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統計学基礎/確率分布/連続変数

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

一様分布

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  • 確率密度関数

を満たす定数とする。を満たすに対し、

と定める。このとき、

を満たすので、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、一様分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

正規分布

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  • 確率密度関数

実数に対し、

と定める。このとき

とすると

であり、と極座標変換するとなので、

である。であることと併せて、であることがわかる。すなわち、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、(標準)正規分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

ガンマ分布

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  • 確率密度関数

を正の定数とする。正の数に対し、

と定める。ただし、ガンマ関数である。このとき、

であるから、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、ガンマ分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

ベータ分布

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  • 確率密度関数

を正の定数とする。を満たすに対し、

と定める。ただし、ベータ関数である。このとき、

であるから、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、ベータ分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

であるから、これを整理すると

が得られる。

  • 分散

分散V(X)は、

であるから、これを整理すると

が得られる。

指数分布

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  • 確率密度関数

を正の定数とする。正の数に対し、

と定めると、

なので、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、指数分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

カイ二乗分布

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  • 確率密度関数

を正整数の定数とする。正の数に対し、

と定める。ただし、ガンマ関数である。このとき、

なので、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、カイ二乗分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

t分布

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  • 確率密度関数

を4以上の自然数とする。実数に対して、

と定める。ただし、ガンマ関数である。このとき、と置換するとなので、

である。ただし、途中補遺で導いた式

とした式を用いた。この計算より、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、t分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。ここで、とおくと、であり、よりである。また、である。よって、

である。ただし、途中補遺で導いた式

とした式を用いた。

F分布

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  • 確率密度関数

を正整数の定数とし、特には4より大きいとする。正の数に対し、

と定める。ただし、ベータ関数である。

このとき、と置くと、であり、であることに注意すると、

なので、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、F分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。ここで、先ほどの置換をすると

であることに注意すると、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。同様に、先ほどの置換をすると

である。

パレート分布

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  • 確率密度関数

の定数とする。を満たす実数に対し、

と定めると、

なので、このは確率密度関数である。この確率密度関数によって定まる確率分布を、パレート分布という。

  • 期待値

期待値E(X)は、

である。

  • 分散

分散V(X)は、

である。

補遺:ガンマ関数とベータ関数

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  • ガンマ関数

正の数に対して、積分

ガンマ関数という。

この積分は広義積分であるから、収束性を確認しておこう。のそれぞれが収束することを示せばよい。については、においてよりであり、であるから、は収束する。については、であることに注意すると、ある正の数が存在してにおいてであるから、であり、であるから、は収束する。

ガンマ関数について、

が成り立つ。このことと、

であることを合わせると、自然数に対しては

であることがわかる。

  • ベータ関数

正の数に対して、積分

ベータ関数という。

この積分は一見すると通常の積分であるが、またはのときは端点での値が発散するので広義積分である。収束性を確認しておこう。のそれぞれが収束することを示せばよい。については、においてよりであり、であるから、は収束する。については、においてよりであり、であるから、は収束する。

  • ガンマ関数とベータ関数の関係

ガンマ関数とベータ関数の間には、

という関係式が成り立つ。

(証明)
両辺ともに
という積分と等しくなることを示す。
ベータ関数について、
においてとするとであるから、
である。
ガンマ関数について、
において、と変数変換すると、であるから、
である。ここでさらにとすると、であるから、
であることがわかるので、以上より
である。//

ここで、得られた関係式にを代入してみよう。すると、左辺、右辺はそれぞれ

であり、これは大学受験数学でおなじみの1/6公式そのものである。他にも、

とすると
とすると

なども、大学受験対策の公式として暗記した人もいるかもしれない。本節で示した関係式は、これらの公式を一般化したものといえるものである。