料理本/三徳包丁
三徳包丁 | |
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カテゴリ | 包丁 |
三徳包丁(さんとくぼうちょう)は、日本の家庭で最も一般的に使用される包丁の一つで、多目的に使えることから「文化包丁」とも呼ばれます。近年では「サントク」や「bunka」という名前で海外でも広く用いられるようになりました。
歴史
[編集]明治維新以降、日本の食生活に西洋の影響が入り込み、肉が一般的に食べられるようになりました。この変化に伴い、海外から牛刀が輸入され、家庭でも使用されるようになりました。1940年代ごろ、日本の伝統的な菜切包丁や出刃包丁と西洋の牛刀を組み合わせ、それらの特性を取り入れた包丁として三徳包丁が誕生しました。
当初は菜切包丁の切っ先を斜めに切り落とした形状で、「文化包丁」と呼ばれていました。しかし、使いやすさを追求して背の部分を丸めたデザインが登場し、これが「三徳包丁」として定着しました。現在では、三徳包丁と文化包丁はほぼ同じものとして認識されています。
用途
[編集]三徳包丁は特定の用途に特化しない汎用包丁です。「三徳」は「三つの用途」を意味し、肉、魚、野菜など幅広い材料に対して、さまざまな切り方が一本で可能です。これにより、家庭料理からプロの料理まで幅広く使用されています。
形状
[編集]三徳包丁の刃は両刃が多く、牛刀に比べて短く幅広です。刃渡りはおおよそ15cmから20cm程度です。この形状により、細かい作業から大きなカットまで対応できます。
種類
[編集]三徳包丁には以下のような種類があります:
- 全鋼
- 刃全体が鋼で作られたもの
- ステンレス
- 錆びにくいステンレス鋼で作られたもの
- 三枚打
- 刃の部分を鋼鉄、軟鉄2枚で挟んで鍛える方法
- 割り込み
- 軟鉄の塊に鋼鉄を割り込ませて鍛える方法
また、打刃物として作られたものと、金属プレス抜きで作られたものがあります。安価なものの多くはプレス抜きで作られています。
柄の種類
[編集]柄にはさまざまな種類があります:
- 日本古来の柄
- 木に差し込む方法
- なかごを木材で挟み鋲で止めたもの
- なかごの部分をロールして柄にしたもの
これにより、ユーザーの好みや使い勝手に合わせた選択が可能です。
その他の種類
[編集]さらに使いやすいように小型化した「小三徳」というものもあります。また、地方独自に発達した多様な三徳包丁も存在し、伊予型三徳包丁や博多包丁などが代表的です。
まとめ
[編集]三徳包丁は日本の家庭料理に欠かせない多目的包丁です。刃の形状や材質、柄の種類など多様なバリエーションがあり、使い手のニーズに応じて選ぶことができます。三徳包丁の歴史や特徴を理解することで、より効果的に料理を楽しむことができるでしょう。