中学校数学/2年生/数量
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中学校 2年の数学では
- 式の計算
- 連立方程式
- 一次関数
- 確率
- 図形の性質
- 合同と証明
この 6つについて学びます。
このページでは上の 4項目について解説していきます。
式の計算
式の加法・減法
文字式の名前
文字式には大きく分けて 2種類が挙げられる。
一つは、3x とか、ab などのように、数や文字についての乗法だけでできている式。このような式を、単項式と言う。x というような一つの文字や、1000 などの一つの数も単項式として考える。
もう一つは、2a + 3b などのように、単項式の和で表される式である。 このような式を、多項式と言う。 そして、多項式を構成するこの一つ一つの単項式のことを、その多項式の項 という。
例えば、4a + 3b - c + xy という多項式は、4a + 3b + (-c) + xy というように式を変形できるため、この多項式の項は 4a, 3b, -c, xy の 4つである。一般に多項式の項は、その項の直前の符号を含めて書く。
このように区切ると分かるだろうか。
さて、ここでまた一つ、語句を覚えてもらいたい。
- 式の項が数と文字の積であるとき、数の部分をその項の係数という(文字の部分は変数ということがある)。
例えば、4x の係数は 4 である。また、2x2 の係数は 2 である。
ただし、高校で学習することではあるが、次のような「ある文字に注目する」ということがあるので注意して欲しい。
- 2xy の x に注目して、x は変数(文字)だが、y を変数ではない(数である)とみなす。
このとき、x についての単項式 2xy の係数は 2y である。この文については高校で学習することなので、深く考えなくてもよい。
また、
- 単項式で、掛け合わされている文字の個数を、その式の次数と言う。
時々、次数というのを文字の数ではなく、係数であるとか数字も含めての数であると混同してしまう人がいるので注意していただきたい。 また、多項式については、
- その項として表れ単項式たちの次数のうち、もっとも高いものを、その多項式の次数とする。
- 2ab とか、 4x2の次数は 2 である。
- -a とか、4y の次数は 1 である。
- 3x2 + 25y - 3 の次数は、最も次数の高い項 3x2 の次数が 2 なので、この式の次数は 2 である。このような次数が2次の式を二次式という。
- 発展:一般に、次数が n のとき、その式を n-次式という(これは中学校で習う範囲では無いので、「そうかい」程度で流してよろしい)。
同類項
さて、ここで次の式を考えていこう。
このような式で、3x と -5x、-4y と 2y といった文字の部分が次数まで含めて同じ項 を、同類項と言う。 ちなみに、x と x2 はどちらも文字はxであるが、次数が違う。次数が違うので同類項ではないとみなさなければならない、間違えないように注意してもらいたい。
また、同類項はまとめることができる。 同類項をまとめる、と言うのは複数の同類項を
という計算法則(分配法則の逆)を用いて 1つの項にまとめることである。 上の式で考えた場合、
となる。 ところで、-2x と -2y は同類項ではないので、これ以上まとめることができないからここまでとなる。 一般的に、文字式は必ず同類項をまとめなければならない。
式の加法・減法
複数の式を足したり、引いたりするには、それぞれの式にかっこをつけ、+、-の記号でつなぐことで式が完成する。例えば、2x + 3y と x + 6y という 2つの式を足すには、
- (2x + 3y) + (x + 6y)
とすればよい。また、左の式から右の式を引くには、
- (2x + 3y) - (x + 6y)
とする。
このような式を計算する場合、次のようにかっこをはずし、同類項をまとめる。
- かっこの直前の符号が + の場合(何も無い場合も + がついていると考える)
- → そのままかっこをはずす(ただし、そのかっこの中の最初の項に符号がついていない場合は + を加える)
- かっこの直前の符号が-の場合
- → かっこの中の符号を変えて抜き出す(かっこの中の最初の項に符号がついていない場合は + が付いていたと考える)
これをふまえて上の式をまとめてみよう。
このように式を計算することを式を簡単にするとか、式をまとめるという。 括弧を外すときは、符号に注意して外すこと。
このような式の計算は、筆算を応用してもできる。ただ、文字の種類をそろえることに注意。
2x | + | 3y | 2x | + | 3y | ||||||
+) | x | + | 6y | -) | x | + | 6y | ||||
3x | + | 9y | x | - | 3y |
また、かっこの前に数字がついている場合は、分配法則によりその数字を消してからはずすとよい。
計算になれてきたら、式を省略して暗算で出きるようになるとよい。
式の乗法・除法
ここでは、単項式の乗除について学習する。 まず、次の式を考える。
- 2a × 3b
このような式の場合、係数の積に文字の積をかけると答えが求められる。上の式でやってみると、
単項式の除法は、数の計算と同じように考えてできる。
式の利用
文字式による文章題
それでは、次の問題を考えてみることにする。
- 問題
- 地球の赤道の下の、深さ 1 m のところにケーブルを通すことになりました。
- このとき、ケーブルは赤道の長さより何 m 短くなるでしょうか。
- ただし、地球はただの球であり、凸凹などはないとします。
まず、赤道の長さと電線の長さを求めてみます。 地球の半径をr m とすると、円周の長さは 2πr なので、
- 赤道の長さ = 2πr [m]
- ケーブルの長さ = 2π(r - 1) [m]
となり、その差を求めればいいことになります。
このことから、およそ 6 m だけの違いだと言うことがわかります。 このように、文字の式を使って数量を求めることができます。
文字式による説明
今度は文字式を使ってさまざまな事柄が成り立つことを説明することを学習する。説明とは、証明のように物事を論理的に説明することを言う。 ここで、次の問題を考えてみる。
- 問題
- 2つの偶数の和が偶数になることを説明しなさい。
まずは偶数を文字を使って表します。 偶数というのは 2 の倍数なのですから、
- 2 ×(自然数)
とあらわすことができます。ですから、自然数を n とあらわすことにすると、偶数は
- すなわち
とあらわすことになります。また、奇数の場合は偶数より 1 小さい、あるいは、1 大きいと考えて、
- または
とあらわすことになります。
ここで問題を考えてみる。 2つの偶数というのは 2n, 2m とあらわすことができる。n, m と違う文字を用いたのは、同じ文字にすると、2つの偶数が別々の場合もあるのに、同じ数を意味することになるからである。 ここでこの 2つを足してみると、分配法則の逆を利用して(正しくは、3年で学習する因数分解である。)
となる。 ここで、n + m というのは自然数同士の和であるわけだから、当然自然数になる。すなわち、この式は偶数と偶数を足すと 2 ×自然数、すなわち、偶数になることを意味している。 だから、偶数と偶数の和は偶数になるということが説明できたわけである。
等式の変形
次の式で、a, b, c の値がわかっているとき、x をあらわす式を考えてみることにする。
この式を左辺が x、右辺がそれを表す式になるように、等式の性質を使って変形していくのである。 まず両辺を 2倍して、
そうしたら左辺に x 以外に 2a, 4bc がのこっているので、移項して、
これで完成である。
このように、はじめの等式から x を求める式を作ることを、はじめの等式を x について解くという。
連立方程式
連立方程式とは何か
まず、この問題を考えてみてほしい。
- 問題
- 一本30円の鉛筆と一個50円の消しゴムをそれぞれいくつか買ったら、合計で290円になった。
- 鉛筆と消しゴムをそれぞれいくつ買ったのでしょうか。
ここで、鉛筆をx本、消しゴムをy個買ったとすると、次の等式が成り立つ。
- 30x+50y=290
このような、文字が2種類あり、一次である方程式を二元一次方程式という(元、というのは文字の種類と考えればよい)。ここで、xとyにどのような数が当てはまるか考えると、
- (1,),(2,),(3,4)・・・
と、x,yの組が求められる。このような、x,yについての二元一次方程式の当てはまるx,yの組のことを、その方程式の解という。上に挙げたものは、すべてこの方程式の解である。解がいくつもあるため、このままでは本当に求めたい答えが定まらない((8,1)という解もあるからである)。
しかし、この問題に、
- また、鉛筆と消しゴムをあわせて7個買った
という条件がつくとどうだろう。これは、
- x+y=7
という式で表せる。この二元一次方程式の解は、
- (0,7),(1,6),(2,5)・・・
と考えられる。このことから、
この2つに共通する解である、(3,4)が答えだとわかる。
上のような方程式の組を連立方程式という。また、その連立方程式に当てはまる文字の値の組を連立方程式の解といい、それを求めることを連立方程式を解くという。上の連立方程式の解は、(x,y)=(3,4)と表せる。
連立方程式の解き方
代入法
まずは、この連立方程式を考えることにする。
このような連立方程式は、文字がひとつの、つまり、1年生で学習した一次方程式の形にして解くことができます。
上の式を(1)、下の式を(2)とします。(1)の式では、"y"と"2x+7"の2つが等しいことを示しているわけです。また、(1)と(2)のxとyにはまったく同じ物が入ります。そこで、(2)のyを(1)の2x+7で置き換えるのです。つまり、(1)の式を(2)に代入するのです。このとき、(2)のyという文字は消えます。このように、連立方程式からyを含まない方程式にすることを、yを消去する、といいます。この方法を使って上の式を解いてみましょう。
(1)を(2)に代入して、
これで、yが消去されました。これを解いて、
また、このxの値を(1)に代入して、
これで、この連立方程式の解、(3,13)が得られました。これからは、連立方程式の解を次のように書くことにします。
- (x,y)=(3,13)
あるいは、
ただ、一般的には上のほうで書きます。
このように、代入することで連立方程式を解くことができます。これを、代入法といいます。
加減法
加減法は、2つの方程式を足したり引いたりすることによって文字を消去し、方程式を解く方法である。 たとえば、
という式を見てみることにする。
まず、下の式の両辺を2倍して
- 2x+2y=4
となり、2つの式のyの係数がそろう。ここで、上の式から下の式を引くと、
4x | + | 2y | = | 6 | ||
-) | 2x | + | 2y | = | 4 | |
2x | = | 2 |
となる。だから、x=1となる。
ここで、これをもともとの下の式に代入してみると、
ゆえに、y=1となり、解(x,y)=(1,1)が求められる。 加減法でとくポイントは、どちらかひとつの文字の係数をそろえることである。等式は両辺に同じ数をかけても成立する、という性質があるので、それを利用してそろえればよい。
連立方程式の利用
連立方程式の問題を解くポイントは、
- 求めるものをx、yに置き換える
- 2つの式を立てる
ことである。次の問題を考えてみよう。
- 問題
- 全長24kmのコースを、スタートからA地点までは自転車で進み、そこから先は自転車を降りて走ります。自転車の速さが時速18km、走る速さが時速9kmのとき、スタートしてからゴールするまで1時間半かかりました。自転車で進んだ距離と走った距離を求めなさい。
連立方程式では、このような速さの問題や、食塩水の濃度に関する問題がよく出される。
さて、問題を考えることにするが、この問題文から次の関係がわかる。
- (自転車で進んだ距離)+(走った距離)=24km
- (自転車で進んだ時間)+(走った時間)=1.5時間
ここで、自転車で進んだ距離をxkm、走った距離をykmとすると、この関係は
と表せる。この連立方程式を解くと、(x,y)=(21,3)となるので、答えは、
- 自転車で進んだ距離は21km、走った距離は3km
となる。
一次関数
一次関数とは?
まず、関数とはどういうものなのかというと、ともなって変わる2つの変数x,yがあって、xの値を決めるとそれに対応するyの値が1つだけ決まるとき、yはxの関数であるという。
この関係を式で表したときに、y=2xとか、y=4x+3などのようにyがxの一次式で表せるとき、yはxの一次関数である、といいます。
一次関数は普通、
- y=ax+b (a,bは定数)
という式であらわします。