独学ガイド/理工学一般/大学学部の中級レベルの科目

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Icon tools.png このページ (独学ガイド/理工学一般/大学学部の中級レベルの科目) では、理工学についての独学ガイドについて説明します。なお、独自研究や中立性を欠いた文章を含んでいる場合があります。独自研究の中には多くの場で共有されている意見もあれば、少数の意見もありますのでご注意ください。


発展的な内容の勉強[編集]

発展的な理工学の勉強では、物理学と数学を中心に勉強します。

数学は、微分方程式・複素関数論・フーリエ解析が勉強の中心です。

物理学は、「力学」「電気磁気学」に加えて、さらに「振動・波動」「熱力学」を勉強します。


また、並行的に、しだいに機械工学の「材料力学」「流れ学」「工業熱力学」および、電気工学の「電磁気学」「電気回路」も勉強しといてください。


「葬式とともに科学は発展する」[編集]

けっして「すべての科目を均等にバランスよく、すべて勉強しよう」と思ってはダメです。

なぜなら、科学というのは、ダメな学問を淘汰したきた歴史でもあり、格言として「葬式とともに科学は発展する」とも言われます。天動説のような時代遅れの学説を信じてる学者は、生涯、その学説を曲げようとせず、そのため、彼ら天動説論者が寿命で死に絶えるまで、天動説の学説が天文学では残り続けました。

ですが天動説のようなダメな学問は、成果が乏しくなっていくので予算が無くなっていくので後継者不足になっていき、だんだんと存在感が薄れていきます。たとえるなら、人文学の世界で、ダメな神学や儒学が大学教養の教育から外されていき、代わりに経済学などが教養に加わったのと同じです。

明治維新のさいに儒学などが学術のスミに追いやられた歴史を参考に、学生はダメ学問を見抜く嗅覚を、身につけましょう。


発展的な物理の勉強[編集]

前のほうの節で、少なくとも「力学」と「電気磁気学」は、「概論書ではなく科目専用の教科書を買いなさい」と指示しました。

さて、発展的な物理を勉強したい場合、さらに、「振動・波動」「熱力学」(もしくは「熱・統計力学」)、の大学2〜3年レベルの教科書を買ってきて、計算練習しつつ勉強してください。

熱力学よりも、振動・波動のほうを先に勉強したほうがイイかもしれません。

なぜなら、物理学の熱力学というのは、やや抽象的で難しいからです。機械工学の「工業熱力学」とは、物理の「熱力学」は、だいぶ、内容が違います。


いっぽう、振動・波動は、微分積分によるゴリ押しで勉強を進められます。なので、まず振動・波動のほうを先に勉強するのがオススメなのです。


独学では、まだ、量子力学や相対性理論とかは、しなくていいです。


あと、機械工学の「材料力学」「流れ学」「工業熱力学」および、電気工学の「電磁気学」「電気回路」も勉強しといてください。

なお、機械工学の「振動」の教科書は、物理学の「振動・波動」の教科書とは内容がけっこう違うので注意してください。混同しないでください。

機械工学の「振動」というのは、エンジンとかモーターとかの軸が高速回転する機械を計算する力学です。機械工学の「振動」の勉強には、機械工学の「材料力学」の知識が必要です。

大学の授業では、実験・実習の科目などと絡めて、機械振動の公式をやや天下り的に教えたりします。しかし独学の状況では、実験設備とかが無いのでそういう勉強法ができません。なので、機械振動は後回しにならざるを得ません。


発展的な数学(ただし理工系)の勉強法[編集]

前提として、まず、理工系の線形代数(大学1〜2年)、微分積分(大学1〜2年)、微分方程式(大学2年〜)、複素関数論(大学2年〜)などを勉強しておいてください。

これらの分野(線形代数〜複素関数論)は、計算練習をきちんとしておく必要があります。

それらの前提の上、勉強法を説明します。


  • 発展的な数学(ただし物理・工学系での)の勉強法

理工系用の教科書で(数学科用ではなく)、「フーリエ解析」、「ラプラス変換」、「ベクトル解析」などといった科目を勉強します。

「応用数学」「理工系の解析学」みたいな感じの書名で、これらの単元(「フーリエ解析」、「ラプラス変換」、「ベクトル解析」)が、ひとまとめになってる書籍もありますので、それを買ってもいいです。

これらの単元でも、特に重要なのが、「フーリエ解析」です。


フーリエ解析の本を買う際、書籍名が「物理数学」や「応用解析学」などで、ラプラス変換などと一緒になっている書籍を買うのがオススメです。どういう事かというと、市販の教科書のなかには、「信号処理論」というフーリエ解析でない分野を『フーリエ解析』という書籍名で販売している教科書も沢山あるからです。

日本で『フーリエ解析』という名前の教科書には、3通りの内容パターンがあります。

物理数学などで使うフーリエ解析であるパターンと、
信号処理論の内容であるパターンと、
数学科などで習う、解析学の理論家のためのフーリエ解析であるパターン

です。

こういう、まったく違う内容の教科書が、同じ「フーリエ解析」という名前で教科書が売られていたりするので、ヤッカイです。


信号処理論というのが膨大な分野で、それらのうちの、フーリエ変換を使った信号処理の計算法を教育する科目を、電気系の学科では「フーリエ解析」などの名前で教育しており、そのため、市販の教科書にも、『フーリエ解析』という書名なのに信号処理の事ばかり書いてある教科書があります。

信号処理の理論は、物理学科や機械工学科などで微分積分の延長として習うフーリエ解析とは、違う内容です。

フーリエ解析を使った信号処理の教科書を純粋なフーリエ解析の教科書だと勘違いして購入する人がいる可能性も0ではないかもしれません。


この信号処理論のフーリエ解析とは別に、さらに数学科のためのフーリエ解析の専門書もあり、ヤッカイです。


初学者が勉強する必要があるのは、「物理数学」や「応用解析学」などの教科書の中に含まれている、フーリエ級数とフーリエ変換との初歩的な計算練習と、その意味(※ 数学的または物理学的な大ざっぱな意味)です。


フーリエ解析の主な応用は何かというと、

周期的な関数の解析、あるいは関数の周波数分解
熱伝導の微分方程式などの、偏微分方程式を解く応用

この2つであろう。

ただし、企業などの労働現場の実用性は、やや疑問である。

熱伝導の偏微分方程式は、実用上はそもそも、觧く必要が低い。

なぜなら熱伝導方程式の解を知らなくても、実験によって熱の分布は求められてしまうのが現実である。

なので製造業の設計などで熱機械を設計・製作するとき、いちいちフーリエ解析をしないのが通常である。


また、フーリエ解析による周波数の解析も、実用上はおそらく、RLC電気回路の実験などで実験的にも求まってしまう場合もあるだろう。


もっとも、コンピュータでこれらの計算ソフトウェアや設計ソフトウェアを作りたいなら、フーリエ解析も有用かもしれない。

結局、工業は数学ではない。

大学ではフーリエ変換などの計算練習が流行しているが、しかし工業の現場は、大学の教育方法なんかに合わせてくれない。

なので学習のさいには、あくまでも関連分野の理解を深めるための補助手段として、フーリエ解析を学ぶのが良いだろう。


さて、いきなりフーリエ解析は、難しいだろうと思うので、おそらく、ベクトル解析やラプラス変換から先に勉強せざるを得ないかもしれません。

「物理数学」や「応用解析学」などのタイトルの教科書を買えば、いっしょにベクトル解析やラプラス変換の解説も付いてくるので、物理数学などの教科書を買うのがオススメです。


まず、ある程度、フーリエ解析の証明などを読んで、理解できる範囲までフーリエ解析の計算練習をしたら、さっさとベクトル解析やラプラス変換の計算練習をしましょう。

計算練習をしないとベクトル解析やラプラス変換は身につきません。計算自体は、ベクトル解析やラプラス変換は、かなり簡単な計算が多いです。高校の数学の参考書でも、よくよく計算問題を見てみると、ラプラス変換でつかう計算と同じような計算もあったりします。


なお、数学科の解析学には、まだ紹介してない、さらに高度な解析学もありますが、それらは後回しにするか、あるいは、いっそ数学科用の解析学は勉強しないというのも、アリです。

「解析学の証明を勉強しなくていいのか?」と心配しなくても、理工系用の「微分積分」や「微分方程式」の専門書を読んでおけば、巻末に解析学の基礎的な証明などはいちおう紹介されています。(ただし、工学部用の教材だと、証明が省略されてる場合がある。なので、「理工系用の数学の教科書を買っておけ」的な指示を、前のほうの節で言ったわけだ)

工学部では、ふつう、理工系用の「微分積分」の教科書の巻末あたりに書いてある、「イプシロン・デルタ論法」とか、級数の収束の判定条件とかは、授業では省略されて習いません。

また、微分方程式の専門書に書いてある「微分方程式の解の存在定理」なども、工学部では授業では省略されるか、たとえ紹介されてもテストに出せません。

なので、それらの(学校で)省略される内容も勉強しておけば、独学での理工系用の解析学としては、もう充分に証明の勉強をしています。


  • 複素解析の応用は何か?

工学部や物理学科・化学科などで大学2年で習うレベルの複素解析は、2変数の偏微分方程式を觧くのに役立つ。 それだけである。

数学への応用としては他にもあり、一例として、複素関数の積分区間の一部を実軸上に取ることで、複素解析の積分結果から、実関数の積分結果を導くなんていう技巧もあるが、しかし工学部ではそこまで習わないし、その技巧にほとんど工学上の実用性も無い。

工学などでよく使う微分積分の公式は、高校と大学1年レベルの実関数の微分積分で、既にあらかた習っている。

ラプラス逆変換の公式を、複素解析の理論で導く方法もあるが、しかし実用的ではない。実用上、ある関数のラプラス逆変換を知るには、ラプラス変換の公式集を流用するのが普通である。


理工系基礎レベルの複素関数論は習得が容易なので、時間があれば計算練習するに越したことはないが、しかし、定理の証明などに深入りする必要は無く、証明は「とりあえず流し読み」するくらいでいい。

また、『多変数複素関数論』(という分野がある)は、応用が見つからない状態だし、初等的な説明がされてない分野なので、工学志望や物理学志望・化学志望などの人は、多変数複素関数論については勉強の必要が無い。


  • 離散数学をどうするか

離散数学の読んでもいいし、時間があれば読んだほうがいいですが、(デジタル回路やコンピューターなどの勉強するとき、離散数学の知識を利用できるので。) しかし、あまり離散数学ばかりに長居はせず、それよりも微分方程式や複素関数論やフーリエ解析の勉強を進めてください。

離散数学は、あとからの勉強でもどうにかなります。一方、「微分方程式」や「フーリエ解析」などの応用解析みたいな科目は、物理学に必要になりますので、優先的に勉強する必要があります。


  • 幾何学をどうするか

幾何学そのものの本を読むよりも、物理や工学などのなかで、数学がどういうふうに使われるかを学ぶほうがイイでしょう。

「曲線論・曲面論」「微分幾何学」という科目の教科書を持ってると、微分積分を用いて曲線や曲面を解析しています。この、微分積分をもちいた曲線の解析の方程式が、物理学や材料力学など、数学以外のいくつかの科目でも方程式中に使われます。

なので、「曲線論・曲面論」または「微分幾何学」の教科書を持っておくと効率的かもしれません。

なお市場の「微分幾何学」の教科書のなかには、高次元の抽象的な図形の曲がり具合を解析している数学専門書もあるので注意してください。

初学者が買うべきなのは、2次元の曲線、および3次元の曲面を、微分積分を用いて解析した、入門的な「曲線論・曲面論」「微分幾何学」です。


さて、微分積分の教科書でも、「曲線論・曲面論」の初歩が紹介されてる場合もありますが、紹介されてない教科書もあるので、必要に応じて「曲線論・曲面論」「微分幾何学」の入門書を買うのもいいかもしれません。


それ以外の幾何学は、当面は不要です。具体的には、位相幾何学、代数幾何学、射影幾何学、離散幾何学など・・・、これらは当面は不要でしょう。

射影幾何学とは、ルネッサンス美術とかの遠近法とかに影響を受けた幾何学理論なのですが、近年では、あまり手頃な教科書がないし、しかも、あまり現代では応用されないので、射影幾何学の学習は飛ばしましょう。

なお、3Dコンピューターグラフィックスのソフトウェアに線形代数や微分積分が応用されていますので、もし美術への数学の応用に興味があるなら、射影幾何学よりも、むしろ線形代数や微分積分を勉強したほうがイイでしょう。


位相幾何学とは、啓蒙書などで紹介される「ゴム膜の幾何学」とかのアレなのですが、大学生用の市販の教科書には、「ゴム膜の幾何学」をさらに抽象的に発展させた難解な数学書が多いので、学習は飛ばしましょう。そうでない教科書もありますが、見分けるのが独学者には大変ですので、べつの機会に「ゴム膜の幾何学」を学習しましょう。

また、数学の概論書や、あるいは離散数学の教科書のなかに、位相幾何学や射影幾何学の初歩が紹介されてる場合もありますので、そっちに期待しましょう。

離散幾何学とは、コンピューターを用いて図形的判断をどうこう〜〜・・・みたいな学問ですが、発展途上の学問なので、研究者ならともかく、独学者は離散幾何の学習を飛ばしましょう。


  • 代数学をどうするか

まず、線形代数の厚め(約250ページ〜)の教科書を、計算練習もして、きちんと終わらせてください。

そのあとは、もう趣味の領域です。物理や工学では、線形代数以外にあまり代数学を使いません。

とはいえ、数学の概論書などに群論も紹介されてたり、あるいは離散数学の教科書に群論の初歩が紹介されてる場合もあります。

群論の専門書で深入りするよりも、数学の概論書で全体的に学んだり、あるいは離散数学の教科書を学ぶほうが、バランスよく多分野を勉強できて、イイでしょう。

どうしても群論に深入りしたいなら、ついでに「初等整数論」という科目を勉強しとくと、整数論の定理が群論の具体例になってるので、参考になってお得です。


  • 確率・統計をどうするか?

まず、工学系の場合、実は大学レベルの統計学を知らなくても、設計はできます。そもそも機械工学科や電気工学科では、基本的に、統計学を習いません。

また、物理学や生物学などでも、大学レベルの統計学は、ほぼ不要なのが現実です。

よく統計学者は、「物理学や生物学などの実験結果を解釈するにも、統計学が必要」とかホザきます。しかし、現実のところ、最新の統計学なんて知らなくても、研究成果を出している物理学者や生物学者などは、多くいます。

基本的に実社会において、何かの仮説を証明する手法は、最終的には、その学説を用いた技術が実用化されて、さらに、少なくとも普及したか(少なくとも多くの科学者・技術者やその分野の企業に普及しているか)どうか、に尽きます。

学問とは、あくまで最終的には下請けにすぎず、学問は実社会の知的労働のための下請けにすぎません。下請けにすぎない学問が、えらそうに実社会に「私の学説を使わない研究者や企業は遅れてる」などと注文をつけるべきではありません。本末転倒です。


統計学への擁護として、近年ではよく、IT業界で「アメリカのIT系大企業が、AIや機械学習の研究で、統計の専門家を集めてる!」とか反論されたりしますが、しかし、そもそもIT企業には、自動車も設計できないし、家電も設計できません。

人文学がイマイチなのと同様に、人工知能の理論もイマイチです。

「AI研究に役立ってる」と自称・AI研究者や自称・統計学者にいわれても、そもそも、その自称「AI」が何の役に立ってるのか、不明です。AIは、ドラクエ4(ファミコン版)のクリフトのザラキ連発にでも、役立ってるんですかね。1980年ごろから、AIが期待されていますが、一向に、たいしたアルゴリズムは蓄積されれません。

仮に「AI」研究で実用化した分野があっても、その分野は「AI」という分類から外れます。ワープロソフト用などの文字列のプログラム的な解析や、あるいは各種の画像編集ソフトや音楽作成ソフトのなどの画像・音声などのプログラム的な解析などは、実用化前の昔はAIに含まれてた時代もありましたが、現代ではAIから外れています。

まるで古代ギリシアやルネサンス期やフランス革命期には隆盛を誇った哲学が、現代では、研究者がほかの分野に抜けて、自称「哲学者」には(数学もろくに出来ない)イマイチな人しか残ってないのと同じですね。

「ニューラルネットワーク」技術も、AIと同様、1990年ごろには流行しましたが、ずっとイマイチな分野です。1990年代のゲーム『信長の野望 覇王伝』の宣伝には、ニューラルネットワーク技術がどうこうとか書かれてましたが、しかし、ゲーム中の敵は単純な動作しかしませんでした。

いっぽう、最近のフリーゲームとかをプレイすれば、ニューラルネットワークなどの理論を知らないゲーム作家ですら、簡単に敵の動き方のアルゴリズムをC言語などのプログラムで組んでいます。


なお、1980年代にパソコンOSを作ったマイクロソフトやアップルなどの当時のメインの技術者は、べつに人工知能や統計学とかの技術者ではありません。Linuxを作ったリーナスですら、べつに人工知能の専門家ではありません。


さて、物理学(大学の学部レベル)で用いられる程度の確率・統計の公式の証明には、微分積分が用いられます。なので、「確率・統計」の教科書よりも先に、まず「微分積分」の教科書を勉強してください。

どうしても、「確率・統計」の教科書も勉強したい場合は、「理工系の確率・統計」みたいなタイトルのように、「理工系」対応をうたってる教科書を買うのがお得です。

周辺知識を固めよう[編集]

(理論物理などの)「難しい理論を覚えるのが賢い」のではありません。

勉強を積み重ねていった結果、いままでは難しかった理論が、しだいに簡単に理解できてくることはあります。たとえば微分積分を学ぶと、力学が理解しやすくなるように。

難しい理論は、直接覚えるのではなく(大学では暗記しないとテストに合格しませんが)、前提となる周辺知識を固めていけばいいだけです。

整理中[編集]

発展的な化学と生物の勉強法[編集]

※ すでに教養課程の理工系向けの生物学の本を呼んでる事を前提に解説する。

このページ「独学ガイド/理工学一般/大学学部の中級レベルの科目」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。

※ この節の著者は、生物が専門外なので、詳しい読者は上書きしてください。

医療看護系の入門レベルをあさる[編集]

まず、「医薬系のための生物学」とか「医療・看護系のための生物学」みたいなタイトルの教科書を買って読むとよいでしょう。(化学でも同様に、「薬学系のための化学」みたいなタイトルの教科書を買って読むとよいでしょう。)

なぜかというと、たとえば科学雑誌の医療記事などでも、たびたび紹介されるような、基本的な病気の知識とか薬品の知識とかですら、理工系向けの生物の教科書には、ほとんど書かれていません。

理工系にとって医療系は専門外とはいえ、すこしは基本的な薬品や病気の知識はあったほうが、生物学の勉強もはかどるでしょう。

また、一般庶民の医学的な知識には、あやしいデタラメ情報もあります。そういうデタラメ情報に惑わされないようにするため、専門書で確認するわけです。

しかし、かといって、医療系学部の学生用の「病理学」の本、「薬理学」の本、「生理学」の本、・・・など専門科目の書籍を買い揃えていたら、お金が掛かりすぎます。冊数が多くなるし、医学書は厚さが厚すぎるのです。(入門レベルですら500ページ(1科目あたり)とか) しかも、生理学の教科書などでは、いちいち大学生物学や大学化学の復習をしてくれません。また、「理工系の生物学」では、まだ習ってない内容が、医学書の専門科目の教科書では、第1章あたりから、いきなり出てくる場合もあります。

また、専門科目の医学書は当然、たとえば「生理学」の本を読んでも薬理学のことはほとんど書かれていないし、同様に「薬理学」の本を読んでも生理学のことは書かれていない、・・・といった調子です。なので、入門者用の総合的な知識が、専門科目の医学書では、身につけられません。

そもそも医療系の専門科目の教科書は説明の正確性が必要なので、そのぶん、かみくだいた表現はしづらく、はっきりいうと、辞書的に、他の入門書を確認するためにも医学系の専門科目の教科書はあるので、つまり理工系の学習者にはチンプンカンプンです。

また、分子生物学や薬学などの教育内容の中には、まだ未解明な部分も多くあります。それらの科目の教科書を読んでると「〜と考えられる」などの語句が、たくさん出てきます。「○○という薬品を△△と組み合わせて投与したら□□という現象が起きる事が知られているのだが、おそらく 〜〜 という仕組みであると考えられる」みたいな調子の記述が多くあります。それらの未解明知識を紹介する教科書では、未解明なので根拠となった多くの実験事実を紹介する必要があり、なので、学習者は、いろんな事例を学ぶ必要が生じます。そのような多くの事例を初学者がいきなり学ぶのは、ともすれば丸暗記の勉強におちいりやすく、科学の本質的な理解をさまたげる可能性があります。

また、そもそも、この記事を読んでいる私達は理工系の志望であり、医師や薬剤師などは目指していませんので、そのような事例を覚える必要がありません。そのような医薬品の事例を覚える事は、理工系のエンジニアの仕事ではないでしょう。

おそらく、初学者向けの教科書(「医薬系のための生物学」「医療・看護系のための生物学」みたいなタイトルの本)に書かれない知識は、このような丸暗記を防ぐためなどの、きちんとした理由があって、あえて初学者用の教科書には書かれていないのでしょう。(※ 知ったふうな事を書いたが、実はまだ私(利用者:すじにくシチュー)は、これらの本(「医薬系のための生物学」)を読んでない。)

だから、なので理工系として基礎医学を学ぶさい、「医薬系のための生物学」「医薬系のための化学」「医療・看護系のための生物学」みたいなタイトルの本で、まずは入門しましょう。

なお、もし、理工系志望だが、どうしても生理学や薬理学などの専門科目の教科書の内容を学びたい場合には、看護系学生用の教科書や「コメディカル」用とうたってる教科書で、やや詳しめの記述の教科書を買うと良いでしょう。厚さの目安は、300ページ以上(1冊あたり)が目安でしょう。

なかでも、「生理学」の分野が入門的な科目です。薬理学よりも先に、生理学の本を読むのがオススメです。

(いちおう、医学部向けの入門書もあるのだろうが、それを探すよりも、看護学部系の入門書のほうが入手しやすいし、値段も安いだろう。)

もちろん、「医療・看護系のための生物学」および「薬学系のための化学」などを読んで学んだ上なのでのハナシです。

なぜ、薬理学よりも先に生理学を読む必要があるかというと、まずは健康な体を知る必要があるからです。

スポーツや芸術などを学ぶ際、まずはトップクラスの人の動作を学ぶのと同じ理屈です。あるいは英会話を学ぶ際、イギリス人やアメリカ人の正確な発音を学ぶのと同じ理屈です。

まずは、生理学を学んでください。生理学の教科書にも、薬理学などの入門的な知識は掛かれています。

医学の分野で「〇理学」という名前の科目は、主に、生理学、薬理学、病理学があります。

病理学の学習は、後回しにしてください。つまり、病理学を学び始めるのは、少なくとも生理学や薬理学を学んだあとに、してください。

なぜなら、病理学の本には、病気の状態の器官の写真なども載っており、解剖学の知識がないと、手におえません。病理学の本でガンにかかった内蔵写真を見せられても、そもそも(医療系学生でない)一般の人は、ガンにかかってない状態の内蔵写真を、まだ確認していません。そしてその解剖学は、まずは生理学・生物学の知識を、ある程度は持ってないと、手におえません。

そして、病気の状態の体を学ぶ前に、まず、正常な体を学ぶ必要があります。(英会話を学ぶ際にイギリス人やアメリカ人の正確な発音を学ぶべきな事と同じ理屈。)少なくとも生理学を、病理学よりも先に学んでください。できれば、薬理学や解剖学も、病理学よりも先に学ぶと良いでしょう。

医学教科書や看護学教科書の出版社による医療系書籍の広告でも、紹介する科目は「生理学」→「薬理学」→「病理学」という順序になっているのが普通です。出版社によっては、生理学の前に「解剖学」が来る場合もあります。(つまり、「解剖学」→「生理学」→「薬理学」→「病理学」という順序) この順序には、上述のような意味(「病理学よりも先に生理学を学んでください」という意味)があると思います。

どうしても病理学の知識を確認する必要のある場合、たとえば、重い病気に自分や家族や友人がなってしまい、「病理学の正確な知識を確認したい」という目的があるなどの理由のないかぎり、病理学は後回しで良いでしょう。

さて、当初の私達(理工系)の目的を忘れないようにしましょう。目的は、あくまで、理科系の人間として把握しておくべき基礎的な医療知識を学んでおくのが、医療看護系の入門レベルをあさる目的です。

あと、生理学など、こういう応用的な分野の学習では、もし読んでるときに分からない語句があっても、とりあえず次の章あたりまで読み進めます。

なぜなら、まだ習ってない語句でも、平気で出てきたりします。

高校の教科書とは違って、いちいち、のちの章で習う未習の語句に「○○ページ参照」とか、生理学などの教科書では、あまり書いてくれません。

専門用語の数がとても多く、いちいち、どの語句がどのページで重点的に解説されるかを、いちいち細かく記載してられないのです。(いちおう巻末索引はあるが、ただの索引である。)

自称「薬理学」という名の生物学[編集]

自称「薬理学」の本は、科目名は「薬理」なので、いかにも薬品の化学っぽく見えますが、実態は生物学のうち、薬品に関係ありそうな分野を独立させた科目です。

そして、生理学の教科書を見ても、生理学の教科書には書かれていない生物学の話題が多くあります。


たとえば生理活性物質で「プロスラグランジン」という、哺乳類なら、どんな動物でも、ほとんど存在する脂肪酸系の体内物質があるのですが、

なんとこの物質「プロスタグランジン」は、医学書院『標準生理学』(第8版)などの分厚い「生理学」の医学書を見ても、巻末索引には書かれてないのです。

いっぽう、薬理学の本を読めば、看護学の薬理の本ですら(南江堂の「シンプル薬理学」など)、プロスタグランジンが書かれています。

そして困ったことに、本来なら生物学の教科書が扱うべき話題ですが、しかし生物学の教科書の多くは、プロスタグランジンなどの生理活性物質を省略しています。(代わりに、遺伝子工学やiPS細胞などに話題が割かれる事が多い。)


このプロスタグランジンのように、なぜか生物学・生理学の教科書には書かれてない生物知識が多くあります。


なので、生理学の教科書だけでなく、

薬理学
免疫学

の本も読んでください。

免疫学を読む理由は、たとえば「レクチン」という、これまた哺乳類どころか、無セキツイ動物や植物にすら存在する糖タンパク質があり、「免疫学」の入門書(生物学科でも習う)にはレクチンについて詳しく書かれているのですが(というか、糖蛋白質の総称を「レクチン」という)、なんと医学書の生理学の本を読んでもレクチンの記述は皆無だったりします。


このように、医学教育の周辺は「科目名に偽りアリ」みたいな状態になっており、人体生理や動物生理の基本的な話題が、なぜか「生理学」科目以外の教科書でないと書かれていない状態です。

なので、科目名に騙されず、「薬理学」や「免疫学」の本も読みましょう。


市販の医学教科書の「生理学」や「薬理学」の分類は、医学研究者(医学部の教授などによる研究)のための分類になっています。なので、この科目名に偽りアリみたいな現状も、これはこれで医学研究者のためには必要なのですが、しかし、私達のような理工系の初学者にとっては不適切な分類ですので、科目名を真に受けないようにしましょう。


薬理学の学習では、けっして全ての薬物名を細かく覚える必要は無い[1][2]。また、薬の化学構造式を追覚える必要は無い[3]。せいぜい代表的な薬物の100個くらいを、そおの名前だけでなく説明とともに理解すればいいだけである[4]

現在、処方箋に使われている医薬品の成分は2000個以上にも上ると言われているが、2000個もの暗記は不要である[5]


免疫学は深入りしなくていい(まだ未解明が多いので)

さて、『免疫学』科目の教科書は、読んだほうがいいのですが、しかし読んでも、最終的に得た知識を薬の取り扱いや病気の診断などの臨床でどう使うかは、あまり細かく書いておらず、薬理学や病理学と同じ程度の臨床への言及でしかないです。せいぜい、免疫疾患の話題にだけ、少しだけ免疫学の教科書のほうが詳しい場合もあるくらいです。

免疫学の教科書には「MHCクラス2」や「C型レクチン」の仕組みなどのような、他の科目の教科書にない話題は書いてあります。ですが、ではその「MHCクラス2」や「C型レクチン」といった最新の分子生物学的な話題が、どう臨床の応用に結ぶつくか、まだ人類には不明瞭であり、したがって免疫学の教科書にもそういう分子生物学的からの臨床応用の話題は無いです。あるいは、免疫の全体像がどうなってるのか、まだまだ未解明なことが多く、やや断片的であり、あまり体系的・大系的ではありません。

このように、人類の免疫学では、まだあまり臨床に結びつきそうな大したことは解明できていません。裏を返せば研究者にとっては研究の余地があるわけですが、しかし初学者・独学者の私たちには、そういう研究はまだ遠い話題です。


そもそも、そういう臨床的に応用できるほどの話題がもし仮に解明されたとしたら、薬理学や病理学などの教科書でも紹介される事になるハズです。

なので、『免疫学』は、たしかに読んだほうが良いのですが、しかしあまり深入りして暗記するような事でもなく、なんというか「読んどいてね」って感じの分野です。


「生理学」とは、どんな科目か[編集]

そもそも「生理学」自体、字面だけ見ると、生命の理論の学問ですが、しかし実際の生理学の教育内容は、字面とは違います。

生理学の内容は、人体の臓器(心臓や肺や肝臓など)や組織(皮膚組織は神経組織や筋肉組織など)などの、それぞれの臓器・組織ごとの、各部の細胞の性質や、臓器・組織の生物学的な性質の概要です。

たとえば、心臓なら、「生理学」の教科書では書かれているのは、心筋の膜電位がどうのこうのとか、その電位が洞房結節とどう関係するかとか、そういう臓器ごとの各論的な話題が、こまかく書いてあったりします。


なので、「生理学」には、やや解剖学っぽい要素もあります。看護学の教科書などだと、「解剖生理学」などという科目もあるくらいです。

「生理学」は、このように臓器ごとなどに分割して学習していく内容なので、プロスタグランジンだのレクチン(「レプチン」とは異なる)だの、特定の臓器に依存しない生理物質の話題が(「生理」物質であるにもかかわらず)、書かれていないのです(医学書院『標準生理学』第8版の巻末の索引では、見当たらない)。(ただし、文光堂『生理学テキスト』第8版には「プロスタグランジン」についても説明も書かれている。さすがに「レクチン」については『生理学テキスト』にも書かれていない。)


もちろん、実際の動物には臓器がありますので、生理学のように臓器ごとに特性を学ぶのは、これはこれで必要ですが、しかし、それだけが生物学ではないのです。

ともかく、字面にとらわれず、生理学・薬理学・免疫学などをバランスよく勉強しましょう。

ヒト免疫学と獣医免疫学などの件[編集]

(生理学でなく)、高校や大学教養課程などで生物学(バイオロジー)は、人間だけでなく、植物や昆虫なども扱います。

では、「免疫学」や「薬理学」などは、人間以外も扱うのでしょうか。

結論を言うと、市販の「免疫学」の教科書は、医者用の人間の免疫学および、獣医用のイヌ・ネコ用免疫学や、ウマ・ウシなど畜産動物用の免疫学など、それぞれ分野ごとに分かれています。

人獣共通の免疫学テキストというのは、分厚い教科書では、無い状態です。


洋書などで「免疫学」と銘打っている500ページや1000ページくらいの教科書も、あれはヒトの治療用の医者のための免疫学しか、扱っていません。

イヌやネコにも免疫があるのにかかわらず、免疫学の教科書のほとんどは、特に「獣医免疫学」などの獣医用を明記した書名でないかぎり、ヒト免疫学です。

薬理学も同様です。

学説の食い違い[編集]

法学などだと、対立する学説でも要点・概要を紹介したり、対立する文献でも必要に応じて引用したりしますが(たとえば有斐閣の分厚い法学書などで容易に確認できる)、しかし医学書は残念ながら、そこまで情報共有などが進歩していないです。

『薬理学』や『病理学』など基礎医学の科目ですら、教科書後半にある各論に入ると、いくつか学説が食い違っている箇所もあります。

なので、まあ、医学書を読む際は、いろいろと気をつけましょう。

なるほど、法学部が日本の文系大卒エリートなわけですね。

「農学部」は事実上の生物学科[編集]

医療系の初歩は看護学で学べることは上述でわかりましたが、では、大学の「農学部」で習うことを、理工系はどう扱うべきでしょうか。

じつは「農学部」とは、現在では名前こそ「農」業の学部ですが、しかし現在では、農学部の教育内容は理学部の生物学科とほとんど同じです。農学部の大学カリキュラムで農業専門のような内容は、いいわけ程度に「農業実習」のような名前の科目が少しあるだけです。有機化学や生化学などの大学化学も農学部で習いますが、そういうのは生物学科でも習います。

卒業生の進路も、食品メーカーや一般の製造業や商社などだったりして、農業とは無関係の進路の場合も多くあります。企業側もあまり農学の知識を重視してないのが実態でしょう。

もし農学部が無いと、農業高校などの教員になる人などを国や都道府県が確保できなくなったりするので、しかたなく農学部が存続するだけです。

理工系の人にとっては、生物学と初歩の医学を学べば充分であり、大学レベルとしての農学のテキストを探す必要は無いし、そもそも農学専門で高等数学などを駆使するような教材が、専門書店にすら、ほとんどありません。


分子生物学などの分厚い教科書の読み方[編集]

洋書の「分子生物学」などのように、生物学で専門的な厚い教科書は、情報が多すぎるので、すべてを覚えることは無理でしょう。

なので洋書「分子生物学」などの活用法としては、あらかじめ、別の本として教養生物学や、日本人の書いた医学書・看護学書などの生理学などの本をいろいろと読んでおいて、気になったことを分子生物学の本で事典のように調べるようにしましょう。

いきなり、洋書の生物学の専門科目の分厚い教科書を読んでも、ほとんど頭に入らないでしょう。

高校の看護科教科書の問題点[編集]

高校の看護科(職業高校にそういう学科がある)の検定教科書で、 生理学・薬理学・病理学などを一つか二つのの科目にまとめたのがありますが、 しかしこれ(高校教科書)で医学・看護学を独学するのは無理です。


職業高校(今では「専門高校」という)の看護科の検定教科書だけを読んでも、頭に入りません。


どうあがいても医学書では、厚さとして、本来は1科目あたり『標準生理学』あたりの厚さ(800ページ以上)が必要です。


なので、基礎医学を職業高校みたいに、5つか6つの科目(生理学・薬理学・病理学・公衆衛生・実技・生化学・栄養学などなど)を1~2冊にまとめようとすると、色々と細かな破綻があります。

なので高校の看護科の教科書は、持っているなら、使い方は資料集のように雰囲気を掴むだけにしましょう。


実は、高校の看護科の教科書は、不正確な部分があります。


なぜなら、『標準生理学』や『標準薬理学』などの内容を高校教科書1冊に無理やりに縮めているので、 どうしても説明に不正確な部分が生じてしまうのです。

実際、高校教科書で、薬理学や病理学の各論に該当する単元を見ると、説明がやや不正確です。

なので、高校教科書を学習のベースにするのは、まったくお勧めできません。

こっから先は、それぞれの人が各自の志望に合わせて、自身で学習法を考えてください。


デマ的なニセ勉強法・ニセ研究法にダマサレないように注意

「ひとつの学問ばかりに打ち込むのが良い」という手法だと、そもそも、最近のコンピュータ工学やバイオテクノロジーや再生医療の新手法のような、新しい研究テーマは、一切、研究できないという欠点があります。

なぜなら、研究者が大学を卒業した頃には、まだ、そのテーマがなかったという場合がほとんどだからです。

バイオや再生医療などで例えるなら、たとえば、1990年代には、iPS細胞は未発見でしたので、2000年代以前に大学を卒業した人は、一切、iPS細胞を研究できない事になります。

コンピュータなども同様で、1980年代以前に大学卒業した人は、一切、インターネットやCDやDVDやブルーレイ、他にはUSBフラッシュメモリなどは研究できない事になります。

要するに、「ひとつの学問ばかりに打ち込むのが良い」という勉強法を主張している人は、ろくに何も勉強してない人です。

iPS細胞もろくに勉強せず、大学生物学の教科書を買い直したりもしていません。つまり、iPS細胞だけを勉強していないのではなく、他の事も勉強していない人です。

こいつらは、狂牛病についても、大学生物学の教科書で勉強していません。こいつらはES細胞についても、生物学の教科書で勉強していません。こいつらはエイズについても、大学生物学の教科書では勉強していません。

iPS細胞もES細胞も発光タンパク質も狂牛病もエイズも、これらはすべて、たった1冊の大学生物学の教科書で勉強できる事なのに、なのに「ひとつの学問ばかりに打ち込むのが良い」という人は、そのたった1冊すらも勉強しなかった人達なのです。

しかも、その、たった1冊の大学生物学の教科書を読めるようになるために必要な学力とは、高校生むけの参考書を読めば身につく学力なのです。

まともに理工系の学問を勉強してる人ならば、例えばES細胞が発見された時には、たとい自分の専門外でも、そのうち、ES細胞の理解のための生物学の勉強を始めます。化学の研究者なら、「生物学の最新発見が、何か有機化学に役立つかも?」とか考えるので、専門外の生物学でも勉強する気になるのです。機械エンジニアや電気エンジニアでも、「将来的に、医療機器の設計技術の参考になるかも?」とか考えるので、専門外の生物学でも、そのうち勉強する気になるのです。

べつに、テレビでの報道直後に、すぐにES細胞を勉強しなくてもいいのですが、数年がたてば、(基礎学力があるなら)勉強する気になるものです。ES細胞の発見から年月がたって、iPS細胞が発見されてから数年たった時に、「大学生物学の教科書で、iPSとESをまとめて勉強しよう」というような気持ちになるものです。

だから、勉強テーマを何も変えない人は、そもそも何も、研究してない人なのです。

要するに、勉強テーマを何も変えない人とは、知識のアップデートを怠っている人なのです。

まったく知識のアップデートをしない人が、研究できるわけは、ありません。

べつに、けっして毎日、大学教科書などで専門外の知識アップデートをする必要はないのです。せいぜい定期的に数年〜10年ごとに、教科書で知識アップデートをすれだけで済むのです。

そもそも、高校教科書および大学低学年の教科書は、そういう知識アップデートの目的で、書かれています。今の高校や大学の教科書を読めば、たいてい、マスコミなどで報道された科学学術についても、専門的な説明をしています。

テレビで報道されていなくても、学術雑誌などで大きく特集が繰り返された話題なら、たいてい、大学の専門科目の教科書を読めば、書いてあります。

なおテレビや新聞などでの科学技術の出来事の報道は、科学知識のアップデートではなく、「こういうアップデートが必要かもしれない」と言う事を連絡してきただけの通知に過ぎません。

例えるなら、パソコンでウイルス対策のセキュリティアップデートの通知がネット経由で来ても、もし実際にアップデートを実行しなければ、結局はセキュリティはアップデートされないままなのと同様です。

学問の知識のアップデートとは、高校や大学の教科書を読むことなのです。

専門外の知識アップデートができてない人というのは、そもそも「専門分野」(自称)の知識すら、アップデートをできてない人なのです。


数学者ですら、よほどの未解決問題にとりかかっている一部の数学者を除けば、いろんな事を勉強し、専門外の知識もアップデートします。

ハイテク分野を書籍を選ぶ際には「◯◯学入門」的なタイトルの教科書を選ぶ[編集]

ロボット技術とか、ナノテクノロジーとかバイオテクノロジーとか、それらの分野を教科書で勉強したい際に、どのような大学教科書を選ぶかというと、まず教科書のタイトルに注目して、タイトルが「◯◯学入門」的なタイトルの教科書を選ぶ必要があります。

ハイテク分野の教科書には大きく分けると二種類あって、先端分野をこれから勉強しようとする人のための入門書と、すでに勉強している人が、細かい情報を確認するためのアップデート用の教科書やハンドブックです。

ハイテク分野の、この2種類の教科書のうち、入門書のほうには、タイトルに分かりやすく「入門」とか「ベーシック」とか「テキスト」(「教科書」という意味)とか「講義」とか、書いてありますので、タイトル中の語句を参考にして、教科書を選ぶと効率的です。

なお、タイトルに「入門」とか書いてなくても、専門外の人の勉強に向けた本もありますが、しかし、買う前に見分けるのが、その分野の初学者には困難なので、わざわざ「入門」とことわりを入れてない教科書をえらぶ必要がありません。

なお、このような入門的なハイテク教科書の値段は、だいたい、2500〜4000円くらいでしょう。

いっぽう、専門外の人にとっては、いきなり、専門家向けのアップデート用に細かい情報が書かれた教科書やハンドブックのほうを読んでも、まったく理解できません。

また、値段が高いのです、専門家向けにアップデート用に細かい情報が書かれた教科書・ハンドブックのほうは。

専門家向けアップデート用の教科書の値段は、5000〜10000円だったり、ハンドブックだと、さらに高価で2万円〜4万円もする場合もあります。しかも、せっかく頑張ってアップデート用の教科書・ハンドブックを勉強しても、専門外の自分が応用できるようになる頃には、時代遅れの知識になっている場合もあります。


なので、ハイテク分野をこれから勉強しようとする際は、タイトル名と値段の情報を参考にして、専門外からの入門者向けの教科書を探して買うようにしましょう。

なお、ハイテクではありませんが、コンピュータのプログラミング言語(「C言語」など)を勉強したい際にも、タイトルに「入門」とか入ってる本を読むと、初心者向けの本を選べます。

最新技術についての情報には、マチガイもある[編集]

有機ELやフラッシュメモリなど最新の電子材料とかの勉強をしたい場合に、どのような書籍を選ぶべきかというと、近年に出版された教科書を選ぶ必要があります。

その教科書の巻末にある出版年の情報を読んで、著作年がここ数年である事を確認してください。著作年が10年以上も前で改定もされてない書籍は、内容が間違っている情報が放置されている場合もありますので、けっして内容を鵜呑み(うのみ)にしないでください。

光学ディスクのCD-RWやDVD-RWも、あたかも何回でも書き換えられるCD/DVDかのように宣伝されていましたが、実際は、たとえばディスク全体に書き込みをするISO書き込みなどを5回ほど行うと、それ以降はそのディスクは書き換え不可能になります。

このように、企業は、製品の性能を誇張します。


そのような誇張とは別に、大学の教科書では、単に誤解などによって、ここ数年に急に話題になったような最新の技術については、説明を間違える場合もあります。

特に半導体やUSBメモリや磁気ハードディスクといった電子部品の構造や原理については、開発している企業側も情報を隠したりするので、なかなか正確な情報が大学に伝わっておらず、そのため、教科書の内容が、やや不正確な場合があります。

具体的にいうと、フラッシュメモリや有機EL、ハードディスクの垂直磁気記録など、2001〜2005年ごろに話題になり始めた電子部品についての情報は、2005年ごろに著作された教科書なら、話題になってからまだ年月があまり経ってないうちに出版されてるので、あまり教科書を鵜呑みにしないぽうが良いでしょう。

これらの最新デバイスについての情報を確認したいなら、なるべく近年に出版された大学教科書で確認するべきです。

例として電子部品を挙げましたが、なにも電子工学にかぎらず、機械工学でも情報工学でも、最先端の情報については、残念ながら著者がまちがえてしまう場合もあります。

また、最先端でなくても、半導体製造装置 や 自動車組み立てロボット などのような製造装置についての情報などは、企業側が秘密にしたがるので、もしかしたら、教科書の説明がすこし間違っていても、企業側が指摘せずに、間違いが放置されているまま かもしれません。

また、企業の技術者が書いた技術書ですら、かならずしも他社の製造装置の詳細までは知らないだろうし、もしかしたら、その会社の製品以外の説明が、やや間違っているかもしれません。

たとえば、フラッシュメモリを出していない会社の技術者が電子工学について書いた書籍なら、もしかしたら、フラッシュメモリの原理説明は間違っているかもしれません。たとえその技術者の勤務する会社が、高品質なハードディスクや有機ELや青色発光ダイオードなどを開発して製品化していたとしても、製品にしていないフラッシュメモリについては書籍の情報が間違っているかもしれない、・・・こんくらい用心深く、書籍を読む必要があります。


もし教科書に、ここ数年に発明されたばかりの技術についての説明があれば、もしかしたら、教科書の説明じたいがやや不正確でマチガイが含まれている可能性もありますので、けっして「教科書だから」って鵜呑みにせずに、読書後に時々 その分野の情報を別の著者の教科書などで調べなおして、自分の知識を修正してアップデートしていく必要があります。

なので、もし、ある教科書を読んでも、あんまり、最新の技術の原理が理解できなければ、そもそも教科書の情報が間違っているために分かりづらい場合がありますので、あまり、そのような情報追っかけに時間を費やさずに、他の教科書を勉強しましょう。

先端分野の教科書を信用しすぎないように[編集]

大学高学年レベルの先端分野の教科書には、まちがった事が書かれてる場合もあります。マチガイといえなくても、ピント外れの事が書かれている場合もあります。

なぜかというと、高学年・院生むけの教科書は単に、著者である学者が論文の内容をまとめて、入門者むけに順序だてて解説したものだからです。

たいていの場合、その論文の著者と、教科書の著者とが、おなじ人物だったりします。つまり、単に自説を教科書にまとめただけです。

「教科書があるから」って、おおもとの論文そのものが正しいかどうかは、不明です。

ダメな理論ほど、論文が増え、科目が増える[編集]

理論物理や化学の理論など、実験系の学問の理論分野は、実験と理論の両方に精通する必要があり、論文を書くのが大変です。

いっぽう、応用数学や情報科学などは、実験や実用化が不要な分野なので、わりかし論文を書きやすいのです。(学会誌に掲載されるかどうかは別ですが・・・)

なので、要するに、論文の書き易い分野ほど、新たな論文がドンドンと発表されます。もちろん、学問の発展のためには、ドンドンと論文を出してもらう事が必要です。

しかし、その理論の論文の知見についての習熟が、はたして教育的な効果が高いのかどうか、不明です。


論文を書きやすいという事は、裏を返すと、あまり実証的な裏付けがされてない、という意味でもあります。


大学で流行している学問分野は、論文を書き易い分野です。けっして、実用的な分野が、大学で流行してるわけではありません。


ダメな工学者の書いたダメな応用数学の分野の理論の特徴として、計算方法が特定の計算手法に統一されている、という特徴があります。

たとえば、微分方程式を解くのなら、数学的には色んな方法がありますが、なぜか「ラプラス変換で解かなければならない」などの特徴があります。

しかも、学者が使いたい数学手法にあわせて、設計の状況を仮定します。


「計算方法が特定の計算手法に統一されている」という特徴があるのも、そもそもダメな工学者・応用数学者が、自身の使いたい数学手法にあわせて、設計の状況を仮定してるからです。しかも、計算手法の統一には根拠がないので、独学が困難ですから、教育機関にとっては都合がいいのです。

また、そういう、計算手法の勝手に統一された分野は、文部省の高校教育のカリキュラム担当の人が相手にしないので、高校カリキュラムからは外れており、独学が困難です。なので、大学という、カネをとって専門知識を教える機関にとっては、商売のタネになります。

「基礎」をいう馬鹿学者を信用してはならない[編集]

本当の「基礎」を学ぶには[編集]

さて、本当の「基礎」を探求する方法を述べます。

研究とは、ある程度は現在の学説を疑うことから、始まります。アインシュタインはニュートン力学を疑っていたわけですから。

学説を検証するには、ある程度は複数個の学説の候補を用意しておくことです。法学なんかだと「○○説」とか存在して、そうなっていますね。

理工学でも本来なら、単純な実験事実や統計などを除けば、ある程度は複数の学説が対立するべきです。対立した学説どうしが、競争を繰り広げるべきです。

なので、単一の学説しか用意できてない分野は、ダメな分野です。滅ぼされるべき分野です。

最終的には学説を検証してみて修正することこそ、真の高等教育です。

とはいえ、それは最終目標です。

なので、微分積分のようにトレーニングに時間のかかって、せいぜい、微分積分などの計算手段は、練習が必要です。でも、そんなのは、高校の数学や物理で、とっくに練習してるわけですね。


また、医学のように、高等教育の学習には、ある程度の暗記が必要です。医学では治療法を暗記するように、理工学でも実験事実だけは、なるべく覚えることを目指す必要があります。(ただし、直接的に検証された実験事実のみ。しばしば、間接的な推論をもって「証明」などとしている理工書も多い。)

そして、高等教育が「高等」である理由も、専門知識の暗記が必要なことにあります。医学では治療法や解剖学(全身の筋肉や骨の名前など)などの専門知識を暗記する必要があるように。

このように高等教育では、他分野に応用しづらい専門知識を暗記せざるを得ないからこそ、高校卒業後に回されているわけです。

学術書とは[編集]

べつに理系にかぎったハナシではないが、「学術書」とは何か?を述べる。勉強のための読書のさいの参考にせよ。

学部上級レベル・研究レベルでの「学術書」の要件とは、まず学問的に意味のある事が書籍内に書かれているのは当然だが、さらに、文献の学問的内容を裏付ける参考文献や出典の一覧が書かれている文献のことである[6]。先端分野の学術書になると、参考文献が学会誌とかになったりするだけで、基本的には、参考文献の記載があるのが学術書である。

いっぽう、著者がどんなに膨大な勉強をしていても、参考文献も出典もなければ、研究分野では「学術書」ではない。


たとえば、講談社ブルーバックスなどを読むと、巻末などに参考文献の一覧があるだろう。なので、ブルーバックスはとりあえず形式的には学術書である。

一般に、大学レベルの教材では、巻末などに、参考文献の一覧があり、どの章でどの文献を参考にしたかが簡潔に記されている。

学問とは、単に物知りなだけでは意義がなく、さらに第三者が検証しやすい知識体系である必要がある。検証のため、根拠となる参考文献が必要なのである。


また、学術書をさがす場合、著者の経歴を見る必要がある。大学レベルの学術書は普通、その分野の大学教授や、せめてその分野の学部の大卒が書く事が多い。たとえば、機械工学の学術書なら、機械学会の会員である大学教授が著者だったり。著者の学歴が低くても、工学の学術書なら、せめて著者の経歴として工業大学や工業高校は卒業していたり、あるいは製造業で長年の勤務をした経験がある等、そういう経歴のある人物が信用できる。

経済上の理由でどうしても学歴を取得できなかった人が著者であっても、せめて資格試験などでその分野の国家資格、または近い分野の国家資格などを保有しているハズである。

それすらも肩書きがないのは、単にペテン師である可能性が高い。ロボットやITなど流行の話題や、あるいは宇宙や健康などの話題では、ペテン師や素人の著者が、学術書っぽい装丁で出版している場合もあるので、気をつける必要がある。

  1. ^ 『標準薬理学 第7版』、2015年3月25日 第7版 第1刷、P7
  2. ^ 『はじめの一歩の薬理学 第2版』、2020年 1月15日 第2版 第1刷 発行、(※ 前書き)「はじめに」
  3. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、(※ 前書き)「はじめに」
  4. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、(※ 前書き)「はじめに」
  5. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、(※ 前書き)「はじめに」
  6. ^ 中村 陽子 : 東洋経済 記者『「学術書」を読めようになると読書が変わる理由 「難しい本」と敬遠していてはもったいない』2020/12/07 15:30 2020年12月9日に閲覧して確認.