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英語/入門/発音

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』
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英語の子音と母音について解説する。

子音

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鼻音

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口腔内で閉鎖を作り、息を鼻に逃がすときに生じる音である。いずれも有声音、すなわち声帯の振動を伴う音である。 基本的にどれも日本語の「ん」/N/とは違う音だが、後続する子音の影響で似た音になる場合もある。たとえば、速めに「あんた」と発音すると、後続する子音tの影響で舌が歯茎あたりについた状態で音を響かせることになるので、/n/のような音になる。

/m/ 口を閉じた状態で、声帯の振動とともに鼻に息を流す。鼻に響かせる。

/n/ 舌先を上の前歯の歯茎の上につけて閉鎖を作り、声帯の振動を伴い鼻に息を通す。鼻に響かせる。日本語のナ行と基本的に同じと思って良いが、日本語よりも強く鼻に響かせると良い。また、日本語の「に」と/niː/は違う音であることに注意したい。日本語の「に」は母音/iː/の影響で口蓋化が起こり、子音が/ɲ/になってしまっている。正確には、多くの日本語話者のナ行の子音よりも舌先の位置が後ろで発音され、このために多少音色が異なる。(日本語のナ行では舌が上の歯にべったりくっつく場合が多いが、英語では舌先は主に歯茎に触れる。)

/ŋ/ kやgのように、舌の後ろの方を持ち上げ軟口蓋と接触させ、そこで閉鎖を作る。この状態で鼻に息を流し音を響かせる。日本語のガ行に現れる鼻濁音(主に関東以北の話者に見られたが現在では軟口蓋摩擦音/ɣ/に移行し消えつつある)の子音はこの音である。

閉鎖音(破裂音)

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口腔内で閉鎖を作って息の流れを停止させる音、またせき止めた息を一気に開放させたときに出る音である。息をせき止めておいてから、一気に破裂させるように息を解放したときに出る音を破裂音ということもある。調音を行う部分によって、また声帯の振動を伴うか否かによって、6つの閉鎖音が存在する。

/p/ /m/と同じく、口を閉じて閉鎖を作る。この状態で口腔内に息をため、口腔内の圧力が上がったところで閉鎖を解消し、一気に息を吐き出すときに生じる音。日本語のパ行に近いが、息の噴き出す勢いはずっと強い。語頭では息の勢いが強く/pʰ/と表され、音節の先頭以外では息の勢いが弱く/p/と表記される。mapのpのように単語の最後の音であるときは閉鎖を作るだけで終わり、息を解放しないこともある。このpは/p˺/と表記される。口述の/b˺/との区別は、先行する母音の長さによる。

/b/ 声帯の振動を伴いながら/p/を発音したもの。有声音。日本語のバ行の子音に近いが、声帯の振動は日本語のバ行のbよりも早く開始する。/p/と同様、閉鎖を作るのみで終わる/b˺/という発音もあるが、直前の母音の長さで区別が可能である。/p˺/の直前の母音より/b˺/の直前の母音の方が通常少し長めに発音される。

/t/ /n/と舌の位置は同じで、ここで息をせき止める。(/t/及び後述の/d/においても日本語と英語で舌の位置に相違があり、/n/の場合と同じ対応をする。)これを解放したときに出る音が/tʰ/と/t/である。日本語のタ行に近いと言われているが、日本語のタ行とチャ行の中間のような音である。これも、pやb同様、閉鎖を作るのみで終わる場合があり、/t˺/と表記される。/p˺/と/t˺/の区別は文脈と口元の変化の観察による。高次のフォルマントに多少の差がある場合もあるが、ほとんど知覚できない。直後に/n/が後続し、/tn/となる場合、歯茎付近ではなく鼻に向かって息が破裂する。

/d/ /t/を有声音化した音である。やはり、閉鎖で終わる/d˺/もあるが、直前の母音の長さで/t˺/と区別できる。逆にいえば、直前の母音の長さを誤ると、たとえばmadをmatととられる可能性がある。なお、/dn/は/tn/と同様鼻で破裂させる。

/k/ 舌の後ろの方を持ち上げて軟口蓋と接触させて閉鎖を作り、ここで息をせきとめる。息をここで破裂(爆発させるように一気に息を解放すること)させた音を/kʰ/と表記する。息の勢いの弱い/k/もある。また、閉鎖するのみで終わる場合は/k˺/と表記する。

/g/ /k/の有声音である。/g˺/と/k˺/の区別はやはり、直前の母音の長さによる。

摩擦音

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空気(息)が狭い通路を吹き抜けるときになる音である。空気(息)が狭い通路を、この音を伴って通ることを、空気が「摩擦している」と表現する。口腔内で舌や唇によって狭い通路を作ることで、いくつかの子音が生じる。

/f/ /v/ 下唇の裏側に軽く上の前歯を接触させた状態で息をスーっと吐くと生じる音。日本語にはこの音はなく、ファやフィと発音されている音の子音はほとんどの場合/ɸ/である。/v/は声帯の振動を伴う。バ行を意識するあまりに、上の歯と下唇で閉鎖を作って発音してしまう人もいる。

/θ/ /ð/ 上の前歯と舌の間で息が摩擦する音である。歯の間から舌を軽く出して発音するとこの音になると言われているが、舌を出さずにこの音を出す話者も存在する。/θ/は無声音で、/ð/は有声音である。発話のスピードが速いと摩擦は相当弱く聞こえる。

/s/ /z/ 舌を使って、息を上の前歯の裏、歯茎あたりにぶつけるつもりで発音する。すると、息が舌と歯茎の間で強く摩擦しながら通り抜ける。日本語のサ行に似ているが、それよりもよほど摩擦が強い。/z/は/s/の有声音である。

/ʃ/ /ʒ/ 「シーッ!静かに!」とやるときの「シ」に近いと言われている。/s/よりも奥の方で息が擦れる音である。実際に発音してみてから舌の位置をそのまま息を吸ってみて、歯茎より奥の口蓋に冷たい空気が通る感覚があれば、その音で正しい。/ʒ/は/ʃ/の有声音である。日本人の英語学習者は/ʤ/と間違えやすいが、/ʤ/とは音が破裂しない点でも違うし、/ʤ/と違い連続音(息の閉鎖がなく、一瞬の停止もなく連続して流れる音)であるという違いがある。なお、シャシシュシェショの子音やジャジジュジェジョの子音は、確かに近い音ではあるが、/ɕ/と/ʑ/あるいは/ʥ/とされており、これらの音とは区別される。

/h/ 咽頭で息が擦れて鳴る音。日本語の「は」や「へ」の子音である。意外に間違えがちなのは、/hiː/は「ひ」とは全然違う音だし、/hɰ/は「ふ」とは全然違う音だということである。日本語の「ひ」の子音は、後続する母音である「い」の影響で口蓋化し、/Ç/という音になっていると言われており、また「ふ」の子音はハ行の子音が古くは/ɸ/であった名残で「ふ」の子音のみ/ɸ/だと言われています。また、「ほ」はスピードの速い対話においては、しばしば/xo/と発音されることが指摘されています。(/x/はドイツ語のdochのchの発音)

破擦音

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息を破裂と(ほぼ)同時に摩擦させた音。日本語の「つ」や「ちゃ」の子音がまさにそれである。 /ʦ/ /ʣ/ /ʧ/ /ʤ/

接近音

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/j/ 日本語のヤ行の子音と言われている。舌が口蓋に接近した状態で息が口腔内を通過するときに生じる音である。"Yield", "yeast"など/iː/の前では接近がより強まりはっきりとした摩擦音が聞こえ、日本語の「ひ」の子音/Ç/を有声音化した音[ʝ]になることもある。

/ɹ/ 英語のrの標準的な発音である。舌先を/l/の位置に近づけるが決して接触はさせず、この状態を保ったまま舌の根の方を持ち上げながら息を流したときに生じる音。有声音である。摩擦音無しに、息が流れたときに生じる音ということで、流音に分類されることもある。はじめ唇をやや丸めて発音する(厳密には/ɹʷ/と表記する)ので、場合によっては日本語のワ行をこもった声で発音した感じに聞こえることもある。

/w/日本語の「ワ」「ヲ」の子音と同じと思っても十分通じるが、正確には唇の丸めがずっと強い。

/ʍ/(/hw/)

側音

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/l/ 英語のlの発音である。舌の位置を/t/と同じにし、口を横に軽く開いて、更に舌の両脇を少し下に下ろして息を流す。このとき声帯の振動を伴って発音すると/l/の音(明るいl)になる。日本語の標準的なラ行の発音/ɾ/とは微妙に違うので、区別して発音できるようすべきである。これを発音するとき舌の両脇を下げずに発音すると/l/とは異なる摩擦音/ɮ/を生じる。beautifulなど語末のlは、口を脱力した状態で発音される結果として、舌根が下がらず/ʊ/のようにほんの少し持ち上がり、口の開きも十分でなく、「う」や「お」のように聞こえる暗い音になる。これを先ほどの/l/と区別して暗いl(dark l)と言い、/ɫ/と表記する。

母音

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単母音

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舌の一番高い位置が口腔内の前の方か、中程か、後ろの方かで、前舌母音/中舌母音/後舌母音に分類される。

前舌母音

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/i/(/iː/) 顎をあまり下げずに、頬の筋肉などを使って口を横に開き緊張させ、「イー」と発音する。日本語の母音の「い」よりも緊張が強い。
/ɪ/ 口の緊張を弱め、顎も自然に、楽にして、イとエの中間の音を出す。
/ɛ/ 日本語の母音の「え」に近いが、少し口を横に開き緊張させる。
/æ/ /ɛ/よりも顎を下げ、横にもできるだけ大きく口を開き、アとエの中間の音を意識して発音する。

中舌母音

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/ə/ シュワ(Schwa)または曖昧母音と呼ばれる弱い母音。舌も口も脱力しきってアでもエでもウでもオでもない中途半端な音で発音する。
/ʌ/ ストレスの置かれた曖昧母音とも言われている。何かをふと思い出したときなどの「あっ!」にかなり近い音だとも言われている。

r音性母音
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/ɚ/ /ə/にrの発音を加えたものである。ただし、これらは連続にではなく同時に発音される。
/ɝ/ /ɚ/を強く発音したもの。強ストレスがある時に発音される。

後舌母音

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/ɑ/(/ɑː/) 顎をしっかりと下げて舌を少し奥に引き、あくびのような感じで「ア」と発音する。口の開きは、日本語の「あ」のそれの1.7倍と言われている。
(/ʌ/) /ʌ/は/ɔ/を非円唇で発音したものとされることもある。
/ɔ/ /ɑ/よりも顎を上げ、丸い唇(円唇)で「オ」と発音する。口腔内で音が共鳴するのがはっきりとわかる。
/ʊ/ /u/の状態から脱力して発音する。ウとオの中間の音のように聞こえる。
/u/(/uː/) 口笛を吹くときの口で、舌を奥に引き、奥の方から「ウ」と発音する。

二重母音

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/aɪ/ /eɪ/ (/ɛɪ/) /ɔɪ/

/aʊ/ /oʊ/ (/əʊ/)

(/ɪə/) (/ɛə/) (/ʊə/)

(/ɔə/) (/ɑə/)

r音性

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/ɪɚ/ /ɛɚ/ /ʊɚ/

/ɔɚ/ /ɑɚ/

三重母音

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/aɪɚ/ /ɛɪɚ/ /ɔɪɚ/

/aʊɚ/ /oʊɚ/

(/aɪə/) (/ɛɪə/) (/ɔɪə/)

(/aʊə/) (/əʊə/)

弱音と強音

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音節と強勢

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