料理本/チリグアバ
チリグアバ | |
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チリグアバ (Chilean guava berry、Ugni molinae) は、チリおよび隣接するアルゼンチン南部に自生する低木です。現地では、スペイン語でムルタ(murta)、またはマプチェ族の言葉でウニ(uñi)と呼ばれます。この植物は、 グアバ と同じフトモモ科に属しています。
特徴
[編集]チリグアバは、常緑の低木で、高さは30cmから170cm程度まで成長しますが、稀に3mに達することもあります。葉は光沢のある暗緑色で、1~2cmの長さと1~1.5cmの幅を持ち、対生しています。葉を擦るとスパイシーな香りがします。花は下向きに咲き、直径1cm程度の白または淡いピンクの花弁が4~5枚あり、短い雄しべが多数集まっています。果実は、直径1cmほどの小さな赤、白、または紫色のベリーです。原生地であるバルディビア温帯雨林では、果実は3月から5月にかけて熟します。
歴史
[編集]チリグアバは、1782年にフアン・イグナシオ・モリーナ( Juan Ignacio Molina )によって初めて記載されました(そのため、学名に彼の名前が含まれています)。1844年に植物学者であり植物収集家でもあるウィリアム・ロブによってイングランドに紹介され、ヴィクトリア女王のお気に入りの果物となりました。また、観賞用の植物としても栽培されています。
1896年以前に、チリグアバはロビンソン・クルーソー島に導入され、そこで侵入種となり、開けた場所を覆い密集した茂みを形成しました。
利用
[編集]チリグアバの果実は、ニュージーランドでは「ニュージーランドクランベリー」、オーストラリアでは「タズベリー」という商標名で販売されていますが、これらの国の原産植物ではありません。果実は主に南チリで消費され、伝統的なリキュール「 ムルタド ( Murtado )」を作るために用いられます。ムルタドは、ムルタの果実を瓶の中で保存し、アグアルディエンテ( aguardiente )と砂糖で風味付けを行います。また、ジャムや「ムルタ・コン・メンブリージョ」( murta con membrillo )というデザート、さらには クーヘン にも使われます。
季節
[編集]チリグアバの果実は、主に秋に収穫されますが、地域や気候によっては収穫期が異なることがあります。
選び方と保存
[編集]果実が鮮やかな赤色で、香りが強いものを選びましょう。保存は冷蔵庫で行い、できるだけ早く消費するのが良いでしょう。また、果実は冷凍保存することも可能で、ジャムやソースに利用する際に便利です。
栄養成分
[編集]チリグアバは、ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化物質を豊富に含み、健康に良いとされています。
まとめ
[編集]チリグアバは、その独特な風味と豊富な栄養価から、様々な料理や健康食品に利用できる果物です。この章で紹介した特徴や選び方、保存方法を参考に、チリグアバを最大限に活用してみてください。