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日本語/非母語話者むけ/文法/指示詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

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ウィキペディア指示語の記事があります。

他言語と同様に、日本語にも指示詞(話題の対象を指し示す語)があります。日本語の指示詞は非常に規則的で、4つの接頭辞がいずれかつきます:

こ~
話し手の近くにあるもの
そ~
聞き手の近くにあるもの
あ~
両方から離れているもの
ど~
疑問形
話し手と聞き手が同じところにいるとき
「こ」は近くのもの、「あ」は遠くのもの、「そ」はその中間にあるもの
  1. れがあなたのものですか?
  2. れです。
  3. れです。
  4. れです。

「こそあど」の後ろには、下の表のような接尾辞がつきます。

また日本語では、(代)名詞と連体詞という区別があります。連体詞とは、後続の名詞を修飾する語です。例えば、「猫」につける指示詞は、「これ」(名詞)ではなく、接尾辞が「の」の「この」です(この猫)。「その」、「あの」、「どの」も同様です。

あの猫はわかいです。
こ~ そ~ あ~ ど~ 接尾辞 用法
これ それ あれ どれ [~れ] モノ(名詞);モノの代わりに使う代名詞です。例えば、聞き手の手にあるモノや、聞き手の近くにある家に対して、「それ」を使います。
この その あの どの [~の] 連体詞;どこかにある対象に使います。必ず後ろに名詞がつきます。例えば、「"あの"人」は、話し手・聞き手から離れている「ある特定の人物」(知っている人)という意味になります。接尾辞の「の」は「こそあど」につくだけではなく、名詞について所有格を表すこともあります。
ここ そこ あそこ どこ [~こ] 場所。ある地点を指す。「あ」は例外で、「あこ」ではなく「あそこ」です。
こちら そちら あちら どちら [~ちら] 方向 方向や起点。くだけた言い方では「~っち」といいます(こっち、そっち、…)。標準形と同じくらい丁寧さがあるのでかなり広く使われまが、公的な場では避けるべきです。「~う」と似ているように思われるかもしれませんが、実際は違います。「~ちら」は、方向や、行き先、場合によっては場所を表しますが、「~う」は何かをする方法を表します。「~ちら」は、「~こ」の丁寧な言い方でもあります。
こんな そんな あんな どんな [~んな] 種類。物事の分類を示します。例えば、「どんな色」のようにします。「~ういう」が「~んな」の代わりに使われる場合もあります。ただし、「あ」のときは「ああいう」となります。
こう そう ああ どう [~う] 方法。何かをする方法を表します。ただし、「あ」のときは「あう」ではなく「ああ」になります。
こいつ そいつ あいつ どいつ [~いつ] ヒト 人を指す語ですが、今日ではかなり失礼な言い方です。例えば、尊敬していない人や社会的地位の低い人で、近くにいない場合は、「あいつ」を使います。これはインフォーマルな場でのみ使われます。一般的には「あの人」のように「~の+人」を使います。
こなた そなた あなた どなた [~なた] ヒト。失礼な「~いつ」よりも、扱いにくい語です。もともと、「あなた」はかなり敬意のある表現でしたが、今では、知らない人に言うときにはニュートラルにフォーマル(ほとんど日本語学校で教わる「あなた」の使い方です)ですが、それ以外では親しい間柄(例:妻が夫に使うとき)に限られます。他の代名詞と同様、できるだけ「あなた」を避けるべきです。より一般的な方法は、名前に適切な敬称(~さん、~くん、~ちゃん)をつけることであり、この種の代名詞は使わないことです。「こなた」や「そなた」は今日ではまれですが、歴史的な文学作品や映画などで見かけるかもしれません。「どなた」は丁寧な語です。

「~ちら」は「~こ」の代わりに使われることがあり、またより公的な表現では「の」を後ろにつけて「~の」の代わりに使います(この→"こちら"の)。

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対象やその数に応じて、「ど」の使い方が変わります。

厳密な規則はありませんが、「どちら」は特に対象が2つのときに使われ、「どれ」は主に対象が3つ以上あるときに使われます。特定の品目に対しては「どの~」や「どちらの」(数は問いません)を使います。

  • どちら(みち)()きます か 。
  • (なまり)(きん) と で は 、 どちら(おも)い か 。
  • どっち()って も (うれ)しい 。
  • どの 電車(でんしゃ)()る の です か 。
  • どの (いぬ) が あなた の もの です か 。
  • どの (くつ) を はく つもり です か 。
  • どの チーム が ()つ だろ う か 。
  • 大中小(だいちゅうしょう) あります が どれ に します か 。

さらに…

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どのくらい
どれぐらい
どれほど
どれだけ

無・全・一部

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どれも、


どれか

「どれか」は、いくつもあるうちの中から、一つのものを選ぶ場合などに使います。

どれでも

「どれでも」は、対象になる全てのものが、当てはまる場合に使います。

漢字表記

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接頭辞を漢字で書くと以下のようになりますが(一部例外あり)、現代日本語では平仮名で書きます。

こ~


そ~


あ~


ど~


接尾辞にも漢字表記があります。

~こ


~ちら


~いつ