学習方法/高校英語/リスニング
リスニング
[編集]概要
[編集]- 先に教材を読む
先に教材を読まないと、どんなにリスニングをしても、頭に入りません。なので、1度で良いので、教材の書籍にある、すべての英文を通読しましょう。
また、購入時は、そのように読める英文のあるリスニング教材を購入しましょう。
- そもそも後回しにしても良い
リスニングは、そもそも、あまり練習をしなくても合格します。大学入試の英語の大半は、2020年代の今でも読解問題と文法・語法問題です。
- 何を聞くか
基本的に、まず単語のリスニング教材や、熟語のリスニング教材を先に聞きましょう。なぜかと言うと、入手をしやすいからです。
少なくとも、高校レベルの教材では、入手しやすい。
英語長文のリスニング教材を書店で探して聞いていくのは、もう少し後でも良いですし、聞かなくても難関大学には合格します。
もっとも、既にそういう長文リスニングの教材を持っているなら、聞いても構いません。
- 一度でも聞いたことある単語は、記憶の片隅に残っている
リスニング教材を、1度 読んだけで、かつ、1度 聞いただけでは、まったく覚えられないように感じるでしょうし、実際に覚えていない単語・熟語もあります。
ですが、実は、頭の片隅に残っています。不思議な事に、一度聞いた後に単語を書籍で読み直すと、なぜか前回よりも、頭に入りやすくなっています。
なので、覚えられなくてもショックを受けず、とりあえず一度は、前単語を聞きましょう。
- どこから聞くか
単語数は多いので、すべてをいっぺんに聞くと、後半で寝てしまって、後半部の単語などを学べない場合が多々あります。
このため、再生の順序をときどき変更するなど、各自で工夫しましょう。
たとえば、動画プレイヤーなどで再生順序を「降順」にすると、後半から聞けます。
まず、一括ですべての単語・熟語を聞くのが先です。
ですが、それだけでは覚えられません。なので、一括再生で聞くのを何周かしたら、今度は、1チャプターずつ繰り返し再生するのに切り替える等、再生方法を変えましょう(繰り返し回数については別記)。
この1チャプターごとの再生の際、後半から再生するなど、上記と組み合わせましょう。
どうせ教材の前半の単語は、学校レベルの復習だったり、あるいは中学レベル等の復習だったりして、既に覚えている単語・熟語が多いので、前半部をあまり重点的に聞く必要がありません。
入試対策としては、出題頻度の多い前半の単語・熟語を覚えるのも大切なのですが、しかしそればかりを繰り返し再生で聞くのは、かなり退屈です。
退屈だと、勉強が続かないので、工夫して、興味をもてる所から、繰り返しリスニングしましょう。
繰り返しで聞くので、とにかく興味をもてる箇所から再生する必要があります。ここでは、受験の効率などは、二の次です。
比較的に新鮮な刺激が無いと、勉強が続きづらいのです。中盤や後半から再生するとか、あるいは降順で末尾のチャプターから再生するなど、色々と工夫しましょう(人によって工夫は違うので、各自の興味に合わせること)。
- いつ聞くか
集中力を使わない作業、なにかの作業中の時間などに、リスニング教材を、垂れ流し(たれながし)にしましょう。
たとえば、こういったwikiを読んだりしている最中にも、リスニング教材を流したり等、するのです。
なお、自転車などの運転中は、聞いてはいけません。交通違反です。
SNSなどを読んでいる間にも、リスニング教材を垂れ流しにすれば、読み込みなどの待ち時間を、有効に活用できます。
- 何回聞くか
一度、通読+ 一括リスニング(2~3周で十分)した後は、何回繰り返して聞くべきかと言えば、
飽きるまで、(後半部のチャプターなどから先に)、1チャプターずつ聞きましょう。
べつにリスニング回数が多いからといってリスニング力や語彙力が増えるわけではないのですが、しかし最低限のリスニング回数が無いと、リスニング能力が伸びませんし、語彙も覚えづらいままです。
なので、ヒマがあれば、音声を垂れ流しにしましょう。
ただし、単語数・熟語数が多いので、限度として最大でも10回や20回ほど聞いたら、次のチャプターに進むと良いでしょう。5回でも構いません。(あまり回数にこだわる必要はありません。)
「覚えるまで」ではなく、「飽きるまで」です。
あるいは、「何回このチャプターを聞いたか、覚えてない」となるくらいまでの回数、繰り返して聞くのも手です。
飽きたか、明らかに10回以上は聞いたか、回数を覚えきれなくなったら、とりあえず次のチャプターのリスニングに進みましょう。
- 覚えられない単語はどうするか
いちいち書籍の単語集や熟語集などに戻るのは面倒です。
ある程度まとめてリスニングしてから、あとで、まとめて通読しましょう。
ただし、どうしても気になるなら、書籍を読んでも良いですが。
なお、書籍の読み返しをしている間にも、リスニング教材を垂れ流しにすれば、リスニング回数を稼げます。
ある程度のリーディング力が前提
[編集]まずは、前提となる単語力をつける必要がある。その上で、参考書で、音声CDつきの参考書などで聞き取り練習をするなどすればいいだろう。
受験対策としては、リスニングのためには前提として英文を読めるようにする事も必要です。そもそも時間をゆっくりかけても英文を読めない人が、同じ文章を耳で短時間で聞き取れるはずがありません[1]。このため、結局は、英単語力や、文法の理解もリスニングに必要です。
ゴールはどこか
[編集]リスニング以外の教材の英語音声の(各単語ではなく)文章は、たとえ高校生向けの教材であっても、聞き取れなくても構いません。たとえば、長文読解や文法問題にしか出てこないような複雑な構文を使った言い回しは、聞き取れるように訓練する必要がありません。
それらのリスニング以外の教材の音声ファイルは、とりあえず何度か聞いて、単語の発音を覚えられれば十分です。
3000語レベルだと平易なので、例文のリスニングでも、意味をある程度は把握できてしまいますが、しかしそれが出来るのは3000語レベルの内です。4500語レベルになると、文章も抽象的・非日常的になってくるので、リスニングで意味を把握するのが難しくなります。
このため、4500語レベルからは勉強法を更新する必要があります。
昭和生まれの大人たちが記憶として知っている高校英語のリスニング勉強法は、あくまで3000語レベルの勉強法なので、令和の4500語レベルの現代では、大人たちの思い出は話半分に聞きましょう。
単語集のリスニング教材など、リスニング用以外の教材をつかってリスニング練習をしている際、最終目的を間違えないように気を付けてください。
一文中に語数の多すぎる言い回しや、あるいは、その他の複雑な文構造の言い回しは、そもそもリスニング問題に出ないか、仮に出題されても、どうせ他の受験生の多くも解けません。
受験対策としては、最終的に聞けるようになればいいのは、あくまでリスニング問題です。
ともかく、新共通テストの場合なら、回答の選択肢が4択で与えられるわけですから、その選択肢の中からリスニング内容に一番ちかいのを選べれば十分なのです。すべての単語を1回で聞き取る必要はありません。それはプロの同時通訳者でも無理です。(なお、試験によっては2回ほど放送される場合もある。)
すべての単語を聞き取るような問題は、おそらく共通テスト出題者は、作成しないだろうと思います。仮に作成したとしたら、かなりゆっくりと発音するリスニング問題でしょう。
リスニング練習は、ほどほどに
[編集]リスニングはそれほど練習しなくても、長文のリーディング練習をしていれば、自然とリスニング力も上がります。ただし、最低限の単語のリスニングの練習は必要ですが、何周か音声教材を聞いていれば勝手に覚えます(音楽を覚えるのと同じです)。なので、普段の勉強では、リスニングよりもリーディングです。
「リスニングよりもリーディング」です。
リスニング教材を使っていても、結局、教材の書籍の例文を読みながら聞く必要があるので、最終的には付随する例文のリーディングも練習することになります。むしろ、その付随のリーディング学習のほうに時間が掛かります。
つまり、リスニング学習に付随するリーディング学習こそが、実はリスニング学習の時間の大半なのです。
たとえば、一文を聞くのは数秒で終わりますが、一方で付随する例文のリーディングをするのは、文法を分析する時間がかかったり、場合によっては辞書を引いたりなどで時間が掛かるからです。
単語集の例文のリーディングだけではなく、単語集を1周か2周したら長文リーディングも始めましょう。簡単なもので構いません。リーディングの勉強法については、別の節でまとめていますので、こちらの節では省略します。
語学の達人の人が、リーディングよりもリスニングをやたらと推奨したりするのは、あくまで、最低でも英検2級~準1級の教材をクリアした上級者むけの人向けの話です。
ここを読んでいる高校生の多くは、まだ英検2級のクリアのレベルには到達していないでしょうから、まずはリーディングを先に練習しましょう。
動画サイトやテレビなど
[編集]受験対策にはならないが、たとえばYouTubeやTEDなどで自分の興味のある分野の英語を聞くなどするのも、実用的な英語の勉強になる。YouTube は字幕機能があるので、それを使って英文を表示することもできる。ただし、字幕は必ずしも正確な英語とは限らない。
なお、外国の英語ニュースなどを実際に聞いてみると、使われている単語の多くは、意外と日本の4500語レベルの英単語集と語彙が重なります。考えてみれば当然であり、そもそも日本の英単語集は、基本的には英米での単語の使用頻度をもとに作っているからです。というか、そもそも日本の英語教材には、そんなに大したオリジナリティはありません。
米英の英語ニュースは、聞き取れなくても構いません。なぜなら、欧米でも英語ニュースはそもそも早口だからです。証拠として、ニュース番組ではなく、実際に国際会議の映像を見てみると、意外とゆっくりと話しており、日本人でも聞き取れるスピードです[2]。疑うなら、G7サミット(2024)に文句を言え。
ネットで「欧米では、ニュースのスピーキングの速さが普通」とか言ってるヤツは、ウソツキです。
なお、海外の英語は、なまっています。米国内ですら、テキサスなまりの英語とか、色々とあります。まあ、アメリカ大統領とかの英語なら、(使いたいなら)リスニングには使えると思います。受験勉強には役立たないと思いますが。
国連などの国際会議などの英語だと、各国代表の英語は、各国のなまりの影響を受けていますので、あまり聞き取れなくても、気にしなくて良いです。そういう、なまりを楽しむのが国際語である英語の醍醐味(だいごみ)です。
たとえばウクライナ国のゼレンスキー大統領の英語なら、ウクライナ語なまりの英語なので、最終的には専門家はウクライナ語の知識と合わせて彼の英語を聞いて、「たぶん彼(ゼンレンスキー)はこう言いたいんだろうなあ」と、第二外国語・第三外国語の予備知識と合わせて意訳するわけです。
まあ、そういう国際社会での翻訳は、特派員とか駐在員とかに任せておけばよい。高校生は、そんな第二外国語や第三外国語まで気にしなくてよい。
さて、新聞について。英字新聞は入手しやすいし、比較的に平易な単語が使われているので(難しい単語を使いすぎると新聞が売れなくなるので。英語ニュース番組も同様)、英語教材の単語の元ネタではよく英字新聞が参考にされています(単語集によっては英字新聞を参考にしていると喧伝している教材もあります)。
なので、もし読者が34500語レベルの単語集の8割以上が身についてない場合、英語ニュースを聞いても結局、分かりません。
日本のテレビのNHK教育の英語番組は、学校の授業用に作られており、大学受験対策には作られていないとする意見もある。また、洋画は字幕や吹き替えに尺や字数の都合などで意訳が多いため、学習には向いてないとする意見もある。
日本のテレビの生放送で、定型業務ではない政治討論の番組などで音声モードを英語モードに切り替えをして視聴してみると分かるのですが、実は生放送ではプロの同時通訳者ですら完全には流暢(りゅうちょう)には翻訳を出来ないのがプロでも実態です。テレビ生放送の英語は、プロですら、ややカタコト(片言)気味の翻訳になります。しかもテレビ番組などは、実は事前に原稿・台本があり、その原稿が事前にスタッフなどに渡されて読まれており、それをもとに撮影および音声収録をしています。それですら、少しカタコトの同時通訳なのです。
なお、テレビの原稿・台本のようにプロの同時通訳では、話題にある程度の予備知識が必要です。しかし新共通テストでは、そこまで個別のトピックのある話題には踏み込まないでしょう。(ただし、難関私大や国立二次試験はどうか知りません。もっとも受験生には他の勉強もあるので、普通に英文読解などの教科書・参考書によくある話題に触れておけば十分でしょう。)
「英語耳をきたえる」とか、よく英語のリスニング教材でも言いますが、英米人の発音はそんなに立派なものではありません。
単に、たとえば日本人でも「ありがとうございます」が、忙しいときに「あざーす」とロレツが十分にまわってない発音になるのと同じような事が、英語の発音でも起きているだけです。
実は小中学校くらいのリスニング教材のゆっくりとした発音のほうが、立派な発音をしているのです。「あざーす」と発音する人のほうが多いから、「『あざーす』こそが正式な感謝の単語の発音だ!」みたいな事を言い出すような変わった感じの人が、単に英米には多かっただけに過ぎません。
言文一致の程度の問題
[編集]ハッキリ言いましょう。英語では、口で言われる英語と、文章で言われる英語は、まるで別の言語です。
文法的には、英語では言文一致の程度が高いです。しかしそれは。あくまで文法だけに過ぎません。文章中で使われる語彙は、口頭での語彙と、書籍中での語彙は、まるで別物でしょう。
口語というとフランクな言葉遣い(「やっほー」とか「こんちわー」みたいなの)ばかり考えがちですが、たとえそういうフランクな言葉遣いではなくとも、英語ではおそらく、口頭での説明には平易な聞き取りやすい言葉を選んで使うのが、英語での口頭での表現でしょう。
つまり、「英語は文法的には言文一致をしているが、語彙は割と言文は不一致」という実情です。
このため、5500語レベルの語彙はもう、そろそろ聞き取りをマスターするのは諦めたほうが良いと思います。リスニング教材だと付属の教科書の文章もあるし場面に予備知識があるので高校生でも聞き取れてしまいますが、しかし実際のニュース英語などには予備知識がなく、難しい単語は聞き取れません。
だからきっと、英語では、もし学術的または専門的な話をしたい場合は、基本的には書籍またはテキストデータなどの文章で話すことになるでしょう。特に大学入学以降の学問の文章は、そのようなテキスト形式になるでしょう。
日本語だと、割と口頭でも学術的・専門的な話を聞き取りやすいですが、それは日本の恵まれた特殊事情です。明治時代の先人たちの和訳のさいの造語の成果に、感謝をしましょう。
桐原教材と数研教材でスピードラーニングごっこが出来る
[編集]昔、スピードラーニングという大人むけの英語教材があって(販売終了)、英語の1文のあとに日本語の訳を発音する方式でした。
小中学校のリスニング教材だと、この方式の教材が、まったくありません。
しかし、桐原データベース3000のリスニング教材の一つに、この方式の音声教材があります。(4500語レベルには無い)
また、素受け出版LEAPにも、この方式の音声教材があります。
なので、スピードラーニングの中古品を買わなくても、数研出版LEAP または 桐原データベース3000のリスニング教材で、似たような事が出来ます。
速読英単語・上級編の単語リスニング時の注意
[編集]Z会の速読英単語・上級編のリスニング教材を聞いていると、旺文社ターゲットにもない難単語をいくつも言い出す。catastrophe (カタストロフィ)「大惨事」とか。
だが落ち着いてほしい。
あの単語集は、べつに入試の過去問から全ての単語を紹介しているわけではない。
国公立の場合、あくまで、旺文社ターゲットあたりの単語が、基本である。
速読英単語・上級編 または 鉄緑単語集 にしかない難単語は、あまり気にしなくていい。どういう事かというと、速読英単語にしかない難単語には、例文が無いんですよね。
で、例文もろくにない単語は、基本、国公立大は出さない。仮に出したとしても、そういう単語の比率は多くないはずで、もし多ければ教育界から強く非難されるので、あまり気にしなくていい。
旺文社ターゲットのすごい所は、必ず例文がある所、である。
ついつい、長文の元ネタの国公立大が、その難単語を出したのかと誤解しがちだが、そんな事はない。長文のほうの単語のレベルは、旺文社ターゲットあたりのレベルである。
ただし、私大の難関校で、ターゲットを超えるレベルの難単語を出す場合があったり、英検利用の入試をする場合は、速読英単語や鉄緑にしかないような難単語を学習する必要があるかもしれない。なので、そういう志望の人は、学んでおいても良い。