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検察庁法第12条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

条文

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第12条  
検事総長、検事長又は検事正は、その指揮監督する検察官の事務を、自ら取り扱い、又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる。

解説

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本条は、上司の事務引取権及び事務移転権について規定したものである。上司である検事総長・検事長・検事正は、その指揮監督する部下の検察官が取り扱っている検察の事務を自ら引き取ることができる(事務引取権)。また、部下の検察官が取り扱う検察の事務を、他の検察官に移すこともできる(事務移転権)。これらは「検察官同一体の原則」の表れの一部である。

移転権によって、具体的には、次のような措置を上司は執ることができるとされる。

  1. 捜査を担当する検察官を、別の検察官と交替させること。
  2. 起訴等の処分を行う検察官を、その捜査を担当した検察官以外とすること。
  3. 公判に立ち会う検察官を、起訴をした検察官以外とすること。
  4. 公判に立ち会う検察官を、別の検察官と交替させること。
  5. 公判に関与した検察官以外の検察官に上訴申立てをさせること。

検察官は決裁制等で意思が統一された同一体であるがゆえに、担当の検察官が途中で交代しても、訴訟法上の効果には影響がない。

参照条文

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