学習方法/中学校英語

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単語の学習について[編集]

単語の効率的な学習法について、wikiでは意見が割れています。

参考文献などをもとに、読者がご自身で、自分にあった勉強法を考えてください。

単語の学習について(※PDF論文)[編集]

単語をひたすら何回も紙に書くという勉強方法は効果的とは言えません。小学校から日本で教育を受けた人は漢字の書き取り練習をやらされた経験から、「覚える=書く」という意識も持っている人もいるかもしれません[1]。しかし、いくつかの研究が示すように英単語などの有意味綴りの記憶にひたすら書くことは効果があるとはいえません[2][3]。また、(Barcroft 2006)では、書き取りのようにその意味に直接関与しない学習方法は、ただ単語を書くということに意識を割かれ、単語を覚えることを阻害すると推察しています[4]


類義語や対義語、接辞や語幹に注目して単語を覚えるという工夫をしてもいいでしょう。

例えば、接頭辞や接尾語を覚えると次のように単語の意味を覚えやすくなります。

再び:re- 例:refresh review retain

後に:post- 例:postwar postpone postmodern

〜をするもの:-er 例:teacher farmer eraser

〜にする:-en 例:sharpen whiten deepen

また、英単語を覚えるためのスマホアプリなどを活用することも有効な手段でしょう。

単語の学習について(※市販の書籍より)[編集]

新しい単語に出会ったら、意味と大まかな発音を知る必要があります[5]。あるいは、どうしても英単語を書き取りを先にやりたいなら、なるべく直前にその単語を音読するべきでしょう[6]。。

加えて、中学校英語科での英単語の学習時は、意味や用法を覚える以外に、スペル(つづり)を書き取り練習をすることによって覚えることが求められます。[7][8][9]

世間には、英語の書き取り練習は効率よくないという言説が流行っていますが、しかしそれらは市販の中学生向けの勉強法の書籍では否定されています。少なくとも中学レベルの英単語に関しては「スペルは手が覚えるもの」と言われているほどであり、中学卒業レベルまでは書いて覚えたほうが良いでしょう[10]。ただし、中学英語の単語の場合、よほど難しい単語でない限り、そう何十回と書かなくても3~4回くらいで覚えられます[11]

なぜなら、基本的に勉強法は人それぞれなので、合う人・合わない人もそれぞれだし、同じ人でも習得の段階によって適した勉強法が変わるくらいです[12]。なので、(※ wiki追記: 犯罪以外で)「これは絶対にやるな!」のような「決めつけ表現」をしている情報は信じないことです[13]


単語練習の際に、CD音声や例文で、発音や熟語に触れればよいだろう、とのこと[7]。スペルは、少なくとも1度は書く必要があります[7]

基本的に、スペル・意味・発音をセットで覚えるのが常識です[14]

3回くらい書いて、その後に書き取りテストしてみて、そのテストで書けなかった単語だけを再び3~4回と書いて、またテストすれば、時間も有効に使えます[15]。2度目のテストで合格しなければ、また書き取りすればいいだけです。


英語の教科書を読んでるうちに単語をある程度は自然に覚えたりもするので、なるべく単語の書き取り練習を、少しだけ後回しにすると効率的です[16]


ただし、それとは別に、中1のころは、まだ英語を書きなれていないので、英語に手をならす意味で、多めに単語も書いて覚えたほうが良いです[17]

ほかにも英単語の勉強法は色々あると思いますが、高校生向けの単語集『ユメタン』の著者が言う注意点としては、(高校レベルのような一定以上の難度の)英単語を覚えるために必ずしなければいけないのが、何らかのアウトプット活動です[18]。アウトプット方法には「発音する」とか「書き取りする」とか問題練習とか色々とありますが、しかし「読む」などのインプット活動だけで覚えるのは、よほど適性がないかぎり、とても難しいでしょう。

小学英語の復習は必要?[編集]

2022年の時点で言えることとして、中学校での英語学習において、小学校時代の英語学習を、基礎と考える必要は無いでしょう(※要出典)。中学校検定教科書や、中学校学習指導要領の方針として、新たに文法事項をはじめとする英語学習の再スタートが切られていく、と見ていいです(※要出典)。ですから、中学英語に関しては、小学校でのことはあまり気にせず、新たな気持ちで学習を開始するといいと思います。

小学校での英語必修化がなされた影響からか、過去の2000年ごろよりは、中学・高校で学習する単語の量が多くなっています。どの様な教科でもそうなのですが、市販の参考書や、その他の機会に提供される学校以外の教材も、有用なものが多いので、利用していくといいでしょう。

小学校での現状の英語学習は、中学の基礎前提というよりは、英語の発音や雰囲気になれたり、挨拶(あいさつ)、英語の語順や前置詞など日本語文法にない感覚になれるのが目的なので、積み上げ学習の根拠と見なす必要はないでしょう。中学校での本格的な学習の前の準備運動のようなものです。

学習方法など[編集]

英文そのものを覚えようとしない[編集]

英語の苦手な生徒の傾向として、検定教科書の英文そのものを覚えようとする生徒がいます。

しかし、How are you? みたいな、あいさつなどで使われる定型句や、あるいは This is a pen. のような、よほど入門的な英語でないかぎり、英文そのものの暗記は不可能です。

英語の文章は、日本語とはちがった独自の構造・構成法を持っていて、その英語ならではの構成法のしくみを学習者は把握する必要があります。それを「文法」と呼びます。

どうも中学校で説明されたはずの文法を、英語の苦手な生徒は覚えていないのが実態のようです。

なので対策として、中学生としては、令和の現代、書店の参考書コーナーには、中学1年生むけ、または2年生むけといった学年別の英語の参考書がありますので、そういうのを使って、おそくとも中2からは(単語といっしょに)文法も予習・復習をし始めると良いでしょう。遅くとも中3からは問題集も使い始めると良いと思います(簡単な問題種で構いません)。


中学校レベルだと教科書の文章がとても短いので、ストーリーそのものの暗記を通じて、例文そのものの暗記のようなことが出来てしまいます。しかし、高校入学後の英語は、教科書の文章が長大になるので無理です。

まして、高校受験や大学受験の英文となると、教科書にはそのままの例文が無いし、文章のストーリーも初めて読まされるものなので、英文の構成法を理解していないと入試にまったく対応できなくなります。難関高校の入試ではなくとも、都道府県の作成する公立高校入試の共通の英語ですら、もはや教科書にはそのままの例文はありません。

もしかしたら、英語の苦手な中学生は「自分が中学レベルの文法すら理解していない」ことすら理解していないのかもしれません。

単語・同義語[編集]

単語の覚え方[編集]

どの単語が重要だろうか?優先順位は?[編集]

学校の授業で教師が指針を示してくれることも多いと思います。この単語は重要だと指摘してくれるでしょうし、そういう単語から優先的に覚えていくと良いでしょう。あるいは参考書でも重要単語は示されるでしょうし、中学生用の英単語集もあります。ただ、中学生用の英単語集は受験向けに作られたものが多いので、初学段階、中1ぐらいの時は、やや不適かも知れません。

教科書に出てくる単語はある意味スタンダードではありますが、やはり基本語および重要語と、それほど重要ではない単語が混ざっていて、その判断も難しいところがあります。片っ端から教科書の単語を練習していくのはあまり合理的ではないかもしれません。

同じように辞書の単語をA から順番に練習するというのも、やや不適な学習法になるでしょう。そもそもよほど初等的な辞書でないかぎり、掲載されている単語が膨大であり、辞書をすべて覚えるのは不可能です。

辞書には重要語だけを選んで、*マークが付けられたり、大きい見出しで書かれたりなどのものもありますが、しかし重要度順に掲載されているわけではないので、辞書を順番に練習する価値がありません。


教科書の単語をかたっぱしに練習するというのは、あまり合理的な学習法ではないでしょう。なぜなら教科書の英文の中の単語は、重要語もそれほど重要ではない語も混在しています。


例えば国家に関する単語で、Swedish。これは形容詞でもあり名詞でもありますが、スウェーデン(人)の、スウェーデン語、スウェーデン人、という意味を持ちます。しかし、この単語よりも country(国)という一般的、普遍的単語のほうが重要です。なぜならスウェーデンの英語のつづりをおぼえても、フィンランドになったら通用しません。

固有の国名の暗記は、使用頻度の高い American や Japanese などに限定しましょう。

他にも、dogやcat より、普遍的なanimal 、より普遍的、一般的な言葉を上位語とか上位概念と呼びますが、こういうものを優先して覚えたほうが有利でしょう。もっとも、dog、cat、animalぐらいなら、結局は誰もがすべて覚えてしまいますが。

ですから学校の英語の成績とか、受験とか、あるいは実用英語でも結局はその傾向があると思いますが、抽象的、総論的な単語を覚えることは重要だということでしょう。dog やcat は知っておく必要があるけど、(もっともこの辺は,誰もがすぐに覚えてしまいますが…)、camel(ラクダ)や hippo(カバ) は重要度が低くて後回しでもいいということです。

基本的には単語を覚えるために、幼児向け~小学生向けの英語教材は非推奨です。中学1年生はまず中学生むけの教材で勉強すると良いでしょう。


高校受験のための単語学習[編集]

1700~1800語レベルの重要とされる語が、標準的な高校を受験するために知っておくことが求められる単語だと思われます。これは高校初等の単語集の収録数とほぼ同じ、ですから、受験対策としてはこういう単語集はふさわしいと見れます。

標準的な高校で提供される英単語集は、重要語3000語レベル(※ 中1から通算の記憶する重要語が3000語という意味です。決して3000語が掲載されているわけではありません)。これは高校に入学してから利用するものでしょう。

1700~1800語収録の単語集で「高校1年 基礎」のように書かれているものの収録単語は、多く中学校教科書に見られるものです。これを利用するのも良いですが、一方で中学生用の受験用単語集というのもありますので、受験生はそれぞれ自己判断で自分に適する参考書を選んでください。

  • 難関高校の英語

難関私立高校の入試問題では、高校範囲と見なせる単語もあまり気にせず出題してくる傾向があるようです。高校向けの単語集で考えると、重要語3000語の参考書(高2向け程度)に掲載されているような単語ですね。

英検準2級が重要語3000程度を、語彙の基準にしています。

市販の単語集は、重要語1700~1800が、高校基礎または高校1年用とされていますが、実際には高校で最初に受け取る単語集は、重要語3000語の物が多いと思われます。多くの高校ではこれを1年か2年の時に最初の単語学習の参考書として渡されるでしょう。

基本的に重要語1700~1800語となっている高校初等用の英語単語集は、中学3年向け程度だと考えるのが良いようです。1990年代の昔からの桐原書店の高校初等用、現代(2022)でも桐原・東京書籍の「高校」用の基本重要語1700~1800語は、そういう趣旨の単語集です。

21世紀になってから、前世紀よりも受験対策として覚えさせられる単語数は増えています。

歴史的には、昭和の戦後英語教育では、学習する英単語の数は少なかったようです。ゆとり教育の影響ではなく、それ以前から少ない。学習単語数を数えるよりは文法学習を重視していました。'90年代、中学教科書の学習単語数は少なく、現代の高校初等基本語1700~1800語に達することもなく、一部の中学生が、塾の進学クラスでその程度の多くの単語を学習していたぐらいだったのです。

文法[編集]

英文法とは?[編集]

一般的に、中学英語の検定教科書には、文法の説明がほぼ無い状態です。

たとえば2015年ころ、中学英語の検定教科書では、「ひとつの文節中に、助動詞は1つまで」という文法法則があるのに、検定教科書には書かれていませんでした。

よって、参考書を買うべきです。授業で教師が文法を説明するでしょうが、しかし自分でも予習・復習などをできるようにするために参考書が必要です。


例えば…[編集]

以下は考え方の一例です。中学英語文法について、こう見る方法もあります。

例えば以下の3点を教わるとします。

1. Is this a pen? (これはペンですか。)

2. That is a pen. (あれはペンです。)

3.「 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する。」

これを知ったうえで、「あれはペンですか?」を英訳せよと言われたらどうでしょうか?

答えを先に書いてしまいますが、

4. Is that a pen? (あれはペンですか)

ですよね。


最初の3つの知識から、 Is that a pen? という文章にたどり着くのは、文法を知らなくても予想は可能です。

ですが、その予想を教材で確認するためには、文法について解説した参考書という教材が必要です。

検定教科書では、上述したように文法の説明が無いので、確認のしようがありません。


たとえば、

this と that は等位の言葉でわずかに指示対象が違うだけだと見なせますから、this を that に置き換えればこの答えを予想できます。

ですが、英語における「等位」の「接続詞」といった概念自体、参考書を確認しなければ、なかなか出てきません。


文法の知識、理論で考えると、this も that も代名詞、名詞の特殊な形、さらに特殊化して「指示代名詞」と呼ばれる品詞です。


前編集者Sはたいていの学校では、1.~3.は教えるが、4.は教えない。1.~3.から4.を導くのが文法だ、これを考える練習をせよと記述しています。

検定教科書だけだと、例文がサンプル不足です。もし副教材などで文法教材が与えられているなら別ですが、そうでないなら参考書を購入して、自分の知っている文例を増やしましょう。


文法も言葉も論理も、それぞれの生徒にそれぞれの世界観と理解があって、いろいろなことを考えた上で学習しているのだから、あまり細かく物事や勉強法を限定指定して、これが唯一の正当な学習法だ、などということは主張するべきではないと思います。

さて、上述の1.~3.の三つの前提から、「あれはペンですか?」の疑問文を作れ、という問題があるとして、

まず、「たぶん『Is that a pen?』だろうなあ。だって『 isをつかった疑問文では、isを文頭に移動する』と習ったし。」という予想をしますよね。

法則というのは予想をするためのものですからね。文法知識があると、今まで出てこなかった新しい文がどう作れるか予想できるでしょう。

しかし、勉強では予想するだけでなく、予想が当たっているかどうか、確かな資料、例えば参考書などで確認する必要があります。

なぜなら言葉というのは、非常にあいまいで不確かなものですから、いくら理屈で「文法がこうだ」と定義したとして、実際の社会で、その言葉の話者の民族・国民がそのような使い方をする保証はありません。文法は基本的にあとづけの理屈です。(ただし実際にはそうとも言いきれず、近代にイギリスは英文法がなるべく規則的になるように大幅に作り直している点もあるが[19]、しかし現代でも不規則動詞なども残っているので、そういう歴史的な部分は置いておく)。

イメージと書くこと[編集]

言語使用者の生活がなければ、言葉は自然には覚えられません。文法は、自然な文章を作るための補助になります。

今まで習った文法、文章法則を基盤に、さまざまな新しい組み合わせを考え、その答えを予想し、結果正しいかどうか参考書資料類で調べてみる。その際、ついでに例文なども書き取り練習をする(単語の学習法で、書き取りの出典があります)。これが前編集者Sが推奨する文法学習法ですね。

たとえば、学校で形容詞 (big や good )を習った、名詞(dog や car)を習った、「では、形容詞の疑問文はどうなるか」「名詞の疑問文はどうか」、「疑問文ではなく否定文は?」等、新たな文章を予想し考え、法則も見出す、と、いうことでしょうね。

そして事実上その予想が正しいか、見出した法則の適用が正しいか、ある程度確度の保証されている参考書類で調べ確認したうえで、ノートにも例文を書き取りしておく。まとめる必要はない(参考書にマトメが書いてあるので)。

これが必ずしも唯一の文法学習法の正法だというわけではないでしょうが、一つの有効な学習法ではあります。

英語の語順で考える[編集]

たとえば英語の質問文で Do you~? というのがあります。

Do you have this book?

語順どおりに直訳すると、

「質問です。あなたは、この本を持っていますか?」。

英米人がこういう言葉を使うという事は、常にこの語順で物事を考えているという事です。

発音でも、「ドゥーユー ハァブ ディスブック?」または「ドゥーユーハァブ ディスブック?」と、区切って発音していることが多いです。

英語では冒頭の発音を聞くだけで、話者が今話しているのが疑問・質問である事がわかるわけです。

聞き手は、最初の段階で、「あ、この直後に疑問の内容を述べるんだな。」って解りますよね。

ある意味会話内容の性質を先に示していますから、聞き手はある程度の安心感を得ることが出来ます。

ですからこういう言葉、文章の構造は、一種合理的であり、論理的だという事も出来ますよね。

だから英語を使うときは、日本語→英語の変換をするのではなく、英語の語順そのままで考えてそれを直接的に口にする、これが妥当な英語、外国語の使い方でしょう。高校生向けの長文読解の参考書にも、よくこういう指摘、推奨が書かれています。

英米人が本当の意味で合理的・論理的かどうかは判断保留の余地はありますが、しかし英文法には合理的な性質が随所に見られます。

さて、

I have this book.

なら、語順を英語に合わせるなら、

「私は、持っていますよ、この本を。」になりますが、しかし和訳としてはいい文章だとは言えませんよね。

Can you play the piano?

「できますか、ピアノの演奏は?」、語順だけを考えるならこうですね。

しかし英語の語順がそうだとして、我々日本人がこの日本語の語順で考えるのも、何らかのポジティブな意味があるはずです。この語順が、我々の民族と我々の文化と生活を、間違いなく作って来たのですよね。

ですから和訳をするときは、正しい日本語の語順で、綺麗な日本語で記述するべきでしょう。

英語の概念や意味体系を考えてみる[編集]

  • must

「~しなければいけない」の意味の熟語「 have to 動詞の原形 」が助動詞 must(「~するべき」)と同じ意味であることを覚えるときには、(ただし中学校では同じ意味だと教えるが、実際には微妙なニュアンスの違いがあるようだし、否定文では全く意味が変わる。don't have to ~ は「~する必要がない」。mustn't は「してはいけない 。)

下記のような、

   前提  : must = べき 、 have to=することを持つ
   前提  : することを持つ = 義務
+  前提  : ~べき     = 義務
――――――――――――――――――――――――――
   中間結果 : must = 義務 、 have to=義務
――――――――――――――――――――――――――
   結論   : must = 義務 = have to

という意味的な構造を考えてみよう。

You have to read this book. (あなたはこの本を読まなければならない)

直訳して『あなたは、この本を読むことを、持っている』、(ただし直訳はあらゆる場所で忌避されている)。

『あなたは、~することを持っている』というような言い回しで、なにかの義務をあらわしている、英語にはそのような発想がある、と、見ることが出来ますよね。

have to = することを持つ = 義務 = ~するべき=must

ただし日本語では、「することを持つ」という言い回しは無いですし、日本語の文章、言葉としては不適な文にはなります。

そしてもう一点、must には助動詞として、「~に違いない」という、肯定的推量の意味があります。しかし義務と肯定的推量には概念・意味としての類似はありますね。 「~であるべきだ」→「~に違いない」と、類推できると思います。

解説の都合で「推量」と言う言葉を使いましたが、この言葉までは覚える必要はありません。must や have to が「義務」とさえ覚えられれば、問題ありません。

ほかの助動詞も同様、解説に用いられている用語までは覚える必要は無く、せいぜい can が「可能」とか、そういう直接的な訳の意味さえ分かれば十分です。


文法とは?[編集]

高校入試でも、文法に関わる問題は出題されます。もっとも、何をもって文法問題と見なすか、結構あいまいですが。

中学校では、具体的な英文を読みながら、折に触れて、単語や熟語、文法や英語周辺の解説がなされていきます。

文法は知らないより知っていたほうが助けになるし、言葉というものを総論的に知るためにも、有益な議論だろう。

中学校で文法を学習するとしたら、もちろん折に触れて教科書や授業で指摘される文法事項は、理解して学習したい。参考書には、文法を特に重点的に解説したものもあれば、そうでないものもありますが、文法を特に強調していない参考書ですら、検定教科書とは異なり文法の解説を参考書中で明示しています。

入門的なものでもいいので、書店で参考書の内部をながめてみて、好みの参考書を買うのが良いでしょう。


いっぽう、単語集には、文法解説はあまり書かれていない。辞書は、大抵は文法に関する重要な情報が豊富だが、ある程度英語文法を知ったうえでないと、有用に使いこなせないと思われます。

なお、副教材などの学年別の文法問題集について、中学校1~2年生の時点では、副教材会社の出しているワークブックを除けば、一般書店での該当書籍はありません。中学3年向けや高校受験向けのものが多少ある程度でしょう。

やはり初学段階、しかも中学英語は初めて学習する外国語でもありますから、高校以降のように、文法、単語、読解、作文、リーディング、会話などの概念分類をしないで、総合的にまとめて学習するのが妥当だと思います。

もっともこの高校での分類は、90年代の昔は文法、会話、それ以外(長文や単語など)という3分類でしたが、最近の課程は少し変わっているかもしれません。

人称代名詞の主格と所有格、目的格、例えば「私」なら、I、my、me、これは文法でもありますが、単語学習でもある。覚えるのはどうしましょうか、ただ口で何回か唱えてもそこそこ覚えそうですが、伝統的にはノートに何回か書く、大抵は、特に初学段階では良くそうしますよね。

中学校英語の英文法は高校英文法の基礎になってるという人がいるけどほんとかね? むしろ高校英文法は、中学校の英文法を踏まえず、新たに仕切り直しをしているように見えるけど。中学校の英文法は割と初学者に向けた独自の体系のようにも見える。この体系が仮にあまり良いものではないのなら、日本人の英語理解を逆に阻害しているといえるし、そうでなかったとしても、今後様々な改良、改善の余地があるのではないだろうか?

英文読解[編集]

英文読解については、入試対策の目標の目安として、

  1. 中学校全体、あるいは高校初期に至るまでの基本単語のスペルが書ける。
  2. 中学英語文法をよく理解している。

これが満たされていれば、大抵の中学校で扱う英文は読解できるようです。ただし、この条件をきっちり満たすことは結構難しい。

発音とリスニング[編集]

発音はもちろん、実際の英米人が聞いたときに違和感なく英語として聞こえればいいのですが、実際には難しい。出来るだけその状態に近づくよう試みるという事で、ネイティブスピーカーの発音例を聞きながら、自分でも喋ってみるという、その繰り返しでも許されるでしょう。

個々の言葉の、文全体の、発音とアクセント、学校の授業でも練習の機会は多々あると思います。

自分自身で口で読んでみること。中学の段階でなら、教科書に載っている文を、流暢に、一般的な速さで読んでみてください。例えば、Is it an apple?という文を読んでみましょう。この文は「イズ イット アン アップル」ではありません。英語には

  • 最後が子音で終わる単語の次に最初が母音で始まる単語がきたとき、続けることがある
  • (単語の最初が多い)強く読まれる部分がある

などのルールがあります。この文は「ナプォ↑」(太字がアクセント、傍線が弱く読むところ)のように、文頭のIsとItの最初を強く、itのtとanのa、anのnとappleのaを繋げて読むのです。そして、「ナプォ」もまた完全な読み方とは言い切れません。「ズ」の「ズ」に関しても、次のitが母音 (i) で始まる兼ね合いから、若干「ジ」に近い発音になります。他にも「th」は「ス」に近いけど「s」と全く同じ読みではないように、日本語のカタカナを使用しても、どうしても表現できない読み方があるのです。例えば、bagの読み方を「バッ」と言いたいところですが、「日本語のバッグの最後を弱く読む」とは少し違います。そこで、みなさんは教科書などに記載されている「発音記号」を知る必要があります。 発音記号とは、ruːm(これはroomのもの)、やbæg(これはbag)のようなものです。教科書などでは多く記載され、おそらく巻末に読み方も書かれていることでしょう。また、ネットで英文とその朗読を見聞きすることも有用です。特に保護者の方などにネイティブスピーカーの発音を探してもらえば、実際の「生きた英語」を聴くことができます。

最近では筆記試験だけでなく、実際に会話をしたり、流れてくる音声で問題に答えさせるというような試験も増えています。例えば、「This is the elementary school.」という英文を読まれたとして、「これは何ですか。」と質問された場合、「the elementary school」を「ジ レメンタリィクゥ」(theの次の単語が母音で始まる際は発音が「ジ」になる)と発音することを理解していなければ答えられません。このように、発音をしてみたり、聴いてみたりする、ということも、現在は英検などでは重要視されています。


とはいえ、基本的には発音練習よりも、基本単語を読み書きできるようになるとか、基本的な文法を使いこなせるようになるほうが先でしょう。なぜなら、自分の言う例会話の文法がメチャクチャなのに発音だけ良くても、あまり実用性ないので。

発音について、上記のような発音の規則のほかにも、単語ごとの発音注意があります。発音を間違えやすい単語とか、単語集などにその単語の紹介時に「発音注意」などと載っています。

どちらかというと高校入試では、そういう単語の発音問題のほうが要求されるでしょう。採点もラクですので。

入試の採点の都合により、口頭での発音はなかなか一般入試では出題されないのが実情です。

資格[編集]

高校受験の際などに、英語検定やTOEICなどの資格を取得していると、そしてそれを出願時または面接時などに申請すると、入試結果に加点され、有利な場合もあります。そうでなくとも、それらの試験を受けることは、テストに慣れることやそれに向けて勉強し知識を得ることなど、利点があります。ただし、TOEICはどちらかといえば高等学校で学習する範囲であることが多いでしょう。中学生のみなさんには難しい可能性もあります。ご注意ください。

一般的に、英検3級が、高校入試での目安と言われており、少なくとも私立なら多くの高校で英検3級から(3級も含む)が加点要素となるでしょう。その高校の募集要項などで、どの級から加点要素と見るか、出願時などに事前に確認してください。


なお、英検に出題される語彙ですが、近年、中学英語の検定教科書とは大きく違ってきています。

たとえば、forgive「許す」という単語が英検3級によく出ると言われています。しかしこの単語は、高校英語の3000語~4500語レベルの単語です。たとえば桐原書店『データベース3000 基本英単語・熟語』という高校生むけの本でようやく紹介される単語です。同社・桐原の1700語の中学レベルの単語集では紹介されていません。中学校の場合は「許す」は allow を使うのが普通でしょう。

このように、英検と高校受験はあくまで別の試験ですので、対応しません。英検3級の単語の多くは中学校でも見かける単語ですが、一部、上記の単語 forgive のように外れた単語があります。昭和や平成初期と違い、近年の英検では、そのような単語が多くなっています。

destroy 「破壊する」とかも英検3級です。

正直、このような変化を高校が把握しているか不安です。


英検と中学英語の大きな違いとして、中学の検定教科書では、ある程度の長さをもった物語の英文を中心として扱うことになるので、使用できる英単語が限られます。

たとえば、destroy「破壊する」が必要な場面とか、なかなか日常会話では思いつきません。一応、戦争の悲劇とかを語る場面とかで使えそうですが(平和学習と関係づけて、そういう英文も教科書にありそうですが)。

そもそも、教科書検定をしている文部科学省は、別に英検の下請け機関ではないので、英検の単語など、知ったことではありません。したがって、英検3級が「中学程度」というのは、正確にはウソです。英検は、採点の都合上、書き取り問題が基本的に無いので、高校受験には対応しません。極端な話、dog や cat などが書けなくても、文法を理解していて、さらに英検に出る単語の意味さえ覚えていれば、合格できてしまうからです。


英検対策の教材として、3級以降は単語集が必要でしょう。

ただし、英検の単語集の問題点として、あくまで英検用に作られています。英検の単語集「でる順パス単英検3級」は、その名の通り、英検に出る順での掲載順です。高校受験に出る順でもなく、覚えやすい順でもありません。

高校受験では、あくまで、高校の筆記試験で高得点を取るのを優先すべきです。このため、普段の勉強では、高校受験用の単語集を先にこなすほうが良いでしょう。英検用の単語集は、英検の出題傾向を確認するのに使いましょう。

英検に限らず、そもそも「単語集」というのが高校入学からあとの英語学習では必要になってきます。あるいは、私立高校の受験などをする人で、早い人は、中学3年ころから単語集が必要になるでしょうか。

英検対策をしたい場合、例文の書いてある単語集を買ってください。なぜなら文章の空欄を埋める問題や、長文読解などの問題が、英検3級とそれ以降の級では出るからです。もはや、単語の一語だけを提示して和訳を問うような問題は、英検3級では出ません。

必要な単語集

英検3級の対策としては、英検用の単語集が必要になるでしょう。上記のように中学範囲を超えた単語を扱っているからです。高校レベルの3000語レベルの単語集を使うのは、さすがに高校受験生には負担が重すぎます。

ただし、このため、高校受験の時間を少し奪います。

あるいは、もしかしたら高校受験用の難関高校用の英単語集が、英検3級対策を兼ねているかもしれません(書籍による)。


準2級に関しては(一部の難関高校(国公立も含む)が準2級を加点対象としている)、確実に英検用の単語集が必要です。なぜなら高校用の単語集は、もっと上の2級を対象にしているので、準2級にはレベルが合っていないからです。


語数の流儀

なお、「3000語」などの語数のレベルですが、数え方にいくつかの流儀があり、派生語を数えるのかどうかで、大きく変わってきます。

なので、高校受験以外の対策をしている資格試験用の「2000語」レベルが、必ずしも中学生用の桐原書店 1700語レベルよりも高度とは限りません。

辞典や参考書[編集]

英和辞典と参考書は、学習の助けになります。

英和辞典とは、英単語の日本語訳とその例文を調べるための辞書です。

中学生の段階では、買うなら、中学生むけのものを買うのが良いでしょう。

一般向けの英和辞典だと、中学生では習ってない文法事項などを前提としている例文も多く、使いこなせないかもしれません。


英和辞典には単語や発音記号、活用形、意味がしっかりと記載されています。同義語や、スペルが近く混同しやすい内容が掲載されている辞書であれば、さらに良いでしょう。


いっぽう、他のタイプの辞典として、「和英辞典」や「英英辞典」というのがあります。

和英辞典はあると便利です。

ほか、英英辞典とは、英語で英語を解説した辞典です。英英辞典は中学生が使うには、難度が高いように思われます。


Wikibooks には、『学習方法/中学校英語/辞書』というページもあります。

参考書も有用。参考書には文法や例文や用法、活用形が書かれています。学校の教科書では文法をあまり説明していないので、予備として参考書をもっておくと良いでしょう。また、内容を (付属または別売りの) CDで読み上げるものであれば、さらに有用です。近年、発音や聞いて理解するといった問題が増えているので、その対策としても有効です。しかし音声を聞いているだけではわからないこともあります。CDを聴いて「have to」は「ハフトゥ」と発音する、ということを覚えても、I have to practice to speak English.という文章の意味や文字の書き方、スペルは、何らかの書籍タイプの教材が与えられないと、知ることはできないでしょう。

高校受験に向けての注意[編集]

私立志望の場合の注意[編集]

もし読者のあなたが一般の公立中学の生徒であり、志望校として私立高校の受験を考えている場合、注意事項として、2020年代の現代では、私立高校の入試英語は、単語数が中学英語を大きく越えています。

その理由は、現代の私立高校の多くは付属中学を持っており、その付属中学が検定外教科書として、中高一貫用の英語教科書を使っているからです。

なので、私立高校志望の学習ペースとしては、志望校にも寄りますが、高校受験までに、中学時代のうちに高校1年レベルの単語を習得しておくという、ややハイペースで英単語を勉強する必要があります。

対策として、中1~中2の頃から、暇なときなどに英単語の書き取りなどを勉強しておきましょう。

なお、中高一貫校用の英語教材は学校専売品であり、そのため一般の書店では販売されておらず、購入できません。なので、購入のために探す必要はありません。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

論文[編集]

※ 新しい順にお願いします(新しい研究は通常、古い論文の成果を踏襲しているため)
  • 見崎研志, & 仲真紀子. (2006). 反復書記学習が記憶に及ぼす影響. 日本認知心理学会発表論文集, 2006(0),
  • Barcroft, J. (2006). Can writing a new word detract from learning it? More negative effects of forced output during vocabulary learning. Second Language Research, 22(4),
  • 見崎研志, & 仲真紀子. (2005). 記憶促進における反復書記の有効性に関する検討. 日本認知心理学会発表論文集, 2005(0),
  • 仲真紀子. (1997). 記憶の方法: 書くとよく覚えられるか?. 遺伝, 51(1), 25-29.

書籍[編集]

  • 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、
  • 坂本七郎 著『マンガでわかる! 中学生からの最強の勉強法』、ナツメ社、2023年5月10日 第9刷発行、
  • みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、

サイト[編集]

脚注の一覧[編集]

  1. ^ 仲真紀子. (1997). 記憶の方法: 書くとよく覚えられるか?. 遺伝, 51(1), 25-29.
  2. ^ 見崎研志, & 仲真紀子. (2005). 記憶促進における反復書記の有効性に関する検討. 日本認知心理学会発表論文集, 2005(0), 104-104.
  3. ^ 見崎研志, & 仲真紀子. (2006). 反復書記学習が記憶に及ぼす影響. 日本認知心理学会発表論文集, 2006(0), 171-171.
  4. ^ Barcroft, J. (2006). Can writing a new word detract from learning it? More negative effects of forced output during vocabulary learning. Second Language Research, 22(4), 487-497.
  5. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P135
  6. ^ 坂本七郎 著『マンガでわかる! 中学生からの最強の勉強法』、ナツメ社、2023年5月10日 第9刷発行、P118
  7. ^ 7.0 7.1 7.2 [1] 2022年4月25日に確認
  8. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P136
  9. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P153
  10. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P153
  11. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P138
  12. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P40
  13. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P41
  14. ^ みおりん 著『やる気も成績もぐんぐんアップ! 中学生のおうち勉強法入門』、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P153
  15. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P138
  16. ^ 國立拓治 著『くにたて式 中学勉強法』、大和出版、2023年4月28日 11刷発行、P136
  17. ^ 坂本七郎 著『マンガでわかる! 中学生からの最強の勉強法』、ナツメ社、2023年5月10日 第9刷発行、P118
  18. ^ 『忘れることを意識して覚える | 作家 木村達哉 (キムタツ) オフィシャルサイト』2024.04.10(水) 08:00 2024年04月21日に確認.
  19. ^ 堀田隆一『「英文法」は250年ほど前に規範的に作り上げられた!』