薬理学/輸液

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予備知識[編集]

※ 医学書を見ても、「輸液」の定義が書いてない。本wikiでは、それだと不親切と考え、輸液の定義を述べる。ただし、おおまかな定義なので、詳しくは医学系の辞典などで確認のこと。

体内のNaやCaなどのイオンが不足すれば、一般に血液中の同じイオンも不足する。

そもそもイオンを補給する方法として経口で摂取する方法もあるが(実際、低ナトリウム血症の治療法はNaCL摂取である[1])、それとは別に生理食塩水やリンゲル液などの点滴[2]をする方法もある。

このように、(血液の輸血ではなく)イオンや栄養などを点滴などで摂取させる方法のことを輸液という。

「輸血」については、「輸液」とは単元を分けるか(実際、『はじめの一歩の薬理学』P28がそう)、そもそも薬理学の教科書では輸血に触れない場合も多い。

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  • 輸液の参考文献

標準薬理学やNEW薬理学は、あまり輸液に詳しくない。

『シンプル薬理学』、『パートナー薬理学』の2冊が比較的に詳しい。『標準薬理学』と『はじめの一歩の薬理学』にもあるが、『パートナー薬理学』ほどは詳しくない。

なお、熱中症や脱水症状などの治療法も電解質輸液などがあるので[3]、詳しくは急患マニュアルや熱中症対策などのマニュアル文献類を参照のこと。


概要[編集]

輸液で観察対象になる体液は普通、血液である。

※ パートナー薬理学では、血液の単元で輸液を紹介している。他の文献は、この話題に触れていない。

電解質を輸液することを電解質輸液という。

電解質輸液は、複合電解質輸液単一電解質輸液に大別される。複合電解質輸液は、さらに等張電解質輸液低張電解質輸液に分類される。


糖分やアミノ酸などの栄養を輸液することを栄養輸液という。

複合電解質輸液[編集]

等張電解質液[編集]

等張電解質液の輸液剤としては、生理食塩液、リンゲル液、乳酸リンゲル液(ハルトマン液)、などがある。

生理食塩水とは、ほぼ細胞外液の浸透圧に等しい 0.9% NaCl 液であり、厳密には、NaCl以外の電解質を含有していないものをいう[4]

厳密な意味での生理食塩水に、KCl と CaCl2 を加えたものをリンゲル液という。リンゲル液のほうが、より細胞外液の組成に近い。


低張電解質輸液[編集]

開始液(1号液)、脱水補給液(2号液)、維持液(3号液)、術後回復液(4号液)、の4種類がある。


開始液[編集]

Na+濃度とCl-濃度が生理食塩水の1/4〜1/2である。Kを含まない。

病態が不明なときで、とりあえず水分や電解質を補給する際に、開始液を使う。


脱水補給液[編集]

脱水補給液は、開始液とほぼ同量の Na+とCl- を含むが、さらにK+と乳酸塩[5]を含む。


高カリウム血症に注意する。


維持液[編集]
※ 未記述.


術後回復液[編集]

術後回復液は、1〜4号液のなかで、電解質濃度は、もっとも低い。

術後に、腎機能が低下している際などに用いられる。水欠乏型の高張性脱水にも用いる。

カリウムは含まないか、カリウムを含んでいても少量である。


単一電解質液[編集]

単一電解質液は、たとえば低ナトリウム血症の治療にはナトリウム剤を投与、低マグネシウム血症にはマグネシウム剤を投与、のように、おのおのの電解質不足を補給するために輸液する[6][7]

しかし、複合電解質輸液をしても構わない患者には、普通は、(単一電解質ではなく)複合電解質輸液で輸液する[8]


Na,K.Mg,Ca,などの電解質補正液がある。

pH補正液がある。


栄養輸液[編集]

手術などが原因で経腸的に摂取できない患者には、栄養輸液が必要である[9]

栄養輸液には、主に、糖質輸液、アミノ酸輸液、脂質輸液がある。

なお、あるイオンが高すぎる場合は、輸液ではなく、たとえばCaイオンが高いなら利尿剤で排泄させるなど、(イオンが高い場合には、輸液ではなく、)別の処置が必要である。


※ 調査中

脂質輸液の主成分は大豆(ダイズ)油。

高カロリー輸液は、「IVH」とも言われ、・・・(※ 調査中.)


血漿増量剤[編集]

デキストラン製剤と、ヒドロキシエチルデンプン製剤があり、出血性ショック、手術時の輸血の節減、などの目的で使う。

※ 体外循環のなんとかかんとかにも用いられるとパートナー薬理学などに書いてあるが、本wiki著者の理解が追いついてないので、読者はパートナー薬理やさらなる専門書で詳細を確認して。

熱傷の治療にも用いられる。


脚注[編集]

  1. ^ 『標準薬理学』、P312
  2. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、P28
  3. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、P28
  4. ^ 『シンプル薬理学』、P296
  5. ^ 『パートナー薬理学』、P289
  6. ^ 『パートナー薬理学』、P289
  7. ^ 『シンプル薬理学』、P297
  8. ^ 『シンプル薬理学』、P297
  9. ^ 『はじめの一歩の薬理学』、P28