コンテンツにスキップ

中学校社会 公民/現代社会の特徴

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
※ この単元は、検定教科書ではたった4~6ページの短い単元です(コラムなどを入れと変動する)。準備運動のような単元です。
下記の細かい説明は、あまり深入りする必要がないです。編集者がまだ整理しきれていないので、ページ内容が長く、余分になっています。そのため、このページに深入りせず、さっさと次の単元
などに進んでください。

グローバル化

[編集]

進展する正のグローバル化

[編集]

近年、ヒト・モノ・カネが国境を超えて世界レベルで移動し、世界全体の結びつきが強くなるグローバル化が進んでいる。例えば、同じ商品を作るのにも、以前は一国だけで行っていたが、現在ではそれぞれの国が独自の強みを活かして、複数の国が関与する例が増えている。電子機器などでは中国や東南アジアが有力である。さらに、異文化の交流も進み、私たちの生活に新しい変化をもたらしている。生産の効率化、異文化交流の進展、生活習慣の劇的な変化、これがグローバル化の正の側面である。

グローバル化の課題と脅威

[編集]

一方で、グローバル化には負の側面もある。ヒト・モノ・カネが世界レベルで移動するようになったため、一つの国で済んでいた問題が、世界レベルの問題に発展しやすくなった。新型コロナウイルスや新型インフルエンザなどの病気の世界的な流行が、その例だろう。2008年に起きたリーマン・ショックも、グローバル化によって拡散した。

※ 出典を確認ずみ。東京書籍の令和5年版の教科書に新型インフルエンザで説明。
要出典

さらに、ヒト・モノ・カネは、どれも犯罪の標的になる。それが世界レベルで移動することは、「犯罪の国際化」も進むことを意味する。

※ 要出典:「犯罪の国際化」の出典をお願いします。東京書籍の令和5年版の教科書には見つかりませんでした。

また、発展途上国に先進国の文化が導入され、現地の環境や文化を破壊してしまう問題も起きている。地球温暖化も進行している。

※ 要出典: 東京書籍の令和5年版の教科書には見つかりませんでした。

多国籍企業が国家によるコントロールを逃れ、自社の利益だけを追求して、弱い国に国民を苦しめる政策を強いたり、経済力を利用して無理やり大規模な工場を建設し、その地域の自然環境を破壊したりする問題も発生している。国家によるコントロールを逃れた多国籍企業は、水道や道路などの社会資本の民営化を目指し、実際に民営化を実現した国では料金の高騰によって富裕層以外は社会資本を使えなくなるという平等権が侵害される事態も起こっている。

水道が民営化され、高騰した水道料金を払えなくなった住民が汚染された川の水を飲んで健康被害が出たケースは、その代表例である。

このように、グローバル化には、感染症の拡大犯罪の国際化文化や伝統の喪失環境破壊の進行格差の拡大国家主権の弱体化という負の側面がある。グローバル化を推進しようという考え方をグローバリズムといい、グローバリズムを推進する人々をグローバリストという。

※ 検定教科書の範囲を逸脱しています。

ナショナリズムの台頭とグローバル化への対応

これらの課題を解決するために、政治のグローバル化も進んでいる。国際的な問題に対処するため、国際連帯税を設けるべきだという意見もある。しかし、主権国家同士をまとめる超国家的権力は存在しないことから、結局は一国の意向だけで使われてしまうのではないかという強い反対意見もある。

そこで、ナショナリズムの台頭が進んでいる。これはグローバル化の時代だからこそ、国家の役割を強化し、負のグローバル化から自国民を守ろうという考え方である。2017年にはアメリカで「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領が当選した。2020年にイギリスはEUを離脱した。2024年現在、世界各地でナショナリズムの傾向が強まっている。しかし、ナショナリズムの台頭にも課題があり、負のグローバル化への効果的な対応策はいまだに見出されていない。

反グローバリズムの動きは世界中で広がっている。世界の多くの国では、左派は平等主義、右派は国家主義という視点から、グローバリズムによる格差拡大や国家の役割の縮小を批判し、国家の役割を強化しようとしている。反グローバリズムは左派と右派が共闘できる数少ない場面の一つだと考えられている。

しかし、日本では平等主義や国家主義を掲げてグローバリズムによる格差拡大や国家の役割の縮小を批判する声は比較的小さく、主要政党にはそうした主張を前面に出すものは少ない。日本も世界の潮流に合わせて反グローバリズムを掲げ、国家の役割を強化するべきだという意見もある。

また、反グローバリズムの台頭により、左派や右派は以前よりも「我々の国」という国家意識が強くなってきているといわれている。

国際シンボルマーク。車イスマーク。ピクトグラム。言語に依存せず、図から意味が理解できる。
非常口マーク。ピクトグラム。このマークは日本人が考案し、国際的に普及している。

情報化

[編集]

情報通信技術のことを英語でICT(Information and Communication Technology)という。この「ICT」という用語は多くの教科書で使用されており、テストでも出題される可能性がある。

現代では、インターネットやハイテク技術が社会に深く浸透している。エレクトロニクスはICLSI超LSIや5G通信、光ファイバーなどと技術革新が進んでいる。日本の工業の歴史的変遷を見ると、明治や大正時代の製鉄などの重厚長大(じゅうこう ちょうだい)産業から、現代は半導体などの軽薄短小(けいはく たんしょう)型の産業へと移行し、産業構造のハイテク化が進んだ。これは経済のソフト化サービス化とも呼ばれている。

※ 検定教科書の範囲を逸脱しています。

GIGAスクール構想で導入されたChromebook

2020年から始まったGIGAスクール構想により、多くの義務教育学校ではChromebookなどの端末が1人1台導入され、ICTを活用した教育が進められている。

スーパーコンピュータ「富岳」

日本のスーパーコンピュータ技術も進化を続けており、2020年に稼働を開始した「富岳」は、世界最高水準の計算能力を持つ。新型コロナウイルス対策のシミュレーションなど、様々な分野で活用されている。

インターネットの発達により、個人でも容易に情報を発信できるようになった。SNSの普及により、個人の発信力が増大し、社会に大きな影響を与えることもある。

5G対応スマートフォン

5G通信の普及により、高速・大容量の通信が可能になり、遠隔医療やスマートシティなど、新たな技術やサービスの実現が期待されている。

一方で、情報通信の発達に伴い、これまでにはなかった新たな問題も増加している。

ランサムウェアによる攻撃が増加しており、病院や公共機関などでシステムが使用不能になる被害が報告されている。個人や組織のデータを人質に取り、身代金を要求するこの種の攻撃は、社会に大きな影響を与えている。

※ フェイクニュースなどの話題は、「メディアリテラシー」の単元が別に存在しているので、そちらに移動を検討してください。中学校社会 公民/世論とマスメディア など。

また、SNSを利用したなりすまし詐欺フィッシング詐欺など、新たな形態のサイバー犯罪も増加している。

ディープフェイク技術の発達により、偽の動画や音声が作成され、選挙への影響や個人への攻撃に使用されるケースも報告されている。

情報リテラシーの重要性が高まっており、学校教育でもプログラミング教育や情報モラル教育が強化されている。


※著作権の単元は、別に存在します。そちらに移動してください。
  • 著作権への注意

AI技術の発達により、著作権の概念も変化しつつある。AIが生成したコンテンツの著作権をどう扱うかなど、新たな課題が生まれている。

  • 情報の取捨選択とフェイクニュースへの対応

大量の情報の中から信頼できる情報を見分ける能力が重要になっている。特に、SNSなどで急速に拡散するフェイクニュースへの対策が課題となっている。

  • サイバーセキュリティ

IoT機器の普及により、セキュリティの脆弱性が増大している。個人や組織は、常に最新のセキュリティ対策を行う必要がある。

発展的事項

[編集]
  • デジタル・ディバイド

高齢者や経済的弱者などがICTの恩恵を受けられないデジタル・ディバイドの問題が顕在化している。社会全体でICTリテラシーを向上させる取り組みが求められている。

※ 東京書籍の公民教科書で「デジタル・デバイド」の表記で傍注に存在する事を確認しました。
  • (※ 範囲外)プライバシーとデータ保護

個人情報の収集と利用に関する規制が強化されている。EUの一般データ保護規則(GDPR)など、国際的なデータ保護の枠組みづくりが進んでいる。

インターネットに代表されるICTは現代社会に不可欠なものとなっているが、その恩恵を最大限に活用しつつ、リスクを最小限に抑えるバランスの取れた利用が求められている。

少子化と高齢化

[編集]

少子化の現状と課題

[編集]

日本の出生数は年々減少を続けており、2023年には初めて70万人を下回り、約75万8千人となった。合計特殊出生率も1.26(2022年)と、人口置換水準の2.07を大きく下回っている。

少子化の主な要因として、未婚率の上昇、晩婚化、晩産化が挙げられる。25~39歳の未婚率は、2020年の国勢調査によると、男性が47.1%、女性が32.8%と高い水準にある。

少子化対策として、2003年に「少子化対策基本法」が制定され、その後も様々な施策が実施されているが、出生数の減少傾向に歯止めがかかっていない。

少子化は労働力人口の減少につながり、経済成長や社会保障制度の維持に大きな影響を与える可能性がある。

なお、日本の少子化は2005年から始まっている。つまり2005年からは死亡数が出生数を上回り続けている(※東京書籍に記述あり)。

※ 検定教科書の範囲を逸脱しています。

中学校社会 公民/社会保障制度 などに移動を検討してください。

高齢化の進行と多死社会

日本の高齢化率(65歳以上人口の割合)は2023年に29.1%に達し、世界最高水準となっている。2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、医療・介護需要の急増が予想されている。

高齢化の進行に伴い、日本は「多死社会」を迎えつつある。年間死亡者数は2022年に約150万人に達し、今後さらに増加すると予測されている。

政府は2025年を目途に、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を進めている。

人口減少社会の到来

日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じ、2024年1月時点で約1億2340万人となっている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には約1億人、2100年には約6000万人まで減少する可能性がある。

人口減少は、労働力不足、地方の過疎化、社会保障制度の持続可能性の低下など、様々な社会的課題をもたらす可能性がある。

社会保障制度への影響

少子高齢化の進行により、社会保障費は年々増加している。2024年度の社会保障関係費は約36兆円と、一般会計予算の約3分の1を占めている。

年金制度の持続可能性も課題となっており、支給開始年齢の引き上げや保険料の見直しなどが検討されている。

国際的な動向

少子高齢化は日本だけの問題ではなく、韓国、シンガポール、ドイツなど多くの先進国でも進行している。一方、アフリカなどの発展途上国では人口増加が続いているが、長期的には世界全体で高齢化が進むと予測されている。

対策と今後の展望

少子化対策として、子育て支援の充実、働き方改革、結婚支援などが実施されている。高齢化対策としては、健康寿命の延伸、高齢者の就労促進、介護サービスの充実などが進められている。

また、人口減少に適応した社会システムの構築も課題となっている。コンパクトシティの推進、AIやロボットの活用による生産性向上、外国人材の受け入れ拡大などが検討されている。

少子高齢化と人口減少は日本社会の大きな転換点であり、従来の成長モデルや社会システムの見直しが求められている。持続可能な社会の実現に向けて、社会全体で取り組むべき重要な課題である。

※ 編集用

[編集]

検定教科書に置ける記述の傾向

[編集]

次の3つの用語が、検定教科書では重要語句になっている。(令和2年検定版で確認済み、下記に例を記述する。)

  • 少子高齢化
  • 情報化
  • グローバル化

令和5年版でも、同様に上記の3つがリストアップ。

文科省の定める学習指導要領(中学 社会科版)には

現代日本の特色として少子高齢化,情報化,グローバル化などがみられることを理解させるとともに,それらが政治,経済,国際関係に影響を与えていることに気付かせる。」と書いている。(2014年に文科省のウェブサイトで確認。)

そのためだろうか、「少子高齢化」、「情報化」、「グローバル化」の3つの語句を教科書で太字で紹介している検定教科書が多い。

よって、定期テストや入試には、このような語句や内容が、重点的に出ると思われる。

なお、「グローバル化」の語源の globe グローブ とは、球体や地球を表す意味の英語である。

※ 野球のグローブ glove とは意味が違うので、注意。


「国際化」と「グローバル化」との違いは、「国際化」が同じ母国の国籍の国民どうしの共同体を前提にしたうえでの外国政府や外国企業間との交渉やビジネスなどを意味するのに対し、「グローバル化」とは共同体じたいが多国籍・多民族から成り立つような意味で使われる事が多い。

※ 「グローバル化」のあまり細かい意味は決まってないので、暗記しなくてよい。

グローバル化

[編集]

経済のグローバル化

[編集]
国際シンボルマーク。車イスマーク。ピクトグラム。日本語が読めない人でも、絵から意味が分かる。
非常口マーク。ピクトグラム。この非常口のマークは日本人が考案して、国際的にも普及している。

(社会の)グローバル化とは、人やお金や物などが、国境を超えて移動していくことです。

  • 市場経済の普及

現在、世界の多くの国では、市場経済(しじょう けいざい)が導入されている。ソ連とアメリカの冷戦が1980年代後半に終わるまでは、ソ連の支配下にある共産圏では市場経済が導入されていなかったが、冷戦の終了と共に、かつての共産圏では市場経済を導入した。

  • 英語の国際共通語化

また世界の多くの国で、貿易や外交のための外国語としては英語が多く使われている。英語が、国際的な場所での、中心的な公用語になっている。

  • ヒト(人)・モノ(物)・カネ(金)のグローバル化

産業に置いて、ヒト(人)・モノ(物)・カネ(金)が国境を越えても動くようになった。このため、賃金の安い発展途上国など(中国や南アジア諸国、東南アジア諸国など)に多くの産業や工場が集まり、賃金の高い先進国では、いくつかの国内産業が衰退(すいたい)した。国内産業の海外流出による産業の空洞化の問題が起こっている。知的所有権の国際的な対応も、せまられるようになった。

多くの国では、貿易なしでは、産業を維持するのが、むずかしい。そこで、それぞれの国が、自国のつよい産業については集中的に国内で生産して、その国の弱い産業については外国に頼る国際分業が多くの国で進んでいる(東京書籍の令和5年版に記述あり)。

  • 例: パソコン生産のグローバル化

工業製品では、最終製品が日本で作られている製品でも、中身の部品が外国製の物も多い。たとえばパソコンなどのコンピュータがそうである。

たとえば、日本で売られているパソコンの部品の場合、たとえパソコンのブランドが日本企業のブランドでも、中身の部品は外国製のことも多い。マザーボード(基板のこと)の生産国は台湾企業が多く、パソコンのCPUはアメリカ合衆国の企業の生産が普通である。ハードディスクはタイかシンガポールか中国などのアジア諸国で生産されている事が多い。ハードディスクの場合、そのハードディスクの生産メーカーが日本企業でも、生産工場はその日本企業がタイなどの外国に保有する外国工場で生産している場合が多い。 メモリチップの生産国は、日本の場合もあるが、韓国企業などの場合もある。

その外国企業ですら、すべてを自国で生産するのは難しい。たとえば、おそらくマザーボードを作っている台湾企業ですら、それらのマザーボードの部品や生産設備を、けっして台湾だけで全部を生産することは困難であり、おそらくは外国製の部品や外国製の生産装置も用いられている。

  • 食料

食料生産は、とうの昔から国際化している。第二次大戦後の日本は食料自給率が低く、米(こめ)や生鮮食品を除けば、多くは輸入品でまかなっている。また、たとえ日本料理であっても、原材料は外国から輸入していることも多い。

政治のグローバル化

[編集]

国際政治では、主要国の首脳どうしの意見交換の場としてサミット(主要国 首脳会議)が開かれるようになった。どこの国も、主権は持つが、たとえアメリカ・ロシアのような大国でも国際世論を無視するのは難しくなった。しかし、ロシアは国際法をやぶってウクライナへの侵攻を開始するなど、軍事力が物を言う構造自体に変化があったわけではない。


(※ 範囲外:) 英単語「グローバル化」 globalization[1]

情報化

[編集]
地球シミュレータ(2代目、2015年2月までの旧システム)
(※教科書の記述の動向 情報通信技術のことを英語で ICT(Information and Communication Technology)と言い、この「ICT」という用語を記述している教科書が多いので、この用語がテストに出るかもしれない。)
ノートパソコン(ヒューレット・パッカード)
折りたたみ式の携帯電話
GPS

現代には、インターネットやハイテクが定着した。エレクトロニクスはICLSI超LSIや携帯電話や光ファイバーなどと技術革新が進んでいる。日本の工業の移り変わりの歴史は、明治や大正あたりの製鉄などの重厚長大(じゅうこう ちょうだい)から、現代は半導体などの軽薄短小(けいはく たんしょう)型の産業に切り替わり、産業構造のハイテク化を起こした。これは経済のソフト化[2]サービス化[3]とも呼ばれている。

※ 高校教科書の側で、「ソフト化」「サービス化」が太字の用語。なので中学でまとめて覚えてしまおう。

インターネットの発達によって、今までは情報を不特定多数には発信する機会の無かった人でも、簡単に情報を発信できるようになった。

インターネットによって、遠くの友人とも、動画つきのネット電話で簡単に話すことも出来るようになった。また、インターネットを利用した通信販売などオンライン・ショッピングなどと言われる商取引も、盛ん。 ネットでの通信販売は、ネットで商品について調べながらでも、品物を吟味することが出来る。

しかし,情報通信の発達にともない、今までは無かったトラブルも増えてきている。

知らない人から、迷惑メールが送られてくることもある。また、ネット取引を装った詐欺なども、簡単に行えるようになった。

また、情報を簡単に入手できるということは、裏(うら)を返すと、もしも非公開の個人情報などが漏れても、情報が簡単に伝わってしまう、ということである。 基本的に、インターネットでは、自分や友人・知人などの個人情報は書き込まないほうが安全である。

インターネットでは、プライバシーに配慮しなければならない。

  • 著作権の注意

また、コンピュータの発達により、データの複製が簡単に出来ることになったことから、著作物の許可の無いコピーなど、知的財産権の侵害も目立つようになっている。 もしも、インターネット上で文章や画像、音楽などを公開するときは、著作権に注意する。インターネット上での公開にも著作権法などが適用されるので、他人の著作権を侵害しないようにする。

  • 不要な情報は後回しにする。

インターネットで情報の入手がラクになったことから、大量の情報が入手できるようになった。すると、多すぎて読み切れない量の情報がインターネット上ではあるため、いらない情報は無視をしたり後回しにして必要な情報から集めるという、情報の優先順位をつける能力も必要になってきた。

  • ネット犯罪

コンピューターそのものは機械であり、善悪の判断が出来ない。そのため、犯罪に使われる場合もある。また、インターネット上には、違法行為や犯罪を行っているウェブ・サイトも存在している。

もちろん、犯罪行為は、たとえコンピュータやインターネットを用いていようが、用いていまいが、どちらにせよ法律によって犯罪は処罰される。しかし、コンピューター産業は技術の進歩が早く、私達の注意が追いつかないため、ネット上での詐欺などが見ぬきにくく騙されてしまうこともありえる。

悪者に悪用されないように、インターネット上には、むやみに自分の名前や住所などの個人情報を書いてはいけない。 他人の個人情報も、同意がない限り、書いてはいけない。

発展的事項

[編集]
  • インターネット上でのマナー

インターネット通信は、自分だけのものではないので、利用の際には、他人に迷惑をかけないように注意する。 書き込みをするときは、けっして違法な書き込みをしない。犯罪予告などの違法な書き込みをすると法的に処罰されることもある。

コンピュータ・ウイルス

[編集]

これらのマナーなどの問題とは別に、技術的な注意点がある。 インターネット上には、ネットにつながった他人のパソコンの情報を盗み見したり、他社のパソコンを無許可で遠隔操作(えんかくそうさ)したりなどの行為を行う者もいる。そのような悪意を持った者が、悪事をしやすくするソフトウェアを開発する場合もある。他人のパソコンのシステム内に勝手に入り込んで(感染)、かってにシステム設定を書き換えて、ウイルス開発者が悪事をしやすいように書き換えてしまう迷惑なソフトウェアを コンピュータ・ウイルス という。このようなコンピュータ・ウイルスは、感染したパソコンの利用者の知らないうちに、かってに他人のパソコンのシステムの中枢に入り込んでしまう。

コンピューターというのはプログラムという命令文を実行する機械に過ぎないため、もしプログラムに「このパソコンの情報を盗んで、外部にもらせ」とかいった、悪意にもとづいた命令文が書かれていたら、そのとおりに実行してしまう。

パソコンからコンピュータ・ウイルスを削除できるセキュリティ・ソフトと言われるソフトウェアも存在する。 ウイルスの削除には専門的な知識が必要なため、そのようなセキュリティ・ソフトを生産している企業がある。

コンピュータ・ウイルスは、ほぼ毎日、新しいウイルスが開発されている。これに対抗して、セキュリティ・ソフトも開発が進められている。


少子高齢化

[編集]

日本は、長寿国ということもあり、高齢化(こうれいか)が進んでいる。また、未婚率や女性の出産年齢の上昇などもあり、社会の子供の数が少ないという少子化(しょうしか)も進んでいる。 日本の人口は、2005年が人口のピークで、それから人口の減少が始まっている。 国民の高齢化によって、社会保険の負担が増えていくことが予想されている。(2014年に記述。)

少子化と高齢化を合わせて、少子高齢化(しょうし こうれいか)と言う。日本では少子化による労働力の減少の心配や、高齢者の生活を支える負担能力の減少が、心配されている。

日本だけに限らず、多くの先進国で、少子高齢化の傾向がある。


長寿命化によって、高齢者の割合も増えていく。高齢者への介護の負担も増えていく(東京書籍などに記述あり)。

高齢化による負担の増加と、社会保障とを、どう両立していくかが、現代の切実な課題となっています(東京書籍などに記述あり)。

(※ 一部のwiki編集者の見解) 子供を産んで増やしたところで、その子供もいずれは年を取り、高齢者になっていく。
子供を増やして若者を増やせば、一時的には、一人あたりの高齢者福祉への負担は減るが、問題の先延ばしに過ぎない。
結局は、どこかの時代で、若者は「これから、高齢者福祉の負担が大きくなる」と、覚悟を決めるしかないのである。

(人口問題があるからか、)当面は発展途上国では人口増加によって若者が多くても、将来的には発展途上国でも、いずれ少子高齢化が進行すると予想されている。(※ 2018年に近年の帝国書院の教科書でも、そう予想している。2018年に本文を記述。)

(※ 一部のwiki編集者の見解?)どのみち、世界の多くの国は、将来的に少子高齢化を体験することになるので、いっそ「日本などの先進国は、海外の発展地上国の未来の問題(高齢化社会など)を先取りしてる」とでも考えて、積極的に問題解決をしていくのがよいだろう。(※ 検定教科書にもありそうな意見だが・・・。情報を求む)

企業の商品開発などで高齢者に対応した商品開発をするなど(※ 帝国書院の教科書がこういうのを提案している)、建設的思考で高齢化社会への対応を心がけていきたいものである。

※ これは消すか? 教科書にあるか

食料自給率の低さやエネルギー自給率の低さなど、食料やエネルギーを輸入に頼っていることを考えても、人口を維持し続けるのは難しくなっていくかもしれない。

しかし、日本の現在の社会制度の多くは前提として、人口増や1億人程度以上の人口を維持している状態を前提にした制度が多く、また人口増を可能にした高度経済成長などの好景気を前提にした制度も多く、あまり人口減少や少子化を前提としていない制度が多い。

政治家や企業家や国民の中には、自国の人口が多いほうが自国の経済活動の規模が大きくなると考え、自国の人口が多いほど外国との経済競争に有利になるだろうという考えにより人口を維持しようと考える者も多い。

制度改革にも時間がかかり、そのあいだは、急激な人口の減少や急激な少子化があると、社会に混乱が起きる。

日本では少子化を防ごうとする政策が取られている。たとえば日本では2003年に 少子化対策基本法(しょうしかたいさく きほんほう)が制定された。

日本だけに限らず、多くの先進国では、少子化が進んでいるので、少子化を防ごうとする政策が取られている。 いっぽう発展途上国では人口の増加が問題である。人口の増加につれて、食料危機の危険性が高まってくる。現状では計算上では、農産物は人類のすべてを養えるだけの量は生産されている。しかし、人口が増えれば、どうなるかは分からない。

人口が増えれば、石油などのエネルギーの消費も増えていく。

  1. ^ 『ビジネス基礎』、東京法令出版、令和2年12月25日文部省検定済、2022年1月20日 発行、P39
  2. ^ 帝国書院『05新公共総合特色書.indd - 06公共_内容解説資料.pdf』
  3. ^ 帝国書院『05新公共総合特色書.indd - 06公共_内容解説資料.pdf』