータの仕組みおよび機能は、大きく分けて5つに分類されています。

  • 入力装置(入力機能)
    • キーボード、マウス、イメージスキャナ、など
  • 出力装置(出力装置)
    • ディスプレイ、プリンタ、など
  • 記憶装置(記憶機能)
    • メモリ(DIMM)、ハードディスク、フロッピーディスク(FD)、CD-ROM、など
  • 演算装置(演算機能)
    • CPU(中央処理装置、マイクロプロセッサ)
  • 制御装置(制御機能)
    • クロック生成回路、DMAコントローラ、UART、など


関連項目

[編集]
  1. ^ これは2進接頭辞でキロではなくキビ(kibi)です。
  2. ^ 現実の文字コードは、このページが書かれている UTF-8 も含めて可変長です。