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民法第283条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文

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地役権時効取得

第283条
地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。

解説

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地役権は、所有権及び他の用益物件と異なり、時効取得の要件である行使がなされているか否かが判然としているとは限らないため、継続的に行使され、外形上認識できる場合のみ、取得時効の対象とした。

「外形上認識できるもの」(表現地役権)としては、通行権や側溝などに対する排水権が挙げられ、「認識できないもの」(不表現地役権)としては、地下埋設水路に対する排水権などが挙げられる。

参照条文

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判例

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  1. 仮処分異議 (最高裁判例 昭和30年12月26日)
    通行地役権の時効取得の「継続」の要件
    通行地役権の時効取得に関する「継続」の要件としては、承役地たるべき他人所有の土地の上に通路の開設を要し、その開設は要役地所有者によつてなされることを要するものと解すべきである。
  2. 通行地役権確認等 (最高裁判例 平成6年12月16日)
    要役地の所有者によって通路が開設されたとして通行地役権の時効取得が認められた事例
    公道に接する土地を所有する甲が、乙に対して右公道の拡幅のためにその所有地の一部を提供するよう働きかける一方、自らも所有地の一部を提供する等の負担をし、甲のこれらの行為の結果として、右公道全体が拡幅され、乙の右所有地も拡幅部分の一部として通行の用に供されるようになったなど判示の事実関係の下においては、乙の右所有地については、要役地の所有者である甲によって通路が開設されたものとして、通行地役権の時効取得が認められる。

前条:
民法第282条
(地役権の不可分性)
民法
第2編 物権
第6章 地役権
次条:
民法第284条
(地役権の時効取得)
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