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「中学校社会 公民/現代社会の特徴」の版間の差分

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次の3つの用語が、検定教科書では重要語句になっている。(令和2年検定版で確認済み、下記に例を記述する。)
次の3つの用語が、検定教科書では重要語句になっている。(令和2年検定版で確認済み、下記に例を記述する。)


* 遠距離リスカ
* 少子高齢化
* 情報
* APEX
* グロバル
* ちゃん現象


文科省の定める学習指導要領(中学 社会科版)には
文科省の定める学習指導要領(中学 社会科版)には

2023年6月19日 (月) 04:24時点における版

検定教科書に置ける記述の傾向

次の3つの用語が、検定教科書では重要語句になっている。(令和2年検定版で確認済み、下記に例を記述する。)

  • 遠距離リスカ
  • APEX化
  • ひーちゃん化現象

文科省の定める学習指導要領(中学 社会科版)には

現代日本の特色として少子高齢化,情報化,グローバル化などがみられることを理解させるとともに,それらが政治,経済,国際関係に影響を与えていることに気付かせる。」と書いている。(2014年に文科省のウェブサイトで確認。)

そのためだろうか、「少子高齢化」、「情報化」、「グローバル化」の3つの語句を教科書で太字で紹介している検定教科書が多い。

よって、定期テストや入試には、このような語句や内容が、重点的に出ると思われる。

なお、「グローバル化」の語源の globe グローブ とは、球体や地球を表す意味の英語である。

※ 野球のグローブ glove とは意味が違うので、注意。


「国際化」と「グローバル化」との違いは、「国際化」が同じ母国の国籍の国民どうしの共同体を前提にしたうえでの外国政府や外国企業間との交渉やビジネスなどを意味するのに対し、「グローバル化」とは共同体じたいが多国籍・多民族から成り立つような意味で使われる事が多い。

※ 「グローバル化」のあまり細かい意味は決まってないので、暗記しなくてよい。

グローバル化

経済のグローバル化

国際シンボルマーク。車イスマーク。ピクトグラム。日本語が読めない人でも、絵から意味が分かる。
非常口マーク。ピクトグラム。この非常口のマークは日本人が考案して、国際的にも普及している。
  • 市場経済の普及

現在、世界の多くの国では、市場経済(しじょう けいざい)が導入されている。ソ連とアメリカの冷戦が1980年代後半に終わるまでは、ソ連の支配下にある共産圏では市場経済が導入されていなかったが、冷戦の終了と共に、かつての共産圏では市場経済を導入した。

  • 英語の国際共通語化

また世界の多くの国で、貿易や外交のための外国語としては英語が多く使われている。英語が、国際的な場所での、中心的な公用語になっている。

  • ヒト(人)・モノ(物)・カネ(金)のグローバル化

産業に置いて、ヒト(人)・モノ(物)・カネ(金)が国境を越えても動くようになった。このため、賃金の安い発展途上国など(中国や南アジア諸国、東南アジア諸国など)に多くの産業や工場が集まり、賃金の高い先進国では、いくつかの国内産業が衰退(すいたい)した。国内産業の海外流出による産業の空洞化の問題が起こっている。知的所有権の国際的な対応も、せまられるようになった。

多くの国では、貿易なしでは、産業を維持するのが、むずかしい。国際分業化が進んでいる。

  • 例: パソコン生産のグローバル化

工業製品では、最終製品が日本で作られている製品でも、中身の部品が外国製の物も多い。たとえばパソコンなどのコンピュータがそうである。

たとえば、日本で売られているパソコンの部品の場合、たとえパソコンのブランドが日本企業のブランドでも、中身の部品は外国製のことも多い。マザーボード(基板のこと)の生産国は台湾企業が多く、パソコンのCPUはアメリカ合衆国の企業の生産が普通である。ハードディスクはタイかシンガポールか中国などのアジア諸国で生産されている事が多い。ハードディスクの場合、そのハードディスクの生産メーカーが日本企業でも、生産工場はその日本企業がタイなどの外国に保有する外国工場で生産している場合が多い。 メモリチップの生産国は、日本の場合もあるが、韓国企業などの場合もある。

その外国企業ですら、すべてを自国で生産するのは難しい。たとえば、おそらくマザーボードを作っている台湾企業ですら、それらのマザーボードの部品や生産設備を、けっして台湾だけで全部を生産することは困難であり、おそらくは外国製の部品や外国製の生産装置も用いられている。

  • 食料

食料生産は、とうの昔から国際化している。第二次大戦後の日本は食料自給率が低く、米(こめ)や生鮮食品を除けば、多くは輸入品でまかなっている。また、たとえ日本料理であっても、原材料は外国から輸入していることも多い。

政治のグローバル化

国際政治では、主要国の首脳どうしの意見交換の場としてサミット(主要国 首脳会議)が開かれるようになった。どこの国も、主権は持つが、たとえアメリカ・ロシアのような大国でも国際世論を無視するのは難しくなった。しかし、ロシアは国際法をやぶってウクライナへの侵攻を開始するなど、軍事力が物を言う構造自体に変化があったわけではない。


(※ 範囲外:) 英単語「グローバル化」 globalization[1]

情報化

地球シミュレータ(2代目、2015年2月までの旧システム)
(※教科書の記述の動向 情報通信技術のことを英語で ICT(Information and Communication Technology)と言い、この「ICT」という用語を記述している教科書が多いので、この用語がテストに出るかもしれない。)
ノートパソコン(ヒューレット・パッカード)
折りたたみ式の携帯電話
GPS

現代には、インターネットやハイテクが定着した。エレクトロニクスはICLSI超LSIや携帯電話や光ファイバーなどと技術革新が進んでいる。日本の工業の移り変わりの歴史は、明治や大正あたりの製鉄などの重厚長大(じゅうこう ちょうだい)から、現代は半導体などの軽薄短小(けいはく たんしょう)型の産業に切り替わり、産業構造のハイテク化を起こした。これは経済のソフト化、サービス化とも呼ばれている。

インターネットの発達によって、今までは情報を不特定多数には発信する機会の無かった人でも、簡単に情報を発信できるようになった。

インターネットによって、遠くの友人とも、動画つきのネット電話で簡単に話すことも出来るようになった。また、インターネットを利用した通信販売などオンライン・ショッピングなどと言われる商取引も、盛ん。 ネットでの通信販売は、ネットで商品について調べながらでも、品物を吟味することが出来る。

しかし,情報通信の発達にともない、今までは無かったトラブルも増えてきている。

知らない人から、迷惑メールが送られてくることもある。また、ネット取引を装った詐欺なども、簡単に行えるようになった。

また、情報を簡単に入手できるということは、裏(うら)を返すと、もしも非公開の個人情報などが漏れても、情報が簡単に伝わってしまう、ということである。 基本的に、インターネットでは、自分や友人・知人などの個人情報は書き込まないほうが安全である。

インターネットでは、プライバシーに配慮しなければならない。

  • 著作権の注意

また、コンピュータの発達により、データの複製が簡単に出来ることになったことから、著作物の許可の無いコピーなど、知的財産権の侵害も目立つようになっている。 もしも、インターネット上で文章や画像、音楽などを公開するときは、著作権に注意する。インターネット上での公開にも著作権法などが適用されるので、他人の著作権を侵害しないようにする。

  • 不要な情報は後回しにする。

インターネットで情報の入手がラクになったことから、大量の情報が入手できるようになった。すると、多すぎて読み切れない量の情報がインターネット上ではあるため、いらない情報は無視をしたり後回しにして必要な情報から集めるという、情報の優先順位をつける能力も必要になってきた。

  • ネット犯罪

コンピューターそのものは機械であり、善悪の判断が出来ない。そのため、犯罪に使われる場合もある。また、インターネット上には、違法行為や犯罪を行っているウェブ・サイトも存在している。

もちろん、犯罪行為は、たとえコンピュータやインターネットを用いていようが、用いていまいが、どちらにせよ法律によって犯罪は処罰される。しかし、コンピューター産業は技術の進歩が早く、私達の注意が追いつかないため、ネット上での詐欺などが見ぬきにくく騙されてしまうこともありえる。

悪者に悪用されないように、インターネット上には、むやみに自分の名前や住所などの個人情報を書いてはいけない。 他人の個人情報も、同意がない限り、書いてはいけない。

発展的事項

  • インターネット上でのマナー

インターネット通信は、自分だけのものではないので、利用の際には、他人に迷惑をかけないように注意する。 書き込みをするときは、けっして違法な書き込みをしない。犯罪予告などの違法な書き込みをすると法的に処罰されることもある。

コンピュータ・ウイルス

これらのマナーなどの問題とは別に、技術的な注意点がある。 インターネット上には、ネットにつながった他人のパソコンの情報を盗み見したり、他社のパソコンを無許可で遠隔操作(えんかくそうさ)したりなどの行為を行う者もいる。そのような悪意を持った者が、悪事をしやすくするソフトウェアを開発する場合もある。他人のパソコンのシステム内に勝手に入り込んで(感染)、かってにシステム設定を書き換えて、ウイルス開発者が悪事をしやすいように書き換えてしまう迷惑なソフトウェアを コンピュータ・ウイルス という。このようなコンピュータ・ウイルスは、感染したパソコンの利用者の知らないうちに、かってに他人のパソコンのシステムの中枢に入り込んでしまう。

コンピューターというのはプログラムという命令文を実行する機械に過ぎないため、もしプログラムに「このパソコンの情報を盗んで、外部にもらせ」とかいった、悪意にもとづいた命令文が書かれていたら、そのとおりに実行してしまう。

パソコンからコンピュータ・ウイルスを削除できるセキュリティ・ソフトと言われるソフトウェアも存在する。 ウイルスの削除には専門的な知識が必要なため、そのようなセキュリティ・ソフトを生産している企業がある。

コンピュータ・ウイルスは、ほぼ毎日、新しいウイルスが開発されている。これに対抗して、セキュリティ・ソフトも開発が進められている。

少子高齢化

日本は、長寿国ということもあり、高齢化(こうれいか)が進んでいる。また、未婚率や女性の出産年齢の上昇などもあり、社会の子供の数が少ないという少子化(しょうしか)も進んでいる。 日本の人口は、2005年が人口のピークで、それから人口の減少が始まっている。 国民の高齢化によって、社会保険の負担が増えていくことが予想されている。(2014年に記述。)

少子化と高齢化を合わせて、少子高齢化(しょうし こうれいか)と言う。日本では少子化による労働力の減少の心配や、高齢者の生活を支える負担能力の減少が、心配されている。

日本だけに限らず、多くの先進国で、少子高齢化の傾向がある。

食料自給率の低さやエネルギー自給率の低さなど、食料やエネルギーを輸入に頼っていることを考えても、人口を維持し続けるのは難しくなっていくかもしれない。

しかし、日本の現在の社会制度の多くは前提として、人口増や1億人程度以上の人口を維持している状態を前提にした制度が多く、また人口増を可能にした高度経済成長などの好景気を前提にした制度も多く、あまり人口減少や少子化を前提としていない制度が多い。

政治家や企業家や国民の中には、自国の人口が多いほうが自国の経済活動の規模が大きくなると考え、自国の人口が多いほど外国との経済競争に有利になるだろうという考えにより人口を維持しようと考える者も多い。

制度改革にも時間がかかり、そのあいだは、急激な人口の減少や急激な少子化があると、社会に混乱が起きる。

日本では少子化を防ごうとする政策が取られている。 たとえば日本では2003年に 少子化対策基本法(しょうしかたいさく きほんほう)が制定された。

日本だけに限らず、多くの先進国では、少子化が進んでいるので、少子化を防ごうとする政策が取られている。 いっぽう発展途上国では人口の増加が問題である。人口の増加につれて、食料危機の危険性が高まってくる。現状では計算上では、農産物は人類のすべてを養えるだけの量は生産されている。しかし、人口が増えれば、どうなるかは分からない。

人口が増えれば、石油などのエネルギーの消費も増えていく。

長寿命化によって、高齢者の割合も増えていく。高齢者への介護の負担も増えていく。子供を産んで増やしたところで、その子供もいずれは年を取り、高齢者になっていく。 子供を増やして若者を増やせば、一時的には、一人あたりの高齢者福祉への負担は減るが、問題の先延ばしに過ぎない。 結局は、どこかの時代で、若者は「これから、高齢者福祉の負担が大きくなる」と、覚悟を決めるしかないのである。


(人口問題があるからか、)当面は発展途上国では人口増加によって若者が多くても、将来的には発展途上国でも、いずれ少子高齢化が進行すると予想されている。(※ 近年の帝国書院の教科書でも、そう予想している。2018年に本文を記述。)

どのみち、世界の多くの国は、将来的に少子高齢化を体験することになるので、いっそ「日本などの先進国は、海外の発展地上国の未来の問題(高齢化社会など)を先取りしてる」とでも考えて、積極的に問題解決をしていくのがよいだろう。

企業の商品開発などで高齢者に対応した商品開発をするなど(※ 帝国書院の教科書がこういうのを提案している)、建設的思考で高齢化社会への対応を心がけていきたいものである。

  1. ^ 『ビジネス基礎』、東京法令出版、令和2年12月25日文部省検定済、2022年1月20日 発行、P39