経済学/経済とは何か/価格変化と代替効果

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

削除依頼中

当ページ「経済学/経済とは何か/価格変化と代替効果」の削除依頼が提出されています。今後当ページに加えられた編集は無駄となる可能性がありますのでご注意頂くとともに、削除の方針に基づき削除の可否に関する議論への参加をお願いします。なお、依頼の理由等については削除依頼該当する節このページのトークページなどをご覧ください。

リンゴの価格が変化したときの、リンゴの消費量に与える効果を考えてみよう。 リンゴの価格が低下すればミカンよりもリンゴを購入することが相対的に有利になるから、リンゴの消費が増加する。 これを代替効果と呼ぶ。

リンゴの価格が低下すると、リンゴの限界デメリット曲線は下方にシフトし、リンゴの購入量は増加する。

同時にリンゴの価格が低下すれば、リンゴの購入量を元のままに維持したとき、他の財に回せる資金は増加する。 相対的に可処分所得が増えるから、リンゴの価格の低下は所得の拡大と同じ効果を持つ。 そのため限界メリット曲線は上方にシフトする。

正常財の価格が低下すると、限界デメリット曲線は下方のシフトし、限界メリット曲線は上方のシフトする。 それにつれて均衡点は右方に移動する。つまりリンゴの消費量は増加することになる。

均衡点の移動を二つの動きに分解してみよう。 限界デメリット曲線の下方シフトによる効果が代替効果、 限界メリット曲線の上方シフトによる効果が所得効果になる。

このように価格変化は代替効果と所得効果に分解できる。 代替効果は実質的な所得が変化しないときの価格変化の動きであり、プラスになる。 所得効果は正常財であればプラスであるが、劣等財の場合にはマイナスになる。

正常財であれば、その財の価格が低下すると、必ずその財の購入量は増加する。 しかし、所得効果がマイナスの劣等財の場合は、価格が低下したとき、代替効果を所得効果が相殺する方向に働くので、 総合すると効果がどうなるかを確定できない。

飢饉でじゃがいも以外の食べ物が値下がりした?[編集]

所得効果がマイナスの劣等財では、その財の価格の下落により、その財の需要が減少することもあり得る。 こうした財はギッフェン財と呼ばれている。

その財の価格が低下すると実質的な所得が増加するため、劣等財であれば、所得効果からはその財の需要が減少する。 これに対して、代替効果からは、価格の低下によってその財に対する需要は増加する。 このとき、代替効果よりも所得効果の方が大きければ、価格の低下によって需要は減少する。

1845 年のアイルランドでは、飢饉でジャガイモの価格が上昇した。 このとき、経済的余裕のない家計は他の財(パンや肉)に対する支出を減らしてジャガイモの支出を増やしたので、 他の財の価格が下がったのである。価格の低下と需要の減少が同時に起こったわけである。

代替財と補完財[編集]

リンゴの需要は、所得やリンゴの価格だけではなく、他の財、特に果物の価格によっても変わる。 例えばミカンの値段が上昇すると、リンゴの需要は刺激される。 これはリンゴのミカンに対する相対的な価格が下落し、ミカンと比べて相対的にリンゴが安くなるからである。

このような、他財の価格の変動による需要の変化をクロスの代替効果という。 ミカンの価格の上昇はミカンからリンゴへの需要の代替を引き起こすため、このような関係の財は代替財と呼ばれる。

一方、例えば紅茶とレモン、パンとバター、野球用具のボールとバットなどでセットで需要される財は、そのうちのひとつの財の価格が上昇すると、両方の財の需要が減少する。 例えばバターが値上がりすると、バターの需要が減少するだけでなくパンの需要も減少する。 このような関係にある二つの財は補完財と呼ばれる。