出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
さて本論に入るための準備として,表記法の簡略化をかねて微分方程式の特性方程式について説明をしておく.
以後
は
の関数で必要回数微分可能としておく.
そこで
を
と略記する.
すなわち,

と定め,順次



と定義して行けば

が成立することは明らかであろう.さて上のように定義すると,

となるので,微分方程式,
(3.9)

は,

と書くことができる.そこで,
(3.9a)

と定義し,

とおけば,微分方程式 (3.1) は,
(3.10)

と簡潔に表すことができる.
を微分作用素といい,以下ではこのような表記法を用いて記述を簡単にする.
さて上述のように微分方程式(3.1) から多項式
(3.11)

が得られ,逆に多項式(3.11) に対応して,
同次の微分方程式 (3.1) が定まる.このような理由から,多項式(3.11) を微分方程式 (3.1) の特性多項式と呼ぶことにする.
この特性多項式を用いると,非同次の微分方程式 (3.2) も,

と略記することができて便利である.[1]
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このような記号法は論理代数で有名な Boole の工夫になるという.