競馬を見る

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

競馬を見るは競馬の観戦をすることに関しての教科書です。競馬の基礎知識は教科書馬券を買う前に知っておくべきことを参照してください。

見る方法[編集]

実地[編集]

競馬はいうまでもなく実際の人間、馬が行うスポーツとなっています。そのため、実際に見るということも選択肢の一つとなります。

一番大きいメリットはやはり実際に競馬を見る事ができるということです。間接的な視聴だけでは味わえない情報、特にマイクでは拾いきれない環境としての音は一度体感する価値があります。また、競馬場に訪れるということ自体もメリットとなります。かなり近い距離で馬が見れたり、馬券が買えたり、グルメに舌鼓をうったりと実地でないといけない体験は数多くあります。

デメリットとしては行き来にコストがかかる事が挙げられます。また、コースがかなり広いのでゴール側直線以外はあまりレース自体を鑑賞することができず、実況も声援などで聞きにくいのも特徴です。とはいえレースの映像はターフビジョンに映し出されるので、実際に不便することは少ないかもしれません。

ネット動画[編集]

レースを最初から最後まで見守るというのであれば、やはりカメラが馬を追従する映像がかなり有力な選択肢となると考えます。

JRAでは2013年からの重賞レースの映像が各レース結果ページで公開されています。また、Youtubeでも有名レースの動画が上がっています。netkeibaのチャンネルJRA公式チャンネルカンテレ競馬チャンネルが特に映像記録が豊富で、最新のレースから過去の名勝負までアップロードされています。検索以外でもプレイリストから気になるレースを探すことができます。

JRA公式ページの出馬表やオッズページに1レース開始前から最終レースまでの間レースライブボタンが現れます。そのリンク先では該当レースのライブ配信が行われています。[1]また、地方競馬場のYoutubeチャンネルでもライブ配信が行われています。

公式Youtubeチャンネル
競馬場など チャンネル
JRA JRA公式チャンネル
帯広競馬場 【公式】ホッカイドウ競馬LIVE「なまちゃき」
門別競馬場
盛岡競馬場 岩手競馬
水沢競馬場
浦和競馬場 浦和競馬【広報】
船橋競馬場 船橋競馬場
大井競馬場 TCK 東京シティ競馬【公式】
川崎競馬場 【公式】川崎競馬
金沢競馬場 金沢競馬 【公式チャンネル】
笠松競馬場 笠松けいばレース映像配信チャンネル
名古屋競馬場 金シャチけいば情報
園田競馬場 そのだけいば・ひめじけいば
姫路競馬場
高知競馬場 高知けいば
佐賀競馬場 sagakeiba official

テレビ・ラジオ[編集]

競馬中継の一覧はJRAホームページにまとめられています。

レース[編集]

日本の競馬は一年に約18,000回、中央競馬だけでも約3,400回も開かれています。その中からどのレースを見るべきか、判断する助力となる情報を記述します。

この項目では現在進行系の競馬界隈を楽しむことを想定しています。過去のレースを視聴したい場合は「3.名勝負」項目を参照してください。

流れ[編集]

初めて競馬のレースを見るのならば、やはり古馬GⅠレースを観戦するのが良いでしょう。古馬GⅠレースとは、最上位グレードの競争の中でも3, 4歳以上の馬が走るレースのことで、既に活躍している競走馬の中でもどの馬が先着を取るのかという見どころのある競争といえます。もしこの記事を閲覧しているのが6, 12月末ならば、宝塚記念有馬記念が控えているもしくは終わったばかりとなっています。この2競争の出走馬はファン投票が上位の馬が集まるので、その年で特に活躍した競走馬の走りを見ることができます。

同じくらい初めての競馬レースにおすすめなレースは5月末東京優駿(日本ダービー)です。このレースは3歳馬、つまり若い世代限定のレースではありますが、「競馬の祭典」と呼ばれるほどの熱量を持っており、日本で最も盛り上がる競争に日本ダービーを挙げる人も多いでしょう。

次にチェックすべきレースは皐月賞, 東京優駿(日本ダービー), 菊花賞のクラシック路線と呼ばれる競争です。この3レースは3歳馬限定と若い世代の頂点を競うというもので、上で紹介した通り日本随一の競争の一つである日本ダービーを含むため馬齢という観点で見たときに最も盛り上がる歳といえるかもしれません。また、この馬を追っていくということをするときに、ここで目立った馬がやはり以降も活躍することも多く、年単位で競馬を見るのであれば必見なレースといえると考えます。

ここまでで紹介したレースの多くは芝コースの中~長距離が多く、実際日本の主流であるといえます。しかし、他にも距離ならマイル、コースではダート、種類自体でも障害と様々な路線で活躍する馬が存在します。もし興味が出たならば、主流以外のレースも追ってみましょう。各路線でそれぞれ違った魅力があり、自分の好みのレースもきっと見つかると思います。

GⅠタイトル[編集]

競馬レースには一つ一つグレードがついており、中でも国際グレードがついている競争は252つ、最上位であるGⅠがついている競争は24つ存在しています。

十大競走・クラシックGⅠ[編集]

戦前に創設された皐月賞東京優駿(日本ダービー)、菊花賞桜花賞優駿牝馬(オークス)、天皇賞春天皇賞秋と、有馬記念の8競争は八大競走として日本最高峰のレースとして扱われていました。また、天皇賞をひとまとめにし、宝塚記念ジャパンカップエリザベス女王杯を加えて十大競争と呼ばれることもあります。

宝塚記念有馬記念はファン投票上位の競走馬が走るレースです。上下半期の終わりに開催され、各時期に活躍した人気のある馬が集まるので、とても熱気のある競争となります。

十大競争の中でも3歳馬限定で行われる皐月賞東京優駿(日本ダービー)、菊花賞はクラシック路線と呼ばれます。特に東京優駿の優勝は競馬関係者の最高の名誉とまでいわれており、日本競馬で最も盛り上がるレースの一つと言えるでしょう。この3競争を勝ち抜いた馬は三冠馬とも呼ばれ、現在までに8頭のみが持つ称号です。

十大競争の桜花賞優駿牝馬(オークス)と、秋華賞は牝馬の3歳馬限定で行われており、牝馬クラシック路線と呼ばれます。この3競争を勝ち抜いた馬は牝馬三冠馬とも呼ばれ、現在までに6頭のみが持つ称号です。また、エリザベス女王杯は現在、牝馬クラシック路線で活躍した馬やそれ以降のシニア路線の牝馬が出場しており、牝馬の女王を決める競争として扱われています。

その他[編集]

2歳馬限定で行われるGⅠレースは朝日杯フューチュリティステークスホープフルS、牝馬限定の阪神ジュベナイルフィリーズの3レースが存在する。

短距離のGⅠは、春の高松宮記念と秋のスプリンターズステークスの2つです。

マイルのGⅠは2歳馬の朝日杯フューチュリティステークスと阪神ジュベナイルフィリーズ、春のNHKマイルカップ安田記念、秋のマイルチャンピオンシップ、牝馬限定のヴィクトリアマイルの6レースが存在しています。

また、大阪杯と上述の天皇賞春、宝塚記念の3競争を勝ち抜いた馬は春古馬三冠馬とも呼ばれ、現在までに誰も獲得していない称号になっています。上記の天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念の3競争を勝ち抜いた馬は秋古馬三冠馬とも呼ばれ、現在までに2頭のみが持つ称号です。

ダート、砂場でのGⅠレースは、2月に開かれるフェブラリーステークスと年末のチャンピオンズカップの2つです。特にフェブラリーステークスは国内GⅠの中で最初に行われる競争で、今年一年の勝負運を占う目的で訪れるファンも多いです。また、日本におけるダートレースは地方競馬が中心となっており、日本独自のグレードJpnⅠのレースを含めると10競争存在します。

障害競走のGⅠは中山グランドジャンプ中山大障害の2レースです。

GⅡ・GⅢタイトルなど[編集]

正直に言って、GⅡGⅢのレースは数も多くGⅠと比べて盛り上がりに欠ける部分があると考えます。しかし、レースを作るのはレース名ではなく、競走馬ですので、贔屓の馬が出る、人気の馬が対決するといったレースであればそこにグレードは関係ありません。

ここでは特記すべきと判断したレースについて記述します。

ステップレース[編集]

ステップレースはGⅠの前哨戦として走る競争です。中には好成績を出せば特定のGⅠへの優先出走権を得られるレースもあり、チャンスをつかもうとする競走馬で盛り上がります。

皐月賞のステップレースは弥生賞(GⅡ), スプリングステークス(GⅡ), 若葉ステークス(OP)です。GⅡの2レースは3着以内、OPのレースは2着以内で優先出走権が得られます。ちなみに、2歳馬のGⅠの1着でも優先出走権が得られます。また、優先出走権は得られませんが毎日杯(GⅢ)がちょうどいい時期の3歳中距離レースとして人気です。

日本ダービーのステップレースは京都新聞杯(GⅡ), 青葉賞(GⅡ), プリンシパルステークス(OP)です。GⅡの2レースは2着以内、OPのレースは1着で優先出走権が得られます。ちなみに、皐月賞5着以内でも優先出走権が得られます。

菊花賞のステップレースは神戸新聞杯(GⅡ), セントライト記念(GⅡ)です。これらで3着以内に入った競走馬6頭、クラシック路線・牝馬クラシック路線の先2レース[2]で1着を獲った馬4頭が優先出走権を得られます。

余談ですが、NHKマイルカップも皐月賞3着以内で優先出走権が得られます。しかし、NHKマイルカップから日本ダービーを走るローテーションは大変負担の多い日程[3]、「松国ローテ」として嫌煙されており、クラシック路線で活躍させる競走馬には回避させる、もしくは走っても選手寿命が激減してしまうと言われています。

その他[編集]

アイビスサマーダッシュ(GⅢ)は中央競馬で一番短い1,000mの競争で、唯一の直線競争になっています。客席も走行ルートとかなり近く、普段よりも迫力が感じられる短距離戦になるのではないでしょうか。ちなみに、地方競馬では1,000m以下のレースシリーズ「スーパースプリントシリーズwiki」が開催されています。

海外のレース[編集]

一部の競走馬は海外遠征をします。特に中距離の世界最高峰レース凱旋門賞香港国際競走ドバイワールドカップカーニバルなどの日程集中的に開催される競馬レース群など、様々な国際競争に参加しています。

その他特記すべき競争[編集]

北海道ではばんえい競馬という鉄ぞりを馬が引く競争が存在します。

名勝負[編集]

2008年天皇賞・秋[編集]

この勝負の見どころは終盤に差しにくる2頭、当時GⅠ3勝していた07年ダービー馬ウオッカとその年のダービー馬ディープスカイの対決、そして終盤から再度伸びる逃げ馬、07年牝馬クラシック路線で活躍したダイワスカーレットを加えた競り合いです。

特にウオッカとダイワスカーレットは6回の対戦を経るライバルであり、「ダイワスカーレットはウオッカが出場しない次走の有馬記念で引退したため、結果的にこれが最後の対決である」という背景を含め、とてもドラマを感じる一戦です。

Youtube: 2008年 天皇賞(秋)(GⅠ) | (勝利馬名) | JRA公式 / JRA公式チャンネル


注釈[編集]

  1. ^ 分かりやすい操作方法は実装告知ニュースを参照してください。
  2. ^ 皐月賞、日本ダービー、桜花賞、オークス。
  3. ^ 前者は1,600m、後者は2,000mと距離が違う上、中二週と間隔も短いため。