コンテンツにスキップ

学習方法/高校英語/リスニング

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

リスニング[編集]

ある程度のリーディング力が前提[編集]

まずは、前提となる単語力をつける必要がある。その上で、参考書で、音声CDつきの参考書などで聞き取り練習をするなどすればいいだろう。

受験対策としては、リスニングのためには前提として英文を読めるようにする事も必要です。そもそも時間をゆっくりかけても英文を読めない人が、同じ文章を耳で短時間で聞き取れるはずがありません[1]。このため、結局は、英単語力や、文法の理解もリスニングに必要です。

ゴールはどこか[編集]

リスニング以外の教材の英語音声の(各単語ではなく)文章は、たとえ高校生向けの教材であっても、聞き取れなくても構いません。たとえば、長文読解や文法問題にしか出てこないような複雑な構文を使った言い回しは、聞き取れるように訓練する必要がありません。

それらのリスニング以外の教材の音声ファイルは、とりあえず何度か聞いて、単語の発音を覚えられれば十分です。

単語集のリスニング教材など、リスニング用以外の教材をつかってリスニング練習をしている際、最終目的を間違えないように気を付けてください。

一文中に語数の多すぎる言い回しや、あるいは、その他の複雑な文構造の言い回しは、そもそもリスニング問題に出ないか、仮に出題されても、どうせ他の受験生の多くも解けません。


受験対策としては、最終的に聞けるようになればいいのは、あくまでリスニング問題です。


ともかく、新共通テストの場合なら、回答の選択肢が4択で与えられるわけですから、その選択肢の中からリスニング内容に一番ちかいのを選べれば十分なのです。すべての単語を1回で聞き取る必要はありません。それはプロの同時通訳者でも無理です。(なお、試験によっては2回ほど放送される場合もある。)

すべての単語を聞き取るような問題は、おそらく共通テスト出題者は、作成しないだろうと思います。仮に作成したとしたら、かなりゆっくりと発音するリスニング問題でしょう。

リスニング練習は、ほどほどに[編集]

リスニングはそれほど練習しなくても、長文のリーディング練習をしていれば、自然とリスニング力も上がります。ただし、最低限の単語のリスニングの練習は必要ですが、何周か音声教材を聞いていれば勝手に覚えます(音楽を覚えるのと同じです)。なので、普段の勉強では、リスニングよりもリーディングです。

リスニングよりもリーディング」です。

リスニング教材を使っていても、結局、教材の書籍の例文を読みながら聞く必要があるので、最終的には付随する例文のリーディングも練習することになります。むしろ、その付随のリーディング学習のほうに時間が掛かります。

つまり、リスニング学習に付随するリーディング学習こそが、実はリスニング学習の時間の大半なのです。

たとえば、一文を聞くのは数秒で終わりますが、一方で付随する例文のリーディングをするのは、文法を分析する時間がかかったり、場合によっては辞書を引いたりなどで時間が掛かるからです。


単語集の例文のリーディングだけではなく、単語集を1周か2周したら長文リーディングも始めましょう。簡単なもので構いません。リーディングの勉強法については、別の節でまとめていますので、こちらの節では省略します。

語学の達人の人が、リーディングよりもリスニングをやたらと推奨したりするのは、あくまで、最低でも英検2級~準1級の教材をクリアした上級者むけの人向けの話です。

ここを読んでいる高校生の多くは、まだ英検2級のクリアのレベルには到達していないでしょうから、まずはリーディングを先に練習しましょう。

動画サイトやテレビなど[編集]

受験対策にはならないが、たとえばYouTubeやTEDなどで自分の興味のある分野の英語を聞くなどするのも、実用的な英語の勉強になる。YouTube は字幕機能があるので、それを使って英文を表示することもできる。ただし、字幕は必ずしも正確な英語とは限らない。

なお、外国の英語ニュースなどを実際に聞いてみると、使われている単語の多くは、意外と日本の4500語レベルの英単語集と語彙が重なります。考えてみれば当然であり、そもそも日本の英単語集は、基本的には英米での単語の使用頻度をもとに作っているからです。というか、そもそも日本の英語教材には、そんなに大したオリジナリティはありません。

米英の英語ニュースは、聞き取れなくても構いません。なぜなら、欧米でも英語ニュースはそもそも早口だからです。証拠として、ニュース番組ではなく、実際に国際会議の映像を見てみると、意外とゆっくりと話しており、日本人でも聞き取れるスピードです[2]。疑うなら、G7サミット(2024)に文句を言え。

ネットで「欧米では、ニュースのスピーキングの速さが普通」とか言ってるヤツは、ウソツキです。


なお、海外の英語は、なまっています。米国内ですら、テキサスなまりの英語とか、色々とあります。まあ、アメリカ大統領とかの英語なら、(使いたいなら)リスニングには使えると思います。受験勉強には役立たないと思いますが。

国連などの国際会議などの英語だと、各国代表の英語は、各国のなまりの影響を受けていますので、あまり聞き取れなくても、気にしなくて良いです。そういう、なまりを楽しむのが国際語である英語の醍醐味(だいごみ)です。

たとえばウクライナ国のゼレンスキー大統領の英語なら、ウクライナ語なまりの英語なので、最終的には専門家はウクライナ語の知識と合わせて彼の英語を聞いて、「たぶん彼(ゼンレンスキー)はこう言いたいんだろうなあ」と、第二外国語・第三外国語の予備知識と合わせて意訳するわけです。

まあ、そういう国際社会での翻訳は、特派員とか駐在員とかに任せておけばよい。高校生は、そんな第二外国語や第三外国語まで気にしなくてよい。


さて、新聞について。英字新聞は入手しやすいし、比較的に平易な単語が使われているので(難しい単語を使いすぎると新聞が売れなくなるので。英語ニュース番組も同様)、英語教材の単語の元ネタではよく英字新聞が参考にされています(単語集によっては英字新聞を参考にしていると喧伝している教材もあります)。

なので、もし読者が34500語レベルの単語集の8割以上が身についてない場合、英語ニュースを聞いても結局、分かりません。


日本のテレビのNHK教育の英語番組は、学校の授業用に作られており、大学受験対策には作られていないとする意見もある。また、洋画は字幕や吹き替えに尺や字数の都合などで意訳が多いため、学習には向いてないとする意見もある。

日本のテレビの生放送で、定型業務ではない政治討論の番組などで音声モードを英語モードに切り替えをして視聴してみると分かるのですが、実は生放送ではプロの同時通訳者ですら完全には流暢(りゅうちょう)には翻訳を出来ないのがプロでも実態です。テレビ生放送の英語は、プロですら、ややカタコト(片言)気味の翻訳になります。しかもテレビ番組などは、実は事前に原稿・台本があり、その原稿が事前にスタッフなどに渡されて読まれており、それをもとに撮影および音声収録をしています。それですら、少しカタコトの同時通訳なのです。

なお、テレビの原稿・台本のようにプロの同時通訳では、話題にある程度の予備知識が必要です。しかし新共通テストでは、そこまで個別のトピックのある話題には踏み込まないでしょう。(ただし、難関私大や国立二次試験はどうか知りません。もっとも受験生には他の勉強もあるので、普通に英文読解などの教科書・参考書によくある話題に触れておけば十分でしょう。)

言文一致の程度の問題[編集]

ハッキリ言いましょう。英語では、口で言われる英語と、文章で言われる英語は、まるで別の言語です。

文法的には、英語では言文一致の程度が高いです。しかしそれは。あくまで文法だけに過ぎません。文章中で使われる語彙は、口頭での語彙と、書籍中での語彙は、まるで別物でしょう。

口語というとフランクな言葉遣い(「やっほー」とか「こんちわー」みたいなの)ばかり考えがちですが、たとえそういうフランクな言葉遣いではなくとも、英語ではおそらく、口頭での説明には平易な聞き取りやすい言葉を選んで使うのが、英語での口頭での表現でしょう。

つまり、「英語は文法的には言文一致をしているが、語彙は割と言文は不一致」という実情です。

このため、5500語レベルの語彙はもう、そろそろ聞き取りをマスターするのは諦めたほうが良いと思います。リスニング教材だと付属の教科書の文章もあるし場面に予備知識があるので高校生でも聞き取れてしまいますが、しかし実際のニュース英語などには予備知識がなく、難しい単語は聞き取れません。

だからきっと、英語では、もし学術的または専門的な話をしたい場合は、基本的には書籍またはテキストデータなどの文章で話すことになるでしょう。特に大学入学以降の学問の文章は、そのようなテキスト形式になるでしょう。

日本語だと、割と口頭でも学術的・専門的な話を聞き取りやすいですが、それは日本の恵まれた特殊事情です。明治時代の先人たちの和訳のさいの造語の成果に、感謝をしましょう。

脚注[編集]

  1. ^ 『英語、「話す」「聞く」も英文法・英文解釈が土台 理解深めながら学ぶ学習法』2020.02.20
  2. ^ (動画)Forbes Breaking News "WATCH: VP Kamala Harris Reaffirms U.S. Support To Ukraine At Peace Summit In Switzerland" , 2024/06/16