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学習方法/中学校英語/文法

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

高校入試の英作文と文法

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2020年代では、公立高校の入試でも、英作文が、県立トップ高校や学力重点高校などの学校採用問題として、公立高校入試で(英作文が)出てきます。

しかし、中学の検定教科書では、高校入試の英作文に必要なだけの文法力が、身につきません。

なので、中学の1年生ごろから、(教科書だけでなく)参考書で、文法および関連する単語や熟語などもコツコツと勉強しましょう。

なので、参考書を、中学1年の頃から買いましょう。どういうタイプの参考書を買うかは各人に任せますが、(定期テスト対策ではなく、)高校受験レベルに対応できる参考書を購入してください。

文法

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(※ 注意)中学英文法を理解していない人が上書きをしてしまったので、文法の節を、過去の版に差し戻しています。(教育理念の相違ではなく、そもそも「代名詞」と「接続詞」の区別がついてない人が上書きをしてしまった。)
対応のため、過去の版への固定リンクを掲載しておきます。なお、固定リンク先では編集しないでください。

参考書を買おう

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一般的に、中学英語の検定教科書には、文法の説明がほぼ無い状態です。

たとえば2015年ころ、中学英語の検定教科書では、「ひとつの文節中に、助動詞は1つまで」という文法法則があるのに、検定教科書には書かれていませんでした。

よって、文法の参考書を買うべきです。授業でも教師が文法を説明するでしょうが、しかし自分でも予習・復習などをできるようにするために参考書が必要です。


中1~中2を念頭に書きます。

参考書を買ったら、通読しましょう。とりあえず通読だけで良い。もちろん、通読だけでは理解しきれないが、しかし授業で詳しく先生が説明してくれるので、その時を待てば良い。

書き取り練習とかは、どうせ学校側でヤルので、あまり多く練習する必要はないと思います。


ただし、自分でまったく参考書を読み進めていないと、中3になってからの高校範囲の文法の先取りが追い付かないので、よって中1~中2のうちに、参考書を軽くで良いので通読しておきましょう。


文法の予習は軽めにしといて、それよりも単語集に時間をかけて、単語を多く覚えましょう。

単語集も何冊も読み終えて書き取り練習もしてしまったら、だったら理科や社会科や国語や数学など、他教科があるわけですし、他教科の参考書を読むのに時間を割きましょう。他教科については、それぞれの教科の学習方法で説明するので、当ページでは省略します。

中3になったら、2冊目の文法参考書を買うとか、高校レベルの文法参考書を買うとかすれば(あるいはその)療法、まあ、高校受験対策も、文法に関しては、これで大丈夫です。

※ 高校入試までに高校文法参考書の通読が必要になった(時事)

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2020年代のカリキュラム改革(小学校英語の教科化、および中高の英語の内容の増加)によって、以前は高校で教えていた文法のいくつかが、中学に前倒しになりました。

仮定法が中学に降りたのが教育評論では有名ですが、他にも、前置詞や不定詞などの高校レベルだった用法が、今では中学に降りてきているようです。

熟語集を見ると、かつては高校の文法参考書で見かけた熟語が、今では中学の熟語集でも見かけます。

よって、高校の文法参考書が必要です。中学の熟語集だと、最低限の解説しか書いていません。


しばらくの間、中学の3年生では、高校の文法参考書も通読する必要があります。


2024年の今のところ、中学参考書がまだ十分には追いついていないので、高校の文法参考書を、当面のあいだは使いましょう。


ただし、年月が経てば、中学側の参考書でも対応すると思います。

おそらく、将来的に中学の参考書が、たとえば分厚くなったり、あるいは冊数が増えたりとか(たとえば以前は1冊だったのが2冊になるとか)、変化して対応していくと思います。

問題練習よりも2冊目の文法参考書

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文法参考書は、問題集をあれこれとやる前に、

2冊目の文法参考書を買ってください。

あまり出版社が多くないかもしれませんが、最低でも3社くらいあるはずです。

なぜ2冊目が必要かというと、知っている例文を増やすためです。

1冊目の単語集だと例文ではなく練習問題な事項が、2冊目では、たまたま例文として紹介されている場合があります。

たとえば、疑問詞 which (フィッチ)「どちら」の例文で、

1冊目では

Which sports do you like? tennis or baseball? 「テニスと野球、どちらのスポーツが好きですか」


2冊目では

Which drink do you like? tea or coffee? 「お茶とコーヒー、どちらの飲み物が好きですか」

みたいになっていたりする場合がある。

1冊目では、練習問題として飲み物が扱われているかもしれない。

この練習問題をあれこれと2分とか考えるより、2冊目を読んだほうが早い。

一つ一つの問題は仮に1~2分で終わるとしても、数が多いので、「チリも積もれば」で、合計すると、かなりの時間になってしまう。

こういう事があるので、文法参考書は、2冊目を用意しましょう。


とはいえ、4冊や5冊もは不要です。2冊で十分でしょう。

なぜなら、単語集のほうでも、疑問詞や前置詞など文法でならう単語を紹介されます。

なので、単語集を読んでいるうちに、文法の例文は補給(ほきゅう)できます。

文法参考書を4冊も読んだりするくらいなら、単語集を読むことに移りましょう。


文法の練習問題は、2冊目を読み終えたあとに、最低限の理解を確認するために、基本的な文法問題でも解ければ充分です。

なぜなら、数学などと違って、実際の英語では、あまり難しい言い回しを使いません。

そのため、あまり難しい問題集は、文法では、必要ありません。

高校入試では、文法よりも、単語力で差がつくでしょう。


それでも、どうしても文法の理解を深めたいなら、中3あたりで、高校生用の単語集を1冊買って読んでしまいましょう。そのほうが効果的です。なぜなら、練習時間の問題です。

中学生むけのハイレベル問題集を1問あたり10分とか20分とか考えるよりも、高校生むけ文法参考書を読んだほうが早い。上述でも述べた理屈ですが「チリも積もれば」なので、合計すると高校参考書を読んだほうが時間の節約です。

例えば…

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英語の文法の練習法は、やや数学に近いところがあります。練習のコツは、「『覚える』というよりも『手で確認する』」です。

英語の文法の勉強法は、たとえるなら、数学の参考書などで理解の確認のために色々なパターンの基礎問題や練習問題を解いてみたりするのと似たようなイメージです。

最低限の知識の暗記は必要ですが、それより先は「覚えよう」とするのではなく「確認しよう」としてみるのです。


例えば以下の3点を教わるとします。

1. Is this a pen? (これはペンですか。)
2. That is a pen. (あれはペンです。)
3.「 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する。」

これを知ったうえで、「あれはペンですか?」を英訳せよと言われたらどうでしょうか?

答えを先に書いてしまいますが、

4. Is that a pen? (あれはペンですか)

です。


最初の3つの知識から、 Is that a pen? という文章にたどり着くのは、文法を知らなくても予想は可能です。

ですが、その予想を教材で確認するためには、文法について解説した参考書が必要です。

検定教科書では、上述したように文法の説明が無いので、確認のしようがありません。


さて、

this と that は両方とも代名詞であり、指示対象が違うだけだと見なせますから、this を that に置き換えればこの答えを予想できます。

ですが、英語における「代名詞」といった概念自体、参考書を確認しなければ、なかなか出てきません。


文法で考えると、this も that も代名詞、名詞の特殊な形、さらに特殊化して「指示代名詞」と呼ばれる品詞です。

検定教科書だけだと、例文がサンプル不足です。もし副教材などで文法教材が与えられているなら別ですが、そうでないなら参考書を購入して、自分の知っている文例を増やしましょう。


さて、上述の1.~3.の三つの前提から、「あれはペンですか?」の疑問文を作れ、という問題があるとして、

まず、「たぶん『Is that a pen?』だろうなあ。だって『 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する』と習ったし。」という予想をしますよね。法則というのは予想をするためのものですから。


しかし、予想はあくまで予想にすぎないので、正しいとは限りません。特に、英語の文法は数学とは違って、不規則なルールの場合の場合もあるので、参考書や文法問題集などで答えを確認する必要があります。


予想が合っているか間違っているかを、確かな資料で、例えば参考書などで確認する必要があります。

いくら理屈で「文法がこうだ」と定義したとして、実際の社会で、その言葉の話者の民族・国民がそのような使い方をする保証はありません。文法は基本的にあとづけの理屈です。(ただし実際にはそうとも言いきれず、近代にイギリスは英文法がなるべく規則的になるように大幅に作り直している点もあるが[1]、しかし現代でも不規則動詞なども残っているので、そういう歴史的な部分は置いておく)。

イメージのしかた

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たとえば

Is this a pen? (これはペンですか)
That is a pen. (あれはペンです)
「 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する。」

をもとに「あれはペンですか?」の疑問文を作れ、 という問題なら、


まず、「たぶん『Is that a pen?』だろうなあ。だって『 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する』と習ったし。」という予想をするでしょう。

このように、まず今までに習った情報をもとに、答えを予想をします。この予想をするという事前の行為が、文法の勉強では絶対に必要です。

文法知識の組み合わせを「Is that ~?」と暗記でパターンを覚えるよりも前に、まず先に予想をしなければなりません。


そのあとで、自分の英文法の予想のしかたが正しいかどうかを、これから参考書で確認していくのが、文法の勉強です。

ですが、予想をしただけでは、あくまで予想のままです。なぜなら英語の文法は数学とは違って、不規則なルールの場合の場合もあるので、必ずしも答えが習ったルールどおりとは限らない場合があります。

なので、つづけて、予想が当たってるかどうかを確認するため、また例外があるかないかを確認するために、まず答えの例文を参考書で見て確認します。

しかし、答えを見ただけでは、本当に頭の中に入っているかどうか不安です。


そこで、答えの英文ごと、練習紙などに書き写して、手でも確認します。


あるいは、もし学校などで先に「Is that ~?」(あれは~ですか?)のパターンを習っている場合でも、ほかにも学校で習った知識の組み合わせを参考書で自分で調べてみればいいのです。

たとえば、学校で形容詞 (big とかgood )を習ったりとか、名詞(dogとかcar)など色々と習ったら、「じゃあ、形容詞の疑問文はどうなるか」とか「名詞の疑問文はどうか」とか、「疑問文ではなく否定文ならどうだ。命令文では。否定命令文なんてのもどうだ」とか参考書などでどんどんと確認してみて、どんどんと紙にかきうつして練習してみます。パターンは沢山ありますので、学校でどのような検定教科書を使っていても、参考書での勉強でネタ切れはしないでしょうから、いろいろなパターンを参考書で練習してみて、文法の理解を確実にしましょう。

学校で習ったパターンだけに満足せず、いろいろなパターンの文章を、確認して紙に書き写してみましょう。


こうやって、学校で不足している文法知識の組み合わせ問題で、答えの例文を予想したあとに書き写すのが、中学レベルの英文法の勉強法です。なお、高校でも、文法についてはおおよそ同じ勉強法です。


裏を返せば、ここまでの勉強が家庭で出来てしまえば、あまり先取り学習をする必要もないです。もし先取り学習するにしても、せいぜい学校で習ったことの10ページ先くらいの勉強までで十分でしょう。

よく「予習よりも復習」など受験対策のコツが言われますが、しかし英語の文法の勉強の場合、けっして「学校で習ったことだけをそのまま復習する」のではなく、「学校で習った程度の知識の組み合わせを練習する」という、まだ学校では練習してこなかった事を練習する必要があります。

英語の文法に限らず、論理的な分野の受験勉強での「復習」というのは、おおむね、このような感じの方法です。


一見すると勉強量が多そうですが、しかし、すでに学校で習って基礎を暗記してある内容の組み合わせですから、どっちかというとパズル的な感じになり、意外と早く勉強が終わります。たとえるなら、数学の簡単な基礎問題や練習問題で知識確認をするように、家で時間のあいたときなどに、参考書の例文を読み書きしてみるなどしてパズル感覚で文法を確認しましょう。

英語の語順で考える

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たとえば英語の質問文で Do you~? というのがあります。

Do you have this book?

語順どおりに直訳すると、

「質問です。あなたは、この本を持っていますか?」。

英米人がこういう言葉を使うという事は、常にこの語順で物事を考えているという事です。

発音でも、「ドゥーユー ハァブ ディスブック?」または「ドゥーユーハァブ ディスブック?」と、区切って発音していることが多いです。

英語では冒頭の発音を聞くだけで、話者が今話しているのが疑問・質問である事がわかるわけです。

聞き手は、最初の段階で、「あ、この直後に疑問の内容を述べるんだな。」って解りますよね。

ある意味会話内容の性質を先に示していますから、聞き手はある程度の安心感を得ることが出来ます。

ですからこういう言葉、文章の構造は、一種合理的であり、論理的だという事も出来ますよね。

だから英語を使うときは、日本語→英語の変換をするのではなく、英語の語順そのままで考えてそれを直接的に口にする、これが妥当な英語、外国語の使い方でしょう。高校生向けの長文読解の参考書にも、よくこういう指摘、推奨が書かれています。

英米人が本当の意味で合理的・論理的かどうかは判断保留の余地はありますが、しかし英文法には合理的な性質が随所に見られます。

さて、

I have this book.

なら、語順を英語に合わせるなら、

「私は、持っていますよ、この本を。」になりますが、しかし和訳としてはいい文章だとは言えませんよね。

Can you play the piano?

「できますか、ピアノの演奏は?」、語順だけを考えるならこうですね。

しかし英語の語順がそうだとして、我々日本人がこの日本語の語順で考えるのも、何らかのポジティブな意味があるはずです。この語順が、我々の民族と我々の文化と生活を、間違いなく作って来たのですよね。

ですから和訳をするときは、正しい日本語の語順で、綺麗な日本語で記述するべきでしょう。

英語の概念や意味体系を考えてみる

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  • must

「~しなければいけない」の意味の熟語「 have to 動詞の原形 」が助動詞 must(「~するべき」)と同じ意味であることを覚えるときには、(ただし中学校では同じ意味だと教えるが、実際には微妙なニュアンスの違いがあるようだし、否定文では全く意味が変わる。don't have to ~ は「~する必要がない」。mustn't は「してはいけない 。)

下記のような、

   前提  : must = べき 、 have to=することを持つ
   前提  : することを持つ = 義務
+  前提  : ~べき     = 義務
――――――――――――――――――――――――――
   中間結果 : must = 義務 、 have to=義務
――――――――――――――――――――――――――
   結論   : must = 義務 = have to

という意味的な構造を考えてみよう。

You have to read this book. (あなたはこの本を読まなければならない)

直訳して『あなたは、この本を読むことを、持っている』、(ただし直訳はあらゆる場所で忌避されている)。

『あなたは、~することを持っている』というような言い回しで、なにかの義務をあらわしている、英語にはそのような発想がある、と、見ることが出来ますよね。

have to = することを持つ = 義務 = ~するべき=must

ただし日本語では、「することを持つ」という言い回しは無いですし、日本語の文章、言葉としては不適な文にはなります。

そしてもう一点、must には助動詞として、「~に違いない」という、肯定的推量の意味があります。しかし義務と肯定的推量には概念・意味としての類似はあります。「~であるべきだ」→「~に違いない」と、類推できると思います。

解説の都合で「推量」と言う言葉を使いましたが、この言葉までは覚える必要はありません。must や have to が「義務」とさえ覚えられれば、問題ありません。

ほかの助動詞も同様、解説に用いられている用語までは覚える必要は無く、せいぜい can が「可能」とか、そういう直接的な訳の意味さえ分かれば十分です。

5文型まで中学時代に進む

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学習塾では、中学2年生のうちに5文型まで進みます。どの時点で文型を学ぶかは個人に任せますが、最終的に中3になる頃までには文型を身に付けましょう(塾でもそのくらいのペースです)。なぜなら、中3の夏あたりからは過去問の練習が始まり長文を読み始めますので、それよりも前に余裕をもって、5文型を学ぶ必要があるのです。

レベル高めの難関高校受験用の文法参考書なら、5文型が書いてあるでしょう。(もし地元の書店に無ければ、最終手段として高校の参考書を買うのもアリですが。)

単語集ですら、もう学研の平均的な単語集「320例文(中略)2000」でも、SVOC文型が紹介されています。

にもかかわらず、ネットでは知ったかぶりの頭わるい人により、英文法の議論は、「僕の考えた最強の英語教育(ぼくのかんがえたさいきょうのえいごきょういく)」のネタになりやすいのですが、塾ではどうなのかとか私立高校の入試がどうなのかとか単語集ではどうなのかという具体例を知らない人の能書き(Amazonレビューとか)を真に受ける必要はありません。

というか、バカの論法って「今さら5文型を教えるなんて、こいつは〇〇を理解してない」とか文句を言う割に、自分は「では何を先に教えるべきか。構成をどう変えてほしかったか」については説明しないのが常套(じょうとう)です。「こいつは要点(あるいは実情)を理解してない」みたいな知った風な事を言いつつ、自分は「要点」「実情」について説明しないし出来ない。なぜなら本当は文句を言っている側が、受験の実情を把握していないからです。守秘義務とか機密保持契約とかあって言えない業界ならともかく、中学英語の5文型の教育の是非でそんなのあるわけないです。バカの論法は、徹底的に無視をしましょう。

脚注

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  1. ^ 堀田隆一『「英文法」は250年ほど前に規範的に作り上げられた!』