近江弁/接続助詞
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ここでは近江弁で使われる接続助詞について解説します。ほとんどは近隣地域の方言と共通します。
さかい(に)
[編集]動詞や形容詞、断定「や」の後ろに付けて、原因や理由を表します。文の最初に使う時は「そや」または「ほや」を頭に付けます。大阪などでは「高齢者しか使わないコテコテすぎる関西弁」という印象がありますが、滋賀県内(都市部を除く)では中年世代ぐらいでもまだまだ盛んに使われています。地域によっては「さけ(に)」とも言います。また湖北などの年配層では「はかい(に)」「はけ(に)」のように「さ」を「は」に変えて言うことがあります。
- 今日は昼から雨やさかい、傘持っていきや。 LHL HHHH LHLLLL, LH LLHHH
- 今日は昼から雨だから、傘を持っていきなさいね。
で
[編集]動詞や形容詞、断定「や」の後ろに付けて、原因や理由を表します。文の最初に使う時は「そや」または「ほや」を頭に付けます。福井県や東海地方などと共通する表現で、それらの県と隣接した湖北・湖東・甲賀で特によく使われます。なお、東海地方では「で」とともに「もんで」もよく使われますが、滋賀県内では「もんで」はほとんど使われません。
- 今日は昼から雨やで、傘持っていきや。 LHL HHHH LHLL, LH LLHHH
し
[編集]動詞や形容詞、断定「や」の後ろに付けて、原因や理由を表します。文の最初に使う時は「そや」または「ほや」を頭に付けます。京都弁から取り入れたと思われる表現で、共通語にも似たような用法があるため、田舎臭さの薄い表現として、湖南を中心に比較的若い世代でよく使われます。
- 今日は昼から雨やし、傘持っていきや。 LHL HHHH LHLL, LH LLHHH
けど
[編集]動詞や形容詞、断定「や」の後ろに付けて、逆接を表します。文の最初に使う時は「そや」または「ほや」を頭に付けることが多いですが、付けずに言うこともできます。都市部以外では「けんど」という言い方もよく使われます。
- もう外暗いけど、一人でどもないか? HH LL HLLLL, LHLL HLLLH
- もう外は暗いけど、一人で大丈夫かい?