演習2.
座標平面上の点
を通り,
に平行な直線
を、
の形で表せ.
解答例1
上の点
について,ある実数
があって,

の座標を
とすれば,
.
これから t を消去する.
を考えると
が消えることが容易に予想されるので,このまま
を計算すると,



すなわち

解答例2
パラメータ
を用いない方法を示す.
問題の直線
は
に平行であったが,これに垂直なベクトル
(成分を逆さにして片方にマイナスをつけた.すると
[1].)
を用いれば次のように表現できる.
は
を通り
に垂直だから,この
上に
をとり,
とすると,
が
上にある.
…①
の座標を
とすれば,
なので,①より

となり,同じ直線の式が得られた.
①のように、平面上の直線をベクトルで表す方法にはパラメータを用いない方法もある.
定義4
直線の方程式(
)
平面上の点
を通り,
に垂直な直線を
とする.
この
上に点
をとり,
とすると,
は
を満たす.
の座標を
として成分を計算すると.
の形をしている.
次に,問題を解きながら空間内の平面の表し方を解説してゆく.
演習3.
座標空間の点
を通り,
,
に平行な平面を
とする.
上の点
について,
をパラメータ
を用いて表せ.
また,
の座標を
をするとき,
が満たす等式を求めよ.
解答
とおく.
は
に含まれるベクトルだから,ある実数
を用いて
と表すことができる[2].


すなわち
として
これらからパラメータ
を消去する.




これを
に代入して


次に
に垂直なベクトル(法線ベクトルという)を用いて,関係式を求める.
に垂直なベクトル
は
のそれぞれに垂直だから,
は
に平行である[3].
だから,
とおくことができる.
とする.すると,
が
上にある


の座標を
とすれば,
,
これが平面
の方程式である.平面の方程式の係数
を並べると平面の法線ベクトルになっている.
一般の形でまとめておく.
定義5
平面の方程式(パラメータ表示)
空間内の点
を通り,
に平行な平面を
とする.
この
上の点を
とし,
とすると,
を満たす実数
があって,
は,

と表される.
定義6
平面の方程式(
)
空間上の点
を通り,
に垂直な平面を
とする.
この
上に点
をとり,
とする.
は,

を満たす.
の座標を
として,成分を計算すると

の形になり,ベクトル
は
に平行である.
- ^
ベクトル
に対してベクトル
を,
とすると
.
あるいは
としても
で同様となる.
- ^ ただし
が線形独立である必要がある.ここでは
の向きは平行ではなく,これを満たす
- ^
定理5 (1)
は,
,
の両方と直交する.