料理本/フナ
表示
< 料理本
フナ | |
---|---|
カテゴリ | |
淡水魚 |
フナ(鮒、学名:Carassius)は、コイ目コイ科フナ属に分類される淡水魚の総称です。日本では古くから食用魚として親しまれ、養殖も行われています。
特徴
[編集]フナは以下のような特徴を持ちます:
- 体型は側扁し、楕円形
- 体長は通常20〜30cm程度
- 体色は黄褐色から灰褐色
- 鱗は大きく、体表を覆っている
- 肉質は淡泊で、骨が多い
分類
[編集]フナ属には複数の種が含まれますが、日本で主に食用とされるのは以下の種です:
- ギンブナ(Carassius langsdorfii)
- キンブナ(Carassius buergeri)
- ゲンゴロウブナ(Carassius cuvieri)
分布
[編集]フナは日本全国の河川、湖沼、ため池などに広く分布しています。また、東アジアや欧州にも近縁種が生息しています。
旬
[編集]フナの旬は春から初夏(4〜6月頃)とされます。この時期は産卵前で身が引き締まり、味が最も良いとされています。
選び方と保存
[編集]新鮮なフナを選ぶ際は、以下の点に注意します:
- 目が澄んでいて活きの良いもの
- 鱗がきれいについているもの
- 体表に光沢があるもの
生きたフナは清浄な水を入れた容器で短期間保存できます。調理済みのものは冷蔵保存し、早めに消費するのが望ましいです。
下処理
[編集]フナの下処理は以下の手順で行います:
- 鱗を丁寧に取り除く
- 内臓を取り出し、よく洗う
- 必要に応じて頭を落とし、三枚におろす
- 小骨が多いため、必要に応じて骨切りをする
調理法
[編集]フナは様々な調理法で楽しむことができます:
- 甘露煮
- 砂糖と醤油で甘辛く煮込む伝統的な調理法です。
- 田楽
- 味噌を塗って焼き上げる郷土料理です。
- 煮付け
- 醤油ベースの煮汁で柔らかく煮込みます。
- フナずし
- 滋賀県の名物で、フナを乳酸発酵させた伝統的な保存食です。
- 塩焼き
- シンプルに塩を振って焼き上げます。
栄養成分
[編集]フナは以下のような栄養素を含む健康的な食材です:
- たんぱく質 : 良質なたんぱく質を含み、筋肉の形成や修復に役立ちます。
- ビタミンB群 : 特にB1、B2が豊富で、エネルギー代謝に重要です。
- ビタミンD : 骨の健康維持やカルシウムの吸収を促進します。
- DHA ・ EPA : 脳機能の向上や心血管系の健康をサポートします。
- ミネラル : カルシウム、リン、鉄などのミネラルを含んでいます。
フナは低カロリーで栄養バランスに優れた食材であり、健康的な食生活の一部として取り入れることができます。
まとめ
[編集]フナは日本の食文化に深く根付いた淡水魚で、特に琵琶湖周辺では重要な食材として扱われています。その栄養価や多様な調理法から、地域の食文化を支える重要な魚種といえます。一方で、環境の変化や外来種の影響により、一部の在来種の個体数が減少している地域もあるため、適切な資源管理と保全が求められています。