日本語/非母語話者むけ/文法/終助詞

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

終助詞は当然、必ず文の終わりに置きます。例えば、疑問マーカーの「か」や話者の感情を表現するものなどがあります。これら感情を表す助詞は話し言葉で使われるのがほとんどです。

か(疑問詞)[編集]

疑問マークで、疑問文であることを示します。「か」をおくときは繋辞「だ」を削除するか、「である」に置き換えて「であるか」にしてください。

  • あのひと は だれ です か?
  • たなかさん は せんせい です か?

イントネーションを下げて平叙文にすると、疑問が解けたことを表します:

  • なるほど、そうでした か

この助詞は疑問代名詞の直後に来て、不特定を表すこともあります:

  • だれ か
  • どこ か

の(強調的疑問詞)[編集]

強調的な疑問マーク(より詳しい状況を求めたり、再確認や驚きを表す場合が多い):

  • いい の?
  • どこに行くの?

ね(同意や確認)[編集]

丁寧表現で、Polite and expresses

  • 確証を得たいという話者の意思(イントネーションを上げたとき)、または
  • 話者の同意(イントネーションを下げたとき)

を表します。また、丁寧もしくは親密な状況下での文末にも使われます。日本語話者の中には、実質的に全文末が「ね」の人もいます。

  • それ は むずかしい ね⤴(同意を求める)
  • それ は むずかしい ね⤵(同意する)
  • たなかさん は すごい ひと だ ね...⤵

さらに、フレーズの聞こえ方を和らげる働きを持ちます。「ね」を長く発音すると強調の働きをします。The lengthening is usually indicated with a tilde:

  • きれい だ ね~⤵

よ(モダリティ)[編集]

話し手の持っている新情報を相手に提示するときに使います。特に命令や勧誘では、感嘆符のような働きを持ちます。

  • わかる よ
  • やってみよう よ
  • きて よ

ぞ(強調)[編集]

「よ」とほぼ同様ですが、どちらかというと客観的な響きがあり掛け声でよく使います。

  • いく ぞ
  • がんばる ぞ

な(感嘆)[編集]

インフォーマルな表現で、個人的な気持ちを口に出すときに使います。願望を表す用法もあります。

  • まだ まにあう な
  • さむい なあ
  • そうだったらいいのに な

(「ね」の代わりに「な」を使うのを好む人もいますが非推奨)

な(禁止)[編集]

「な」は動詞(終止形・現在形)の後に置くと、禁止を表します。会話で直接的に使うと、無礼で怒りっぽく聞こえます。

  • いく な!
  • みる な!

(文面上は感嘆の終助詞「な」と同じになるので注意)

かな(確信のなさ)[編集]

ある事柄に対し話者が確証がないことを示します。

  • どこ に ある の かな

ぜ(勧誘)[編集]

キャッチコピーで比較的みかけますが、やや古風なので冗談でしか使いません。また、「よ」の低俗版として使われることもあります。

  • おい、にげる ぜ

わ(モダリティ)[編集]

話し手自身の考えを表明しますが、「よ」と比べると相手に注意するニュアンスは弱いです。方言でもよく使います。

  • あした行くわ。

(女性を表す役割語としては「よ」と同じ意味に流用されています)

さ(強調の間投助詞)[編集]

会話途中で一呼吸を置きつつ、相手の注意を引くときに使われます(「よ」とは異なり、命令や新情報を示唆するものではありません)

  • あの さ