出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
を微分可能な二つの関数とし, を定数とすると,
となることはよく知られている[1].さらに の定義から,
が従い[2],このことから
が導かれることは明らか[3]であろう.もちろん は 2 個に限る必要はない.
この事実を微分作用素 は線形性をもつとか,加法的であるという.この意味で,式(3.1) または式(3.2) の微分方程式を“線形”微分方程式と呼ぶのである.線形方程式の特徴は次の重ね合わせの原理が成立することである.
[重ね合わせの原理Ⅰ,同次式の場合]
が式(3.1) の解ならば,
も式(3.1) の解である.ここに は定数とする.
証明
の線形性から
となるからである[4][5].
例66
はいずれも,
の解である.したがって を定数とするとき, も上式の解となる.
この結果は非同次式に対しては,次のように拡張される.
[重ね合わせの原理Ⅱ,同次式の場合]
を
の解とすると,
定数
は,
の解となる.
証明は,同次の場合と同じであるから省略する.[6]
例67
は の解,
は の解である.このとき,
は,
の解となる.
- ^
を の関数, を定数として, および
- ^
第2次導関数についていえば,
また
- ^
等から,
等から,
- ^
- ^
が式(3.1) の解ならば,
- …①
が式(3.1)の解かどうかは,
式(3.1)に実際に代入してみるとよく,すなわち, の値が
①のもとで であれば も 式(3.1) の解であり,実際にそうであった.
- ^
証明:…①
- ①