建設労働者の雇用の改善等に関する法律第5条

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建設労働者の雇用の改善等に関する法律)(

条文[編集]

(雇用管理責任者)

第5条  
  1. 事業主は、建設事業(建設労働者を雇用して行うものに限る。第8条において同じ。)を行う事業所ごとに、次に掲げる事項のうち当該事業所において処理すべき事項を管理させるため、雇用管理責任者を選任しなければならない。
    一  建設労働者の募集、雇入れ及び配置に関すること。
    二  建設労働者の技能の向上に関すること。
    三  建設労働者の職業生活上の環境の整備に関すること。
    四  前三号に掲げるもののほか、建設労働者に係る雇用管理に関する事項で厚生労働省令で定めるもの
  2. 事業主は、雇用管理責任者を選任したときは、当該雇用管理責任者の氏名を当該事業所に掲示する等により当該事業所の建設労働者に周知させるように努めなければならない。
  3. 事業主は、雇用管理責任者について、必要な研修を受けさせる等第一項各号に掲げる事項を管理するための知識の習得及び向上を図るように努めなければならない。

解説[編集]

雇用管理責任者の設置
性格

雇用管理責任者は、各企業の内部において、建設労働者に係る雇用管理に関する事項を管理させるために、事業主が選任するものであること。また、法令上事業主に義務づけられている雇用管理に関する事項についての責任が雇用管理責任者に移行するというものではないこと。

選任
選任の単位
雇用管理責任者は、建設事業を行う「事業場」ごとに選任しなければならないこと(第1項)。
  • 事業場の概念
      選任の単位となる「事業場」とは、「事業(労働基準法及び徴収法における解釈と同じく、営利の目的をもって行われるか否かを問わず、一定の場所において一定の組織のもとに有機的に相関連して行われる一体的な経営活動をいうものであること。)」を場所的、施設的な面においてとらえたものであり、労働基準法第107条(労働者名簿)及び第108条(賃金台帳)の「事業場」と同一の概念であること。すなわち、各建設現場が、原則としてそれぞれ独立した事業場となるが、その規模が小さく、組織的関連、事務能力等からみて、一の事業場という程度の独立性を有しないものは、直近上位の機構と包括して一の事業場として取り扱うこととなること。
      なお、この事業場の単位は、各事業主について判断すべきものであり、複数の事業主が参加して一の建設工事を施工している建設現場においては、各事業主ごとに、当該建設現場が独立した事業場となるか否かを判断しなければならないものであること。
  • 具体例
    • 建設現場に現場事務所等を有し、当該現場で働く建設労働者の労働時間、賃金等の管理を、当該事務所等で行っている場合は、当該現場が独立した一の事業場となること。
    • 建設現場で働く建設労働者の雇用管理を、支店等上位の機構で包括して行っている場合は、当該現場及び支店等を包括したものが一の事業場となること。
選任の方法

  雇用管理責任者の選任の方法については、法令上特に規定されておらず辞令交付による任命、口頭による任命等その方法は事業主に任されていること。

資格

  雇用管理責任者の資格については、法令上特に規定されていないが、適正な雇用管理の実効を期するため、たとえば社会保険労務士など労働に関する資格を有する者や雇用管理について相当の実務経験を有する者などが望ましいものであること。

小規模事業主の場合

  特に、小規模な企業において、事業主又はその代表者が自ら建設労働者の雇用管理を行うことができる場合は、自ら雇用管理責任者としてその職務を行うこととして差し支えないこと。

職務

  雇用管理責任者が管理すべき事項は、次に掲げる事項のうち法令により、又は企業経営上その選任に係る事業場において処理すべきこととされている事項であること。
    なお、雇用管理に関する事項を管理するとは、これらの事項が適正に処理されることについて責任を持って管理するという意味であって、必ずしも、自らこれらの事項を処理しなければならないものではないこと。

  • 建設労働者の募集、雇入れ及び配置に関すること(第1項第1号)。
    • 法第6条の規定による募集に関する事項の届出、職業安定法第35条ただし書の規定による文書募集の通報、同法第36条の規定による直接募集の許可の申請、公共職業安定所に対する求人の申込み、募集活動等建設労働者の募集に関すること。
    • 法第7条の規定による雇用に関する文書の交付、労働基準法第15条第1項の規定による労働条件の明示等建設労働者の雇入れに関すること。
    • 職業適性検査、職場適応訓練の実施、配置転換等建設労働者の配置に関すること。
  • 建設労働者の技能の向上に関すること(第1項第2号)。
    • 技能実習その他の職業訓練の実施
    • 職業訓練又は技能検定への建設労働者の派遣
    • その他建設労働者の技能の向上に関すること。
  • 建設労働者の職業生活上の環境の整備に関すること(第1項第3号)。
    • 作業員宿舎等現場福祉施設の管理運営
    • その他建設労働者の職業生活上の環境の整備に関すること。
  • 労働者名簿及び賃金台帳に関すること(則第1条第1号)。
    • 労働基準法第107条の規定による労働者名簿の調製及び記入
    • 同法第108条の規定による賃金台帳の調製及び記入
  • 労働者災害補償保険、雇用保険及び中小企業退職金共済制度その他建設労働者の福利厚生に関すること(則第1条第2号)。
    • 労働者災害補償保険及び雇用保険に係る手続に関すること。
    • 中小企業退職金共済法の規定による特定業種(建設業)退職金共済契約に係る手続に関すること。
    • 健康保険、厚生年金保険その他の社会保険に係る手続に関すること。
    • レクリエーシヨンの実施、建設労働者の相談に応ずることその他建設労働者の福利厚生に関すること。
建設労働者に対する周知
  • 概要
      事業主は、雇用管理責任者を選任したときは、その氏名を、当該事業場の建設労働者に周知させるように努めなければならないこと(第2項)。
  • 周知の方法
      周知の方法としては、法第5条第2項に例示しているように事業場に氏名を掲示する方法のほか、雇用管理責任者にその氏名及び事業主名を記載した腕章等を付けさせ或いは、法第7条の規定による文書に雇用管理責任者の氏名を記載して建設労働者に交付する等の方法が考えられること。
雇用管理責任者の資質の向上
  • 概要
      事業主は、雇用管理責任者について、必要な研修を受けさせる等雇用管理を行うための知識の習得及び向上を図るように努めなければならないこと(第3項)。
  • 指導
      この指導に当たっては、雇用促進事業団が実施する雇用管理研修又は事業主団体等が同事業団の助成を受けて実施する研修を受講するように指導すること。

参照条文[編集]

・建設労働者の雇用の改善等に関する法律の施行について(昭和51年09月07日 職発第409号)

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