利用者:ざっとの編集所/sandbox/流体運動の一般論/流体の特性

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

流体とは、自由に変形する連続体と言えるだろう。具体的には液体・気体がそれにあたり、微視的な分子の動きという視点で見たときにそういうならば巨視的な視点で見たときに流体と総称できるとも言い換えられる。

しかし、超高度であったり真空装置内といった空気の場合、気体分子運動論で論じる必要性が発生し、流体力学ではなく希薄気体力学という分野となる。

巨視的な視点についての議論は流体運動の一般論/尺度の議論を参照せよ。

流体運動の記述には2種類が存在し、ラグランジュ式記述オイラー式記述に分かれる。

ラグランジュ式記述
これは微小体積を無数に取り各運動を記述する方法だ。質点系の力学の考え方で表記したとも言いかえられる。
オイラー式記述
位置座標と時間のパロメータで運動を記述する方法だ。これは流体を場として捉えた場合の表記とも言いかえられる。

また、流体力学は流体を物質を巨視的に扱う分野であるということから、主に扱うパロメータは平均値を取った値が多くなる。流体の性質を表す数値は密度粘度(動粘度)、圧縮率となっている。

密度
体積V中における質量mの分子n個の密度
粘度
各流体に固有の値。粘度を密度で割った値を動粘度という。
圧縮率

最終的に流体は密度、圧力、温度で表され、それらは位置と時間のパロメータの関数として定義される。

以上の性質をもちいて、流体の種類分けがされる。まず、粘度も圧縮性もない流体を理想流体と言う。粘度の有無()では粘性流体非粘性流体で分けられる。ニュートンの粘性法則が成り立つか否かではニュートン流体非ニュートン流体で分けられる。圧縮性の影響を考慮する必要があるか否かでは圧縮性流体非圧縮性流体に分けられる。

また、流体の流れの状態でも種類分けがされる。時間変化の有無によって定常流非定常流に分けられる。ある点のまわりを回る流れを(旋回流)といい、流体の速度が中心からの距離で比例、反比例する渦をそれぞれ自由流強制流と言う。流れの不安定性では層流乱流で分けられる。