薬理学/中枢神経系の病気の治療薬
抗てんかん薬
[編集]概要
[編集]- ※ 「てんかん」がどういう病気かの説明については本wikiでは『病理学』科目または『精神医学』にゆだね、『薬理学』では解説を省略する事とする。
てんかん の発作を収めるのに有効な薬のことを「抗てんかん薬」という。
てんかん には幾つかの型があり、型によって有効な薬物が異なるので、型の判定が重要である。
てんかんの型は大別すると、
- 部分てんかん
- 全般てんかん(「全汎てんかん」ともいう)
- その他のてんかん
の3通りに分けられる。
全般てんかんはさらに分類され、少なくとも
- 強直-間代 発作
- 欠伸発作
- ミオクロニー発作、
- 脱力発作
のように、少なくとも4通り以上に分けられる。(医学書によって、さらに追加の分類あり。)
部分てんかんの分類は、医学書によって異なるので、本wikiでは省略。
てんかん薬の作用機序は、詳しくは薬によって違うが、主なものに神経細胞のNa+チャネルの遮断によるものが比較的に多い。 その他、GABA受容体に影響を及ぼすものもある。
古典的には、フェノバルビタールが 抗てんかん薬 として多く使われていたが、しかし現在では別の薬が多くの場合に第一選択薬などとして使われている。
各論
[編集]カルバマゼピン
[編集]部分発作については、カルバマゼピンが第一選択薬になっている[3][4][5]。
カルバマゼピンの機序には幾つかの学説があるが[6]、主な説として、神経細胞にある[7]電位依存性Na+チャネルの抑制作用によって抗てんかん薬として機能している[8][9]と考えられている。
バルプロ酸
[編集]バルプロ酸ナトリウム[10]などバルプロ酸系は、全身発作の第一選択薬である[11][12]。
副作用・有害反応として、重篤な肝障害がある[13][14]。
その他、胃腸不快感[15]などの消化器症状などの有害反応がある[16]。
その他の副作用として、『カッツング薬理学』は、バルプロ酸が脊椎被裂を増やすとしているが[17]、しかし『標準薬理学』や『NEW薬理学』や『パートナー薬理学』はこの説を紹介していない。
作用機序として、電位依存性Na+チャネルの抑制作用に加えて、さらにCaチャネルも抑制・遮断していると考えられている。
また、GABAトランスアミナーゼを阻害し、GABA量が増加するので、抑制性神経が亢進するとも考えられている[18][19]。
フェニトイン
[編集]フェニトンは、欠伸発作以外の[20]多くの てんかん発作で第二選択薬になっており、
作用機序は主に、電位依存性Naチャネルの遮断によるものと考えられている。
副作用として、
などの症状。
その他、他の種類の抗てんかん薬と同様にフェニトインにも催奇形性があり、フェ ニトインによって胎児性ヒダントイン症候群が増えるとされている[25][26][27]。『NEW薬理学』が言うには、フェニトインに限らず他の抗てんかん薬にも胎児性ヒダントイン症候群を起こす催奇形性がある、と述べられている[28]。『NEW薬理学』が言うには、フェニトインに特有の症状ではない、との事[29]。カッツング薬理学が言うには、類似の奇形症状が、フェノバルビタール、カルバマゼピンでも出るとの事[30]。
エトクスシミド
[編集]エトクスシミドはT型Caチャネルの遮断薬である[31][32]。
エトサクシミドは欠伸発作の第一選択薬である。
副作用として、
ゾニサミド
[編集]ゾニサミドは作用機序が不明[42]。
- ※ 『はじめの一歩の薬理学』P.97、『パートナー薬理学』P.126、『カッツング薬理学』P.417 に記載があるが、それぞれの教科書ごとに説明のポイントが異なっており、文献調査による裏づけ確認が困難なので、本wikiでは保留。
ベンゾジアゼピン誘導体系
[編集]ベンゾジアゼピン誘導体系薬のうち、抗痙攣作用の強いものが抗てんかん薬として使われており、 具体的には抗てんかん薬としてジアゼパム、ニトラゼパム、クロナゼパム、クロバザムなどがある。
特にジアゼパムは、てんかん重積症[43]の第一治療薬である。
なお、てんかん重積症とは、てんかんによる痙攣発作の持続する状態のことであり「てんかん重積状態」ともいう[44]。
てんかん発作が繰り返し起こるなどして、てんかんが持続していると考えられている[45]。
弱い発作でも、その弱い発作が反復しており、発作と発作のあいだの意識が充分に回復しなければ、てんかん重積であると分類する[46][47]。
クロナゼパムは、欠伸発作やミオクロニー発作に用いられる[48]>[49]。
新世代抗てんかん薬
[編集]下記のような新世代抗てんかん薬がある。
- ガバペンチン
ガバペンチンは、GABAの類似隊として開発された。ガバペンチンは、血液脳関門は通過する[50]が、しかしGABA受容体には結合せず[51]、電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合し[52]、そしてシナプス前膜のCa2+流入を抑制すると考えられている[53][54]。
- トピラマート
- ※ 『カッツング薬理学』によると、トビラメートは単糖類に構造が近いらしい。他の教科書でその解説が見つからないので、本wikiでは説明を保留。
「トビラメート」とも言う[55]。 トビラマートの作用は、ナトリウムチャネルの抑制、Ca2+チャネルの抑制、グルタミン酸受容体機能抑制、などの作用がある[56][57]。
- ラモトリギン
「ラモトリジン」[58][59]とも言う。 フェニトインと同様のナトリウムチャネル抑制作用を持つ[60][61]。このナトリウムチャネル抑制作用によって神経膜が安定化するというのが、『NEW薬理学』の見解[62]。また、Ca2+チャネルも抑制する作用や[63]、グルタミン酸の放出を抑制する作用などが報告されている[64][65]。
- レベチラセタム
作用は、シナプス小胞体タンパク質 SVA2 との結合を介して作用していると考えられるが[66][67][68]、明確な機序は不明[69]。酵素に対する誘導や阻害の作用が無いため[70][71]、薬物相互作用が起きづらいか、起きても弱いレベルだと考えられている[72][73]。
パーキンソン病治療薬
[編集]パーキンソン病とは、中脳黒質ドパミン含有細胞が脱落することにより、障害の出る病気のことである。症状として、振戦、固縮などの症状がある。
- ※ つまり、どんなに振戦してようが、もし原因が中脳黒質ドパミンの欠落以外の理由によるなら、それはパーキンソン病でな別の病気だという事。
- ※ なお、ある病気の症状でドパミン異常が原因で振戦、固縮などの症状があれば、病気はパーキンソン病そのものでなくても、その症状を「パーキンソン症候群」という[74]。
なのでパーキンソン病の治療薬も、ドパミンを補う(おぎなう)薬物が、パーキンソン病の治療薬になる。
よって、ドパミン前駆体であるレボドパが、パーキンソン病の基本治療薬になっている。
なぜ前駆物質を投与するかというと、ドパミンそのものは脳の血液脳関門を通過できないので、治療薬としては不適切である。一方、前駆物質であるレボドパは血液脳関門を通過できる。
なので、治療薬としてはレボドパが適切なのである。
レボドパは、脳以外の場所でもドーパ脱炭酸酵素[75][76]により代謝されるが、脳以外の場所で代謝されてしまうとパーキンソン病治療薬としての効果が無い。
なので、末梢性ドパミン脱炭酸阻害薬として、レボドパなどの脳以外での代謝を阻害するためにカルビドパやベンセラジドなどの阻害薬(末梢性ドパミン脱炭酸酵素阻害薬)が併用される。
なお、カルビドパやベンセラジドは血液脳関門を通過しない。
当然、カルビドパ単独で用いても効果がまず無く、レボドパと併用して、たとえば レボドパ:カルビドパ = 10:1 [77]のような比率で合剤として用いる。
カルビドパなどの脱炭酸酵素阻害薬により、末梢臓器でのレボドパの代謝を抑制して、レボドパの脳内移行量を高めるという方法である。
ドーパミンを分解する酵素は他にもあり、
モノアミンオキシダーゼや、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)などがある。
パーキンソン病治療薬には、これらの分解酵素も都合が悪いので、抑制しておく必要がある
当然、分解酵素の阻害薬は単独では効果が無い。
実際、エンタカポンがCOMT阻害薬であるが、パーキンソン病治療のためにはレボドパと併用する必要がある[78]。
用語
[編集]wearing-off 現象 という、症状の進行にともない、長期的には、しだいにレボドパの効きが短くなってくる現象がある。
また on-off 現象 という、レボドパの服用中であるにもかかわらずにパーキンソン様の症状の発作の表れる場合がある。
その他
[編集]ドパミン作用薬(ドパミンアゴニスト)が効くので、
麦角アルカロイドのブロモグリチンやペルゴリドが効く。
非麦角アルカロイドのロビニソール、プラミキソールも効く。
カテコラミン系
[編集]- ※ NEW薬理学、P317によると、アマナジンやゾニサミドなどはカラコラミン系。
その他、A型インフルエンザの治療薬・抗ウイルス薬であるアマンタジンがパーキンソン病にも効くが、副作用で幻覚や せん妄 などがある[79][80]。
ほか、抗てんかん薬のゾニサミドがパーキンソン病にも効くが[81][82][83]、作用機序の詳細は不明[84]である。
統合失調症の治療薬
[編集]統合失調症の症状のうち、幻覚などのあるものを「陽性症状」といい、原因としてドパミンの異常亢進が考えられている。
なお、ドパミンを統合失調症の幻覚などの原因とする仮説のことを「ドパミン仮説」という。
いっぽう、統合失調症による感情の平坦化などは陰性症状といい、グルタミン酸に関する障害が原因と考えられており、その学説のことを「グルタミン酸仮説」という。
グルタミン酸受容体には何種類かあるが、このうちNMDA受容体が特に強く関係していると考えられている[85][86]。
なので、ドパミン受容体を抑制すれば、統合失調症の陽性症状(幻覚など)の発作などを抑える薬になる。
なお、パーキンソン病は逆に、ドーパミンの分泌が異常に不足している状態である。
なので、統合失調症の薬の副作用として、パーキンソン様の症状があらわれる。
また逆にパーキンソン病治療においてレボドパやアマンタジンを服用している患者に、副作用として幻覚の症状がある[87]。
- 具体例
フェノチアジン誘導体系では、統合失調症の基本薬として、クロルプロマジンがある。
ブチロフェノン誘導体系では、ハロペリドールがある。
しかし、上記の「定型抗精神薬」は、陰性症状には効果が無い。
統合失調症の治療薬のことを「抗精神病薬」という。
- ※ 他の「うつ」などの精神病を無視して、統合失調症の治療薬でしかないのに「抗精神病薬」というのは奇妙かもしれないが、しかし慣習的にそう呼ばれてしまっており、医学書でも統合失調症の治療薬のことを「抗精神病薬」と呼んでいる。
- ※ なお、うつの治療薬は「抗うつ薬」と別の呼び方する。たぶん、「抗統合失調薬」だと字数の問題とかかと。
- ※ そもそも、統合失調症の一症状に過ぎない症状を「定型」とか「非定型」(統合失調症の場合は陰性)とか言うことの意義がアレだが、慣習的に「定型抗精神薬」とか言われてしまっている。
なお、統合失調症の「定型抗精神病薬」の治療薬の分類は、化学的な分類では、比較的に古典的な分類で
- フェノチアジン誘導体、
- ブチロフェノン誘導体、
- ベンズアミド誘導体、
に分類される。
一方、統合失調症の(定型ではなく)「非定型抗精神病薬」の治療薬の分類は、化学構造ではなく受容体にもとづいた分類が行われており、
- セロトニン・ドーパミン拮抗薬、
- 多元受容体 標的化 抗精神病薬、
- D2受容体部分作動薬、
に分類される。
陰性症状の改善には、ドパミン受容体遮断薬に加えてセロトニン 5-HT2c遮断薬が効果があり、具体的にはリスペリドン、ペロスピロン、プロナンセリン、などのセロトニン・ドパミン拮抗薬[88]が治療薬になる。
統合失調症の陰性症状が「うつ」的な症状なので、つまり上記のリスペリドンなどは、統合失調症患者に対しては抗うつの効果を発揮する。
また、機序については上記の薬剤のようにセロトニン受容体の拮抗薬が統合失調症にも改善を示すことから[89]、学説的にはドパミン作動性神経に加えてセロトニン作動性神経が統合失調症の発症に関わっていると考えられるが、しかし機序の詳細は明らかではない[90]。
統合受容体そのものの発生機序が不明である[91]。
統合失調症の治療薬のいくつかには副作用として、悪性症候群があり、少なくともスルピリドというベンゾアミド誘導体[92][93]の一種の薬物(つまりスルピリド)には副作用で悪性症候群がある[94][95]。なお、スルピリドは比較的にD2/D3選択性が高い[96][97]。
スルピリドは、胃腸機能の改善にも用いられる[98][99]。
- ※ スルトプリドとは異なる。なお、スルトプリドもベンゾアミド誘導体の統合失調症治療薬である。まぎらわしい。
なお、三環系抗うつ薬のいくつかにも悪性症候群の副作用がある[100]。
また、いずれの場合も、悪性症候群の治療薬としては筋弛緩薬の[101][102]ダントロレンが使われる[103][104]。なお、(ダントロレンに加えて)輸液や冷却なども悪性症候群の治療に必要なので忘れないように[105][106]。
- ※ NEW薬理ではP296に抗精神病薬と悪性症候群との関係についての一般論あり。 なお、標準薬理ではP323で抗精神病薬と悪性症候群との関係についての一般論あり。
- ※ NEW薬理では、輸液と冷却をしないと、ダントロレンだけでは、冷却には効果がほとんど無い、と言っている。
統合失調症の治療薬のいくつかには、D2拮抗作用に加えて、さらにアドレナリン受容体、ムスカリン受容体、ヒスタミン受容体を拮抗するものがある。
統合失調症の治療薬の場合、アドレナリン受容体が拮抗される事により、副作用で起立性低血圧が現れる。
統合失調症の治療薬の場合、ヒスタミン受容体が拮抗される事により、食欲が亢進・刺激され、体重増加につながり、その他、ねむ気[107][108]の副作用がある。
統合失調症の治療薬の場合、ムスカリン受容体が遮断される事により、中枢症状では せん妄 や認知障害があり、末梢では かすみ目、口渇、尿閉[109]、便秘などがある。
- 「多元受容体作用抗精神病薬」
2005年にオランザピンが開発された[110]。
その他、2009年にクロザピンが発売された[111]。
オランザピンおよびクロザピンは、「多元受容体作用抗精神病薬」というものに分類されている。
クロザピンは、D2や5-HT2A,5-HT2Cだけでなく、D4やムスカリンM1受容体、H1受容体なども遮断・拮抗する[112]。
- ※ クロザピンやオランザピンなどの具体的な作用や副作用については、本wikiでは省略。まだ比較的に新しい薬物なので、医学書でも情報が書籍ごとに微妙に違うので。作用の詳細は各自が専門書で確認されたし。
2016年にはアセナピンが上市された[113]。
その他
[編集]ジスキネジアという、投薬から数週〜数年を経て発生する、顔面の不随意運動があらわれる場合がある。
※ 進行が可逆性なのか不可逆性なのか、医学書ごとに異なっているので、詳細はさらなる専門書で確認のこと。NEW薬理や標準薬理に記述あり。
抗うつ薬
[編集]全体像
[編集]うつ病の原因は解明されておらず、不明であり、さまざまな仮説が提唱されており、一致した見解は得られていない[114]。
- ※ 自称「科学ジャーナリズム」界隈ではたびたび、うつ病など精神病の原因が(せいぜい脳のMRI画像を撮影したくらいで)「解明された」と喧伝されるが、単なる新説の宣伝であるので、真に受けないように。
古典的にはモノアミン仮説が有名であるので、医学書でもよくモノアミン仮説が「抗うつ薬」などの単元の冒頭で紹介されているが(『標準薬理学』や『NEW薬理学』など)、あくまで仮説である。
しかも、自殺した患者の脳を解剖しても、カテコールアミンの異常は見いだせない[115]。
- ※ もっとも、引用元の『標準薬理学』では、モノアミン仮説を支持する文脈において、上記の脳解剖の事例を紹介している
とにかく、うつ病の生理学的な機序が不明なので、実際に開発された精神系の薬物から、薬学者などが機序を類推しているような状況である。
実際、1957年に抗精神病薬として開発されたイミプラミンに抗うつ作用のある事があとから判明し、この薬はモノアミントランスポーターを阻害することがあとから判明し[116]、そしてモノアミン仮説のような学説が提唱された。
しかし上述のように、自殺した患者の脳を解剖をしてもカテコールアミンの異常が見出せないので、うつ病の機序には不明な点が多い。
さらに複雑なことに、抗うつ薬の效きには、物理的な要因のほか、心理的な影響も無視できないほどには大きい。実際、治療薬の効果が65%程度であるのに、プラセボ(偽薬)による効果が35%であるという報告がある[117]。
- ※ なので、博愛主義の理解者ぶって「『うつ』は心理的な問題ではなく、脳器質の問題」とか言う人は知ったかぶり。
- ※ ネットで検索すると、精神科クリニックでも「『うつ』は心理的な問題ではなく、○○の問題」みたいな事を言う人が多々いるので、困ったもんですね。本来なら「心理的な問題だけでなく、器質的・生理学的な問題もある」であるべきが、いつの間にか「心理的な問題はなく、器質的・生理学的な問題だけである」に勘違いしている人たちは考えが入れ替わってしまっているようだ。ザ・形骸化。
各論
[編集]- 三環系抗うつ薬
イミプラミンは、化学構造中に3つの環があるので、「三環系抗うつ薬」として分類されている。
イミプラミンが、歴史的には「三環系抗うつ薬」のプロトタイプである[118]。
現在、イミプラミンのほか、クロミプラミン、ノルトリプチンなどが、「三環系抗うつ薬」として分類されている。
- 四環系抗うつ薬
一方、環が4つある抗うつ薬があり、「四環系抗うつ薬」として分類されており、マプロチリン、ミアンセリンなどの「四環系抗うつ薬」がある。
- 選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)
日本では1999年から使用されるようになった薬デ、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、エスタシロプラムの4種類がある。これらは、セロトニントランスポーターを選択的に阻害する薬である。
SSRIは現在、うつ病の第一選択薬となっている[119]。
三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬[120]などにある心伝導系などの副作用が、SSRIには無い[121]。しかし、セロトニン症候群といわれる副作用があり、重篤な場合は死に至る場合もある[122]。
セロトニン症候群とは、過高熱、振戦や筋固縮、せん妄や錯乱など精神症状、などのみられる症状である[123][124]。
- 選択的セロトニン・アドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
「選択的セロトニン・アドレナリン再取り込み阻害薬」のことを「SNRI」と略す。
SNRIは文字通り、セロトニンとアドレナリンをなんらかの方法で、再取り込みを阻害するもので、現状ではセロトニントランスポーターとアドレナリントランスポーターを阻害するもの等をSNRIと呼んでいる[125]。
SNRIとして、ミルナシプランなどがある。
ミルナシプリンは日本では2000年から使われている[126]。
ミルナシプリンは副作用が少ない[127][128]と されている。
- ※ 「ちいさい」(小さい)ではなく「すくない」(少ない)なので注意。けっして、副作用が「弱い」とは言われていない。
- ※ しかも、2000年ごろからの比較的に新しい薬なので(長年の使用で判明するような未知の副作用については、まだ不明なので)、今後もうしばらくは検証が必要であろうか。
ミルナシプリンの副作用の明らかなととして、少なくとも副作用に悪心があり[129]、そのほか尿閉、頻脈[130]などの副作用があるが、しかしその悪心も含めて副作用は比較的に「少ない」と言われている事だけは癒える。
- ※ 『標準薬理学』は、ミルナシプリンの「副作用」について、なにも「少ない」とは言っていない。標準薬理学は、ミルナシプリンは(副作用ではなく)薬物相互作用が「少ない」と言っている。『はじめの一歩の薬理学』も同様、言い回しは違うが、薬物相互作用を「起こしにくい」と言っている。
- ※ 「副作用」が「少ない」と言ってる医学書は、NEW薬理、パートナー薬理、である。
- ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
NaSSAにはミルタザピンがある。ミルタザピンは、中枢シナプス前アドレナリンα2受容体を遮断する。セロトニンおよびノルアドレナリン伝達を増強する[131][132]。
不安障害
[編集]精神医学では、「うつ病」とは別に「不安障害」という分類がある。
パニック障害が不安障害に含まれるが、パニック障害とは不安や恐怖によって強い動悸や息切れが呼び起こされる病気のことである[133]。べつにパニックになって慌てたりするわけではない。
しかし不安障害の治療薬には、三関係抗うつ薬や、SSRI, SNRI というふうに、うつ病との共通の薬も多い。
- ※ 実際、パートナー薬理学が、うつ病との関連性に言及している。
また、てんかん治療薬や睡眠薬であるベンゾジアゼピン誘導体系が、不安障害にも使われる。
- ※ 『はじめの一歩の薬理学』では、不安障害の薬の多くは、薬効のメカニズムにおいては本質的に睡眠薬との違いは無いという学説を提唱している。NEW薬理学も、少なくともベンゾジアゼピン系については似たようなもんだと婉曲的だが言っている。
ただし、ひとくちに「不安障害」と言っても、強迫性神経性障害やPTSD,パニック障害、各種の心身症など、さまざまな病気があり、厳密には、それぞれ有効な治療薬が異なる[134]。
だが、歴史的には、とりあえずベンゾジアゼピン系薬のジアゼパムを患者に処方する事が比較的に古くから行われ[135]、現代でも引き続き、ベンゾジアゼピン系薬が不安障害の基本的でな治療薬である[136]。
不安障害治療用のベンゾジアゼピン誘導体系としては、持続時間による分類として
- 短時間型(~6時間程度)のエチゾラム、クロチアゼパム、
- 中期時間型(~24時間前後)のアルプラゾラム、ロラゼパム、
- 24~50時間程度のジアゼパム、クロキサゾラム、
- 50時間超のフルトラゼパム、ロフラゼプ酸エチル、
などがある。
不安障害治療薬としてのベンゾジアゼピン系薬の副作用は、睡眠薬で使われるベンゾジアゼピン薬と同様である[137]。
このように睡眠薬との類似点もあるが、しかし睡眠薬で使われるバルビツール酸系薬は、不安障害では めったに使われない[138]。
気分転換薬
[編集]「躁病」および「躁うつ病」を治療する薬のことを「気分転換薬」という。
気分安定薬としては、炭酸リチウムが基本的な薬である。
つまり、躁病や躁うつ病には炭酸リチウムが効く。
歴史的には1949年に炭酸リチウムが躁病に効果のあることがCadeにより報告されているが、しかし機序はいまだに不明である。
1960年代になって、米国で炭酸リチウムが躁病の治療薬として紹介された。
- 炭酸リチウムの作用
躁病による不眠が改善される。その他、落ち着く。副作用として、催眠作用がある。
手指の軽い振戦、口渇、多尿、不整脈などがある。多尿は、腎機能の低下が原因。
投薬の初期では、悪心もみられる。
コレとは別に、リチウム中毒による有害作用があるので、モニタリングで血中薬物濃度に注意する必要あり。
睡眠障害治療薬
[編集]ひとくちに「睡眠障害」といっても、「ねむれなくて困る」という不眠症と、「発作的に眠ってしまう」というナルコレプシーという、まったく症状の対立する病気がある。
もちろん治療薬もそれぞれ異なるので、混同しないように。
睡眠薬
[編集]一般的な睡眠薬
[編集]睡眠薬は、主に、ベンゾジアゼピン系と、バルビツール酸系と、それ以外の3種類に大別される。
このうち、現在、汎用されているのはベンゾジアゼピン系である。
過去にはバルビツール酸系が多く使われていた時代もあったが、麻酔的な副作用が強く、そのため昏睡や呼吸抑制から死に至る危険性があるので、現代ではあまり使われなくなった。
なお、ベンゾジアゼピン系は1967年[139]からあり、(意外と)けっこう古い。 しかしバルビルーツ酸系はもっと古く、1903年に導入されている[140]。
また、バルビツール酸系は、現代では睡眠薬としてではなく、麻酔薬の一種として使われる場合のほうが増えた[141]。
- ベンゾジアゼピン系の副作用など
ベンゾジアゼピン系には、翌日まで効果の持続する「持ち越し効果」(hangover)のあるものもある。
また、足のふらつきや、転倒などを誘発するものもある。高齢者の場合、転倒による骨折などにも注意する必要がある。
薬物を中断すると、不眠や不安などが出ることがあり、これを反跳性不眠という。
依存も見られる。
- 非ベンゾジアセピン薬
非ベンゾジアセピン薬としては、現在では超短時間型催眠薬のゾクピロンとゾルピデムが主流[142]になっている。
非ベンゾジアセピン薬は筋弛緩作用などは少ないとされるが、しかしこれとて、慢性使用や高用量での使用では転倒などは起こりうる[143]。
その他の睡眠薬
[編集]- メラトニン受容体作用薬
メラトニンというホルモンにより、睡眠を含む体内時計[144](生物学的には「概日リズム」[145]という)が制御されている。健常人では、睡眠前の段階でメラトニンが分泌されている。
なので、メラトニンMT1/MT2受容体を刺激する事により、入眠させる薬としてラメルテオンという薬物があり[146]、日本発[147]の薬物である。
GABAA受容体刺激に見られる類の副作用(筋弛緩、前向性健忘、反跳性不眠など)は本薬ラメルテオンでは見られないとされているので[148]、ラメルテオンではGABA受容体は刺激していない[149]と考えられている。
- 抱水クラロール
抱水クラロールは、バルビツール酸以前から用いられていた[150]古い睡眠薬である。 坐薬として投与される。
痙攣重積状態でジアゼパムなどの静脈注射が困難な場合にも、使用される。
体内でトリクロロエタノールになって、睡眠作用をもたらす[151][152]。
- エタノール
ビールやワインや日本酒など[153]、一般のアルコール飲料を含むエタノールにも、催眠作用がある。
- ※ アルコール依存症や、アルコール代謝の生理などは、本wikiでは別の単元で。
- ブレバモリル尿素
催眠作用がある。
- ※ 情報不足のため、本wikiで省略。パートナー薬理学とNEW薬理学に記載あり。
ナルコレプシー治療薬
[編集]- ※ NEW薬理では、ナルコレプシーの記述が無いっぽい。索引では見当たらず。
このほか、覚せい剤のメタンフェタミンがナルコレプシー治療薬として使われる場合がある[156][157]。
- ※ メチルフェニデートの化学構造も(覚醒剤である)アンフェタミンに類似している[158]ので、基本的にナルコレプシー治療薬は覚醒剤との共通性の傾向がある。
これらのほか、モダフィニルというナルコレプシー治療薬がある。モダフィニルには、ヒスタミン遊離作用のあることが分かっている[159][160]。
- ※ 『カッツング薬理学 原書第10版』和訳本の訳注によると、モダフィニルは日本では用いられていない、と記述がある[161]。
ナルコレプシーの研究などと関連して開発された新しい睡眠薬として、オレキシンというホルモン的な物質を受容体から遮断することで睡眠させる薬がある。
- オレキシンの生理学
オレキシンとは、食欲を刺激するホルモン的な物質(オレキシンは「視床下部ペプチド」に分類される)のひとつである[162]。
- ※ 日常的にも、食事をすると眠たくなる経験とも、よく合致する。空腹で目が覚める現象とも(ただし、血糖値などとの関係もあるので一概には言えないが)。
従来からナルコレプシーでは、なんらかの覚醒物質(hypocretin と呼んでいた)が欠乏する事により睡眠状態になる機構が前々から示唆されていたが、近年[163]、hypocretinとオレキシンが同一物質である事が判明した[164]。
- ※ 『標準薬理学』第7版、P333 でオレキシンがどうのこうの言及しているのは、こういう研究の背景があるため。
オレキシンは1998年に同定された[165]。 1998年以降、オレキシン欠損マウスやオレキシン2受容体の欠損動物などではナルコレプシー患者に酷似した症状が表れることが発見された[166]。 また、ナルコレプシー患者の脳脊髄液中ではオレキシン量が減少している事が明らかになっている[167][168]。
そして上述の実験事実および測定事実などから、2015年以降の現在では、オレキシンの消失こそがナルコレプシーの原因だという解釈がきわめて有力説である[169]。
- 薬理学の状況
しかし、オレキシンの機構を利用したナルコレプシーの治療薬はまだ完成しておらず、研究途中である。
- 睡眠薬
すでに完成しているのは、睡眠薬のほうである。
オレキシンの機構を利用した睡眠薬はすでに完成しており、スポレキサントというオレキシン関連方式の新方式の睡眠薬が開発され2014年に上市された[170]。 スポレキサントはオレキシン受容体に結合するので、オレキシンと拮抗するので、分類上はスポレキサントはオレキシン遮断薬・拮抗薬になる[171]。
なお、余談で話題は少し変わるが、一説にはナルコレプシーはもしかしたら自己免疫疾患ではないか?という学説がある。つまり、自己免疫疾患によって、オレキシン分泌細胞が消失してしまっているのだろう、という学説がある[172]。
- ※ 検索用キーワード(コラム内は検索に掛かりづらいため)
オレキシン、スピレキサント、hypocretin
なお、ナルコレプシーは、一生治らない[173]。よって、症状を抑えるためには、一生薬を服用しつづける事になる[174]。
不眠症
[編集]「不眠症」といわれる病気があるが、しかし実際の症状はその名に反して、患者の多くは1日あたり6時間以上は睡眠できている[175]。
このため、好ましくない副作用などを考えると、不眠症の治療薬を投与する価値は低い[176]。
認知症治療薬
[編集]概要
[編集]認知症とは、なんらかの理由で、慢性的な記憶障害になる事である。
ひとくちに「認知症」と言っても、脳血管障害などによって記憶障害になった場合でも「認知症」に分類される。
しかし、高齢者の認知症は、脳血管障害によるものとは異なる。
高齢者の認知症は一般的に「アルツハイマー型認知症」に分類される。
高齢者の認知症では、大脳に「老人斑」というアミロイド核を持つ組織がみられる。
なので、このような高齢者に多い、老人斑などのある認知症のことをアルツハイマー型認知症と呼んでいる。
- ※ もし「老年性認知症」と言ってしまうと、65歳以上などの定義があるので、それ以下の年齢のアルツハイマー認知症のことを表現できない。
老人斑などの組織構造は分かっているものの、しかしアルツハイマー型認知症の病因はまだ解明されていない[177]。
また、治療薬も残念ながら根本治療とはならず、なので対症療法である[178]。
なお、「対症療法」とは、病気の根本原因を取り除かすに、または取り除けずに、症状をやわらげる事を言う[179]。
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
[編集]アルツハイマー型認知症では、脳内コリン作動性神経の変性・脱落が解剖学的にも[180]認められている[181]。
なので、治療薬としては、とりあえずアセチルコリンエステラーゼ阻害薬がある。
- ドネペジン
アルツハイマー治療薬としてのアセチルコリンエステラーゼ阻害薬には、具体的にはドネペジルがある。ドネペジルは、AChE(アセチルコリンエステラー)を可逆的に阻害する。
- ガランタミン
ガランタミンは、AChE阻害作用のほか、ニコチン受容体亢進作用がある。
グルタミン酸受容体阻害薬
[編集]グルタミン酸受容体な異常な興奮がアルツハイマー症状の原因という説もあり、 なのでNMDA受容体阻害薬のアルツハイマー型治療薬もある。
具体的には、メマンチンが、NMDA受容体阻害薬のアルツハイマー型治療薬である。メマンチンは、中程度から重度のアルツハイマー認知症の抑制に有効である。
メマンチンの副作用は、頭痛やめまい、便秘があり、
重篤な作用では痙攣、意識喪失(失神)、幻覚、錯乱、などの有害作用もある[182][183]。
なお、グルタミン酸が興奮伝達物質であることの発見は歴史的には、Takeuchi らによって甲殻類の神経筋接合部の研究で明らかになった[184]。高等動物でも同様にグルタミン酸が神経伝達物質として働いているだろう、という説が有力である。
脳循環・代謝改善薬
[編集]アマンタジンは、パーキンソン病やA型インフルエンザにも用いられる。
アマンタジンが、ドパミン神経賦活作用[185]およびNMDA受容体拮抗作用[186][187]を持つと考えられている[188]が、詳細は明らかではない[189]。
脳血管障害による意欲低下および自発性低下に有効である[190][191]。
なお、歴史的にはアマンタジンはもともとインフルエンザ治療薬として開発されたが、偶然に抗パーキンソン効果が発見され、現在ではむしろパーキンソン病治療薬として使われている[192]。
チアプリドは、ドパミンD2受容体遮断をする、緩和な精神薬である[193][194]。
※ NEW薬理学とパートナー薬理学で、チアプリドの作用など、若干の食い違いがあるので、詳しくは専門書を確認せよ。
アルコール
[編集]エタノール
[編集]エタノールは、アルコール飲料の用途のほか、消毒薬[195]などとしても用いられる。
エタノールの急性中毒、アルコール依存症などが社会的な問題にもなっている[196][197]。
エタノールは経口摂取された場合、胃および小腸で速やかに吸収され、肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに酸化され、続いてアルデヒド脱水素酵素により酢酸になり[198][199]、クエン酸回路に入る[200]。
ADHとALDHには遺伝子多型(アイソザイム)があり、その発現には人種差が知られている[201][202]。
日本人を含む多くのアジア人は、エタノール代謝の機能が欧米人に比べて低下しており、その原因は上述のADHなどの遺伝子の(欧米人とアジア人との)人種差である[203][204]。
そもそエタノールが脳になぜ「酔い」のような作用をもたらすかの機序については、現在、医学で考えられているのは、エタノールが抑制性神経伝達物質を増強する事や、興奮性神経伝達物質を抑制することなどが原因だろうと考えられており[205]、具体的な作用機序としては、
- 急性ではエタノールが、GABAA受容体への作用により、GABAの作用を増強する事、
- 慢性ではエタノールが、グルタミン酸受容体、NMDA受容体に対して作用する事、
などが原因だろうと考えられており、医学書では『カッツング薬理学』や『標準薬理学』などで詳しくは解説されている[206][207]。『カッツング薬理学』の言うには、GABA類似物質がエタノールの酩酊の効果を増強するとの事[208]らしい。
- ※ GABAもグルタミン酸も、抑制性神経伝達物質である。
アルコールの神経中枢への作用は、行動抑制や言語失調などといった中枢神経系への抑制をもたらすので、そういう意味でエタノールは睡眠薬に近いと考えても良い。実際に『カッツング薬理学』ではエタノールを睡眠薬でもあると紹介しているし[209]、『パートナー薬理学』ではエタノールには催眠効果があると紹介されており[210]、『パートナー薬理学』では睡眠薬の節でエタノールも紹介されている。しかし見かけ上は、興奮しているように見える。この見かけの興奮の原因は、人体の抑制性制御機序に対するエタノールによる抑制によるものであり、この現象を「脱抑制」[211][212]という。
また、危険性についても、エタノールの上述のような睡眠薬的な作用のため、エタノールは高濃度・多量の摂取や急性中毒などでは、昏睡や呼吸抑制[213][214]などにより死を招く危険性がある[215][216]。
エタノールの害は、上述のような精神・神経系への害のほかにも、肝硬変を増やすなどの臓器的・器質的な害もある。なお肝硬変により、肝臓の繊維化や、脂肪の蓄積(脂肪肝[217])などが進む。肝臓だけでなく胃や膵臓も、粘膜が障害されるなどして、胃炎などの炎症が起きる場合もある。
アルコールは末梢血管を拡張するので感覚では温かく感じるが、しかし内臓温度や内部温度は低下していくので内部の熱は失われていく[218][219]。このため、寒冷地ではアルコールによる酩酊は特に危険である。また、上述の理由により、寒期に体を温めようとしてアルコールの飲む風習は、間違っている[220]。
アルコールにより利尿作用がある。
そのほか、アルコール依存症の患者などには、ビタミンB1不足が目立つ場合があるが[221][222]、しかしこの原因は一説には、食事の栄養バランスの不適切さによるものだという説もある[223]。機序はともかく、上述のアルコール依存症患者にはコルサコフ症候群やウェルニッケ病が起こる事もある[224]。
アルコール系消毒薬
[編集]アルコール系の消毒薬には、
- 76.9~81.4%エタノールによるものと(消毒用エタノール)、
- 40~63.5%メタノール変性アルコール・10.5~23%イソプロパノール配合(消毒用アルコール)、
など幾つかの種類がある[225]。
メタノール
[編集]メタノール(メチルアルコール、木精アルコール[226])には、治療的用途は無い。人体に有害である。誤飲による中毒がある。
メタノールを誤飲した場合の治療法として、エタノールを投与して、メタノールの代謝を遅らせる方法がある[227][228]。
メタノールを誤飲した場合の化学反応の経路は、肝臓でADHにより酸化されホルムアルデヒドになり、つづいてALDHによりギ酸になる。
ホルムアルデヒドやギ酸により、神経組織が障害され、特に網膜の細胞が障害される[229]、このため失明に至る[230]。
アルコール依存症治療薬
[編集]アルコール依存症の治療薬として、ジスルフィラムやシアナミドが用いられることがある。
これらの薬は、ALDHなど(アルデヒド脱水素酵素など)を抑制する事で血中アルコール濃度を増大させることにより、アセトアルデヒドによる不快な症状を増大させることで、酒量を抑制させようとするものである。アルコールそのものへの欲求を無くすわけではない[231]。
麦角アルカロイド
[編集]- ※ LSDは、臨床では原則的に使われない。
リゼルギン酸ジエチルアミド(LSD)には、幻覚作用がある。麦角アルカロイドのひとつ[232]である[233]。
なお、麦角アルカロイドには、LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)のほかにも、エルゴノビンやエルゴタミンなど様々な成分が含まれている。
エルゴタミンは従来、偏頭痛の治療薬として利用されていたが[234][235]、現在ではトリプタン系に置き換わっている[236][237]。日本でもエルゴタミンは合法的に臨床で使用可能である[238]。なお、エルゴタミンは末梢血管を収縮させる[239]。エルゴタミンには子宮収縮作用があるので、妊婦には禁忌である[240]。エルゴタミンによる頭痛の治療の作用も、脳血流を減少させる事に由来する[241]のだろう、と考えられている。実はエルゴタミンが妊婦偏頭痛の治療で危険だという証拠は得られていない[242]、と『カッツング薬理学』は述べている。だが多くの臨床医は、安全重視のために念のため、エルゴタミンの妊婦への投与は控えている。
エルゴタミンはセロトニン受容体のほかにも、アドレナリンα受容体に作用する[243][244]。
このように、けっして麦角アルカロイドのすべてがLSDではないので、混同しないように。
さて、麦角アルカロイドの「麦角」という名前からも分かるように、食品汚染事件で実際に麦類に発生したカビなどにより麦角アルカロイドが発生した事件があり、1951年にフランスの田舎町(ポン・サン・エスプリ)という街では、麦角に汚染した小麦粉などで作られたパンなどが出回って、町中で幻覚患者や けいれん患者、虚血などの大量に発生する事件が起きてしまったという事件もある[245]。
- ※ なので、一説には、もしかしたら記録に残っていないだけで、古代から似たような麦角汚染の事件がたびたび各地で発生していたのだろう、と考えられており、『カッツング薬理学』でもそうい説が紹介されている[246]。また、或る地域で多くの人々が「悪魔を見た」だの何だのの超常現象を見たという言い伝えも、もしかしたら麦角で地域住民ごと皆で幻覚を見たのでは、というような説もある。医学書を持ち出すまでもなく、このフランスの事件は割と有名で、たとえば日本でも1990年代後半ごろのテレビの科学番組『特命リサーチ200X』で普通にお茶の間で紹介されたような有名な事件である。
LSDによる幻覚の発生機序は不明である。LSDは平滑筋のセロトニン受容体を遮断することが分かっているので[247][248]ので、セロトニン神経系を介した作用などの仮説が提唱されているが[249]、定かではない[250]。
なお、麦角アルカロイドは大別して、アミノ酸型(「ペプチド型」ともいう)とアミン型がある。
違法薬物、幻覚薬など
[編集]麦角アルカロイド
[編集]※ LSDについては、すでに別の節で述べた。
その他の幻覚薬など
[編集]シロシビンという、天然ではメキシコ産のキノコの一種に由来する薬物は、セロトニン類似の構造で、幻覚を起こすと考えられており[251]、麻薬に指定されている[252]。
フェンシクリジンという薬物は、当初は静脈麻酔薬として開発されたが[253]、幻覚作用の強いことが判明し、開発中止になった[254][255]。麻薬に指定されている[256]。
なお、フェンシクリジンは麻酔薬ケタミンと同様、NMDA受容体拮抗薬である[257][258]。
その他、違法薬物や乱用薬物など
[編集]大麻は、大麻取締法などで法規制を受けている。
- ※ 大麻、カンナビノイドについては、麻酔の単元で述べたので、説明を省略。なお日本では未承認。
※ モルヒネ、オピオイドでは麻酔の単元で述べた。日本でもオピオイド系麻酔薬は承認ずみ。(昔から使われている)
- ※ その他、ニコチン、有機溶剤、アルコールなどに薬物依存があると『標準薬理学』P354~P355 および『NEW薬理学』、P378 前後で述べられている。本wikiでは、すでに中学高校の保健体育などで開設したので、説明を省略する。
妊婦には喫煙は厳禁である。禁煙補助薬にもニコチンを含むものがあり、そのような場合の禁煙補助薬なら一般的にその禁煙補助薬もニコチン同様に妊婦には禁忌[259]。
「シンナー」とは本来、塗料のうすめ液のこと[260]。
トルエンやキシレンなど芳香族炭化水素や、ノルマルヘキサンなどの脂肪族炭化水素が、有機溶媒としては比較的に有名である。
なお、化学的にはアルコール類も、有機溶媒になる[261]。このほか、酢酸エステル、メチルエチルケトンなど有機溶媒である。
脚注
[編集]- ^ 『はじめの一歩の薬理学』、P90
- ^ 『パートナー薬理学』、P124
- ^ 『はじめの一歩の薬理学』、P90
- ^ 『NEW薬理学』、P332
- ^ 『シンプル薬理学』、P113 ~ P114
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- ^ 『パートナー薬理学』、P127、※「考えられている」の参考文献
- ^ 『NEW薬理学』、P334 、※「考えられている」の参考文献
- ^ Bertram G.Katzung 著、柳沢輝行ほか訳『カッツング薬理学 原書第10版』、丸善株式会社、平成21年3月25日 発行、P417
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