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軍事入門/世界の情勢

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

本章では地理学地政学の内容に触れ、以後の学習の導入とする。

世界の地理[編集]

世界地図を丹念に読むことは世界を理解する上で大いに役立つ

戦争は人間の営みであり、ゆえに戦争は人間の活動する場所で起こる。現代の主要な人間の活動は地球の地表上で行われている。地球は赤道面の直径が1万2千キロメートルの球体であり、太陽系の惑星の一つである。その地表にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸などから成る陸地、北太平洋、南太平洋、インド洋、北大西洋、南大西洋、北極海、南極海などから成る海洋に大別され、その陸海の比率は陸地が三割、海洋が七割である。

世界地理の地政学環境[編集]

地政学の研究によると、ユーラシア大陸は特に地球上の覇権を握る上で重要な大陸だと考えられてきた。さらに北アメリカ大陸を含む場合もある。これらの大陸は特に広大な陸地を保有しており、その中枢部はハートランドと呼ばれる。またカムチャツカ半島から始まり、日本や朝鮮半島、台湾や中国沿岸部、マレー半島やインド半島、アラビア半島、地中海沿岸部、英国に延びるユーラシア大陸の沿岸地帯はリムランドと呼ばれ、ハートランドの支配権にとって重大な地帯であり、そのために武力衝突が発生しやすい地帯と考えられる。

大陸国家と海洋国家[編集]

また世界の二大勢力は結果的には陸地の力、ランドパワーを誇る大陸国家と海洋の力、シーパワーを誇る海洋国家に分かれる。大陸国家は大陸の中枢を支配して農業や牧畜、内陸貿易などで栄え、海洋国家は沿岸と海洋を支配して漁業や貿易などで栄える。この両者は世界覇権を巡ってリムランドにおいて衝突することになる。これは20世紀の米ソの冷戦体制で明確に表れている。それはユーラシア大陸の北端を領有し、東欧や中東の一部、中央アジア、東アジアに影響力を発揮する大陸国家のソヴィエト連邦、そして北アメリカ大陸を領有して西欧、中東の一部、南アジア、東南アジアの一部、東アジアの一部と、世界の海洋に海軍力を展開して影響力を発揮する海洋国家のアメリカ合衆国という対立の構図がある。これは上記した地政学のランドパワーとシーパワーの対立の構図と合致している。ただし冷戦後には勢力が多極化する傾向が見られ、新たなモデルが模索されている。

演習問題[編集]

  1. この世界の基本的な地表面の構成について説明し、主要な大国がどの地域を領有しているのか示せ。
  2. 地政学の研究から示されている世界覇権を掌握するために重要な地域がどこなのかを示し、どの国が含まれているのかを述べよ。