行列式とは行列から多項式を求める操作の1つであり、この後の対角化の章で必要となる演算である。
また、行列式は幾何学的には倍率に相当する意味を持っている。
実は高校数学Cにもちょっとだけ顔を出している。この章を読んだ後見返してみると面白いかもしれない。
この章では準備として置換に関する概念に触れた後、行列式について述べる。
置換の定義[編集]
集合
に対して
が以下の2つの性質をもつとき
をn文字の置換という。


また、
をn文字の置換全体の集合とする。
注意:置換
を次のように表すことにする。
次の3つは同じ置換を表す。
- 例
のとき
次の6つの置換が存在する。
置換の演算[編集]
置換
の合成
を次式で定める。

行列式の定義[編集]
行列
に対して

で定められる多項式を行列
の行列式という。
- 例
のとき
行列式の計算[編集]
上記の定義どおりに行列式の計算を行おうとすると、nが大きくなるにつれて計算が非常に複雑になっていくことは容易にわかるであろう。
ここでは、行列式をより簡単に求める方法を述べる。
基本変形と行列式[編集]
行列の積と行列式[編集]
行列式と正則性[編集]