出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
前章と同様に,次の基本的性質が成立する.
を複素数値関数, を複素数とする.
複素数値関数の Lapalce 変換の基本的性質
Ⅰ
Ⅱ とすれば,
Ⅲ
証明
第 1 段:
が実数値関数のとき,
とすると,積分の定義から,
[1]
である.第 1 項を ,第 2 項を とおき,積分順序を交換すると,前章と同様にして[2],
を得る.よって は再び積分の定義により,
となる.よって 前章と同じ関係式,
ここで積分変数を と変更すれば,積分の基本的性質Ⅲにより[3],
を得る.これで が実数値関数のとき[4]証明ができた.次に,
第 2 段: のときを証明する.
であるから,第 1 段の結果と Laplace 変換の基本性質Ⅱを用いればよい[5].
このように,基本的性質が示されたので前章と同様に,微分方程式を解くのに必要な公式のすべてを導くことができる.
例えば,
積分
微分
など.これらはもちろん Laplace 変換の定義から直接導くこともできる.また,
移動定理
などの証明も,前章と全く同様である.
- ^
- ^
- ^
により積分変数を から に変更すると,
より
- ^ で、 が複素数のとき
- ^